春咲千和は
小学生の時からずっと彼の姿を目で追って、どんな時でも味方でいるつもりでいた。彼は千和の事を家族だと言った。大事な幼なじみであると言った。彼は事故にあった千和を見て、好きなことができなくなった千和のために自らの進路を決めた。
彼と同じ高校に進学してすぐの頃、千和は季堂家を訪れていた。
ちょうど風呂を借りようと思って脱衣所で着衣を脱ぎ捨て、これから湯船につかろうとするところであった。千和は細く女になりきっていない裸体をさらしていた。桶に湯をため、体を濡らす。湯船に浸かって体を温める。天井に向けて手をのばすと、優れて白くきめの細かい肌に白湯がしたたり落ちた。
まるで男の肌を知らない生娘のようであった。それほどに汚れなく、強く握れば折れてしまいそうな腕のためか、両親ですら千和を童のように見ていた。
この世でただひとり、彼だけは千和を少女ではない別の生き物として扱ってくれた。彼の顔を思い浮かべた。不意に気持ちが高ぶったのか、千和は立ち上がって湯船から出て、鏡と正対するように風呂椅子を置いて腰を下ろした。
両足を開いて鏡に女肉をさらす。何もない丘があった。恥毛は生えておらず、未成熟な千和の外見を表現しているかのようであった。もちろん、高校生にもなって生えていないわけではなかった。剃っていたにすぎない。なぜ、と問われれば水着を着るときに恥をかきたくないからと答えるようにしていた。
千和はボディソープの脇に置かれた透明の容器を手に取った。容器の内容物は水溶性ポリマーと水の混合物であった。俗に言う潤滑ゼリーを片手で絞り、粘性と潤滑性を有したゲル状の液体を手に取り、容器を元の場所に戻すや両手をこすり合わせるようにして濃厚なとろみを楽しんでいた。
やがて粘ついた手のひらで胸を触り、薄桃色の乳首の上を撫で、もう片方の手は女肉に向かった。産毛をなぞってうっすらと生えかけの恥毛をさすり、つづいて指先をその下へと潜り込ませる。
「ん……ぬるぬるするー」
ぴったりと閉じた女肉の周囲を撫でる。
潤滑ゼリーを浸かっているのだから一気に膣口へと攻め入っても問題はなかったが、千和は外堀と内堀を埋めてゆっくり唇が花開いていく過程が気に入っていた。悪寒と快感が背筋を走ると体を弓なりにのけぞらせ、天井へと視線を向ける。背筋を反らせながらも人差し指から小指まで合計八本の指が膣口の周りの壁をなぞり、両手の親指の先で陰核を突いた。
「うん……あっ……ああっ……あう……いいよお……きもちい」
女肉から下腹部にかけてじわりと熱くなった。
今度は背筋を丸めて鏡を凝視した。女肉を直接のぞき込むのではなく、指の鏡像を頼りに壁をなぞりあげた。熱を帯びた腹の奥からとめどめなく分泌液が流れ落ちていくのが分かった。
「奥からとろとろってお汁がれてきた……。指。そろそろ……ても、うん。いれひゃっても……」
女肉から手を離した。潤滑ゼリーと膣からの分泌液が混ざり合った指先を眼前に掲げ、電球の光が反射して透明で淫らなかがやきに目を奪われながらも、期待に胸を震わせながら指を女肉へと戻した。左手の親指と人差し指で赤く熟れた陰核をつまみ上げ、右手の人指し指と中指を膣口へと突き立てた。先端が生暖かい繊毛をなぞり十代のみずみずしい女肉をかき分け、ぶつぶつした壁の感触を味わいながらも、指先を離すものかとしっかりと締め付ける。
千和はよだれを垂らしながら、童女から女へと変貌する自分の顔を鏡に映しだしていく。彼が家族と言った幼なじみのものではなかった。荒い息をつきながら、叫びともとれるあえぎ声を上げた。
