【Rewrite】星の階(きざはし)を昇った先に 作:千月華音
続きです。エロが長いです。
「お客様、氷水をお持ちしました」
「ああ、ありがとう」
頼んでいた氷水とタオルを受け取り、襖を閉めると。
布団に横たわるちはやの傍に腰を下ろした。
浴衣の帯を解き、全裸にしてから、氷水で冷やしたタオルで肌を拭いていく。
まだ――熱がある。
そりゃそうか。子宮内に日本酒を注いだんだ。急性アルコール中毒になってもおかしくないが、ちはやは割とケロリとしていた。いや、酔ってはいたが。俺と咲夜を見間違うほどに。
…………。
近くにある姿見で自分の顔を見る。……似てないぞ。少なくとも俺はあいつほどイケメンではない。悔しいが。
だがちはやは幼い頃からあいつの顔を見て育ったんだ。
見間違うはず、ないのに……。酔ってたからだけとは思えない。酒に酔うまでは俺のことをちゃんと認識していた。
咲夜だと思ったのは、――抱いた後だ。
やっぱり。
ちはやは、咲夜のことを……。
「……っっ」
認めるか。
想いが通じ合って、やっと恋人同士になったのに、とうの昔にあいつに心を奪われていたなんて。
本人は、そのことをはっきりと意識していないのだろう。俺への気持ちも、咲夜への気持ちも、きっと同じか、もしくは……あいつのほうが上だ。
だから。
何度も抱こうとしたのに、いつまでたっても、俺を拒んでいたのか。
我慢できなくて何度も寝込みを襲おうとしたが、それがまずかったのだろうか。
もう、――そうはさせない。させてたまるか。
ちはやと結婚する。
いまからだ。どうせ夫婦という肩書で泊まってるんだ。そのまま既成事実にしてやる。
明日、発つけど。
もう一泊くらいしていこうか。
俺の体力がどこまでもつかだが、ちはやならついてこれるだろう。そう、――ずっとセックスし続ける。ちはやを俺のものにするまで、ずっと。
「……ん」
秘所を濡れたタオルで拭うと、その感触に気づいたのか、ちはやがうっすらと目を開けた。
その……なんともいえない色っぽい表情に。
吸い寄せられるかのように、冷水を口に含むと、そのままちはやに口づけた。
「ん、……ん」
力のない手で押しのけようとするが、その動きすら官能的で、その手を俺の浴衣の中――肌へと辿らせた。
わざと乳首に触れるように指を導くと、指先から戸惑うような震える感触が伝わり、ビリッ――とした快感が走った。
目を閉じて涙を浮かべるちはやに、覆いかぶさって口づけながら、ちはやの手をそのまま下半身へと導いた。
「あ……」
「ちはや、……触って」
「は……ぅぅ」
「下着、つけてないだろ。ちはやが脱がせて。ほら、俺の……ちはやで固くしてくれ」
「こんなこと……だめです」
「なにがだめなんだ?」
「こんな、いやらしい、こと……」
「ちっともいやらしくなんかないぞ。俺も、ちはやの大事なここを触ってやるから」
「は、……ぁあ」
「ほら、気持ちいいだろ?」
「だ、……だめ」
「ちはや」
「だめですってば、……咲夜」
「……っ!」
その名前を聞いた途端。
頭の沸点が一瞬で湧いた。
ガバッ――、とちはやの両腕を抑えこみ、正面から覆いかぶさって見下ろした。
「……ちはや。俺が誰に見える?」
「え……? あ……」
「言ってみろ、怒らないから」
「な、なにを……怒ってるんです?」
「よく見ろ、俺が誰に見えるか、言ってみろ!」
ちはやは、目をパチパチと瞬き、身を捩って腕から逃げようともがいた。
「い、痛い、です……」
「俺の名前を言ってみろ」
「どうした、んですか……? いつもの、優しい咲夜じゃ……ないんです?」
「いつも……? おまえはいつも咲夜と、こんなことをしてるのか?!」
