【Rewrite】星の階(きざはし)を昇った先に 作:千月華音
三十四章のメイド服篝・続編となります。
窓ガラスを叩き割るような風雨の音。
ああ、そういえば……。
あのゲームの殺人事件があった夜も、こんな嵐だった。確か台風で。
変なことを思い出している。
こんなメイド姿の女を犯しているせいなのか。
確か、――真犯人は。
(じゃあ……これは、……罰か償いか)
そのどちらでもない。これはゲームではなく、現実なのだから。
だけどそう思っても仕方ない。
篝の姿が、あまりにも魅惑的で。――扇情的で。
たとえ彼女の精神状態が吹き荒ぶ嵐になろうと。
君を取り戻すためなら。
殺人だって、強姦だって……辞さない。
「……ぅ、……ぁ……っ」
まだ……喘ぎ声がやまない。
人間であることをやめていない。
快楽を叩き込んでしまった、そのツケが回ってる。
もうずっと後ろだけでイかせてる。前に指を入れると、待ち望むかのように襞が生き物みたいに蠢いた。
指では足りないと篝が苦しそうに後ろを振り向いた。
その彼女の頭を、まるで物でも扱うように背後から手でテーブルに押さえつけた。
……悩む。
下手に痛みを与えると殺されかねない。だがそうでもしないともはや取り戻せない気がする。
本来の篝。――どんな女だっただろう?
今は性格分析する時間もない。思い出せる限りの記憶では……。
(とにかく無関心というか……)
知識欲だけは旺盛だが、人のことや物事にはものすごく無頓着。
気をひくのにとにかく苦労した気がする。
つまり。
今の状態と正反対。
「……んっ、ああっ!」
陰核を刺激しながら腸壁を回すように動かすと、喘ぎとともにビクビクと痙攣した。……ほら。
こんなの、前の篝ではなかった反応。
どの女を参考にしたんだ。
間違いない。並列世界を盗み見た。
篝のことだ。性の営みも参考程度にずっと凝視していただろう。そして俺がどんなふうに女をよがらせるか、逐一見たに違いない。
(プライバシー侵害どころの話じゃねえぞ……)
ため息すら出ない。
こんな覗き魔な女では断じてなかった。
なんとか軌道修正せねば。
しかし……。
(快楽を教えるのは難しくないけど……)
その逆に戻すにはどうすれば?
いろいろ考えてみるが、こうして後ろも使ってみても、結局篝は後ろでも感じてしまうようになってしまった。
しかし下手に痛みを与えてしまうと、リボンの逆襲が恐ろしい。
こんな時の助け舟。記憶を頼ってみる。
――小鳥。
なぜか彼女にした変態プレイの数々が頭によぎった。
むしろルチアのほうが多かったような気がするが……。
(いや……確か)
ルチアは嫌がらなかった。むしろ悦んでいた。参考にならない。
小鳥は終始抵抗していた。……それが普通なんだが。
やはり後ろを使うととても嫌がり、何がそんなに嫌なのかきくと、……汚いからと。
そうでもなかった。彼女はいつも清潔にしていた。今思うと、俺がそういうことするから綺麗にしていたとしか。
篝の場合。
そもそも排泄しないので、行為自体に抵抗も感じない。むしろこうして使ってみると。
膣より締め付けがキツくて、奥の閊えがない分、思うさま突っ込めるし勢いもつけられる。
正直、こっちのほうが具合がいい。
ただ彼女はやはり膣で感じたいらしい。恥ずかしさというより、それは……。
(満足度?)
恋人同士が睦みあう行為に憧れているとしか思えない。
それは――人間に憧れているのと同じ。
そのきっかけを作ってしまったのは、やはり自分だった。
快楽なんてものを教えてしまったから。
(なら……)
本当はそんな憧れるような綺麗なものではないのだと、その幻想をぶち壊してやるしかない。
某禁書目録の主人公ではないけれど。
(あの右手があれば楽なんだけどな……)
篝を正気に戻せたかもしれない。……いや、それはないか。
とにかく。
篝に痴態の限りを尽くす。
エロゲ知識しかないが、果たしてどこまで羞恥するか。
それに……下手に怒りに触れると、あのリボンが狙ってくる。
難易度は高い。だがやるしかないだろう。
辺りを見回してみる。
幸い、行為にそのまま使用できそうな果物や、先ほど残した野菜スティックなどがまだテーブルにあった。
ここが食堂で本当に助かった。
膣内の具合を確かめてみる。
ぐっしょりと濡れていた。だが、異物を挿入するにはまだ抵抗がある。
それに、今から少しずつ慣れさせないと後が怖い。常にリボンを見張っていよう。
瑚太朗は、篝から自身を抜き取ると、口づけをしながらテーブルの中央に移動した。
しがみついてくる篝に応えつつ、服を淫らな装いにして脱がせていく。
胸だけを出し、局所を露にした格好。ドレスのレースがかさばっているので、捲れ上がった状態が淫靡な姿だった。
正直、このまま縛りつけてしまいたいが。
強姦だということを気づかせたくない。途中までは合意でも、いやでも彼女の嫌がることをやるわけだから、これは強姦に等しい。
でもそうでもしないと……。
覚悟を決めた。
手を伸ばす。ここからなら全ての物が手の届く範囲にある。
まず……。
「篝。……ちょっと目を瞑ってくれるか?」
優しく優しく、極力優しい顔で語りかけた。そう、これは強姦だが、そうではないのだと思わせないと。
今思うと。
小鳥はなんて寛容な女だったのだろうと思う。やってたことはほとんど強姦のようなものだったのに。
彼女にしたことを無駄にはしない。
篝を取り戻すためならなんでもやってやる。