「あう……締まるのお。入り口、好きぃ。お……奥もいいけど……こっちもいぃぃぃっよぉおお!」
陰核をこすりあげた刺激に耐えきれず、M字開脚となっていた足がつま立ちになった。第一関節まで女肉に埋まった指を曲げ、少し凹んだ場所を探す。でこぼことした小さな広場を見つけた千和は膣の分泌液が
下品で淫らな音が浴室に響き渡った。
「足らにゃいぃよう。もっとぉ……もっと激しいの……。指じゃ満足れきにゃい……。欲しいぃ。えーくんがほしいよ……! えーくんのおっきいのがあ……おお奥をずんずんって……突いぃて!」
指を三本に増やす。それでも足らないと感じた。陰核への刺激を強めても本物には敵わない。腰を浮かしてタイルに尻を下ろして、風呂椅子を蹴って脇に転がす。指の動きは止めず、激しく女肉をかき混ぜ、尿意と似た感覚が全身を駆け巡っていくのがわかった。鏡には自分の指をくわえ込んだ女肉が薄桃色に充血し、歪な形に変化しながらも物欲しそうに奥へ、奥へとうごめいた。心が高ぶった。指の抽挿の勢いが止まらない。
「来るのぉおお。来ひゃう。えーくんのお……うん……おんっきいぃのぉ! 来ひゃう! んもぉちょっとらから、ね? えーくんがんばって! いいぃっわよぉっ……いぃわよっ! あたひもっ……えーくんと一緒にいい……ああ、あっちにイっちゃうから……くうぅん……あ!」
子宮の奥がじわっと熱くなり、体が激しく
イった。心地よいオーガズムに浸りながら、タイルに寝転んだ千和は、自分の中に彼のぬくもりが欲しいと切実に感じていた。
▽
「はっ恥ずかしいっ! またえーくんでしちゃった」
千和は真っ赤になって口元まで湯船に浸かった。人様の家の風呂を借りた上に、その浴室で自慰にふける変態であり、あまつさえ放尿までしてしまった。シャワーで洗い流し、ボディソープで丹念に体を洗い流したので臭いは残っていないはずであった。
「でででも、したりないよ……」
事実、未だに体が火照っていて、先ほどのように自分で慰めても満足には至らない気がした。彼のことを考えると胸がうずいた。それ以上に子宮の奥がどろどろに溶けるような熱い情念に押しつぶされてしまいそうだった。
きっかけは事故から順調に回復して軽い運動なら問題ないと診断されたことだ。彼は千和のために変わった。千和もまた彼のために変わろうとした。高校生になった翌日、二人きりになった時、恋人のままごとをした。彼女を作らない、と宣言した彼に向かってフェイクの関係を持ちかけた。軽い運動を兼ねたリハビリのつもりでいたのだが、千和はふと恐ろしいことを思いついてしまった。恋人でなくとも、生物学的に恋人同士がするような行為に勤しむことは可能であった。
軽い気持ちで一線を越えた。後悔はしていなかった。性器を結合して一時の快楽をむさぼり合い、お互いの性欲処理を行う楽な関係だった。世間的に見ればセックスフレンドの関係に堕ちていた。友達以上恋人未満の関係が心地よかったのもまた事実であった。
千和はこのとき彼に抱かれることしか頭になかった。
▽
そろそろ彼が買い物から戻ってくる時間だった。
脱衣場で髪を乾かし、白いバスタオルで胸と腰を包みこむと彼の声がした。下着は何も着けずにそのままの姿で出迎える。
「えーくん。おかえりー」
「千和。先に来てたのか」
「お風呂借りちゃった」
「見れば分かる」
「ねねっ。えーくんったら」
バスタオルの裾から引っ張って太股を見せつけたが、鋭太は何の反応も示さなかった。
「早く服着ろ。風邪引くぞー」