「…………。…………瑚太朗?」
「ああ、そうだよ! もう一度聞くぞ。おまえ、咲夜とこんなふうに、キスしたり触りあったりしたことあるのか?」
ちはやの表情が困ったように俺を見つめた。
その顔を見て、ピンときた。……あるんだ。
あいつは何もしてないと言っていたが、そんなのあてにならない。
「……咲夜とは、……一度だけ」
「……っ」
「お風呂場で、抱き合って……咲夜のを、触ってあげたら、……ダメですって」
「……へえ。それで?」
「それでって、……それだけです。それ以上のことは、させてくれませんでした。こういうのは、好きな人とするものだって……でも」
「ちはやの好きな人は咲夜だったと」
「だって、そのときは、……咲夜しかいなかったんです」
「ちはや。おまえ、咲夜に抱かれたいと思ったのか?」
ちはやの唇がきつく噛んだ。
ああ、もう、決定的だ。こいつ――咲夜に恋してる。
「い、いまは……瑚太朗が、います」
「さっき露天風呂でおまえを抱いたの、覚えてるか?」
「……っっ! あ、んなこと、……するなんて!」
「ああ、確かに、初めてなのに酒で酔わせてしまったけどな、おまえはずっと俺を咲夜だと思ってたよ」
「え……?」
「途中からだけどな。……だからやり直しだ。もう酔いは醒めただろ?」
「こ、瑚太朗……?」
「もう慣らさなくても大丈夫だよな」
グッ――、と足を開かせ股の間に膝を押し込むと。
ちはやが怯えたように身体を反転させ、逃げようとした。
まるでレイプでもされてるかのような怯えよう。……なんでだ。さっきまで許してくれたのは。
あれは、――咲夜だと思ったからか。
ちはやの身体を布団の上に抑えこみ、股の間に指を挿し込んだ。
「――っっ!」
「力を、抜け…」
「こ、瑚太朗、やめ…」
「ここを貫いたのは俺だ。もうここは俺のものだ。だから怯えるなよ」
「あの……! 怖いです、瑚太朗……!」
「なにが?」
「なんで、そんなに目がギラギラしているんです?!」
…………。
そうか。
自分ではあまり自覚してなかったけど。
俺、いま、嫉妬で見境なくなってるのか。
そうか、そうか。さっきからどうも勃起がとまらないと思ってた。鏡、鏡……あ、ほんとだ。俺、ケモノみたいな顔してる。
なら。
この渦巻く嫉妬ごと、おまえを抱かせてもらう。
ちはやの背を舌で思いきり強く吸い上げた。
「はう……っ!」
「ちはやに欲情してるからだよ」
「よくじょう……?」
「他の男に心を奪われてるちはやを俺のものにしてやると思うと、興奮がとまらないんだ。……いくぞ」
――ズリュッ……
入口は狭いが、一気にカリを埋めると、あとはもう奥まで簡単に届いた。
女の膣って……、一度男の形を覚えると、こうも柔軟になるのか。
妙な感心をしつつ、ゆっくりと。……穏やかな動きで。
ちはやの腰を抑えながら抜き挿ししていく。
痛みはないはずだ。ちはやの息が苦しそうではなく、動きに合わせて吐き出されていく。俺の動きに、膣内も馴染むかのように緩やかに蠢動していた。
たまらず、ちはやに覆いかぶさる。腰をぴったりとくっつけた状態で、内部を抉りこむように動かすと、次第に艶っぽい喘ぎになるちはやに嬉しくなり、優しく胸を愛撫しながら動かした。
「あ、あ……う」
「ほら……俺のカタチ……わかるだろ?」
「こ、これ、瑚太朗、の……」
「そう、俺のだよ。いまちはやの中でドクンドクンって脈うってる」
「あ、う、うぁ……熱い」
「もっと熱くしてやるぞ」
「お、お願い、です……は、はやく」
「ん?」
「せつない、です……こんな動き……もっと早く動いて」
「……っ!」
いま、なんて言った?
