※この作品はR-18です。

消し炭の男   作:Christmas

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流転する -1-

今日も僕は村だ

村にいるなぜならソフト家出を決行しているからだ。

しかしそれも長続きはしない。

 

両親がやって来るらしい。

直接行使する気だ。僕を連れて帰るのだろう。

もしも直接交渉を実行されれば交渉の余地なく連行される。

当たり前だあいては両親だし現職の魔法使いだ。

かないっこない。せいぜい惨めにわめくだけだ。

そうなれば爺さんもいい迷惑だろう。

 

爺さん、、、

もしも爺さんを交渉で使われた場合には

僕の味方がいないことになる

そう思った。僕の行動は早かった。

 

「爺さんと一緒にいたい」

 

完全にコントロール下に置いた爺さんと山へ逃げた。

 

「ふざけてないで帰るぞー」

「何!?」

 

爺さんだ。

僕の両親は魔法使いで、魔法使いは空を飛べるらしい。

老人と子供の抵抗に対して航空魔導士のパパはあまりにも無慈悲だった。

こうして鬼ごっこは火が高いうちに終了した。

 

幸せは長く続かない。

終わるときはいささか理不尽であっけない幕切れだ

初めて得た教訓だった。

 

 

ー爺さんの家

 

「長旅で疲れただろう。今日は泊っていきなさい。」

爺さんはまだ僕の制御下にあった。

この中で肩身が狭いのはパパだけである。

無情にも多数決によりソフト家出最後の夜を今日にすることができるだろう。

嫁さんの実家では肩身が狭い。

結婚のつらさをなんとなく知った。

 

肩身が狭い理由はもう一つある。

僕を連れて帰る勢力の先鋒だからだ。

僕が村でかわいがられるほど、村の一員として見てくれる人が増えるほど

嫌がる僕を村から連れ出すパパは

悪

でしかなかった。

悪の航空魔導士である。

 

「いえ、これ以上ご迷惑をおかけするのは悪いですよ」

余りにも惨めな姿に

僕は勝利の味を覚えることができたのだった。

 

 

 

 

万物は流転する

状況は一夜にして一変するのだ。

 

 

 

突然の訪問だった。

胸に金属の飾りをたくさんつけたカーキの服を着た恰幅のいい男性が

同じくカーキ色の服装の武装した兵士を連れて訪ねて来たのだ。

彼の言い分はこうだった。

 

「精霊を保護する。投降するように呼びかけをしろ。」

 

既に石像を運び出す準備を進めているようだった。

村のそばには特撮で見るような流線型の飛行船が待機している。

そこから村の中央に向かってカーキの人間がわいてくる。

 

せめてもの抵抗に村人皆と一緒に石像の前で抗議する。

村も国も人間の集まりで方針を決定する。

こちらの意見を曲げない限り、一旦出直すかもしれない。

混乱した状況で確認がとれぬままな状況では、もうこれにかけるしかなかった。

 

「事前連絡もないとはいったいどういうことですか?」

「なんの理由があって何代も村に祀られた石像を今更」

パパの疑問はもっともで僕たちの疑問を代弁した。

武装までされる心当たりもないのだ。

 

「村人を集めさせろ!」

偉そうなカーキ色の男性が指示を出す。

 

嫌な予感がする。

こちらの意見や質問をまるで意に介さない。

本当に人間か?

 

「!あれは」

 

パパとママの視線の先にはどこから現れたのか

白い服の恰幅の良い男性が偉そうなカーキと話をしている。

 

と、突然僕らの横にいたカーキたちが正面へ移動した。

 

「やれ」

 

カーキたちはためらいもなく腰だめに構えた銃の引き金を引いた。

おばさんが力を失い倒れた

面倒見のよかったお兄さんも

お姉さんも

皆力を失ったように目を開いたまま倒れ痙攣しながら、地面を地で汚した。

最後まで立っていたのは爺さんだった。

カーキを睨みつけながら僕の盾になるようにして

 

カーキは再び引き金を引いた

 

ついには爺さんは喀血して倒れてしまった。

理解できなかった。

理由もなくこんなひどいことを

なによりも僕の大切な人たちにひどいことをする人間が許せなかった。

 

「、、、管理外世界への干渉。あなたの独断ですか!アンデル提督」

「換装しろ。あの2人を始末しろ!」

白服もプロテクションで対応した両親の問いかけにも応じない

 

偉そうな白服がカーキ達へ指示を出した。

 

「!やめろぉーーー」

 

地面の赤はより一層その範囲を広げた。

 

 

「許さない」

爺さん達の怒り、くやしさ

お前たちも味わえ

 

「、、、お前たちもひどい目に合わせてやる」

両手に燃焼の力を圧縮して前方へ爆散させた。

怒りのせいか熱量を制御できない。

あたりに轟音が響き、

前列のカーキ達は人型の炭になった。

兵士たちのどよめきの中焼けた弾薬の暴発する音が響く

 

「次はお前だ。」

偉そうな2人

僕の日常を破壊した

指示をしていたこいつら黒幕は恐怖にまみれて死ね

 

もう一度両手に燃焼を集め

四散した

 

「力の使い過ぎだな。キメラ研究の材料にする。殺すなよ」

 

 

薄れゆく意識の中で

バインドで拘束された俺が最後に見たのは

飛行船から吊りさげられた村の石像の姿だった。

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