スーパーの袋には食料品が満載されていた。鋭太は気のない素振りで玄関に靴をそろえると、食料品を持ってキッチンに行こうとした。
「えーくんのばかあ! あたしがせっかくえっちな格好してるのにどうして反応しないの!」
「そんなこと言われても……お前の格好、いつもと同じじゃないか」
一度足を止めた鋭太は千和を振り返って淡々としたコメントを言い残し、悔しそうに歯ぎしりする幼なじみを置いてキッチンへと足を向けた。
「ぐぬぬ……」
「風邪引いたら後で困るの千和なんだから。ほら、脱衣所に着替えあるんだろ。着てこいよ」
玄関から動こうとしないので心配になった鋭太はもう一度千和を注意した。彼女の方が約三ヶ月先に生まれているが、今のやりとりからすると鋭太が兄で千和が生意気な妹にしか見えなかった。
「じゃあじゃあ! え、えーくん。リハビリしようと思って……これで……どう?」
「諦め悪い……ぞ」
鋭太は頭をかきながら踵を返し、眼前の光景に絶句した。
バスタオルをまくって尻を向けた千和が、ぷっくりとした尻肉を両手でわしづかみにして左右に広げていた。しっとり濡れて女肉と薄桃色の菊穴を外気にさらしていた。
スーパーの袋が鋭太の手から滑り落ちた。千和の尻肉を目にして急に胸が激しく脈打った。下半身に血が集まっていくのがはっきりとわかる。横に曲がった逸物の向きを直したい、と切に願いながらも尻肉の奥にある女肉を凝視せざる終えない。
「……千和」
「もう濡れてるから……えーくんの好きにしても……いいからあ」
千和は立ったまま壁に手をついた。肩幅に足を開き、顔だけ後ろを振り返りながら、ベルトの金具の音を鳴らす鋭太の様子を見守った。廊下で下半身裸になった鋭太は天に向かってそそり立った立派な
根本に手を添え、亀頭の先端を女肉にそっと触れさせた。それだけで熱く脈打つのが分かった。千和の奥に潜む
鋭太の左手は千和の腰にあてがわれ、右手が逸物の根本にある。亀頭がゆっくりと女肉を押し開き、赤く腫れた肉壁と
「えーくんの硬いのお……来たぁあ!」
鋭太がゆっくりと腰を引く。千和は息を整えながらもどかしい思いをしていた。もっと奥をえぐってもらいたかった。菊穴をすぼめるように力を込めて括約筋を締め、鋭太をくわえ込む女肉の入り口をぎゅっと絞った。気持ちよかったのか、鋭太が軽く獣の吐息を漏らしたので千和は満足そうに頬を緩ませ、だらしなく開いた口からは女の声を上げていた。
「ゆっくりはひぃやぁあああ。ぐうん! もっと奥をいぃっぱいぃたたいぃて。めひゃくひゃにしていいっからぁあ」
鋭太はゆっくり腰を入れると思わせて、千和がいやいやと首を振るのを見計らって再び強くたたいた。濡れきった膣奥からしみ出た潤滑液によって生み出されたここちよい摩擦が鋭太の
「いぃっぱいぃ! いぃっぱいぃ! いぃっぱいぃにゃのぉおん! ねっねっねっ、子宮のぉ……いい入り口をぐりぐりしてぇ! もっと気持ちよくにゃりたいぃよっ」
「千和っ千和っ!」
二人は玄関で腰を打ち付け合った。千和の顔は快楽でとろけきっており、普段の千和を知る者には決して見せない顔つきをしている。鋭太は血走った目で千和の女肉を蹂躙することしか頭にない。白い艶やかな首筋にも乳白色のしなやかな肩先にも、真っ赤に上気した可愛らしい頬も鋭太の獣欲を満たすための小道具にすぎなかった。
せっかく整えた髪を振り乱し鋭太の動きに合わせて腰を動かす。動きこそ小刻みだが消費カロリーは大きく二人とも汗ばんでいた。
「千和の……奥をもっといじめてやるからな!」
