最優秀生徒である生徒会長は、最底辺生徒に中出し孕ませ妊娠出産させられなければならない会則 作:ヤラナイカ―
下準備を終えて、私は会長室に森村君を呼び出す。
「……というわけで、来てもらった」
「あの会長、というわけでと言われましても、なんで呼ばれたのかさっぱりです。生徒会に呼ばれて怒られそうな心当たりは、僕には山ほどあるんですが……」
森村君は、普通に真面目に授業を受けているのに進級が危ないほどの素行不良生徒なので、怒られそうな心当たりがたくさんあるのだろう。
男性としては嫌悪感を覚えるが、おどおどしている姿を見ると少し可哀想にもなってくる。
彼はか弱い下級生なのだから、安心させてやらなければ。
そうだ、緊張しすぎては何事もうまくいかない。リラックスさせないと。
「緊張しなくていい森村君。どうか落ち着いてくれたまえ。今日呼んだのは、君に何かあるわけではなく私の事情なんだ」
森村君はチビだ。一学年上の女生徒である私よりも五センチは小さいので、見下ろす形になるのが余計にプレッシャーをかけてしまうのだろう。
独特な威圧感があるから気をつけたほうが良いと、副会長によく忠告される。
彼を萎縮させないように、気を配るべきだな。
「会長の事情ですか?」
森村君は、目をキョロキョロさせている。
「たいへん不躾で、しかも急な話で悪いんだが、森村君。君はビッチに興味はあるか?」
私が差し出したのは、『変態露出女特集』と書かれているアダルト投稿雑誌だった。
「えっと、ビッチと言われましても……こんなエッチな雑誌、僕は知りませんよ。こんな本、学校に持ち込んだりしてません。ネット派ですし」
「そんなことは聞いていない。まずは、その雑誌の付箋が貼ってあるところを見てみたまえ」
さすがに、声が震える。
「後ろ向きの女性が写ってますね。こんな野外でお尻丸出しで……あれこれ、オシッコしてますね、凄い」
大した露出ではなく、スカートをまくり上げて、見せたお尻に『変態 M女』とマジックペンで書かれているだけのものだ。
実は野外ではなく、うちの屋敷のお庭である。
誰に見られるわけでもないので危険はなかったのだが、撮ってるときは「何をやってるんだろう私は……」と本当に情けない気分で泣きたくなった。
しかし、インターネット社会になった今時に、まだ素人投稿写真を載せた雑誌が存在しているのもありがたかった。
ネットの海に流してしまうと、いくら顔を隠していても安心できない。
身元を隠して送付したアナログな写真であれば、完全に安心とはいえないが幾分かは危険度が下がるだろう。
それでも、投稿写真コーナーに小さく載るのかとおもいきや、たった一枚だけ送った写真がでかでかとグラビアに載ったのには驚いてしまう。
雑誌の傾向からすれば、かなり大人しめの露出にしたつもりだったのだが、これも私の美しさの報いかと思うと悲しくなってくる。
「これ、私なんだ」
「えっ、ええーっ! 嘘でしょう!?」
雑誌の写真と、私の間でキョロキョロと視線を彷徨わせて、森村君は大きな声を上げた。
さすがに、私でも羞恥に顔が火照るのまでは抑え切れない。
私は、お腹の丹田に力を込めて――
(私はビッチ女、こんなのは恥ずかしくない。私はビッチ女、こんなのは恥ずかしくない)
――と、呪文のように心で唱えた。
武道で習った自己暗示法である。
そのようにして大丈夫と暗示をかけて、腹式呼吸すれば少し心が落ち着く。
「写真をよく見てくれ、後ろから見て首元のホクロと、右のお尻にあるホクロが一緒だろう」
私はそういって長い黒髪が邪魔にならないように掻き揚げて、同時にスカートもたくし上げた。
パンツを履いていないわけではないのだが、私の真っ白いお尻は丸見えだ。
なぜなら、ビッチ女らしい紫色のTバッグを穿いてるからである。
お尻のホクロもよく見えることだろう。
「ほぇー、本当だぁ!」
森村君は、今一度変な叫び声をあげた。いちいち癪に障る反応だが、我慢する。
おそらく彼は極度の興奮状態なのだろう。おかげで、こちらは幾分かは冷静になった。
「……そこでだ。私が今からここで全裸露出するので、森村君にはその撮影係を頼みたい」
「あの会長、そこでだ……とか言われても、わかりませんよ。なんで僕が撮影係なんですか?」
「嫌なのか?」
「嫌じゃないです! むしろ鷹宮会長に撮影係に選んでもらえるなんて、光栄です。いや、でも……なんで僕なのかなって気になっちゃって」
ふむ、まあ気になるのが当たり前だな。
私はスッと息を吸った。これからちょっとキツイことを言わなくてならない。
「理由は、君がこの学校の最底辺生徒だから」
「……」
こう言っただけで、森村君は俯いてしまう。
本当に打たれ弱いな。まだ、序の口なんだが。
「森村君、君は自分でも自覚しているだろう。君は、ブサイクで、デブで、チビで、ノロマで、成績も良くない。だから君なんだ」
「……わかりません」
森村君は、泣きそうになっている。さっきムカつかされた分の意趣返しにしても、これはやりすぎだ。
これではイジメじゃないかと思ってしまう。
でも、森村君の私に対しての好意を打ち砕くには、最初にガツンとやるしかない。
心のなかで申し訳ないと深く謝りつつ、私は冷淡を装った声でエロ露出雑誌を見せつけて言う。
「変態ビッチなんだよ私は、だから普通の男じゃ満足できない。君のような、本当に最底辺の男に痴態を見せつけて、見下ろされると興奮する変態ビッチなんだ」
大事なことなので、変態ビッチと二度言った。
さすがにここまで言えば、察しの悪い森村君でもわかるだろう。
森村君が所持しているエロ本には、変態ビッチのお姉様に童貞を奪われるものがよくあるそうだ。
二次限定だというのが気になるが、なあに私は二次元の女より美しい。
その美しい私が、変態ビッチとして痴態を曝すのだから、興奮するだろう森村君?
