【Rewrite】星の階(きざはし)を昇った先に 作:千月華音
――ザザザァ……
竹林を渡る風。
夜の冷たい風が吹き込んでくるが、火照った身体にはちょうどいい。
少し酒に酔った……。だが。
ちはやは。
まだあまり……酔ってない。
嘘だろ。
俺より飲んでいるはずだ。
かなりの量を口移ししたはずだが。
まだ正気なのか、キスを拒みだしている。頭を抱えて無理やり口づける。だが顔を背けるように動きだしてきた。
…………。
そうか。
ちはやの体力を見くびっていた。
怪力なのは知っているが、そればかりじゃない。ちょっとやそっとの体力じゃないんだ。これしきの酒では酔わないのか。
なら、……もう。
エロゲ知識だがやるしかない。
正直なところ、俺もそれに耐えられるかどうか自信がない。……上書きするしかないな。
急性アルコール中毒になってしまっては元も子もない。
……悪いな、ちはや。
俺のセックスの虜にさせてもらうぞ。
「は、ぁ……ん、こ、こたろ……」
「なんだ?」
「だ、誰か来ます、よ……?」
「言っただろ、貸し切りだって」
「あ、あのぉ……こんなところで、その……」
「なんだ?」
「やめ、ましょ? ね?」
「なにをやめるって?」
「う……わ、わかってるくせに」
「ちはやだってわかってるだろ。俺のを、ほら触って」
「……う」
「これをちはやの中に入れたい」
「わ、私、……初めてです」
「俺だってそうだ。だけどもう我慢できない。ほら、そこの岩に手を置いて、足を広げるんだ」
「え……?」
「中をほぐしてやるから」
「……っ!」
「こら、逃げるな」
「や…っ」
「ちはや」
仕方ない。
最後の手段にとっておきたかったけど。
ちはやの耳元に小声で小さく囁いた。
「……っっ」
「俺のものに、なってくれるよな?」
「は……い」
「自分で広げて。……俺の目の前に広げて見せて」
ちはやの顔が、――ようやく。
羞恥で真っ赤に染まった。
うっすらと浮かぶ涙に、かなり嬉しいのだということが伝わり、思わず抱きしめたくなったが。
おずおずと股を広げていくちはやを見て、もうそれだけで喉が鳴るほど興奮した。
指で……膣内を広げていく。
蝋燭のわずかな灯りと月明かりだけだが、内部が濡れているのがはっきりと見えた。そこに顔を近づけると、ビクッと怯えたように竦む身体に優しく手で撫でていく。
……さて。
最初は舌でほぐしていく。俺のクンニでどれほど感じるのかわからないが。
さすがに感じると思いたい。……どうも不感症ではないと思うが、愛撫をしても感じてる感触があまりないのだ。さっきから胸をしきりに揉んでいるが、感じてるような顔ではなかった。
ここは女性にとって一番感じるところだし、さすがにそれはないと思うが……。
「こ、瑚太朗…」
「力を抜いててくれ。気持ちよくさせてやるから」
「そ、そんなこと、しなくても……」
「ほら、もっと足を広げて。……綺麗だ、とても。ぬらぬら光って、中から次々と濡れてくるぞ」
「や、ぁ……見ないで……」
「見せろよ、ちはやの大事なところだ。恥ずかしいなら、ほら、よいしょ……と、湯ぶねに半分つかっていろ。足を俺の肩に乗せて」
「はう……ま、まる見えじゃ、ないですか……」
「絶景だよ。さて、……始めますか」
岩風呂の縁に手を乗せたちはやの身体を引き寄せる。
膣口に唇を合わせ、中を思いきり吸い上げると、初めて――ちはやの身体が痙攣した。
感じてる。
俺のクンニで……あのちはやが。唇を噛み締めて耐えている。ようやくちはやをモノにすることができた実感が湧いた。
……んん。
あまり、味が……ない。
エロゲだと甘いとかあったが、あれはゲームの話なのか。現実は、たいして甘くも……。
じゅるぅ……!
