【Rewrite】星の階(きざはし)を昇った先に 作:千月華音
番外編「月語りの幕間」から続く話になりますので、そちらから先にご覧ください。
ちはやIFルートとなります。エロ多めです。
最近。
ちはやが俺をジッと見つめることが多くなった。
それはもう、いろんなタイミングで。食事の後。風呂から上がった後。外出から戻った後。――セックスの後。
何か物問いたげな顔で。……いや、もうわかってる。似たような視線を、昔、感じたことがあるからだ。
静流だ。
あの可愛い後輩が、よく俺の昼寝を邪魔しに来た。邪魔というか、目が覚めたらいつも目の前に静流がいた。
それでつい、構ってしまいたくなったんだ。
今にして思えば、あれは――自惚れかもしれないが――恋する眼差しだったのだと思う。
静流とは、その後、疎遠になってしまったが。
想いは届いていた。あの視線だ。俺をジッと見つめる、あの……ときめいているような眼差し。
それを、ようやくというか、今頃というべきか。
やっとちはやから感じることができた。
こうやってセックスの後の、気怠い時間。互いの快楽がまだ抜けきらず、抱き合ったまま――というか繋がったままだが、ちはやの髪を撫でながら見下ろすと。
静流のときと同じように、恋する瞳で俺を見つめていた。
…………。
嬉しいけど。
なんで今頃……?
もう子供も産まれて、毎日が子育てに追われてて、こうしてたまにしかセックスすることができず、以前みたいにしょっちゅうできるわけでもない。
それにほとんど息子の相手をすることが多いし、ちはやと一緒にいるよりも子供と過ごす時間のほうが多いくらいだ。
まだ産まれたばかりの可愛い息子――俺とちはやの。
まあ、俺より咲夜になついてしまっているが。
もしかして。
それが原因か。
俺が息子にばかり構うから、ちはやのやつ、嫉妬して。
……違うな。
そういう顔でもない。明らかに俺に恋してる表情だ。見惚れている。こうやって頬を撫でただけでポゥッ……と顔を赤くしている。こんな挙動も今までなかった。
試しに指を口元にあてると、ちはやは嬉しそうにその指を咥えて舐めだした。こんな積極的な仕草をすることも、あのちはやからは想像もできなかったことだ。
……試してみるか。
今なら、ちはやの口からきけるかもしれない。
「…ちはや」
「はい」
「俺のこと、好き?」
そう言った途端。
顔を真っ赤にして嬉しそうに頷いた。
「……はい」
「咲夜よりも?」
ちはやの顔が固まった。
聞きたくても聞けなかった質問。ていうか聞くのが怖かった。これで咲夜と言われてしまったら、もう立ち直れない。
ちはやの顔が俯いた。
答えを躊躇っている。
「……ちはや。正直に言って」
「…………」
「言っても怒らないから」
俯くちはやの顎を持ち上げる。
すると頬に唇を寄せてきた。
「…………」
「これじゃ、だめですか?」
「あのさ、比べられないのはわかってる。だけど俺が知りたいのは」
「私、変、なんです。瑚太朗を見てるだけでドキドキします。咲夜にはそんなことないのに」
「……ほんと?」
「ほんとですよ。咲夜を見るとほっとします。でも瑚太朗を見ると、どうしていいのかわからなくなります。これって病気なんでしょうか」
この娘は。
恋心ってのを理解しとらんのか。
「こうやってほっぺにちゅーするのも、すごくドキドキするのに」
「もっとすごいちゅーもたくさんしてるだろ」
「そ、それはぁ……、瑚太朗がしてくるから」
「ちはや」
言葉よりもこうするほうがわかりやすい。
ちはやの中に入ってる自身が、むくむくと大きくなっていった。
「あ、……っう」
「俺のなにが好き? ひとつひとつ言ってみて」
「あ、ちょっ……! ど、どこ動いてるんですかっ」
「ここだろ、ちはやが突いてほしいところ」
中の襞がひときわ窄まる箇所がある。……たぶんここだ。
ペニスの動きを感じて、またそこが柔らかくうねり始めた。
「やぁ、んんっ、な、なんで、とめるんですかぁっ」
「言ってくんなきゃ動かない。言って。俺のどこが好き?」
多少、卑怯だと思わないでもないが。
ちはやの快楽のツボを刺激する寸前で動きをとめた。
「う……」
「ちはや」
「え、と……ですね。いまは、嫌い、です……。いじわるする瑚太朗なんて」