「会長、わかりませんよ」
森村君は、泣き笑いのような表情を浮かべて、かなり混乱している。
まあこの反応も当然か。わざと演技している私だって、自分でやって困惑してるぐらいだ。
「とりあえず、見てから決めてくれればいい。気が向いたら、このポラロイドカメラで撮ってくれ」
ポラロイドカメラというと、今の若い子にはわからないだろう。
いわゆるインスタントカメラ、その場でアナログ写真が撮影できるカメラである。現在ではほとんど製造されていない古いものだ。
「ポラロイドカメラ、初めて見ました」
「ふふ、なかなか珍しいものだろう。フィルムを入れてシャッターを押すだけだから、難しくないはずだ」
森村君はいわゆるオタクであって、カメラにもそこそこ詳しいというのも調べ済みだ。
カメラを持つと、震えていた手が止まったので思わぬ良い効果があった。
なぜ、撮影に不便なポラロイドカメラを使うのか。
もちろん、デジタルデータやネガを残さないためである。
そもそも、森村君に投稿写真雑誌を見せて、撮るように仕向けるところから計算がある。
もしポラロイドカメラなしに痴態を見せたら、スマホのカメラで撮りたいと言い出すに決まっている。
私は変態ビッチ設定なのに、それを拒否するのはあまりにも不自然だ。
だから、先手を打ってカメラ好きの森村君の撮影欲を満たしてやるわけである。
私は制服のリボンを解いて、ゆっくりと脱いでいく。スカートもするりと落とすと、下着はTバックTフロントのいやらしいものだ。
変態ビッチなのに、あえて地味な制服姿を選んだのは、変身を印象づけるためだ。
「会長……」
パシャと、シャッターが切られた、
まだ全部脱ぎ終えていないのに、もう撮影してるのか。
「ふう」
ブラジャーも、セクシーランジェリーだったのだが、バスト百二センチ、Iカップの私に合うものがなくて、ちょっと窮屈だったのだ。
刺さるような視線が、私の大きな乳房に突き刺さる。男の子は、胸が好きだな。
「会長、凄いです。なんでそんなに大きいのに、おっぱいが垂れてないんですか」
失礼だな。
私はまだ十六歳だぞ。いまから胸が垂れていてどうするんだ。
それに、見るところそこじゃないだろ。
チィ……仕方ない。言いたくないが、察しの悪い森村君に口に出してアピールしてあげよう。
「なあ、乳首に付けるピアスは、ニップルピアスっていうんだ。知ってたかい?」
私のピンク色の乳首の先端に、下品なチェーンのついたピアスがついているのだ。
もちろん、本当に穴をあけているわけではない。
あくまで、イミテーションでクリップのように挟んでるだけだが、高いものなので本当に乳首にピアスを入れているような、ド変態女に見えるはずなのだ。
見えてるよな?
これ、常に強く挟まれてるから痛いのを我慢してるんだぞ。
「ロケットおっぱいってやつですよね、うわースゲエ」
いや、いまニップルピアスの話をしてるんだ。
褒めるとこ違うだろ。確かに、私の乳房は神のごとき美しさだが、どうも話が噛み合わない。
女がでかでかと目立つ乳首ピアスのことを口にしたんだから。
そこを褒めるなり、貶すなり、なんとかコメントしろ。だから女にモテないんだぞ。
しかし、そんな文句を言うわけにはいかない。
「くっ……」
さすが最底辺生徒である。空気を読まない才能がものすごい。
森村くんは、思ったよりもずっと手強い。話がなかなか、シナリオ通りに進まない。
だが見ていろよ。
こっちには秘密兵器がある。
もったいつけてもしょうがないので、ショーツもさっさと脱いでしまう。
ちなみに、陰毛も、脇毛も、処理をせずボーボーにしてある。
最底辺男子生徒である森村君に、嫌って蔑んでもらわなければならないのだ。
身だしなみはわざと雑にしてある。
しかし、男に嫌われるとは難しいミッションだ。
ムダ毛が生えにくい、ツルツルの肌である自分の美貌が恨めしい。
ともかく、これで全裸だ。
好きでもない男の前で全裸になるのは、さすがに私も足が震える思いだが、ここで動揺を見せてはいけない。
深呼吸である。
そうしてまず、マジックペンを取り出す。
デカい胸をキャンパスにして『メス』『豚』と大きく書いた。
使うのが油性マジックペンであることに、本気度を感じて欲しいのだが、森村君の節穴の目だと気づくのは無理だろうな。
また、パシャリとシャッター音がなった。
どうでもいい撮影だけはしっかりやってくれる。
「いいか、森村君。君は最底辺生徒だが、それでも人間だ。変態ビッチの私は、これだ!」
「……メス豚?」
「そうだ。誰からも尊敬される容姿端麗、才色兼備の生徒会長、鷹宮彩乃の正体は、動物以下の変態メス豚だったんだ。人間である君よりもずっと下の哀れな存在だ。さあ、踏んでくれ、蔑んでくれ」
私は土下座するように深々と地に跪いて、森村君からのアクションを待った。