【Rewrite】星の階(きざはし)を昇った先に 作:千月華音
相変わらず咲夜と一緒です。
……階下からピアノの音がする。
隣にいたはずのぬくもりを手で探してみるが、空っぽだった。下か、と服を着ながらベッドから降りる。
音はひとつではないようだった。二人で連弾しているのか。
……悔しいが、どうにもならない。
ちはやのピアノに付き合えるのは咲夜だけ。俺には弾けない。そもそも二人がかなりの練達者だと知ったのは最近のことだ。
階段を降りながら聞こえてくる歌うような旋律に、二人とも興が乗っていることが窺えた。
ソファに座って聴いてみる。
――上手い。
プロかと最初は疑った。ちはやのテクニックに舌を巻いたが、咲夜はそれ以上に上手かった。オリジナルの曲ばかりだった。どちらが作曲しているのかわからないが、どちらにしてもほとんどプロの領域だ。
ちはやが手をとめた。
やっと俺に気づいてくれた、と喜んだが、咲夜の顔を覗き込むように見ていた。……なんだ。俺じゃないのか。
「咲夜、そこ、違いますよ」
「そうですか?」
「だって咲夜が書いた楽譜だと」
「ああ、ここはカデンツァなのでアレンジしてもいいんですよ。今のは少しジャズ風にしてみたんです」
「そうなんです? じゃあもう一度合わせますね」
キリがない。
このままだと二人ともいつまで経っても演奏が終わりそうもない。
仕方なくゴホン、とわざとらしく咳をすると、ようやくちはやが振り向いてくれた。
「瑚太朗? 起きてきたんです?」
「さっきからいたぞ」
「そうだったんですね、ごめんなさい。咲夜、もう一度最初から」
「あのお! そろそろベッドに戻って欲しいんだけど」
ちはやに近づき腕を掴むと、やれやれ、といった顔で咲夜がポロン……と鍵盤を弾いた。
「続きはまた今度にしましょう。ちはやさん、何か温かいものでも飲みますか。お部屋にお持ちしますが」
「あ、それじゃロイヤルミルクティーで。瑚太朗はなにかいります?」
「いらねえよ」
「では、ちはやさんのみで。失礼します」
咲夜が立ち去ると同時に。
あいつが座っていた椅子に座り、ちはやの肩を抱き寄せた。
「あ、ちょ……、お部屋に戻るのでしょう?」
「…ちはや」
「はい」
「邪魔する気はなかったんだ」
「…はい?」
「二人とも楽しそうだったから、本当は邪魔なんてしたくなかった。……だけどさ」
「瑚太朗」
「このままだと父親の株も咲夜に取られそうで。俺はあいつみたいになんでもできるわけじゃない。もし生まれた子供も咲夜になついてしまったら」
「……瑚太朗は、瑚太朗です」
「ちはや」
「この子の父親は、瑚太朗ですよ。お父さんになるんですから、なつかないわけないじゃないですか。そりゃ、咲夜にもなつくかもしれませんけど」
「ほらあ! やっぱりそうなんじゃないか」
「だとしても、父親は瑚太朗なんです。ちゃんと愛情をかけて育んでいきましょう。私と、瑚太朗と」
「あと咲夜と?」
「そうですよ」
「どうしてあいつもセットなの!」
ちはやを引っ張って口づけた。
宥めるような柔らかな舌の動きにちはやが苦笑しているのが伝わる。……もう、そういうものだとわかっているが。
俺は。
いまだに、ちはやを身籠らせた事実に馴染めずにいた。
ちはやと咲夜の距離は、変わらなかった。
俺が必死になってとめたので、咲夜とセックスしたがっていたちはやをどうにか押しとどめることはできたが。
二人はそれでも以前と変わらず、親子のような恋人のような……仲のいい関係のままだった。
ただ。
前とひとつだけ違うところがある。
それはちはやが身籠ったとわかった直後からのことだが。
「咲夜!」
ちはやは頻繁に。
それこそしょっちゅう、咲夜に声をかけ、咲夜と一緒にいる時間が多くなった。
「一緒にお風呂はいりません?」
待て待て。
俺が隣にいるのに、なに堂々と不倫するようなことを言ってるの、この娘。
ギンッ――! と咲夜を睨むと、はいはい、とでもいうかのように咲夜がお辞儀した。
「私は遠慮します。お二人でどうぞ。お風呂の用意はできていますよ」
「……咲夜も一緒に」
「与太郎くん。くれぐれも無茶はなさらないように」
しっかり俺に釘をさすことは忘れず、静かに立ち去る後ろ姿を、ちはやは名残惜しそうに見つめた。
……落ち着け、俺。
ちはやに深い意味はない。いや本当に咲夜と俺と一緒にセックスしたかったのかもしれないが。
そもそも、ちはやはそろそろ目立つお腹を俺に見られることすら恥ずかしがっているのに。
なんで咲夜には、ああも堂々と。
「……咲夜にも、見てもらいたかったです」
ムカッ!!