「いじめてない。むしろ気持ちよくしたいから、聞いてる」
「あう…」
「どこが好き?」
「……こ、これ」
「これ?」
「瑚太朗の、が……はぅっ、すごく、……好きです。動いてくれたら、もっと、好きです……」
「へえ……」
まさかちはやがこうも素直に俺のペニスが好きと言うなんて。
もっと聞きたくなった。
「あとどこが?」
「……声。……瑚太朗の、声がとても好きです。初めて会ったときから」
「初めてって、……ああ、さくらんぼのパンツ」
「も、もう……! そんなこと思い出さないでくださいっ」
「だってしっかり見たから。あんなセクハラしたのに?」
「セクハラじゃないですよ。そうじゃなくて、私を気遣ってくれたじゃないですか。咲夜以外にそんなことされたの、初めてでした」
「……箱入りお嬢様だったわけね。他には?」
「あの、……えっちなところ」
「は?」
「セックスのときだけじゃなくてっ! ……覚えてます? 前に私が男子トイレに間違えて入っちゃって」
「忘れいでか。俺のちんこしっかり見てたくせに」
「い、一応、目隠ししたじゃないですか」
「指の隙間が空いてたぞ」
「……うう。だけどその後、瑚太朗、隠さなかったじゃないですか。どうせなら最後まで見ていけばって」
「見てただろ。結局、最後まで」
「だ、だからあ! そういうえっちなところが、その……嫌いじゃなかったです」
「…………」
「ち、違います! えっちが好きって意味じゃなくて、その、瑚太朗のあのときの顔がですね、その、めちゃくちゃ色っぽくて……あ、あの、男の人に色っぽいって変ですけど、なんかこう、ドキッとするような顔っていうか」
…………。
気づいてたのか。
あのとき俺、ちはやに欲情してた。
俺の下半身を、見ちゃいけないのに見ようとする、そんな女の子にどうしようもなく興奮した。
つまりは、ちはやもかなりエロい目で俺を見てたってわけだが、そんなの自覚すらしてないだろうな。
「俺の小便してる姿見て、興奮した?」
「こっ、興奮とか、してないです!」
「俺はしたけどな。ちはやに見られてると思うと。白いものも一緒に出かかっていた」
「……っ」
「それで、どこを動いてほしい?」
うねる襞の箇所を再び動かしていく。
ちはやの蕩けるような吐息に笑みを浮かべ、吸い上げるようなキスを交わした。
「あ、ふぁ…」
「ちはやはね、俺の虜になったんだよ。いま動かしてるこれも、ちはやの虜になっている。この中は、もう俺のものだ」
「…瑚太朗」
「動くぞ。俺の首に腕をまわして」
「はい……」
ちはやの足を持ち上げる。
本格的に動こうと、唾を飲み込みながら角度を見極め、ちはやをイかせ続けようと決めたそのときだった。
隣の部屋から。
赤ん坊の泣き声が聞こえ、二人で顔を見合わせた。
「…………」
「おあずけ、です……」
「…………」
「また、……しましょ? ね?」
ふっ、――と苦笑してちはやの額にキスをした。
二回戦とはいかなかったか。
だけどまあ、ちはやの本音を少し聞き出せたわけだし、良しとしよう。
名残惜しそうに男根を抜くと、ちはやがベッドから身を起こし、まだ元気なそれに目を落とした。
「……大きいです」
「そりゃ、こんな中途半端じゃな」
「……一人で、しちゃだめですよ」
「…………」
「寝かしつけてきますから、それまでそのままで」
「……ちはや」
「わ、私も……その……欲しいですから」
…………。
どうした、ちはや。
こんな可愛いちはやは初めてだ。
さすがに唖然としたが、恥ずかしそうにガウンを羽織って部屋を出ていくその姿を、ゴクリ、と喉を鳴らして見つめた。
ちはやが……求めている。
本当に俺に惹かれてる。今の今まで半信半疑だったが、俺のこれを見てビビるどころか欲しがるなんて。
そうとわかれば。
今までしなかったもっとエロいことをしても大丈夫ってことだ。
大丈夫どころか、夢中にさせてやりたい。……俺ならできる。
頭の中で、今まで妄想していたありとあらゆるシチュエーションを思い出しながら、ちはやが戻ってくるのを待ちわびた。
――キーンコーン……
予鈴が鳴ってしまった。
吉野をからかっていたから自分が用を足すのを忘れた。あいつはさっさと教室に戻ったが。