中から次々と湧き出してくる。これ、感じてると思っていいのだろうか。愛液だよな。こんなにとめどなく出てくるものなのか。それを舌で掻きまわしながら吸い上げていった。
あ、……あたった。
これ……ちはやの。
舌で伸ばした先に……何か膜のようなもの。
感動した。
本当にあった。ちはやが処女の証。咲夜なんかに奪われていなかった。あいつがちはやに手を出してないのはわかっていたが、どこかで疑っていた。
だが、これを……俺ので貫くことができる。
下半身が一気に膨張した。
くそ、鎮まれ……。乱暴にするわけにはいかない。できるだけ感じさせてやりたい。
ちはやは腕で目元を覆って涙を流していた。気持ちいいのだろうか。泣かせたいわけじゃない。
腕をとって顔を覗き込むと、悔しそうに睨みつけるちはやに我慢できずキスをした。乱暴に咥内を掻きまわすと、諦めたような吐息が伝わってくる。
指で膣内を弄りながら、
「……入れるぞ」
低い声で囁くと、コクコク、と泣きながら早くしろとでも言いたそうに頷いた。
足を引っ張る。
最初の挿入は――見ながらしたかった。
――ズッ……
意外と、抵抗がない。ゆっくりとだが、スムーズに入っていく……。と思った途端。
先端が何かにあたった。ギュッとちはやを逃がさないように抱きしめ、一気に。
「――はうっ!」
やった。
ちはやの処女膜を貫いた。簡単に破けた。結構薄いんだな。
そのまま奥まで侵入していく。
はあ……やべ。ちはやの中、熱くて柔らかくて、そのくせ纏わりついてきて、気持ちよすぎる。
男の象徴をこんなふうに愛撫してくるなんて、たまらない。
だけど、……まだ。
もっともっと、熱くさせてやりたい。俺のを求める動きにさせてやる。
「は……あ、はあ、はあ、瑚太朗……」
「ん……もう少し、力、抜いて」
「な、なんで、こんな……ドクンドクン、って」
「ちはやの中が気持ちいいからな」
「心臓が……ふたつあるみたい」
「もっと熱くさせてやるぞ」
「ふえ?」
「いったん抜くからな」
「え……? ちょっ……!」
――ズッ……
ぬめる襞を掻き分けながら抜くと、愛液とともに赤い雫が落ちた。……破瓜の証。間違いなくちはやをモノにした感慨に耽る間もなく。
再びちはやを岩風呂の縁に両腕を乗せ足を広げさせた状態で。
血が滴り落ちるそこを口づけた。
「あ、あ……あ……ぁ」
感じてる。
よほど気持ちいいのか、泣きながら足が突っ張った。面倒だ、と両脚を肩に乗せ、膣口を指で広げながら吸い上げた。
「…泣くなよ」
「だ、……って……」
「気持ちよくさせてるのに」
「あ、うぅ……、そ、んなこと、……しなくて、も」
「ほら、ちはやの中、もうぬるぬるだ。よっぽど感じてるんだな」
「あぁっっ! や、やだぁ……! も、もういやぁ」
「ちはや……少しキツいかもしれないけど、これだけ濡れてれば大丈夫だよな」
「ふえ?」
――今。
上書きした。
挿れる俺が酔っちゃ意味がない。正気のままちはやの中を味わいたい。
なのでアルコールを瞬時に分解できるようにした。
悪いな、ちはや。
気持ちよくさせてやりたいだけなんだ。全然酔わないから、たぶんいけるだろう。
日本酒の徳利を一気に口に含むと。
ちはやの膣口の中に注ぎ込んだ。
「――っっ?!」
やばい、溢れる。……だが零すものか。さっきのクンニでなんとなく見当がついた。もっと先に――。
あった。ここだ。
丸いリング状の突っかかり。そこを指でこじ開ける。ちはやの子宮……そこを、入口を指先で乱暴に掻きまわした。
「はうっ……んんんぁぁっ!!」
痛くないはずだ、これだけ濡れてるんだから。それどころか指に纏わりつく襞の動きが先ほどより激しくなっている。
口に含んだ酒を、奥の子宮の中へと注ぎ込む。……ちはやの抵抗がやっとおさまった。
いや、……これは。
とうとう、というべきか。ちはやに酔いが回ったようだった。
「あ、ん……ふぁ、……あ、……つい」
力を無くして湯舟の中に身が沈んでいくのを腕で支え、ちはやの身体を抱き上げて傍に落ちているタオルを敷いてその上に寝かせてから。
