※この作品はR-18です。

消し炭の男   作:Christmas

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幕間2 汝の名は女

ー地球 ジャックの自宅

 

「約束通り、手伝って。」

 

憮然とした態度でジャックに宣言する金髪の少女

フェイト・テスタロッサ

 

彼女はまたしても整備中を見計らったように登場する。

その用向きは以前調査した工場の潜入と制圧

 

「とりあえず報酬を見せてくれよ」

 

彼女に目もくれずに黙々とボディーを磨くジャック

以前ゼストに見せた際に煤まみれの単車を恥じた彼の手は止まらない。

 

それに彼は以前の彼女の捜査方法に恐れをなしていた。

彼女はイカれたストーカーに違いなかった。

下手な反応をしては足元をすくわれてしまう。

 

「エンジンオイル…調子はどうなの?」

 

冷ややかに尋ねるフェイト

 

「ああ?まあ、まじないみてえなもんだし」

 

予想外の切り口に手が止まりそうになるジャック

エンジンオイルはプレシアに融通してもらっている。

弱みを見せまいと、オイルはさして重要ではないように振舞うことを選択した。

 

「あれだけで足りるのかって、母さんが言ってた。」

 

「だからなんだよ?」

 

不機嫌そうに答えるジャック

受けに回るものかと強気で対応する。

 

「混ぜてもいいものなの?オイル」

 

「…」

 

手が止まる

 

ハンドメイドだからその構成を知らない。

そもそも混合してエンジンにどのような影響があるのかどうかもわからない。

パーツ取りの車体があるとはいえ旧車に無理はさせたくないジャック

 

「よければまた手配するって、母さんが言ってた。」

 

相も変わらず淡々と伝えるフェイト

 

「…」

 

利害を考え始めるジャック

とりあえずグレアムに相談をと頭で決める。

この調子ではいいように使われてしまうことはわかり切っている。

報酬の交渉さえもジリ貧になってしまう。

 

「あとそのバイク、申請内容と相違ないの?場合によってはバラバラにされるけど?」

 

「…資料寄越せよ」

 

弱みを握られたジャックは休暇を終えた。

 

 

 

ー次元航行艦ブリーフィングルーム

 

「本命はプラントの確保です。分隊は搬入口付近を攪乱して敵勢力を集めてください。」

 

フェイトは説明を続ける。

ジャックの担当は搬入口の突破と攪乱のサポート

および危険因子の対応

 

「分隊の連絡後に本隊は施設屋上を破壊、一気に降下します。」

 

「分隊はそのまま本隊に合流、退路を確保して下さい。私からは以上です。」

 

航空部隊も出動する合同の任務。

フェイトの調査を発端として大掛かりな作戦へと発展する。

事前調査で施設の見取り図も出来ている。

 

安全に手柄を挙げられる任務に関係者の誰もが鼻息を荒くする。

 

 

 

ー管理外世界 工場外壁

 

ジャックは余裕そうに分隊の先頭に立つ

覇気はない

 

茶色のパンツにランニングシャツ、そしてサンダル

体のあちこちが機械油で汚れている。

 

「ここからケーブルまで行ける。」

 

ジャックは指差し教える。

訝しげに地上に備え付けられた金属製の蓋を見る一堂

 

「パネルは前に開けておいたからトラップにさえ注意すればいい。」

 

情報担当に伝える。

彼らは不安げに目を合わせる。

 

「建物の中の敵性のマッピングはもう少し時間をくれ。終わったら通信を入れるからさ?」

 

なおも面倒くさそうに伝えるジャック

 

余裕ではない。

彼はフェイトにいいようにされて悔しく思っているのだった。

 

ふてくされたように仕事をこなす

 

「ほら、できたぜ?全員確認してくれよ」

 

投げやりに伝えるジャック

端末を開いた隊員達は作戦ポイントの付近に敵性のマークがないかどうかを確認する。

 

「?出入り口にマーカーが無い。…これは信用できるのですか?」

 

武装隊の1人がジャックに詰め寄る。

彼の表示した敵性のマーカーは施設に満遍なく広がる。

 