仕方ない。早く終わらせて俺も戻ろう。
チャックを下ろしたそのとき。
いきなり飛び込んできた女子と目が合ってしまった。
転校生の――鳳ちはや。
転校初日にさくらんぼのパンツを見てしまったことを思い出した。
「はうあ!」
鳳は、俺の顔を見てからすぐその下をマジマジと見た。
俺といえば。
今まさに出かかっている小便を止めることもできず、変な悲鳴をあげた鳳になんて声をかければいいのか迷っていた。
「こ、こ、ここ、まさか」
「男子トイレです」
「すすすすすみません!」
いや、謝るのはいいけど。
できれば出て行ってくれませんかね。
さっきから何を見てるんですか、君は。
これか。
ジョロロロロ……と大量の尿が出てるそれを、鳳は目隠ししながら指の隙間から見ていた。
…………。
やばい。
なんか興奮してきた。
異性に見られながら用を足すのって、勃起するものなのか。
これが小鳥だったら。
エロい要求しても顔色変えずにぱんちしてくるだろうけど。
鳳は、俺の息子を興味深々といった様子で見ていて、出て行きそうもなかった。
……仕方ない。
このアホな娘を少し懲らしめてやるか。
「見てもいいよ」
「はい…?」
「俺のちんこ、どうせなら最後まで見ていけば?」
チョロチョロ、と少しずつになってきた。
だが勃起がおさまる気配がない。
鳳はもはや指で申し訳程度にしていた目隠しすらやめて、喉を鳴らしてジッと見つめた。
「そ、そ、それ、どうなっているんです?」
……勃起を知らんのか。
それ、と言って指をさした陰茎の筋張った部分を、ためつすがめつ眺めてる。
いやあ。
改めてどうなってると言われても、見たまんまとしか言えんが。
これが小鳥だったら。
あいつは平然と勃起状態の俺のちんこを触って拭いていたな。
なんも思わんのか、とショックだったが。
普通の女の子だとこういう反応をするのか。
「触ってみる?」
あわよくば、そのまま、手コキをしてくれないかな。
と淡い期待をしながら聞くと。
「……触ってもいいんです?」
…………。
おいおい。
なんだこのお嬢さんは。
手を伸ばしておそるおそる俺の右手が握ってるそれに近づいてくる。
あと数センチ。
本当に触れてしまいそうな、あと数ミリまで迫ってきたそのときだった。
「天王寺くん! 予鈴が鳴ったけどまだトイレかい?」
誰だっけ。
同じクラスの鈴木だったか田中だったか。
俺のちんこを触ろうとしている鳳を見て、ギョッとしたように目を見開いて両手をブンブンと振った。
「お、お邪魔だったみたいだね」
何か勘違い……でもないか。いいところだったのに。
しかし、そいつが出て行く前に鳳が我にかえったかのように「きゃああ!」と叫びながら逃げていった。
あーあ、あと数ミリで触ってくれたのに。
また鳳に嫌われてしまったかもしれない。しかしあいつも悪い。根はスケベなのか?
「天王寺くん、あまり転校生にちょっかいかけないでくれよ」
やかましい。
そう言いながら出て行った。チャックを上げながら鳳の好奇に満ちた目を思い出す。
そうだよな。
小鳥がおかしいんだ。あいつ、見舞い中に何度も俺の勃起を見たくせに、まるで平然としていた。
いや、表情が変わらなかっただけで、本心はどうだったのか知らないが。
鳳みたいに頬を染めてチラチラとでも見てくれていたら、俺も小鳥をベッドに引きずりこんでいたかもな。
それにしても。
可愛い反応しちゃってまあ。
触らせて、そのままいくべきところまでいきそうだったな。
鳳ちはや。……ちはや、か。
明日から、からかう相手が増えた。
といっても吉野なんかとは違う。
俺に気が向くようにからかってやる。
念願のちはやエロ小説です。
やりますよ、千月華音は、やりますよ。(詩音風)
正直言うと、ちはやではそれほど激しくは書けそうもないなと思ってました。
しかし幕間を書き続けて、これはいけるのではないかと。
とりあえず出産までの過程はすっ飛ばして、新婚にさせてみました。
設定として、「婚礼の詩」の瑚太朗要素も多少取り入れつつ。
続けてみようと思います。よろしければお付き合いください。
次はかなり濃厚になります。(もう書いてる)
※ちょくちょく学園時代の瑚太朗とちはやも織り交ぜていきます。