※この作品はR-18です。

消し炭の男   作:Christmas

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17th Nightmare -5-

ー露店街

 

「なあ、赤いトラックが通らなかったか?」

 

ジャックは焦って聞いて回る。

 

「なあ、この辺りで赤いピックアップトラックを見なかったか?」

 

皆、首を傾げた。

 

赤いピックアップトラックは現地の人気車種だ。

 

荷運びにもレジャーにも使える。

 

今もジャックの目の前で停止したのはコンテナを積んだ赤のピックアップトラック

 

 

ジャックはベテラン風の露天商に金を握らせた。

 

「あそこの倉庫で聞いてみろ。盗品でも良ければ格安だよ。」

 

 

ー現地公安事務所

 

「おい、責任者を出せ!!今すぐ通してくれ」

 

ジャックは鼻息荒く受付を怒鳴りつける。

 

「ご用件をお願い致します。」

 

受付の男性は冷静に返す

 

「大声では言えないが緊急なんだ!」

 

「その内容は?」

 

職員は譲らない。

 

商業の盛んな土地柄か、ここの住人は無条件に譲る文化が無い

焦るジャックを嘲笑うように対応する職員

 

「ご用件は?」

 

 

「一体なんの騒ぎだ?」

 

騒ぎを見かねて恰幅のいい髭の男性が男性職員に話しかける。

 

「責任者に話があるそうです。」

 

「その用件は?」

 

2人がジャックを見る。

 

「だから!管理局が街を爆破するっつってんだろ!!!」

 

激昂したジャックはつい怒鳴る。

 

2人の職員は、

 

「「管理局だとッッッ!!!」」

 

目を剥き、ジャックに詰め寄った。

 

「あいつらまた来たのか!!」

 

「いつ聞いた!!!」

 

「おいお前名前は!!!」

 

「どっから来た!!!」

 

「署長、自分はもう我慢できません!!!」

 

「今度は街を消すのか!!!」

 

「外道がッッ!!!」

 

管理局の名前を出すと周りの人間が一斉にジャックに詰め寄る。

 

「お、おい。待て、俺も昨日ロアンに聞いたばっかりで、」

 

「確かか!ロアンの奴に会ったのか!」

 

「ロアンは今どこだ!」

 

「お前はどっから来た」

 

「証拠を出せ!」

 

むさ苦しい男たちに詰め寄られてジャックは焦る。

胸ぐらを掴む腕を払って伝える。

 

「俺はロアンにアールムの民の避難を依頼されて来た。そんで、仕事仲間に魔導砲が持ち出されたことを教えられた。レリック消滅を口実に街を消すって」

 

「!なんだと」

 

「腐ってやがる」

 

「緊急だ。退職者も出そう」

 

「転送課の連中を病院へ送れ」

 

「受け入れ先の交渉急げ」

 

「そうだ!権利をペーパーカンパニーへ売却させましょう!!」

 

ジャックを無視して話は進む

 

「レジスタンス連中はどう動く?」

 

「おい、ロアン。レジスタンス連中は??」

 

面倒になったジャックは通信を開いた。

 

『今全体への連絡が終わった。これから一気に広まr』

 

「!ロアン!!」

 

髭の男がモニター怒鳴る

 

正面にいるジャックの顔に唾が飛ぶ。

 

『ひっ』

 

「貴様らはスラム街の連中を動かせ!!いいなっっ!!!」

 

『そ、それ以外何があるって言うんだよ、』

 

残った男達は勝手にロアンの通信端末のアドレスを記録して配布を始める。

 

「ロアン!俺も聞きてえ事がある。赤いピックアップトラックで女を誘拐する連中を知らねえか?」

 

「ああ、例のチンピラ連中か」

 

「!知ってるのか。あいつらどこに居やがる!」

 

ジャックは髭の男に掴みかかる。

 

『チンピラどもの雇い主は魔導素材加工場だ。間違いない。連中羽振りが良すぎる。』

 

今度はロアンに迫るジャック

 

「そいつはどこにある!!!」

 

「東のハイウェイの先の渓谷だ。まだ間に合うかもしれん。」

 

「東、ポートの向こうか!!」

 

『ああ。外部ポートを超えた先のハイウェイだ。』

 

「っナナリー!!」

 

ジャックは言い残すと施設を飛び出した。

 

 

ーガソリンスタンド

 

公安そばのガソリンスタンドでは職員が慌ただしく動いている

給油所から離れた場所には車があるであろう倉庫

その脇には乾いた土地に無造作に廃車や部品が放置されている。

 

「すまねえ!単車が欲しい!言い値で払う」

 

職員たちに大声で話しかけるジャック

 

「最後の商売だ!高えぞ坊主!!」

 

これで店仕舞と言いたげの職員

彼はジャックに詰め寄って大声で宣言する。

 

「構わねえ!時間が無い。すぐに送金する」

 

ジャックは目の前で端末を操作して口座を見せる。

 

「ん?お前…」

 

驚く男

 

「来い」

 

「お、おい」

 

「急いでんだろ?」

 

足早に倉庫に向かう男をジャックは追った

 

男がシャッターを上げる。

 

 

「こいつを持ってきな。俺達からのほんの礼だ。」

 

男が出すのはミリタリーライクな大型の三輪自動車

サイドカーがついている。

 

「こいつは初期のデバイス制御が搭載されてる。坊主のタッパでも乗れるのはこれだけだ」

 

「助かる。いくらだ?」

 

ジャックは跨り尋ねる。

 

男はニヤリと笑う。

 

「ロアンにつけといてやる。油注いだらさっさと行きな。」

 

そう告げて男は背を向ける。

 

 

 

 

ー東部ハイウェイ

 

ジャックは大型バイクのドライバのインストールに手間取りながらもどうにか乗り出す。

 

「マニュアル操作の方が絶対楽じゃねえかよ。」

 

文句を言いながらも右へ左へ、時には対向車線にはみ出て先を急ぐ

 

『ジャック!』

 

総士が通信を繋ぐ。

 

「用件は!!!」

 

怒鳴るジャックは誰かの口癖が移る。

 

『レリックが見つからない。直近の貨物を調べさせても出てこないんだ!!』

 

レリックを探し出さなければ魔導砲が発射される。

時間が無いため焦る2人

 

「どうやって調べた!!!」

 

空気を切り裂く音に負けじとジャックは叫ぶ。

 

『卸し業者に聞いて回らせた!!』

 

となると、後ろ暗い貨物はノーマークかもしれない

直感でそう思ったジャックは尋ねる

 

「!武器だ。武器の木箱!梱包材の中は調べたか!!!」

 

路地裏で2人で見た木箱には偽装のためのごみが緩衝材代わりに詰められていた。

別の商品に偽装して仕入れたであろう貨物はなかったことにしたいはずだった。

 

『!すぐに探させる。ナナリーは!!』

 

「今向かってる!!!」

 

『…はやてを泣かせるなよ?』

 

何を危惧してか総士は呟く

 

「当たり前だ!!!」

 

怒鳴るジャックは通信を切り、スロットルを開ける。

 

「当たり前なんだよ…」

 

顔を顰めて呟くジャック

 

彼の背中はハイウェイの彼方へと吸い込まれていった。

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