「リークされてんのか?俺たち」

 

首を傾げるジャックと隊員達

 

「どうします?隊長。錯乱させたら奥側のマーカーが本隊にぶつかりますよ」

 

別の隊員が意見する。

 

ジャックも確かにと同意する。

外壁に沿うように配置されたマーカーは通路の交差点を塞ぐように配置されている。

これでは突入と同時に一斉に施設内を巡回されてしまう。

 

「こりゃあ、何か目的でもあんのか?」

 

全員で首を傾げる。

敵の特殊な布陣に攻めていいものかと二の足を踏む。

 

「!ちょっと待って下さい。」

 

隊員が何かに気が付く

 

「これは…!」

 

「あんだよ?」

 

ジャックは早く言えと促す。

 

「包囲陣形ではありませんか?」

 

「「…」」

 

ジャックは頭でシミュレートする。

もし、目的が分隊の迎撃ではなく本隊ならばと

 

もし、分隊の突入を無視して本隊を制圧されてしまったらと

 

もし、本隊を短距離転送で誘拐することが目的ならばと

 

「少し待った。」

 

ジャックはそう言うとその場から離れ、

 

ー影分身の術ー

 

「分隊のサポートを継続してくれ」

 

分身は頷き、従う。

 

「俺はフェイトのサポートに入る。」

 

ジャックはそう言うと時空間へ消える。

 

 

 

「フェイト!」

 

ジャックは本隊へ合流し、フェイトに詰め寄る。

 

「何?」

 

フェイトは嫌そうにジャックに対応する。

 

「敵性のマッピング見てくれ。多分包囲網だ。」

 

「…それで?」

 

なおも彼女は淡々と返す

 

「作戦がリークしてる。このまま突入するのは危険だ」

 

真剣な眼差しで警告するジャック

 

「はあ…作戦は続行。敵はあなたが排除して。母さんの期待を裏切るなら許さないから」

 

フェイトは作戦の続行を宣言する。

彼女自身、ここまで大掛かりになった作戦を止める術など知らない

 

「!おい。狙いはお前かもしれないんだ!」

 

ジャックは食い下がる。

彼の少ない経験でも明らかに異常な敵陣の配置だったからだ。

 

「あなたは自分の仕事をして。その結果私がどうなろうと、それは私の責任です。」

 

「ちっ」

 

ジャックは眼を赤く染めたかと思うとその場を去った。

 

 

 

『突入を開始しました。敵戦力は搬入口に集まり始めています。』

 

分隊から通信が入る。

本隊も行動を開始する。

 

「ここからは我々は好きにさせてもらう。」

 

本隊のメンバー達がニヤニヤと宣言する。

作戦を主導するには若すぎるフェイトは舐められていた。

 

彼らが撤退を宣言をすれば手が足りずに頓挫する可能性がある以上、

彼女に止める術はない。

彼らは土壇場まで本性を隠し、いざ突入となってから目先の利益を優先して裏切りに走った。

 

各々勝手に突入口から降下していく本隊メンバー達

 

そもそも彼らは手柄を求めて作戦に協力しているのだ。

見取り図も敵性のマッピングもある任務でならばなおさら実績を求め、早い者勝ちと言うかの如く次々と施設へ侵入していく。

 

「くっ」

 

悔しそうにしながらも結局は彼らに続くしかないと、降下をする彼女

このままでは示しがつかない。

 

通路に入れば分隊の姿は無いものの、あちこちに破壊の痕跡があった。

ジャックの言うように包囲網があったことが伺える。

 

彼女は考える。

仮にリークされているとすればモニタールームや事務スペースに情報を残している可能性は低い。

直接的な成果よりも次の捜査への切り口を確保したい。

 

ならば自分の捜査の切り口には身内に専門家がいる動力源

形式や部品から流入元を割り出すことができるかもしれない

 

そう考えを纏めて彼女は奥へと向かった。

 

 

 

「…」

 