まさかちはやからリクエストするなんて。
よほどもどかしかったのだろう。ちはやの膣口がもぞもぞと蠢いて俺のを咥えこもうとしている。まさかこんなに早く物足りない動きをしてくるとは思わなかった。
そういえば露天風呂では、勢いをつけた動きしかしなかった。
ゆっくり動かすほうが、むしろもどかしいのか……。
正直、すまんかった。
「わかった。じゃあ正常位でやろう。ほら、身体を俺の方に向けて」
繋がったままちはやを正面に起こすと、足が絡みついて腰へと回された。促されるように尻を持ち上げ、股を大きく割り開くと。
ふんっ――! と今度は棹を一気に奥へと叩きつけた。
「あう……っ!」
……絶景だ。
ちはやの見事なプロポーションを真正面から見ながらのセックス。揺れる胸も、挿れるたびに腹が俺の形に盛り上がるのも、見ていて興奮が増していく。
途切れなく動かしていると、それだけでちはやは次第に目を泳がせ、張りつめた顔が蕩けるように崩れていった。……わかりにくいが、感じてると思っていいのだろうか。
……違う。
これ、さっきのちはやの顔と同じだ。
咲夜に抱かれてると勘違いしていたあのときも、こんなふうに嬉しそうな笑みを浮かべていた。
俺じゃなく、咲夜を求めていた……。だからがむしゃらになって動かしたんだ。
それがかえってちはやを喜ばせた。さっきのときとまるで同じ反応。
ならば。
グググ――、と奥の奥まで、子宮の穴をこじ開けながら亀頭を動かすと、ちはやはやっと俺に気づいたかのように目を見開いた。
「は、うあ、くっ、苦し…」
「ちはや。ちはやのここまで埋めることができるのは、俺だけだよ」
「あ、の……もう、少し、ゆるめて…」
「いやだ」
「あ、あ、ああっ! いや、奥、はいっちゃ……っ!」
「ふう、女ってのは、言葉と身体が一致しないな。もう無駄だよ、ちはやの穴は、俺のを咥えこもうとしてる」
「こ、瑚太朗……!」
「優しく気持ちよくさせてくれると思った? 生憎だな、俺は、――おまえが欲しいんだよ!」
……ここだ。
ピッタリと鈴口をリング状の穴にくっつけると、一度引き、狙いを定めて――。
穴目掛けて貫いた。
「はう――っ!」
突っ張ったちはやの足を腰に絡ませ、グリグリと力任せに押し込めていく。さっきはここまでしなかった。俺の肉棒でこの中を蹂躙することへの躊躇いがあったからだ。――だけど今は。
もう俺のものにすることしか考えられない。
はあ、ふう、と息を荒げながら二度、三度と穿っていく。何度か穴をカリで潜らせているうちに、次第に子宮の膜が追い縋ってきた。……あ。俺のペニスに子宮が引っ張られている。なんてことしてるんだろう。ここまで柔軟な動きができるものなのか。
――ゾクッ……!
さらに興奮が増した。セックスでこれほどのことができるとは思わなかった。いや、現にしてるんだ。しかもちはやの子宮を俺が……。
ちはやは。
苦しそうに顔を歪ませていた。……辛いのか。苦しませたいわけじゃないのに。
ちはやにも悦んでもらわないと意味がない。
よいしょ、とちはやを抱き起こすと、あぐらをかいてその上にちはやを跨らせた。下から突き挿せば子宮も降りてくるからもっと動かしやすいはずだ。
「あ、……うぁ、……く、ぁ」
「ほら、ちはや。……腰を、もっと、浮かせて」
「あ、ああ……ぬ、抜いてぇ」
「ほら、抜いた。……また挿すぞ」
「あうっ! やっ、あああ!」
「一緒に動かすんだ。二人でやらなきゃ、意味がない。……いくぞ」
「う、うううっっ!」
柔らかい。
何度も貫いたせいで、ちはやの子宮が揺蕩っている。ゴムみたいな柔らかな動きで俺のを包み込んでくる。それがたまらなく気持ちいい……。
しがみつくちはやに口づけた。少しでも気を紛らわそうとしたが、いやいやと顔を背けてしまう。……キスなんかではもうこの動きをごまかせないか。それほど激しく固い状態でちはやの子宮内を動きまわっていた。
はあ、はあ、…………。
次第に。
ちはやをまんぐり返しにして上から突き挿していた。あらゆる角度からこの柔らかな子宮を突き上げていく。俺のカリが、擦れるたびに、ちはやも次第に反応を返してきた。気持ちいいのか悪いのかわからないが、体内から痺れるような震えが伝わってくる。
気持ちいいと思うことにしよう。
ちはやの顔を見下ろす。泣いているのかそうではないのかわからない。たださっきからもう限界だというかのような目を俺に向けていた。
もう――。
俺だってわかってるよな?
