『総士、大体読めてきたぜ。』
朝、ジャックは総士へと通信を繋いだ。
『武器の出所か?それとも…レリックのことか?』
総士はジャックも知らない情報をちらつかせる。
『…なんでレリックが出てくるんだよ?』
レリックとは高濃度の魔力結晶の類ではなかったか
『もう一度会った方がいいな。今どこだ?』
『あ、ああ。…あー、えっと、ダウンタウンの外れのセーフハウスでよ』
歯切れの悪いジャック
『あの辺りか?ここから直接むk』
『いやいやいや!いいから、スラムにある酒場に来てくれ。店主に俺の名前出せばいいから!じゃあな!』
ジャックの周りには長い赤髪が乱れる。
『!あ、おい』
言うや否やジャックは通信を切る。
「彼女?」
ナナリーが布団から顔を出した。
「いいや。あいつは友達」
「ふーん。」
ナナリーはジャックを見つめる。
「なんだよ?」
「私はジャックの、彼女、になるのかな?」
ナナリーがはにかみながら尋ねる。
「え、ああ、うーん」
どう言ったものかとジャックは悩む。
ースラム街
ジャックはロアンがいた酒場へ向かう。
彼の右側にはナナリーが身を寄せた。
流石に突っ込めない。嬉しそうにするナナリーに向かって彼女かよ。とは言えなかった。
『?…ジャック!その女は誰だ?』
『その、訳ありでよ』
「よお総士。とっとと入ろうぜ」
自然な動作で背を向けるジャックに総士は
「ここ誰もいないんだけど」
3人は羽根扉をくぐる。
「これが俺のー、あー、なんだ、んんっ。あれだ。日記だ日記。」
総士はそう言ってジャックにモニターを見せる。
そこには作戦内容や留意事項が並ぶ。ジャックが喉から手が出るほど欲しいものだ。
ジャックから悪い影響を受け始める総士は情報を横流した。
「レジスタンスがレリックで自爆する、ねえ?はっ!あんな奴らがレリックなんか使うかよ。」
ジャックは記述の一部を笑う。
「あいつだったらぶつくさ言いながら売るだろうよ。」
ジャックは頭の中でロアンの予想したシナリオにレリックをねじ込んだ。
「それならデマってことか?だがどっちが流したんだ…?レジスタンスのパフォーマンスか?」
「総士。」
ジャックは伝えるか迷った。
「俺が聞いた話、教えるぜ?」
彼は友人を信じて仮説を伝えた。
内乱を煽り、介入。
そしてロストロギアを理由に魔導砲を放つ。
誰のものでもなくなった資源を獲得するシナリオを伝えた。
「なるほど。皆納得丸儲けか…」
「ああ。とりあえず今日から避難させる。市民の避難が今回の仕事ってことだ。」
「ところで魔導砲ってやつは持ってきてんのか?」
ジャックは訝しげに尋ねる。
「あるだろうな。ロストロギア対策に。」
「「…」」
ロアンのシナリオに足りない要素が加わる。
最悪の未来しか考えられない状況に言葉が出ない。
余程のマゾヒストか正義漢でなければ受けたくない仕事だ。
総士は尋ねずにはいられない。
「なあジャック。お前、この件いくらで受けたんだ?」
「…」
ジャックは総士から目を逸らす。
「それに、さっきら!その女は何なんだよ?」
総士は疑わし気な目つきで問い詰める。
お揃いの民族衣装に陸士っぽいジャケット。
チラチラジャックを見る赤髪の女、さも彼女っぽい。
「名前は、ナナリーって言うんだ。うん。それで、」
ジャックはどう言ったものかと迷うと
「かのじょ」
「「…」」
総士とナナリーの視線がぶつかる
「おい!ジャック!!」
総士が怒り、声を荒げる。
「!ジャックは女の子が好きなの!」
ナナリーはジャックを庇うように立ちはだかる。
「違う!!」
総士は声を上げる。
「!やっぱり」
ナナリーは泣きそうな顔でジャックを睨む。
「「違う!そうじゃない。」」
総士とジャックは否定する。
「?総士は彼氏でジャックが彼女ってこと?」
「ああ?んー、、」
ジャックは尚も言葉を選ぶ
「お前!はやてにはどう説明するつもりだ?お前は戦争でもするつもりか」
はっきりしないジャックに苛立つ総士。
「はやて?」
「こいつの彼女だ!!」
ジャックを指さし、怒鳴るようにナナリーに伝える。
「!嘘つき!!」
ナナリーは走って酒場から出ていく。
「あ、おい!」
「待て」
総士はジャックの胸ぐらを掴む。
「お前、そういうのいい加減直せ。」
総士は本気で睨む。
優しい彼は人を不幸にする行為を見過ごせない。
「悪い。」
ジャックは謝るしかない。
「…ふう。はやてには、言わないでおいてやる。…バレる前に精算しておけよ。」
「総士…!」
確かな友情を感じた。
「嫌!!離しt」
喧騒に紛れてナナリーの叫び声がする。
「!ナナリー!!!」
ナナリーは白昼堂々民兵に捕まる。
「おい!さっさと運ぶぞ」
ナナリーの足を持った民兵が怒鳴り声を上げる。
そう言うや否や彼らはピックアップトラックで路地へと消える。
「まずい。露天に潜るつもりだ!空から見つけらない!!」
総士は焦り伝える。
「お前はレリック探し!俺は公安への避難指示とナナリー探し!!」
「!わかった。」
返事を聞かずにジャックは飛び出た