彼女は一筋縄ではいかない敵と認識を改める

目の前には動力源

装置には見覚えがある。

恐らく最も普及しているであろうそれは一般向けの製品を基にしている

足はつかないだろう。

 

彼女は少し落胆しながらも次のターゲットを考える。

そもそもここは武器の製造工場だろうことは予想される。

ならばせめて製造ラインの映像資料を残して次に遭遇した時に抑えようと考えを改める

 

が、

 

「?開かない」

 

扉が開かない

動力室の扉は入室の際には自動で開いたというのに

しかも非常時に事故を防ぐために扉も内壁も半ばシェルターとなっている部屋だ。

 

ジャックの言葉を思い出す。

彼は狙いは自分かもしれないと言ったのではなかったか

 

フェイトは一気に緊張する。

自身を狙って待ち伏せをされた。

ならば戦闘にもつれ込む可能性が高い。

 

室内を見渡す。

 

制御盤のモニターが緑色の光を放っている。

動力の状況を教える文字が自己主張している。

 

動力源が微振動を伴って小さく唸る音、

彼女の心音だけが聞こえる。

 

敵の気配は無い。

 

『やあ』

 

「!誰」

 

突如彼女の通信端末からモニターが表示される。

紫髪に白衣を身につけた男

 

『私かい?君の父親だよ。』

 

男は優し気に語りかける

 

「ふざけるな。」

 

フェイトは受け付けまいと脱出路を探る

 

『ははは。そう怒らないでほしいな。本当のことだ。私はプロジェクトFATEの発案者だ。』

 

「…」

 

自身の名前を出されたことでフェイトは一瞬言葉に詰まる

 

『知らないかな?簡単に言えば記憶を引き継いだクローン人間を作るための理論さ』

 

「…だったら何?」

 

怒気を含んだ目線を投げかける。

 

『君に話があるんだ。君はFATE理論を元に生み出された、アリシア・テスタロッサのクローンだろう?』

 

「!いい加減なことを」

 

愚弄するなとばかりにモニターに食いつくフェイト

男は意外そうに言葉を続けた

 

『?知らないのかい。君の名前がそれを示しているじゃあないか』

 

「…」

 

フェイトは自身の名前を出され、可能性が頭をよぎる

 

『可哀想に。知らされていなかったんだね。』

 

「!」

 

フェイトはまさか、と思い始めてしまう。

 

『はあ…プロジェクトの名前から命名するなんて酷い話だよ。フェイト』

 

男は同情するように語りかける

 

「そんなはずは無い!母さんが酷いことなんかするもんか!!」

 

モニターに向かって怒鳴るフェイト

愛する母への侮辱ともとれる発言を許さない。

 

『とんでもない!私は誰がFATEを実行したのかどうかは知らないのだよ。』

 

男はフェイトを落ち着かせようと優し気に話を続ける

 

『でも、君には知る権利がある。これをご覧。フェイト』

 

男は優しい口調で微笑みかけ、フェイトの端末へ資料を送信する

 

『これがプロジェクトFATEの白地図だよ。これを書いた私は君の父親のようなものさ。』

 

問いかけるようにフェイトに話しかける男

フェイトは通信を切りたくても切れない。

何より自身の出自に疑いを覚え始めていた。

 

「嘘だ」

 

『本当だよ。このイニシャルは私だよ。』

 

男は資料の著者名を指さす

 

「嘘だ」

 

男は静かに首を振る

 

『このタイプのアンプルに見覚えは?』

 

男は画像を表示する

フェイトは黙って首を縦に振った

 

『君の母親に言われて打ったね?』

 

フェイトは黙って頷く

 

『これは成長速度の調整剤さ。…君には残念な話かもしれないが、FATEを決定づけるものだよ。』

 

男はフェイトに同情したように、努めて優しく接する

 

『管理局に禁じられた理論でね、もしかすると君m』

 

「!嘘を吐くな!!」

 

フェイトは拒絶する。

男のことを信用しない。

愛する母が法を犯し、娘の代わりとして自分を生み出したことなど信じない。

 

