総士は苦悩する
なぜ死ぬ。何故死を選ぶ
マリ・マクドナルドの絶望した顔
カレン・マクドナルドの祈るような仕草
皇聖夜の拙い覚悟
皆死んだ。
救われたような表情だった。
自分のエゴとは知っている。
ジャックの言い分も今ならわかる気がする
しかしなぜ死ぬ
見せつけるように死なれてはいい迷惑だ
悪夢に出て来ては、自分を知って欲しいと言うような顔をしないで欲しい
自分はそんなものを知りたくはなかったのに
勝手なことを押し付けてくるのなら、
あんた達も自分の勝手も聞いて生きてほしいと総士は思う
老人の最期を思い出す。
あなたはどんな最後に何を想った
強いあなたは彼らの歩みをどう思うのだろうか
自らの過ちを認めて立ち上がれる強いあなたはどう感じる
総士は思う。
まだ答えを出せそうにない。
だがせめて、零れる命を救う勝手は通させてもらうと
ーレジアス・ゲイズ執務室
「…首都防衛隊に潜り込め」
新しい指令だった。
「次は地上部隊の現状を知れ、ということでしょうか」
「そうだ。あそこは儂の旧来の知り合いがいる。奴から心構えを学んで来い。」
「騎士ゼストですか…」
レジアスは同意し、続ける
「貴様がこれまでに見たどの部隊とも似つかん、泥臭い連中だ。」
レジアスは続ける
「奴らを通して貴様の知らない局の側面も見られるだろう。」
成る程と思う一方で疑問を持つ総士
内偵はしないのかと質問をする。
「必要だと思うならやってみろ。それも経験だ。」
レジアスは息を吐き、続ける
「今や怪しい関係を持った部隊は珍しくなくなった。しっかりやれ」
「了解致しました!」
総士は真っ直ぐな瞳でレジアスに返事をする。
彼にとっては予想外の返答ではあった。
捜査内容のリークを要求されるとばかり思っていた。
彼らの間には信頼関係ができつつあった。
「ああ。では下がれ」
レジアスは小さく笑い、総士は退室した。
数か月後
総士はレジアスに経過報告をする
「…ゼスト隊は戦闘機人プラント関係機関への捜査を継続しています。」
「成る程な…新しい任務だ。部隊をくれてやる。部下を使って連中をバックアップしろ。こちらの人的被害を抑えること。いいな?」
新しい指令だった。
「!部隊?私1人で結構です。」
「、、、3歩歩いて忘れるのなら便所に教訓を並べておけ。織村」
「?仰る意味が、」
レジアスは肩を落とし、その言葉に再度総士を睨む
「貴様、第8で何を学んだのだ?組織の可能性を見たのではないのか?まさかこの先ポッと出の指揮官として現場を荒らすつもりか?」
片眉を吊り上げるレジアス
「!、了解、しました。」
浅はかさに思い至る総士
未だに、知った気でいたことにショックを受ける。
「人はすぐには変われぬと言われるが、我々の立場において貴様のような甘えを持てば悲劇の元にしかならん。すぐに直せ。」
レジアスは息を吐き、続ける
「そして適性は予め伸ばしておくものだ。揉め事を起こした局員をまとめて貴様にやる。全員お前の年上だ」
レジアスはモニターをスクロールさせて顔写真を並べる
「いい機会だ。こいつらを使って上下関係の作り方を学んでおけ。準備が出来次第お前の元につけてやる」
ちらりと総士を見る
「了解致しました!」
総士は真っ直ぐな瞳でレジアスに返事をする。
「ああ。友を頼むぞ」
レジアスは小さく笑い、言葉を返した。
「、中将、本件に炎使いに協力させてもよろしいでしょうか?」
目を細めるレジアス
「遊びではないのだぞ」
「成功率を上げる方法として提案します。私は部下を欠けさせるつもりがありません。私の失敗の付けを彼に払ってもらいます。」
睨み合う両者
「…よかろう。手は回してやる。」
「!有りg」
しかしレジアスは条件を出す
「但し!事務手続きは全て貴様が行え。予算は首都防衛隊から引き出してみせろ」
交渉も手続きも自分でやれとレジアスは言う。
確かに本来ならば総士が行ってしかるべき作業だ。
「ありがとうございます!」
「ジャック!」
「貴様!ここをどこだt」
レジアスは驚き手を伸ばす
すぐに応答したジャックは驚愕した
『?総士…!お前ここはやばいだろ!!』
鍛錬後なのか、裸で肩にタオルを掛けたジャック
シグナムがこっそり退室する様子が画面の端に見える
「仕事だ。頼めるか?」
「『、、、』」
『良いけどよ、、おっさん…頼むぜ?』
ジャックは目線を総士へ向けたまま、居るであろう人物へ言い放つと、通信を切る
「どうやら貴様にはまず礼儀を教えねばならんようだな?」
「?はあ」
青筋を立てたレジアスは右拳の調子を確かめ、宣言した。