ここを男の象徴で犯しているのが、俺だって。
あいつにはここまでさせてないから、いまだけは俺のことを考えてくれ。
「こ、こた……ろ……」
その声に。
コクン、と頷いて、望み通り、――ぶちまけた。
グリグリと子宮奥まで深く貫いた状態でだが。
直接注がれるその感触に、ちはやが涙を浮かべていた。……感無量だ。やっとちはやを感じさせることができた。
くそ……。終わらない。
よほど我慢してたのか。途切れないぞ、これ。このままだと。
「はう……」
ズポッ……
ちはやの子宮を精液で満たし、なおとまらない射精を膣内にばら撒いた。射精しながらもまた子宮口を叩くと、すっかり馴染んだそこが優しく亀頭を愛撫するように吸い上げてきた。
また潜りこむと、きゅうきゅうとカリ首を咥えこんでくる。残滓すら絞り取ろうとするかのような動きに、なんともいえず、悦楽の境地を味わった。
ふと。
ちはやの、柔らかな笑みが注がれていることに気が付いた。
「ちはや?」
「ふふ……。瑚太朗、気持ちよさそう……です」
なんて……。
嬉しそうに笑っているんだろう。
やっと、――やっとちはやを俺のものにできた気がする。
最後の数滴を注ぎ終わると、すごい恰好でちはやと繋がっていることに改めて苦笑し、抱き起こしてようやく頭を抱きしめながら口づけた。
「……ん」
「ちはや、……愛してる」
「……瑚太朗」
「俺と結婚して」
「……はい」
「本当…?」
「瑚太朗と、家族になります」
「……ちはや」
「三人で、暮らしましょう。咲夜と、瑚太朗と、三人で」
「…………。咲夜も?」
「そうですよ」
「咲夜とは、その……こういうこと、する?」
「はい」
「するのっ?!」
「だって、家族ですから」
「いや、いや、ちょっと待て。家族ってのは、そうじゃない。そうだけど、俺と咲夜は違う」
「どう、違うんです?」
「俺は、ちはやの夫になるけど、咲夜は違うだろ。あいつは」
「私の大切な人ですよ」
「そ、そうなんだけど……。そうなんだけど、ちょっと待って。こういうことってのは、その、セックスってことで」
「はい、そうですが。咲夜ともしたいです。……いけませんか?」
「だめ!」
「どうしてです?」
「あ、あのね、ちはや、わかってくれ。これは俺とだけするもんなの。好きの意味が違う」
「どう、違うんです?」
「~~~~っっ」
ダメだこれは。
どう説得すればいいんだ。
ちはやは咲夜とセックスしたがってる。俺が快楽を教えてしまったからだ。
咲夜とも味わいたいと、そういうことなのだろう。……だめ! それだけはだめ!
「どう違うんですか? ……家族なのに」
「ちはや、もう一度だ。これは咲夜とはしちゃいけない。それを教えてやるから、もう一度俺とセックスしよう」
「どうして咲夜と、しちゃいけないんです? 瑚太朗……いじわる、言わないでください」
「いじわるとかじゃなくて! ほら、もう一回……!」
ちはやを押し倒す。
こうなったら咲夜のことを諦めるまでやるしかない。……諦めるとは思えないが。
不思議そうに見つめるちはやを無理やり口づけた。
あまりに瑚太朗が報われないので、せめてちゃんとセックスさせてあげたくなりました。
最後はやっぱり報われてませんが。
たぶん、妊娠しても、「咲夜によく似た男の子だといいですね」とか真顔で瑚太朗に言いそうです。
咲夜。
責任とれ。
もういっそ二人でちはやを抱いてもいいんじゃないかな。