何よりも、母が自分を愛していなかったことなど、

愛が無い故にまともな名前を付けなかったことなど認められない

 

「信用できない!あなたを拘束して、母に聞けばそれで済むことです!」

 

フェイトは再び目に活力を戻す。

母の愛は疑いようもなく本物だ。

母を愛する想い、日々それに答える母の愛

これらは紛れもなく自身に向けられていたではないか。

 

脱出経路は無いかと再び目を動かす。

 

『いけないよフェイト。君の記憶の話をしよう。』

 

男は優し気な表情を崩さない

取り合わずに壁材の組み方や隙間を探すフェイト

 

『いい親は色々な場所に子供を連れていくだろう?』

 

フェイトはドアの周りを調べる。

壁材が隔壁となってドアを覆ってしまっている。

彼女は次に天井へと視線を向ける。

 

『やれやれ。やはりプレシア・テスタロッサはダメな親だったのかな?』

 

「…やっぱり嘘だ。母さんはきちんとした人だ」

 

険しい顔で天井の壁材を確認するフェイト

彼女はつい、口を開いてしまう。

男は反応を確認するとカメラに向かって前進した。

 

『本当かな?彼女は姉のほうに掛かり切りだったんじゃあないのかな?』

 

「そんなことはありません。」

 

彼女は一切動じることなく、天井を叩いて空洞を探す。

満足そうに笑う男

 

『そうか。では彼女に”アリシア”と呼ばれた記憶は無いかい?』

 

フェイトに悪寒が走る

 

「…」

 

彼女は話はこれまでとばかりにモニターから目を逸らす。

黙って脱出路の割り出しを続ける

 

『古い記憶を』

 

「いい加減にしてください!!」

 

これ以上喋らせまいと遮るフェイト

彼女は母への信頼が揺るいでしまいそうで恐ろしかった。

家族の愛こそが彼女の原動力だったからだった。

 

『…拒絶こそ疑っている証ではないかな?』

 

「…」

 

照明の切れた室内でモニター越しに男を睨みつけるフェイト

男は優しい笑みを絶やさない

 

「…」

 

フェイトは考える。

疑いを払拭するべく、なるべく古い記憶を想起する

あれは確か仕事の合間を縫って連れて行ってくれた草原

 

久しぶりに母を独占できた大切な時間だった

花の冠を作って母に贈った。あれはどうしたのだろうか

 

自分の誕生日が近づいていたはずだ。

母に何か聞かれたような

 

「!…そんな」

 

自分は母に下の兄弟姉妹を望んだ。

男は満足げだ。

 

『やはり、彼女は君のことを』

 

男の声はフェイトに届かない。

彼女の頭は激しく混乱している。

自らの記憶に信頼を置けないのだ。

 

彼女は母を信頼する自分を信頼していた。

自分の記憶を信頼していた。

 

その記憶の中で彼女は母に”アリシア”と呼ばれていることに気が付く

 

「…アリシア」

 

彼女は唖然とした顔で立ち尽くす。

 

『…』

 

男は真顔になり、沈黙する。

 

 

 

男はタイミングを見計らって伝える。

 

『…残念だが、予通りか』

 

「…」

 

フェイトは無表情で中空を見つめる。

 

『父親として、君を保護したいと思うんだ。』

 

男はゆっくりとした口調で話しかける。

 

『ここには君と似た境遇の娘たちがいるんだ。』

 

フェイトはモニターに虚ろな目を向けた。

 

『君さえ良ければ、こっちで本当の姉妹と暮らさないか?』

 

男はとうとう両手を大きく広げる。

受け入れる様子を体で表現した。

 

「あ…」

 

フェイトは縋るように一歩進んでしまう

だが、彼女は迷ってしまう。

 

男の言ったことは本当かもしれない。

しかし彼女は母親の愛が偽りだと信じきれない

 

『我々は君と暮らしたいと思っているよ』

 

男は再びフェイトに微笑み掛ける

 

「…」

 

逡巡するフェイト

 

『済まないが時間が無いんだ。次に通信できる保証は無いよ?』

 

「!ど、どうしよう…」

 

