ーヤスオ宅
「ああ。何とか宿も取れたよ。」
『もー。迷惑かけて』
ジャックははやてと連絡を済ませている。
「悪い悪い。でもまあいろいろ見れて大正解だぜ?」
ジャックは窓の外を見下ろし、消防団の人数を確認する。
ロボットスーツが3機、周囲を歩いている。
『もー!ホントに反省しとるんか?うちも謝り行こか』
「!やめてくれよ恥かしい」
『どっちがや!まったく』
通信の向こうのはやては怒り顔だ。
「悪かったよ。お詫びに1機買って帰ろうか?」
『要るか!!』
消防団が引くまではやてとの通話を楽しむジャック
「今いいか?」
ジャックは次にプレシアへ繋ぐ
『ええ。まだ何かあるの?』
「そうだ。辺りの産業ロボットを乗っ取りてえ。いい手はないか?」
これは依頼達成のために必要なアイデアだった。
『…あなた、何人まで増えるの?』
「時間があれば、いくらでも」
『なら話は早いじゃない。全員に適当な通信デバイスを持たせなさい。プロトコルさえ使えればあとは教えたとおりだわ。インターフェイスが違って見えるだけよ?』
「、、うへぇ想像したくねえよ。もっとこうスマートな方法ねえか?集団で進行させればそれでいいんだ」
ひたすらデバイスを探してインストールする作業は想像さえしたくないジャック。
他にないかと促す。
『自分で考えなさいよ。そうね、複雑な操作をしないなら、全てスレーブにしてしまうのはどうかしら?きっとAIに従って目的地へ向かうだけよ?』
「おお!それだ。じゃあ移動しながら通信して」
『ええ。補足次第枝を伸ばしなさい。』
合点がいくジャック
『事前に機械番号のパターン、見ておきなさいよ?』
「?いいだろ。見つけ次第で」
『…あなた車椅子の老人を手あたり次第どこに連れていくつもりよ?』
不機嫌そうなプレシア
「!ああ、そうか。産業用だけじゃあねえのか。」
『当り前よ!あなた何のために事前調査をさせたの!!』
怒鳴るプレシア
「わ、悪い」
『大体あなた、オネエさんは無理があるのよ!』
「!」
どうやって漏れるのか、プレシアはジャックの発言を知っていることがある。
『この件、貸しに』
「おいジャック!お前また騒ぎを、!プレシアさん」
総士が扉を開く。
『あら、織村君。いつも娘がお世話になているわね。』
瞬間、余所行きの表情に変わるプレシア
不満げなジャック
「おい!世話してんのは俺も一緒だぜ?フェイトの始めた案件、俺がいなけりゃあ」
『ウラルでチャラよ!ジャンク品でもあれの同型機見つけるのは大変なのよ?感謝してもいいくらいね?』
にらみ合う2人
『はぁ…フェイトの件だけど…そろそろ稼働を開始する動きがあるらしいの』
「?おう。」
『フェイトのこと、守って頂戴』
「おう。」
淡々と返すジャック
「?ん、待て。俺は貰うもんは貰うからな!」
『!フェイトはあげないわよ』
「なんでそうなる。金だ」
掌を差し出すジャック
「俺はタダ働きなんかしないぜ?」
『…この件、嫌な男の名前が絡んでいるの。お願いよ。ジャック』
急にしおらしくなるプレシアに面食らうジャック
「!知らねえよ。…まあ、ジャンク品でも、貰えるなら、考えておいてやるよ。」
『知り合いの旧車マニアが調合したオイルがあるの。…ウラルのためのチューンよ?』
「それだ!」
目を輝かせるジャック。明らかに金を積んでも手に入らない逸品だ
「待った。ジャック。仕事の方はいいのか?」
「ん?ああ。いいんだよここの爺さんが依頼人で、方法もプレシアさんに相談して解決だ。」
目配せするジャック
『ええ。産業ロボットの行進なんて素敵だわ』
自慢げな2人
「待て待て待て!ジャックお前はまたそんな戦争みたいな、、!プレシアさん!こいつどうしましょう!いつかフェイトに逮捕されるんじゃって、俺」
『あなたはジャックのお母さんかしら?今までのやらかしよりもマシでしょう。』
プレシアはさらりと流した。
『用が済んだなら切るわ。いいわね?』
「ああ。助かった。また頼む」
ジャックはプレシアとの通信を切った。
「どんな依頼内容だった?」
総士はジャックに尋ねる。
「大したことじゃねえよ。ちょっと話つけてほしいって内容だ。」
「おいこっち向いて話せよ。俺に嘘を吐くな」
真剣な総士は疑念を持つ。
「産業ロボットの行進は話つけるのに必要なのか?それは立派なテロ行為だぞ」
追及する総士
「爺さんは、、いや、違うな。なあ総士、お前さっきまで外いたんだろ?アームスーツ着た爺さん婆さん見なかったか?」
「?見たが、何の関係がある。」
いぶかしげな総士
「あの人たちな、自分じゃあスーツを動かしていないらしいんだ。」
「AIか?それが何の関係がある」
「あれ着たら問答無用で公務員なんだよ。」
総士は続きを促す。
「?それで」
「運用開始すぐに自警団の爺さんが若い連中ぶち殺したらしいんだ。」
「!まさか」
何かに気が付く総士
「ああ。誰かが介護ロボット使ってこの星を牛耳っていやがんだ。」
「そいつに話つけて来いって依頼だよ。ここの老人達の代わりに。」
「ジャック、俺も仕事だ。内情を報告させてもらうぞ。」
ジャックは頷き同意した。
「中将、織村陸曹です。」
「え?ここでかよ?」
ジャックはこそこそと身を隠す場所を探す。
『遅いぞ!!陸曹。儂の命令を無視して任務中に腰を振って時間潰すとはいい度胸だ!!!』
「「!」」
いきなりの剣幕に委縮する2人
内心いちいち声が大きいと思うジャック
『さっさと報告をせんかああ!!!』
「は、はい!」
総士は正座でレジアスに報告をした。
『なるほどな。で、炎使いは?』
「あん?なしつけにいくっつってんだろ?」
根性で対面するジャック
『ほう。…陸曹は任務続行。こいつに同行しろ。』
レジアスは総士に命じた。
「は?失礼ですが、理由を尋ねても?」
恐る恐る尋ねる総士
『ほう。儂に物を申せとでも言いたいか?偉くなったものだな。陸曹?』
「っ!」
耐える総士。
そして冷たい目を向けるレジアスに、そうまでして抑えつけるのかと戦慄するジャック
『まあいいだろう。織村、ちょっとした社会勉強だ。正義が対峙するべきものをしっかり学んで戻れ。いいな』
レジアスは一方的に通信を切る。
「…おっかねえおっさんだな」
ジャックは憐憫の目を向けた。
「まったくだ。報告する気が無くなるよ」
「でもまあ、期待されてるんじゃねえの?」
適当に励ますジャック
「無責任なことを言わないでくれ。とにかく、今回はお前についていく。危険なことをしたら、すぐに止めるからな?」
「ちっ!」
嫌そうな顔をするジャック
「出発は明日の朝、老人が蔓延る前に出発だ。おやすみ総士!」
ジャックはそう言うとふて寝を始めた。