世間──いわゆるパラレルな存在のあなたが黙々と例の写真撮影に勤しんでいる頃、あなたの部屋で休む権利を得た式はあなたを連れ込んでいた。
折角のご休憩ならあなたと一緒にと無理矢理のことなので、元いた周囲ではちょっとした困惑が起きているだろう。
だけどものの数十分なら迷子とでも言えば良い。
そんな目算が式にはあった。
「始めましょうか」
部屋に連れ込まれたあなたの前で帯を緩めた式は着物を床に脱ぎ捨てた。
何もこんな時にとはあなたも思うが、式は言う──
「こんな時だからこそよ。現に別の世界のあなたはわたしではない誰かとこうしているのだから」
証拠とばかりに式がつけたテレビの画面には、チャンネルを切り替える度に次々と誰かを抱くあなたのライブ配信が映された。
例えば少し大きなライダー?が長い舌を伸ばしてあなたのものを舐め回している。
例えば四つん這いになり尻を突き上げたやや若いライダー?に激しく腰を叩きつける。
例えば正真正銘のライダーと向かい合い対面座位で上下の口でねっとりとキスをしている。
これらはボーダー全体の空間が歪んだことで繋がった平行世界のあなたの姿。
あなたが式とこうなったように、ライダーと同じような関係を持った別のあなたがしている姿の生中継。
それを知っているからこそ式は対抗意識を燃やして盛っている。
たとえ短い時間でもあなたに抱いて欲しいと。
「今のであなたもシたくなったでしょう?」
慣れたいつもの手付きで脱がされたあなたのモノは式がお見通しの通りそそり勃っていた。
確かにえっちな映像を見せられたのもあるし、目の前で式が脱いだのもある。
だが最大の理由は式と同じく「別世界の自分がしているようなことを式としたい」という劣情。
あんなのを見せられてあなたの歯止めもおかしくなる。
まるで式に誘導されるように抱きついたあなたは式をベッドに押し倒すと彼女の唇にがっつく。
鼻息も粗くさながらこれが初めてのえっちのようだ。
「わたしとしても、もう少しゆっくりしたいけれど……ごめんなさいね」
10数秒だけキスをして少し口の中が潤った段階。
いつもならもう少し重なるところを、式は無理矢理あなたを離す。
時間がないと言うだけのこともあり、式が早速求めたのはあなたの股間から生えるキャンディ。
身体を返して顔を下げた式は、あなたの根本を胸で刺激しながら先端を啄んだ。
軽いジャブのようなリップで亀頭を唾液まみれにすると、矢継ぎ早にパクリと咥え込む。
唇は吸い付くように強く絞っており、まるで早く精液を射精してほしいと懇願しているかのようだ。
実際時間に押されている式はあなたに早く果ててほしい。
あと10分でザーメンまみれのドロドロに汚してほしいと考えていた。
あなたも流石に「急ぎすぎ」だと言おうとしたが、不意に目を向けたテレビモニターにはあなたを啄む式の顔。
普段では見られない角度。
恍惚の笑みを浮かべて夢中にフェラチオをする彼女の艶やかな顔がデカデカと映されていた。
式ではない顔見知りとえっちする映像も新鮮味があったが、それが愛する人のものだと刺激も一層であろうか。
美味しそうに舐め回す式の艶やかな笑顔をモニター越しに見ながら、実際に舐め回される刺激と彼女の後頭部。
カレイドスコープによって溜まったらノーブルファンタズムはたちまちに迸った。
「たくさん射精たけれど、まだイケるわよね?」
モニター越しに精液を口元からこぼしながらおかわりを要求する式。
無論あなたはまだイケるのだが、時間制限に焦る式は口元をシーツで拭いながら突き出した尻をあなたに向ける。
先程映像で見たライダーのように激しく突いて欲しい。
そう態度で示す式にあなたは頷いてから竿を抜けた。
短時間のキスとフェラだけですっかり濡れている式は溜まっていたのだろうか。
あなたは「数日前にも二人きりで打ち上げパーティ夜の延長戦をしたのに」とは思うが、求められて嬉しい事はあっても嫌な訳がない。
それにどちらにせよ短時間で満足する為に激しくして欲しいのはあなたにも容易に理解できた。
早速後ろから蕩けるような熱い蜜を垂らす式に挿入すると、今度はモニターが鏡面に変化してあなたと式を写す鏡に変貌する。
これもパラレルなあなたのなまえっちライブ配信や式のフェラ顔中継と同じく式の仕込みなのは明らかだが、もうあなたもいちいち驚かない。
