※この作品はR-18です。

輝く劣情の下に   作:つらたにえん

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曜ちゃんとオリ主がひたすらセックスするだけのお話になります。


いけないヨーソロー

『あ、そうだ。夜這いしに行くよ』

「は……?」

 

突然そう告げられて、まともでいられる人間などそういまい。この少年、緋衣詠河もまたそうであった。

幼馴染……というには微妙な関係であるが親友と呼べる関係の少女、渡辺曜が突然深夜に電話をかけてきたと思えばこれである。ぶったまげるのは許されるだろう。というかぶったまげろ。

 

「え……あ……おい……マジ?」

『マジだよ。詠河のドーテー奪いに行くからね!』

「いや俺……実は、あー、その……っておい!?──切れた……」

 

ガジガジと頭を掻き、はぁとため息を吐く。不幸か否か詠河の両親は数日程家を空けている。帰ってくるのはまだ先だ。

つまり美味しくいただけるのだ、曜の処女を。何者にも妨げられず、好きなように。

 

「……曜……」

 

あの元気一杯な娘の全てを見れる。いつも素晴らしい競泳水着の下にある肉付きの良い、肉欲が抑えられないような身体を自分が、自分だけが蹂躙できる。あの可愛らしい顔を快楽と羞恥に歪め、そしてあの可愛らしい胸も未だ見た事のない秘所も、自分だけが好きなように弄べる。

そう思うと、夜這いされるのも案外悪くないかもしれないと思ってしまった。

そこで詠河ははたと気が付く。

 

(……もしかしてこれ告白?)

 

赤面が止まらず、結局上も下も落ち着くのは曜が窓の近くでこそこそしていたのを発見した後だった。

なお、当然だがこの時点で夜這いは成立していない。まあそんなものはどうでもいいだろう。

肝心な事の前では、所詮小さな話。気にすべき事ではないのだから。

 

実はこの少年、かつて某三姉妹の長女と次女に襲われて童貞を食われている。

もう、過ぎた事だが。

 

 

「……よ、夜這い……なんだよな」

 

家に来た曜を迎えても、どうしてもそういうものは感じない。普段着であり、何ともない表情のままの彼女を見ては、やはり日常の延長線上としか思えないのか。

 

「そ、そう……だよ」

「なんでお前が照れてるのかね……」

 

あの天真爛漫……とまではいかないが活発で表裏が無い様な彼女が赤面して、モジモジしている。それだけで何となく、彼女の特別なのだろうという気がして、けれど行動に移せなくて。

お互いに膠着状態だったのを打ち破ったのは、やはり曜だった。

 

「……んっ」

 

身を乗り出して詠河の唇を奪う。突然の事態に思考が回らない。

数秒、数分、あるいは数十分なのか。時間の流れさえ曖昧で、ただ二人にとっては長い時間であったのは間違いない。呼吸が荒くなる程の長い接吻は、正常な思考を奪うには十分過ぎた。やっとのことで離れても、ジッとお互いを見つめている。

 

詠河にとって今の曜は全てが扇情的だった。

チラリと覗く胸元も、そこから見える身体も、唇も、透き通る青の瞳も、爪も、体勢も、灰色の髪の一本に至るまで、普通ならばそんなものと切って捨てるであろう部位も、彼女の一部というだけで興奮する材料となっている。

夜這いか、あるいは単に一人の女に求められるが故の男の性なのか。まあ彼にとってはどうでもいい事だろう。何せ今は極上の食材が目の前にいるのだから、それをどう食べるかが大切なのだ。

 

「……好き……えぃかぁ……大好きぃ……」

「わぷっ!?」

 

が、生憎食材は詠河だった様で。曜は接吻でタガが外れたのか、押し倒しながら熱に浮かされた様に想いを呟く。誰に向けたものとも分からず、ただうわ言のように、甘く、熱く、響くように。

 

「ずっと好きだったの。いつも一緒にいてくれる君が好きなの……っ」

 

返答も聞かぬ呟き。最愛の彼を貪れると分かれば、恋する乙女も一匹の雌なのか。

もう一度の接吻。

しかし二度目ともなれば、それは淫らなものとなる。貪る様に赤い舌を絡め、唾液を交換し、深く味わう様に口内を犯す。

 

「んん……っ……んぅ、れる……ぅん……」

「ぅぁ……んぐっ……」

 

完全に曜が主導権を握り、詠河を貪る。

ぴちゃり、ぴちゃりと淫らな音を立て、可憐なる乙女が愛しい人を求める。情熱的なその接吻は滴り落ちる雨水の様に唾液を溢し、口元を扇情的に汚していく。

時折甘い吐息が漏れ、窓から差す月明かりが交わる影を床に移す。

 

「……ぷぁ……あはっ」

 

口付けが終わり、曜はてらてらと輝きを残す唾液の架け橋を指で掬い取って口へ運ぶ。まるで全てを飲み込みたいと証明する様に。薄い桃色に上気した肌と、快楽に濁った瞳、恍惚とした表情。それはまだ彼女が青い果実である事を感じさせない程に色気ついていた。それは淫欲のなんたるかを知っている遊女のようで。

 

しばらく詠河の首筋をジッと見つめて、思い出したかの様に舌を這わせる。

 

