※この作品はR-18です。

消し炭の男   作:Christmas

4 / 78
自己そして目標

火を扱う力を得て以降、

両親に教えられた。

僕が出す火は魔力を変換したものだということ

爺さんの村では大変名誉なこと

両親共に魔力を使う仕事についていること

友達には内緒ということ

内緒にしないとショッカーに捕まるということ

 

これを聞いて幼いながらに思った。

自分は特別な存在だ。

だから魔力のことを隠ぺいする必要があると。

そして幼子への忠告だとしてもショッカーは現実味にかけるのではないかと。

 

 

そしてこの日から簡単な訓練や座学が始まった。

 

 

ー爺さんの家

 

結局のところ両親にいろいろ教えられても覚える気はなかった。

自分にとってはここで教わることのほうが魅力的で

なにより両親の教えは僕を特定の役割をさせようとしているようで気味が悪かった。

結果として今の僕はソフト家出をしているのだった。

 

そんな僕には気になる場所があった。

皆が信仰している村の中央の石像だ。

経緯や意味も分からない石像

ただ、なぜか近くにいるだけで安心するような不思議な石像だった。

 

そんな石像の意思を感じることができた。

このとき理解した。そういう存在を祀っていることを

そして石像から力を分け与えられたことを。

石像は不思議な力を持つ

それだけではなく、村の人間に力を分け与えてくれる存在

村の中央に置かれているのはそういうことだった。

 

答え合わせだ。

夕飯時、爺さんに今日あったこと、石像の役割を話した。

いつも教えたり与えたりしてくれるだけだった爺さんと

教えられて受け取るだけの僕。

話すことで爺さんの立場に近づけるような、

自分が成長しているような気がしてとてもうれしかった。

 

爺さんの答えは愕然とした顔だった。

そうしていきなり頭を撫でられて教えられた。

本来石像が人間に力を与えることはないそうだ。

よほど火を愛し、愛されていなければ起こりえない

つまり僕は特別

そう教えられた。

 

それからの僕の成長は速かった。

自身の壁をひとつ壊した。そんな感覚がある。

魔力の通りが良くなったし、何より火の性質が変わった。

固有技能

と呼ばれるそうだ。

 

村での扱いも変わった。

いままで村の知り合いなんて爺さんしか知らなかった。

今は皆の顔を覚えている。

何か行事があるたびに呼ばれているからだ。

 

いままで着ていた肌触りの良いシャツよりも、

村のおばさんからもらったごわごわしたシャツの方を多く持つようになった。

それに普段着が肌触りのいいシャツから民族チックな模様のスカーフをあしらったものになった。

村の一員として迎えられていて、なにより爺さんに近づけていることが嬉しかった。

 

 

村のためにできることを自ら探そう。

そうして村の皆に僕のことをもっと認めてもらう。

つまるところ爺さんのようになりたい

この日をきっかけにして僕はそう、自分の未来について考えるようになった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。