再び股を開いて酒を注ぎこんだ。
意外と……吸収するんだな。さっきからけっこうな量を入れてるが、子宮の中、まだ入っていく。ここ、赤ん坊ができる部屋なんだっけ。こんなに容量あるのか。
そろそろいいか、と空になった徳利を放り出し、ちはやに覆いかぶさると。
力のない腕でちはやが背中を抱きしめてきた。
「瑚太、朗……」
「ん?」
「あ、あつい、です……瑚太朗が、……ふたり??」
「かなり酔ってるな」
「あ、……なぁんだ、そこにいたんですね……」
「は?」
「瑚太朗が、ふたり……じゃなくて……咲夜も、そこに」
「なにぃ?!」
振り返るが。
誰もいるわけがない。竹林が衝立の向こうに見えるだけだ。
「おい、ちはや!」
「(´∀`*)ウフフ……咲夜ぁ……瑚太朗みたいにおっきい……」
「くっ……!」
酔わせたのは失敗だったか。
だがもう手遅れだ。こうなったらさっさと挿れてしまうしかない。
背中にまわされたちはやの腕を首の方へと移動させ、両脚を持ち上げると。
一気に。
子宮の穴を先端で突き上げた。
「はうっ――!」
中から……酒が、漏れてくる。
だが構わず、孔を穿つように突き入れた。ちはやの顔を見る余裕すらない。やっと本格的なセックスができることに感動しつつ、動き続けながら敏感な鈴口があたる感触だけを味わった。
酔う……。
上書きしたとはいえ、かなりキツ……。頭の芯が痺れそうになるのを必死に耐える。ちはやはどうだ。もう酔いがとっくにまわっているが。
「はぅ、あううっ、ふぁ、はあ、あああ……っ」
俺の動きについてきてる。
ナイスだ、ちはや。足の動きも挿入を手助けしてる。俺のが出入りするたびに中がきゅうきゅうに締めてきて、感じだしているのが伝わってくる。
なんだ、酔ってるほうが感じてるみたいだ。
さっきのクンニよりこっちのほうがちはやの快感が伝わる。この収縮……蠢き……絞り上げる動き。
俺も、これ、もうもちそうもない。
ちはやをギュッと強く抱きしめると、奥を深く突き上げたと同時に射精した。
「あ、……あ……つ、……い」
そりゃな。
溜めに溜めてたわけだし。いまおまえの子宮の中に、入ってるよ……。
もう酒は突き上げてるうちにほとんど漏れてなくなってるから、俺の精液だけを感じてるはずだ。
最後の一滴まで注ぐと、ちはやがビクビクと身体を震わせ、何か熱いものが繋がってるところから染み出した。
尿かと思ったが、そうじゃない。……そうか。これ、女の潮吹きだ。初めて見た。こんなに透明なのか。
ちはやのこめかみにキスすると、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして俺を睨みつけてきた。
「お、おしっこ……漏れちゃいました」
「違うよ、ちはやが絶頂したんだ」
「ぜっちょう?」
「感じすぎたってこと。どうだった? 俺の、よかっただろ?」
「あ……う」
「ちはや。もう一回やろう。今みたいなセックスを、もう一回。いや、何回でも」
「こ、瑚太朗……」
「ん?」
「なんで、さっきから……瑚太朗が、咲夜に……見えるんです?」
「…………」
「あ、そう、なんですね……本当は、咲夜なのに、私ったら瑚太朗とばかり」
「ちはや! 咲夜のことは忘れろ! 俺は瑚太朗だ! おまえを抱いてるのは、瑚太朗なんだよ!」
「咲夜、ったら……そう怒らなくても……いいじゃない、ですか……あっ」
「くそっ……! ここか、ここがちはやのGスポットか?!」
もう二度とちはやを酔わせない。
こいつは心の奥底で自分の育て親を求めている。心だけじゃなく、身体も。
そうはさせるか。
俺だけがちはやを感じさせてやれるんだってことを、わからせてやるんだ!
「あうっ――!」
膣内のあちこちを突き上げる。
だがわからない。こんなに蠢いているのに、女の感じる部分がわからない。そもそも。
ちはやは、不感症じゃないのかと疑うほど感じることがあまりないのだ。
だけどさっき俺の射精でイってくれた。感じてる証拠だ。――なら。
連続で射精すれば、どうなるんだ?