俺には?!
俺には嫌がっていましたよねぇ?!
……どうどう。
落ち着くんだ、俺。ちはやに深い意味はないんだ。そう、――たぶん。
ちはやを抱き上げる。
膨らんだお腹を間近に見ながら、驚いて暴れるちはやのこめかみにキスをした。
「は、離してくださいっ」
「ちはや、セックスするぞ」
「はい?!」
「臨月にしても問題ないそうだ。ちゃんと医者に聞いたから心配ない」
「まっ……! だ、だって、このお腹ですよ?!」
「問題ない。むしろ興奮する」
「……っ?!」
「数か月ぶりだから手加減できないかもな。逃げるなよ。咲夜を誘ったことを後悔させてやる」
「――っ!」
ガラッ――、と浴室の扉を開いた。
ちはやを降ろすと、逃げようとするその手を掴んだ。俺の顔を見て本気だとわかったらしい。
ちはやが俯いて小さな声で言った。
「……洗うだけって、言ったじゃないですか」
「言ったな。目隠ししろとも言ったよな。見られたくないからって」
「約束、破るんですか」
「約束した覚えはない」
「瑚太朗っ」
「咲夜には見られてもいいわけ?」
「…………」
「ちはや、服を脱いでもらおうか。もう何度も二人で入ってるだろ。脱がないなら俺が脱がせるぞ」
「……怒ってます?」
「ちはや。俺はちはやと喧嘩したくない。だから正直に言うぞ。ちはやの妊娠した姿を見ることができるのは、俺だけだ」
「…瑚太朗」
「ちはや、服を脱いでくれ。じっくりと見てみたい」
おずおずと。
マタニティ服を脱ぎだしたちはやを見て、ムクムクと自身が膨れていくのを感じた。
……巨乳だ。
最初に見た感想。めっちゃ乳房が張ってる。絞れば母乳も出るかもしれない。以前より数倍大きくなっていた。
それに全体のラインが丸みを帯びて、あの小柄だったちはやの身体が、膨らんだお腹と相まって色っぽくなっている。我慢できず俺も急いで脱ぐと、ちはやを抱きしめて口づけた。
そのまま抱き上げ、浴室の床に押し倒し、嵐のようなキスを交わし合う。
くっついているお腹が揺れている感触がした。……動いてる。お腹の子供がちはやの中で。潰さないようにしないと。今からちはやの中に入るからな……。
その前に、当初の予定通り、ちはやを洗ってやろう。
はふ、と口づけを離して息継ぎをするちはやを抱き起こし、木で造られた風呂椅子に座らせた。
ちはやの家の風呂は、家の外観とはちぐはぐな和風の檜風呂だった。
もっともシャワーとか蛇口などは最新式だが。
「あ、あの」
「座ってて。背中からゆっくり洗ってやるよ。気持ちよくさせてやるから」
泡立てたボンボン風のタオルをちはやの背後から丁寧に撫でていく。
背中のラインが綺麗だ……。前よりもくびれが際どい。やっぱり妊娠したせいだろうか。子供っぽい体型だったのに、以前とは比べものにならない。
背中に身体を擦りつけながら洗うと、ちはやがくすぐったそうに笑った。
「あ、んっ、あ、あたって、ます…」
「なにが?」
「こ、瑚太朗、の…」
「俺の、なに? ちゃんと言って」
「い、いじわる、言わないでください……あっ、やんっ、後ろから股を開かないでっ」
「ちゃんとここも洗ってやらないとな。中までは入口だけで勘弁してやるよ。ほら、もっと開いて。ちはや、次は俺も洗って欲しい」
「あ、はい……瑚太朗の、も……ちゃんと洗ってあげます」
「だから、俺のなに?」
「も、もう……!」
ちはやの手にタオルを握らせると、俺の男根をおずおずと撫でてくれた。
互いに椅子で向かい合わせながら洗いあう。そうしながらもちはやの膨らんだお腹をしげしげと見ていた。
その視線にちはやが必死になって目を逸らしている。その可愛い反応にまたムクムクと息子は反応していた。
「こ、瑚太朗……何をそんなに興奮してるんです?」
