【祝! 同人コミカライズ化】異世界交易チートで街中の女を孕ませてみた 作:ヤラナイカ―
「ふふんふんふ~ん♪」
その日、健太は下手くそな鼻歌を披露するほど機嫌が良かった。
ずっと探してたアイテムがついに家に届いたからだ。
その名は『錯誤の杖』。
この国の金貨で、五百万アレンもする高価なアイテムだ。
名前を唱えて振ると、その相手に名前の人物と思わせることができる。
モンスターに同族だと勘違いさせて逃げる時に使う『勘違いの杖』の上位魔法なのだが、かなりのマナを使う上にろくな使い道が見当たらないために少数だけ作られて生産がストップしたらしい。
今では杖コレクターが収集しているだけの骨董品で、市場に出回る事が極端に少ない激レアアイテムである。
王都のオークションハウスの代理人に依頼して、出回ったら必ず押さえてくれるように頼んでおいたのだ。
かなり時間がかかったが、リサーリィの排卵日前に届いたのは運命的なものを感じる。
「待ってろよ~リサーリィ~♪」
健太は、『錯誤の杖』を抱きしめて踊っている。
「私がどうかしましたか?」
「わ~お~♪」
隣の家から、リサーリィが出てきてしまった。
大胆な健太も、これには焦る。
「えっとあの、呼ばれたと思ったのは気のせいだったかしら」
「いえいえ、実はですね。隣町の領主様から知らせが届いて、近々スパイクさんが一時帰宅するらしいですよ」
「ええ、本当ですか!?」
「ただちょっと事情があって、会っても自分の名前を呼んでくれるなとのことでした」
「自分の名前をですか?」
「ええ、ご家族のことですから、細かい話はスパイクさんご本人に説明していただいたほうがいいかな。俺はちょっと、スパイクさんと入れ替わりに領主様のところに出向きますので」
健太が要領を得ないことを言うので、リサーリィの目がはてなマークになっている。
「はぁ……えっと、それはご苦労様ですね。気をつけていってらっしゃい」
「ハハ、ありがとうございます。まあ、久しぶりにご夫婦でゆっくりお過ごしください」
「……そうですね。夫のこと、教えて下さってありがとうございます」
久しぶりにスパイクに会えるリサーリィは、本当に嬉しそうな顔だなあと、健太は嫉妬する。
優しいリサーリィは、健太にも微笑みかけてくれるが、恋する乙女のような輝く笑顔を向けてはくれない。
その美しさは、リサーリィの愛する夫であるスパイクだけのものなのだ。
だが今日から、その貞淑な美しさも全て健太のものとなる。
※※※
しばらく時間を置いてから、健太は家の花壇に水をやっているリサーリィに後ろからそっと近づく。
そして、『錯誤の杖』で、「スパイク」と小声で言いながら振る。
虹色に輝く魔法が、リサーリィの背中に次々と命中する。
「スパイク、スパイク、スパイク、スパイク、スパイク……」
杖の効果は、一回で三時間。
杖には十二回分の魔力があるから、三十六時間健太はスパイクでいられることになる。
なんなら手持ちの『充填の杖』を使えば、使用回数は充填することもできる。
こちらも『錯誤の杖』と同じぐらい高価だが、大金持ちになった健太にとっては安いものだ。
健太は、この日のために結婚指輪の偽物まで作って薬指に嵌めている念の入れようだった。
「さてと、リサ~♪」
「えっ……その声は、ア・ナ・タ♪」
声は健太のままなのだが、完全に愛する夫のスパイクだと思いこんでいいるようだ。
「会いたかったよ」
「あなたぁぁ、本当に帰ってきたのね」
杖を後ろ手に隠して、スパイクに成りすました健太はほくそ笑んでリサーリィの抱擁を受け入れた。
リサーリィから抱かれるのは初めてだ。
なんと柔らかく温かいおっぱいだろう。
こんな胸と愛情に抱かれているなんて、スパイクの奴めと健太は悔しくなる。
「うん、だって今日がリサの排卵日でしょ?」
「そうなのよ。今回は諦めていたのに、何で知ってるの?」
リサーリィも、最近聞いた話だ。
スパイクはこのところずっと領主の館にいたので、知っているのは不思議だった。
「アラドさんは、お仕事で領主の館にもいらっしゃるからね。僕も君のことが気になっていろいろ聞いてたのさ」
「そうなの。なんだかあなたに知られるのは、ちょっと恥ずかしいわ」
エッチな下着を付けて、いやらしい儀式をしていたと夫に知られるのはやはり恥ずかしい。
「恥ずかしがることはないよ。だって俺……じゃない僕達の子供を作るためにやってくれたことなんだろう。僕が嬉しくないわけがないさ」
「やっぱり、あなたね。あなただったら、そう言ってくれると思ってたわ。でもやっぱり恥ずかしい」
碧眼の瞳をキラキラと輝かせながら、リサーリィは頬をそめている。
「恥ずかしがってちゃいけないよ。今日はもっと恥ずかしいことをするのだから」
「あっ、そうなのね」
今夜は久しぶりに夫に抱かれると知ったリサーリィは、頬を赤くする。
夫の前ではこんな恋をした乙女のような顔をするのかと、健太は悔しくなる。
「さあ、じゃあ早くベッドルームに行こう」
「まだ日が高いわよ」
「善は急げだよ。食事は済ませてきたんだが、君は?」
「私も朝ごはんは食べたけど」
「じゃあいいね。今日は忙しくなるよ、だって今日は排卵日だし、僕とたっぷりと『浮気子作りセックス』するんだからね」
「えっとなに?」
「だから『浮気子作りセックス』だよ」
その耳慣れない言葉に、リサーリィはぱっちりとした瞳を白黒させるのだった。