アレをしたら、……ちはやは。
いやダメだ。
あんな熱量のあるものをちはやに出すことなんて出来ない。自分でも制御不可能なのにそんなことできるか。
「あ、んぁっ、やっ、そ、そこ…」
「ここか?」
「だ、だめ、ですってば……はあんっ」
「どこがだめなんだよ、そこを教えてくれ」
「い、いじわる、しないで…」
「ちはや、感じさせてやりたいだけだ。ほら、だめなところを言って」
「咲夜、ばか……きらい……です」
「……っ! まだ言うか!」
「きゃぁああんっっ」
はやく。
正気に戻れ。
俺が悪かった。エロゲみたいなことしてホント悪かった。だから。
「ちはや、俺を見ろ!」
「ふえ……?」
「ほら、俺だよ、瑚太朗だ! さっきみたいに感じてくれよ、頼むから!」
俺を見ろとか言うわりに、腰を捻ってちはやをうつ伏せにし、背後から突き上げた。
馴染んだ中を、思い通りに突き動かすのがたまらない。
どんどんペニスを絞り取ろうとしてくる淫らな動きも気持ちよすぎて、もうとめられなかった。
「……おい」
電話口で。
一言文句を言ってやらないと気が済まない相手に、無言で返す男に、ついに耐えきれず怒鳴りつけた。
「おまえ本当にちはやに何もしてなかったのかよ! 確かに処女だったけどな、あいつ、最後まで俺とおまえを間違えてたんだぞ!」
『…………』
「なんとか言えよ!」
『…………。何もしてませんよ』
「だったらどうして……!」
『ちはやさんとは、中学生まで一緒にお風呂に入ってました』
「……っ?!」
『正確には、入ってきた、ですが。私と入りたがっていたのは、ちはやさんです。さすがに性器を弄ろうとしてきた時点で、押しとどめました。そういうことは、してはいけないと……私は忠告したのです』
「そんなこと、あいつ言ってなかったぞ……」
『与太郎くんには言ってはいけません、ときつく言い含めておきましたから。どうして、と問い返すちはやさんに、何も答えられませんでした。わかってはいないのです。私に対する思いと、与太郎くんへの思いが、違うものだということが』
「…………」
『ちはやさんを責めてはいけませんよ。そういうふうに育ててしまった私の責任もありますが、もともとちはやさんには私しかいなかった。だからちはやさんがあなたを選んだのだとしても、私の問題とはまた別なのです』
「……おまえの存在は、あいつの中ではもう動かしがたいものだってことかよ」
『それも含めてちはやさんだということです。とうに分かっていたはずでしょう。それでも、……ちはやさんを抱けますか?』
「望むところだ」
『結構。ならばもう二度とこの話はしないでください。早くちはやさんのところに戻りなさい』
――ガチャ……
電話を切り、こっちも叩き返すように電話を切った。
そういうことかよ。
むしろやっと納得した。ちはやがあまり感じなかった理由。――咲夜だ。ちはやは契約線で咲夜と繋がっている。精神的にもあいつと繋がっているんだ。だからそれほど快感を引き出せない。咲夜のちはやへの理性が、ちはやの中で息づいているからだ。
ただ、それでも。
肉体的には感じている。潮を噴いたのはあのときだけだが、確実に快楽は感じてるはずなんだ。
それなのにわからない。ちはやの感じるところが。射精ではないだろう。あれから何度か出したが、どれも最初に出したときほど感じていなかった。場所……。出した場所も、関係なさそうだった。
ならば、なにが……。
まさかとは思うが。
俺を咲夜だと思っていた、から……とか。
そんなの。
そんなのあってたまるか。
もう一度。
もう一度、ちはやを感じさせてやる。
今は酔い潰れて寝ているが、起きたらもう、寝させたりするものか。
背後で眠るちはやに向き直り、屈みこんで口づけた。
ちはやとの初夜でした。
とりあえずここまで。この続きもできれば読みたいですが(作者が)気が向いたら書くかもしれません。
目が覚めてからちはやに灰皿とか投げられますが。
この話では、ちはやとは生涯一緒に暮らしますが、最後まで咲夜に嫉妬し続けると思いますので、初夜ですがこうなりました。
ちはやにとって咲夜は、瑚太朗と同じくらい大好きな人なので、こういうセックスになるんじゃないかと。(瑚太朗には気の毒だけど)