「ちはやがエッチな格好をしてるからだよ」
「ど、どこがです?! こ、こんなお腹なのに」
「とてつもなくエッチだ。俺の赤ん坊がこの中にいるんだと思っただけで勃起がとまらない」
「…………。知りませんでした。瑚太朗がこんな変態だったなんて」
「俺はもともとスケベなの。どれ、そろそろシャワーで流すか。ちはや、股を開いて」
「ん……しょ」
シャワーを向けた途端。
ちはやが身悶えて椅子から落ちそうになった。おっと、とその背中を支えながらも股から全身を洗い流すが、膣に向けた途端、またビクビクと反応して俺にしがみついた。
感じている。
あのあまり感じなかったちはやが……。俺に膣内をシャワーであてられただけで、こんなに身悶えるなんて。
どれ。
膣口を指で広げ、中に思いきりシャワーを向けた。すると今度こそちはやは小さく悲鳴をあげて痙攣するように達した。最初のセックスのとき以来、見ることのなかった潮吹き……。まさかまた見ることができるなんて。
ちはやに口づける。
すると今度は逆らうことなく素直に股を広げてすり寄ってきた。可愛すぎる。もういいだろう、とちはやを抱き上げ浴槽へと向かった。
湯の中でちはやを浮かせながら背後から抱きしめると、ちはやの手が俺のペニスをギュッと強く握りしめてきた。
「あ……熱い、です」
「お湯が? それとも俺が?」
「ど、どっちも、……です」
「入れるぞ、ちはや」
「ま、待って……本当に、こんなお腹で?」
「むしろいつもより滾ってる」
「あう…」
「ちはやが入れて。俺のを、自分で。……さあ」
くびれを指で擦りながら、位置を確かめると。
ちはやは言われた通りに自ら膣内へと俺を導いた。
俺も……、手助けするようにちはやの手首を掴んで一緒に挿入していった。……やべ。この中、めちゃくちゃうねってる。ちはやが感じてる証拠だ。
背後からちはやを赤ちゃんのように足を持ち上げると。
もう遠慮することなく、奥の入口まで叩いた。
「あう……!」
……開いてる。
わずかだが、子宮の口が開いていた。そうか、出産が近いから。
もういつ出てきてもおかしくないのか。
こんなことして大丈夫なのかと思うが、医者に聞いてもあまり動かさなければいいとは言っていたし、それにこんな名器を途中でやめられるか。
ちはやも俺のペニスを膣内で必死に愛撫していた。どれだけ待ち望んでいたのか知らないが、いつもの数倍は襞の収縮が激しい。はあはあ、と興奮が増していく。俺自身も脈動がとまらずにいた。
抱えている足をおろしたが、ちはやは自ら動きを合わせてくれた。いいぞ、とそのまま動きを激しくしていく。俺もちはやも早くイきたがっていた。赤ん坊を刺激するかもしれないのに、もうそのことすら自らの欲望の前では意味をなくしていた。
いい……。
ちはやの中、たまらない。子宮の口も窄まりが強くなってくる。俺の鈴口を吸い上げようとする動きだ。こんなの以前はなかった。妊娠してるせいなのかなんなのか知らないが、こんな機会を逃せるか。
ちはやをひっくり返し、浴槽の縁に腕を乗せると。
背後から足を抱え上げてさらに深く抉った。お湯のおかげで身体が浮いて、勢いがとまらない。もっと感じさせたい。この俺の子を孕んだ女を、俺で狂わせてやりたい。
はあ――、とちはやの首筋に口を近づけ、グリグリと子宮口をこじ開けた。パクつくそのいやらしい口がなんともいえず、亀頭だけを潜りこませた状態のままちはやに囁いた。
「俺の、――出して欲しい?」
ちはやの腰は蠢いて俺のを欲しがっている動きだった。聞かずともわかるが、ちはやの口から漏れたのは意外な言葉だった。
「だ、……ダメです」
は?
なにがダメなんだ?
「妊娠、してますから……」
だから射精はダメ?
そんなのアリ?