焦るフェイト

この機を逃すと姉妹と面識を得ることも真実へ辿り着けないのではないかと彼女を突き動かす。

 

『さあ、どうs』

 

バチンっ

 

「!きゃっ」

 

『…』

 

仰け反り、尻を手で押さえるフェイト

沈黙する男の眉間に一筋の皺が走る。

彼女が振り向いた先には幻術を解除したジャックが立っている。

 

「馬鹿野郎!!」

 

バチンっ

 

「っ!」

 

ジャックはもう一度フェイトの尻を叩いた。

 

「っがあああ」

 

彼の臀部に紫電が走る。

 

「!母さん?」

 

フェイトの瞳に活力が戻る

 

「思い出せよ。俺がジュエルシード使った後のプレシアの言葉を。お前たちのことを愛してない奴の言葉かよ?」

 

ジャックは痛みを堪えてフェイトを説得する

 

「学校でお前の顔にボールぶつけた時!雷落としたのは誰だ!」

 

真っ直ぐフェイトに目線を向ける。

 

「お前に俺の弱みを掴ませてんのは誰だ!!」

 

得難い愛を持っているにも関わらず呆然としていたフェイトに怒りを感じるジャック

 

「お前が家で仕事の話をするたびに心配して夜になったら俺に通信繋いでくる迷惑な母親はどこのどいつだってんだ!!」

 

彼はその怒りを言葉に乗せる

フェイトの頭を埋め尽くす思い出。

そこにはいつも…

 

「!母さん!!」

 

フェイトは目に涙を溜めて母の愛を再認識する。

モニターはいつの間にか切られて室内の動力系が元に戻り始める。

 

「大体、プレシアさんに直接聞けばいい話なんだよ。そんなもん」

 

吐き捨てるように言うジャック

 

「うん。そうだね」

 

涙を拭き、頷くフェイト

動力室の隔壁が元に戻り始める

 

「さ、手柄奪われる前に仕事しようぜ?」

 

「うん」

 

ジャックはいつも通りの態度でフェイトに接する。

フェイトはただただ同意した。

 

「ねえ」

 

「ん?」

 

落ち着いたのか、フェイトはジャックに尋ねる

 

「なんで、助けてくれたの?仕事だから?私、嫌われてる自信だってあったんだよ?」

 

フェイトは申し訳なさげにジャックに尋ねる

ジャックは目を逸らし、頭を掻く

 

「プレシアさんに頼まれた」

 

ぶっきらぼうに答えるジャック

 

「…なんで優しいの?」

 

「?優しくなんかねえよ」

 

「嘘。だって私を助けてくれたもん。」

 

フェイトはジャックの正面に回って答えを求める

 

「お願い。教えて?」

 

縋るようにジャックの目を見つめるフェイト

 

「…はやてが困るからな。お前に何かあったら」

 

ジャックは恥ずかしげに頬を染めて答える

 

「ふーん。」

 

フェイトはじとっとした目つきでジャックを睨む

 

「…なんだよ?」

 

たじろぐまいとするジャック

 

「別に!」

 

彼女はそう言うとジャックのシャツを掴んで身を寄せた

 

「!なんd」

 

近づかれて焦るジャック

 

「…これ、はやてに言ったら怒られちゃうの?」

 

顔を上げてにやっと笑うフェイト

 

「おい…勘弁してくれよ」

 

ジャックは力無く笑った

 

 

 

2人はその後も捜索を続けたが、めぼしい成果は得られなかった。

それはチーム全体も同様だった。

 

結局今回の合同捜査で首謀者の逮捕には至らず、フェイトの大躍進とはならなかった。

 

その後の彼女の仕事は調書の作成だった。捜査チームの内の主導メンバーで集い、いかに危険で有意義であったかを表現する文章を考える日々を送った。

 

 

彼女にとって主だった成果は人間関係。

愛する母との和解、そして憎い男であり友人の恋人であるジャックとの和解

 

彼女はこれ機に徐々に母がジャックに目を掛ける訳に合点がいくのであった。

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