ただ式が「そうしたほうが燃える」と判断したことに「もちろんだ」と答えるだけである。
フェラチオの唇よりも式の膣壁のほうが熱くて厚い。
挿入しただけで亀頭をロックして裏筋をキュッと包み込むポケットのような腟内構造がゾワゾワと刺激してきて動かなくても果てそうなほど気持ちがいい。
いつもより妙に射精の我慢が効かない。
ショートタイムでたくさん射精してほしいと式が考えているのにあなたの身体も応じているようだ。
だが射精するのは良いにして式を気持ちよくさせないと申し訳ない。
彼女から誘って来たのに自分ばかり良くてはいけない。
必死に堪えながら腰を動かすと、鏡越しに映る式の頬が艶やかに震えている。
どうやら気持ちよさそうではあるが──
「わたしに遠慮せず……ん……あなたの好きなタイミングで……」
あなたはもう少し腰を強く動かせばすぐにも暴発しそうな状態。
式はそれを肉壺越しに感じ取ったうえであなたを求める。
「……腟内に射精して♥」
鏡越しに目線が重なった式の瞳には心なしか♥が浮かんでいた。
そんな艶やかな微笑みとともに艶っぽく「射精して」と言われて、あなたは自分を抑えられようもない。
ギュッと腰を押し当てたあなたの心の奥でトリガーが降りる。
そのまま腰を細かく動かして搾り出すように、びゅるり、びゅるりとあなたは式の腟内を精液で染め上げた。
白濁液が注がれるたびに微かに漏れる式の吐息があなたの射精を更に促す性のループ。
気がつけばトロトロに染み出していた愛液が精液で濁るまでに式のお腹の中をあなたは満たしていた。
「たくさん射精したわね」
射精がおさまっておちんちんを引き抜いたあなたに対して、振り向いた式は膣穴からドロリとあなたをこぼしつつ囁く。
見ればわかるこの量に否定はない。
式も笑顔は満足げだが、気がかりは本当に満足しているかという点。
しこたま射精したとはいえまだ開始から10分も経っていない。
いつもならまだ式は満足していないだろう。
「んもう……まだ満足していないのね」
式としては時間も限られているうえでの妥協だったのだろう。
後はあなたとのえっちの余韻に浸って紛らわせようとしていたのをあなたは見抜いている。
だからジブンがまだ満足していない体であなたは式を抱きしめる。
今度はまだシていないこの体位で。
「あなたも好きね♥」
式ももちろん。
瞬間強化を自分にかけて素早く回復させたあなたは式を対面座位で抱きしめた。
繋がりながらのキス。
柔らかい式の乳房が胸板に触れて、乳首と乳首が擦れあって、心臓が重なり合うような感触。
そして唇は魂すらも重なるような錯覚をあなたと式にもたらしていく。
抱き合い身体と唇を貪り合うあなたは繋がるだけでおちんちんは動かさない。
だけど式の腟内はぐにゅぐにゅと蠢いて、ピストンせずともあなたから精液を搾り取ろうとする。
身体中が汗ばんで頭皮の汗が頬をつたり、唇に流れ着いたそれを二人で分け合う。
心臓の鼓動がピークを迎えると、込み上げてくる熱をあなたは抑えきれない。
式の状態を確認する余裕もないままにあなたのモノは噴火していた。
「ん……♥」
抱きつきながら腟内射精された式があなたの背中を指でなぞる。
その淡い刺激が最後の一押しとなり、わずか10分であなたの体内に貯まっていた精液は全て搾り尽くされた。
そのまま射精が収まってもしばらく抱き合うロスタイムはご愛嬌。
3分オーバーの僅か13分で数日分のストックを搾り尽くされたあなたの腰は少しふらついてしまった。
「無理を言ってごめんなさいね」
呼吸を落ち着かせた式はあなたの身体を拭きながら謝る。
確かに緊急事態でありながら先に盛りだしたのは式であり、謝罪も筋が通ったものだがあなたは首を横にふる。
「したかったのはお互い様だし、なんなら別世界の自分だってこんな時にライダーを相手に盛っていた」
と、歪んだレンズが見せたIF(もしも)を引き合いに出したあなたは式を慰め、着替えをして部屋を立ち去った。
その後、事態の終息に向けた作戦行動を再開したあなたは同行するあの人を見るたびにに思い出す。
無論それは平行世界のあなたに抱かれる彼女のあられもない姿ではなく、それを出汁に抱き合った式との今日の逢瀬のほう。
コレが片付いたら、今度は時間をかけて式としよう。
そう思うあなたであった。