「……」
篝は期待をこめた眼差しを向けたが、やがて大人しく目を瞑った。
(ごめんな……)
篝を汚してしまうことになるが。
耐えてもらわないと。
「……っ?!」
衝撃に驚いたのか目を見開く。それを許さないかのように口づけた。
彼女の膣に注いだもの。――チューブ容器に入れられたドレッシング。ちなみに香辛料入り。かなり辛目の味付け。
それを容赦なく全て注ぎ入れた。
「……っ、~~っ! ○△*…※×…っっ!!!!」
混乱して言葉が意味を成していない。もっとも口を塞いでいるわけだからまともに喋れていない。
喘がせるつもりなどない。
そんな人間の女の真似などさせるか。
「っ! っっ!!」
胸と背中をばんばん叩き、やめろと言っているが、簡単に全て入れられた。空になった容器を放り投げる。
容器を取り出すと同時に液が漏れないうちに自身を突き挿れた。
「――……っ!!!」
キツイ……。
やはりというか、中の液体がかなり陰茎を刺激した。熱いというか針で刺されるような刺激。
もっともそれ以上の感触を篝は味わっている。
そのままジッとしているとすぐに出てしまいそうだったので、中を掻き回すように動かした。
篝は――。
半分、目を回していた。……無理もないが。これはもはやセックスとはいえない。
だけどこういうことも人間はやる。やろうと思えば。別に快楽目的ではなくても、拷問でも。
突く。掻き回す。奥を抉る。
篝はもはや魚のように口をぱくぱくと開けて、与えられる刺激をただ受け入れるしかなかった。
挿入した部分からいろんな液体が混ざり合って落ちてくる。それを無視してひたすら突き動かした。
(……あ、なんか……)
具合が良くなってきた。
さっきまで痒さと痛さが同じくらいだったが、今はむしろ痒さが気持ちいい。このままなら抜かずに数回できる。
篝を見ると。
頬の赤みが増していた。震える唇から出る涎が快楽の深さを物語っている。
(よし……)
この状態のまま――一気に。
手を伸ばした。
とりあえず比較的初心者向けの……。
「篝、……足、もっと広げて」
言葉など聞こえていないが、篝はコクコクと頷いて限界近くまで足を広げた。快楽のあまり自分が何をしているのかもわかっていない。
それに苦笑をもらす。彼女の淫乱さに、かつての娘を思い出した。
鍵も、――篝も。
本能には忠実だということか。
ならばこの行為も、……強姦にはならない。
人間には耐えがたい屈辱でも。
生命そのものの本質である彼女達には、ただ与えられる感覚を享受するだけ。
でも……。
(そういう存在に、俺は惹かれた……)
人間ではない部分。
負物質の本質である自分。
惹かれあうのは必然だった。
「……力を、抜いててくれよ」
膣に最奥まで突き入れながら、彼女の双丘を割り開き、その穴に先ほどのオリーブオイルを再び塗りこんだ。
面倒になって壜ごと入れて中身を注ぐ。
半分以上入れてから、今度は。
指を五本差し込んで十分な拡張をしてから、野菜スティックの中から切られていない胡瓜を取って。
それを割り開いた双丘の穴に挿し込んだ。
「――ぁっ、……んっ………… ……!!」
今――かすかに。
聞こえた。
未知の感覚を表す篝の声。
途中までは喘いでいたが。
電子的な、数値的な――原子と分子が衝突するような響き。
なんとも例えようがないのがもどかしい。
(これだ……!)
未知の感覚。
これを刺激することで、篝は解析しようとする。
さっきドレッシングを入れたときは、口を塞いでいたし、快楽のほうが上回っていた。だからまだ人間性を保っていた。
だけど。
痛みとも快楽ともつかない、ちょうど中間のような刺激が、篝の知識欲を喚起する。
元に戻す方法がわかった。
それなら、何もここにある物を使う必要はない。
一旦家に戻ってあれを持ってくれば……。
肉体的なきっかけはつかめた。
あとは精神的なもの。――これは熟考の余地があるが。
とにかく、あとはもう、篝の気を飛ばすまでやればいい。
篝が涙ぐんだ目で睨みつけてきた。
早く取れと言っている。
……だんだん戻ってきた。
こんなふうに、拗ねたような顔で怒るのが、……篝だった。
可愛い。
もう可愛いとしか思えない。
「取らない。……篝が可愛いから、取りたくない」
「……っ!!」
「後ろと前、両方で感じてくれ。大丈夫、気持ちよくさせてあげるから。……じゃ、目を瞑って」
唇を塞ぐ。
異物の挿入感に、初めは嫌がって身体をじたばたさせていたが、胡瓜の根元まで突き入れる頃には。
ずっと絶頂が続く状態になっていた。
今までにないほど膣内が締め付けられ、すっかり内部で溶けて染みこんだ液体と相まって、これ以上はないほど気持ちいい。
たまらず、幾度も射精した。
でも興奮はいつまでたっても醒めない。篝の胸を揉みしだく。厳かなメイド衣装が油やらドレッシングやら愛液やらで汚れていくのも、さらに興奮を煽るだけだった。
……とまらない。
小鳥としたときは、ただ自分のみの快楽を求めていた。
だけどこんなセックスは知らなかった。
彼女の悦楽と至福が、行為を通して伝わってくる。
本来はそういうものなのかもしれない。
自分が知ろうとしなかっただけで……。
篝と快楽を分かち合う。
それに気づくために幾度も世界を渡り歩いていたのなら、無駄ではなかった。
「篝……」
絶頂で身を震わし、とめどなく涙を流す篝を。
大切な宝物でもあるかのように、――優しく抱きしめた。
to be continued……