例えどんなに世界が暗くても消し炭達は光を放つ
ある者が消し炭に問う
なんで燃えるのかと
それは消し炭も知らないこと
消し炭は問いを返す
理由が変われば火の燃え方は変わるかと
否定する
火のつけ方や誰が火をつけたのか
それは火の燃え方に違いをもたらすのかと
否定する
だから消し炭だって何時、誰が、何故火を放ったのかわからない。
ー地球 ジャック自室
ジャックは訳あってと断りを入れて自室に籠る
彼は水着の女がステージで体を誇示する写真をモニターに移す。
「…次」
興味がないとばかりに別の画像を確認する。
王冠を載せた金髪の美女が水着姿で尻を向けて振り返る写真
「…次」
次元航行艦の浸水セレモニー
「…次」
とある陸曹が勲章を授与される写真
「…次」
ジャックは世界中のイベント時の画像データを閲覧する。
彼はフェイト・テスタロッサの捜査の姿勢を真似た。
例え泥臭い方法であっても有効であれば探し続ける。
例えストーカーがごみ袋を漁るような行為であっても必要ならば地の果てまでも調べる。
第8管理世界、女神像の完成セレモニーの写真
像の前には多くの高齢者が背を丸めて演説台を見ている。
演説台にはマイクに向かうオールバックで仕立ての良いスーツを着た男
「!見つけたぜ」
凄惨な表情で笑うジャック。
「ガルアーノ。」
第17管理世界から帰還して半年にしてようやく仇敵の痕跡を掴んだ。
ー管理局地上本部
「織村陸曹だ。レジアス中将と面会したい」
総士は地上本部で陸のトップとの面会を希望し、通信を繋ぐ。
『?アポイントはお済でしょうか』
秘書官が尋ねる。
「ああ。もちろん。」
『…そうぞ。お進みください。』
総士は緊張しつつも豪華な意匠の執務室のドアへと進む。
「!陸曹?何の用だ」
モニターを操作しながら驚く陸の中将
総士ははったりでここまで来たのだった。
「中将。折り入って申し伝えたいことがあります。」
「?まあいい。さっさとしろ」
レジアスはモニターを捜査したまま促す。
「…本日を以て辞職させていただきたく存じます。」
「…」
レジアスは操作の手を止めて総士を見据えた。
「何故だ?」
「…」
湧いてくる言葉を噛み砕く総士
「自分の、望むことを考え抜いた結果です。考えは、変わりません。」
「…意思は固いということかね。」
レジアスは腕を前に組む。
「管理世界の平和、あるいは正義への志が失われたか?」
かすれる声で尋ねるレジアス
「いえ。ただ、それを成す組織はここではないと考えます。」
総士は第17管理世界での事件を受け、心を整理した。
その後も任務を通して組織を知り、ついには自らの望みを叶えるべく立ち上がった。
「成程。だが若いな」
あきれ顔のレジアス
「ここを辞めて?それでどうする?故郷へ帰るか?人々の苦しみの声を聞かなかったことにして?それが嫌なら空へ移籍するか?」
「いえ」
「「…」」
「ではどうするつもりだ?」
「フリーランスとして活動をしようかと考えております。」
総士は真っ直ぐ見据える。
「っははは!…そんなことだろうと思ったわ」
「少しつらい思いをしただけで悲劇のすべてを知ったつもりか?」
怒った顔で尋ねるレジアス
「それでも管理局のやり方では、」
「ならば!」
中断を余儀なくされる総士
「ならば半年間儂のもとへ下れ。局でしか出来ないこともある。立場を変えてお前の正義の在り方を考え直してみろ。」
「結構です。もう、決めております。」
「そうか。地球出身者はどうにも浅はかで意思薄弱で困るな?」
「!何?」
故郷の悪口につい反応する総士
「その通りであろう。アルバイトの真似事で知った気になりおって。貴様は本当の意味で管理局員になどなっていない。都合の良いマリオネットだ。」
「!」
激昂する総士
「儂の許しの下動けるようにしてやる。貴様の進退はそれから決めろ。いいな?」
「…考えさせてください」
答えを先送りにする総士
「まずは第8管理世界だ。社会の現状とその裏を取ってこい。何かあるはずだ。」
「!俺はまだ、」
総士は抗議する。
「とりあえず行って来い。そうすれば、、」
レジアスは一度息を吸った。
「、将官に直接辞意を伝えるなどという恥かしい経歴をなかったことにしてやる。ん?そうだろう?規定も読んでいないのだろう?んん?」
「~ッ!」
総士は悔しそうに俯く
「仕事の邪魔だ。さっさと行けェ!!!」
「はああああああ。これではプレスに間に合わん。」
レジアスはなぜすんなり辞職させなかったのかと後悔する。
別に本当のところは事後承認でも良かった。
しかし総士姿にかつての自分と友の姿を幻視してしまった。
あのときこんな上官がいればと思ったのではなかっただろうかと
「はああああああ。何を今更…」
眉間を揉みながら自らの過去の行いを省みる。
そのことに後悔はしていない。
「あんの…クソガキども!!!」
怒鳴る彼の本心を誰も知る由もない。
前回の邂逅から半年後の冬、彼らは再び任務を共にする。
次なる部隊は第3管理外世界。工業の星