「うん! いぃじめて! もっといぃじめていぃぃぃっよぉお!」
千和はなりふり構わず叫び声を上げた。腰が震えるたびに立っていられなくなりそうだ。熱い逸物で女肉を押し広げられる快感に酔っており、無性に鋭太の唇にむしゃぶりつきたくなった。腹の中に逸物を突き入れられながら精を注がれ、そして舌をからめて唾液を交換し合いたい。
「えっ……えーくん! えーくんとキスしたいからっ! 前向いていいよね!」
「ああ!」
鋭太が腰を引くと潤滑液でぬめり、赤黒く充血した逸物が滑り出てきた。千和は壁に背中を預け、今度は女肉を左右に広げてお腹を突き出して見せた。
「右足を上げろ。そうだ」
鋭太に言われたとおりに右足を上げると、鋭太の逸物が膣の奥に進入したので千和は思わず歓喜の声を上げた。
「えーくんが入ったぁ……」
鋭太は左腕で膝を抱えると、今度は両手を首に回すように指示を出した。返事をしようとしたら乱暴に唇をふさがれてお互いの舌を交互にすぼめて回転させながら絡め合った。
粘っこい唾液を喉の奥に注がれて、得体の知れぬ快感に千和の頬が緩みきっていた。ディープキスが終わると、鋭太は子宮を突き破らんばかりの勢いで猛然と攻め始める。
「いぃっよぉお。いいっよぉ。しゅごくいい! やっぱり指にゃらめぇぇ。えーくんの……おォおちんちんにゃにゃいぃと満足れきにゃいぃよおおぉ。えーくんのにゃいぃと逝けにゃいぃかららに……にゃっひゃったんらから! 責任とってよお……責任とってもっと気持ちよくしてぇぇぇえ!」
千和の子宮も徐々に下りてきており精を受け止める準備ができつつあった。コンドームなど着けておらず既に鋭太の先走り汁は潤滑液とかき混ぜられ千和の子宮口を汚していった。妊娠の危険があったが、二人は下半身の赴くまま淫猥な音を奏でる以外の考えが存在していなかった。
「すごぉッ! すごぉいぃぃよおぉッ! えーくん! 子宮がせーしっせーしらしてもぉっ……みるくうっうけとめるりゅんびができたんだからあぁっ!」
「ぐう……」
荒い息をつきながら腰を振る。千和は鋭太の限界が近いことを悟った。快楽をむさぼりながら
「中に出しゅ? 外に出しゅ?」
鋭太が腰を引いた。阿吽の呼吸で千和は膝立ちになって、鋭太の膝に両手を添えた。口を開けば逸物が口内を蹂躙できる位置まで顔を近づけた。
「いや……口を開けろ!」
鋭太の必死な声が飛んだ。亀頭がいつもよりふくらんでおり今にも爆発しそうになっていた。千和が言われたとおりに小振りな唇を開けると、舌を外にたれ下げた状態で逸物へと顔を近づけた。下唇に亀頭が乗るや、すぐに舌が竿に取り付きぬめりを与えながら喉の奥まで迎え入れ、千和は上目遣いのまま慣れた仕草で頭を前後に振った。じゅぽ、じゅぽと音を下品な音が奏でられ、鋭太は奥歯をかみしめながら下半身から立ち上る電撃のような快感を眉根をひそめた。
「ふ……ぇーくぅん。れーし……れーしらして」
「うぁ……咥えながら……しゃべるの、舌当たって……」
一瞬、息をのむような声がした。千和は目を見開いて、熱く粘性のある液体を喉の奥で感じ取っていた。上気したとろけた瞳を目にした鋭太は、支配欲と満足感に浸りながら、涙目になりながら喉を鳴らして白濁液を飲み干す幼なじみとは到底想像がつかない雌の顔を眺めていた。
そして鋭太は気がついた。自らの逸物は一向に萎える気配を見せておらず、もっと幼なじみを乱れさせたいと望んでいた。生殖本能に身をゆだね、千和を四つん這いにさせて欲望の赴くまま背後から奥深くへと突き立てていた……。