「…………。ちはや。欲しくないのか?」
「ほ、……欲しいですけど。赤ちゃんに、悪いです」
「別に子宮の中に出すつもりじゃ」
「あの……。瑚太朗。出すなら、外に」
「…………」
「ね? 産んだあとでしたら、いくらでも出していいですから」
…………。
仕方ない。
俺はちはやをいじめたいわけじゃない。結局、最後にはいつもちはやのおねだりを聞いてしまう。
「……わかったよ」
「…瑚太朗」
「ここだとお湯を汚しちゃうな。出て、続きをしようか」
「……瑚太朗、この中で」
ちはやが。
なんと。
胸を……両手で挟んだ。
「瑚太朗の、この中で。……私が受け止めますから」
「…………」
「は、はやくしてください。……恥ずかしい、です」
真っ赤になりながらも、両手で挟んだ豊満な胸を俺の目の前に差し出した。
ゴクリ、と喉を鳴らした。まさかこんなことをしてくれるなんて。
ズボッ――、と胸の谷間にペニスを挟むと、ちはやがうっとりとその先端を見つめた。
「あ……、先っぽから、少し出てますね」
「……ちはや」
「んっ、……ちょっと、しょっぱい、です。……動いて、瑚太朗」
「――っっ!!」
パイズリは初めてだが。
もはやそんなのどうでもいい。ちはやの胸の温かさと挟まれた乳房の柔らかさが、さきほどよりもさらに興奮した。
しかも亀頭を舐めて、吸ってくれている……。動かしながらだが、ちはやは嫌がる素振りもせず必死に舐めていた。
こんな可愛いちはやの顔にぶちまけることができるなんて。
男冥利に尽きる。――ざまあみろ、咲夜。おまえなんかにできるか。ここまで奉仕するちはやなんて、見たことないだろ。
はあはあ、と筋が張っていく男根を、ちはやが必死に胸で愛撫していた。ちはやも……興奮してるのか。俺のをこんなに間近に見ながら、だからか。頬が赤くなっているのは、羞恥だけじゃなくて……。
やばい。
もうもたない。
もっとこの隘路を味わいたいのに。我慢のきかない息子に悔しい思いをしながらも、噴き出す白い液体はとまらなかった。
ちはやの顔が汚れていく。
だがさらに汚すようにまき散らした。罪悪感など微塵もなかった。ただ汚したい、それだけだった。
あ……。
ちはやが。
俺のを、舐めて、吸い上げてくれている……。
なんて優しい愛撫なんだ。舌も口の中も、まるで天上にいるかのような気持ちよさ。
はふ、と舐めとってくれたちはやに、もう我慢ができず、抱き寄せて口づけた。
自分の精液の味などどうでもいい。ちはやを癒すかのように、ただ優しく口づけた。
「あ……ふぁ」
「ちはや……、良かったよ」
「ほんと……です?」
「ああ、すごく。またしてくれるか?」
「ええ、いいですよ。今度、咲夜にもしてあげてから」
「咲夜にっ?!」
「こないだお風呂でしてあげたんです」
「こっ、こっ、これをっ?!」
「そうですよ」
「おまっ、咲夜になんてことを!」
「いけませんでした?」
「セックスしたの?!」
「してません。しちゃだめって言ったの、瑚太朗じゃないですか」
「でもパイズリはしたのか?!」
「ぱいずり?」
「これだよ! これ、咲夜にもしたのか?!」
「セックスじゃなければいいのでしょう?」
「だめ!」
「どうしてです?」
「これもセックスのうちなの! ……俺より先に、咲夜と。……咲夜と」
「瑚太朗? これ、セックスじゃ……」
「あいつのちんこを吸ったのかよ?!」
「いけませんでした?」
「ダメに決まってるだろ!」
「……どうしてです?」
「道理で慣れてると思った。二度と咲夜と風呂には入るな! ちはや、それは浮気だからな!」
「浮気じゃありませんよ。咲夜は」
「大切な人だっていうんだろ! それは知ってる! だけどな、咲夜といちゃつくの禁止!」
俺は。
いつまで。
咲夜と張り合わねばならないのか。
ちはやがちはやでいる限り、それは生涯続くのかもしれない。
ちはやが咲夜としていること。
・キス(ディープもあり)
・フェラ
・パイズリ
・搾乳(母乳が零れてくるので咲夜に相談)
…………。
瑚太朗はこれを知りません。
言ってはいけませんよ、と咲夜が口止めしてます。(言いましたけど)