「──!?」

「ふふっ、可愛いよ、えーか。とっても可愛い……女の子みたいな反応しちゃってさ」

 

チロリチロリと舌が蛇の様に這い回り、唾液の道を描きながら首筋から胸元へと下がって行く。ただちょうどシャツが邪魔になったのか、曜は名残惜しそうな表情で顔を離す。

 

「……寝室行かなくていいのか」

 

一息つけたからか、上体を起こした詠河はリビングで行為を行う気かを確認する。

 

「ここがいいの」

「あっそ」

 

諦めのため息。もしバレたら何と言い訳したものか、不安はそっちへ傾いていた。しかし日常で扱う場所で、非日常な性交を行うというのは、中々どうして高ぶるものがあるのだろうか。

背徳感の類なのか、だが二人はソレに支配されていた。

 

「続き、していい……?」

「……聞くのかそこで。夜這いしに来たんだろ」

「起きてたじゃん!夜這いの意味分かってるの?」

「それもそうか」

 

ぷくーと頬を膨らませて睨む曜を軽く流す詠河。何か思い付いた様に、彼女の腕を掴み、下敷きになる様にソファーへと倒れ込む。曜にとっては予想外で、すっぽりと詠河の腕に収まる形に抵抗する事なく収まった。

しばらくの間、二人はそのままの姿勢でお互いの温もりを感じあっていたが、ふとした拍子に手が尻に触れ、曜が初めて恥ずかしいような、嬉しいような声を出す。

 

「ひゃっ!……なんでお尻触ってるの」

「悪いかよ。ふーん、下着履いてないんだ」

 

さわさわと這い回る手は下着が無いことを確認すると、太腿へと移動して行く。いやらしい手つきで触られているというのに、何故か嫌な気はしない。それどころか嬉しさの方が勝る。

 

「夜這いだから、邪魔になるかと思って。でも持ってきたよ、一応」

「だからってノーブラノーパンで来るかスケベ女」

「そっちも下着とスボンだけで待ってるじゃんスケベ男」

 

売り言葉に買い言葉。普段通りの会話の筈なのに、何処か恥ずかしくて、何か甘酸っぱい。

 

「……でも、そんな詠河が良いんだ」

 

不意打ち気味のセリフ。詠河が動揺した隙に曜は鎖骨に舌を這わす。

 

「うぁっ……」

「んむ……吸ったげる」

 

鎖骨と首元の間、ちょうど窪みになる部分に吸い付き、横目で詠河の表情をうかがう。そしてその柔らかな白い肌を持つ手を下腹部へ持って行き、ジッパーに手をかける。

 

「硬くて、太いね……火傷しそうなくらい熱いよ」

 

僅かなぎこちなさと共にそそり立つ肉棒を露出させる。醜悪、という程でもないが、やはり目を背けがちなソレを、ゆっくりと撫で上げ、優しく白魚の指を絡ませる。

 

「っ……くぁ……」

「気持ちいいんだぁ……擦って、弄って、もっともっと気持ちよくしてあげるから……」

 

竿を上下に扱き、指で先端を弄り、先走り汁を全体に塗りたくるように、曜は妖しい表情で刺激を加える。淫らな音を奏で、初めてとは思えない程に滑らかに動く彼女の手は、淫魔のごとく肉棒を責め立てる。

 

「ほら、クチュクチュって鳴ってるよ。エッチな音……響いてるよ。いっぱい、いーっぱい、二人だけの部屋で、いやらしい音が歌ってるね……」

 

普段の彼女からは考えられない、淫らな言葉もまた一つの刺激となり、二人を更なる高ぶりへ導く。

 

いつの間にか荒い息が部屋に響き渡り、まるでそこだけ違う場所となったかのようであった。

 

「ね、えーか。ここ、触ってみて……」

 

曜は詠河の腕を引っ張り、自分の秘所にあてがう。そこは既に淫らな愛液に濡れ、だらしなく流れている。腕に奇妙な違和感を覚え、ちらりと見てみてれば、薄っすらと輝く指の痕。それは秘所から流れているものと同じ液。

 

「お前……シコりながらオナってたの?」

「だってぇ、我慢なんかできないもん……えーかの……欲しいんだもんっ……」

 

詠河の腕を舐めながら曜は自分の秘所に指を当て、くちゅり、くちゅりとはしたない水音を立てながら慰める。その自慰は愛する彼の前だからか、過激なものに変わっていく。自分で胸を愛撫しながら詠河を淫欲に塗れた瞳で見つめ、絶頂しないようにワザとある程度の段階で止めながら、反応をうかがうように、誘うように。

 

夜這いと言いつつ、無理矢理に奪わず、結局は和姦を求めてしまう。求められたい、甘えたい、甘えられたい、愛されたい、愛したい、壊したい、壊されたい、奪いたい、奪って欲しい、そういった感情がごちゃ混ぜになっていて、彼女は彼に許可を求めてしまうのだ。心の底から彼に抱かれることしか考えていないのに、それでも小さな罪悪感のようなものを捨て切れない。渡辺曜とは、そういう女だった。

 

「……じゃあ、やれよ」

 

昔からそういう女だと知っているから、詠河はただそう呟く。彼女が自分に好意を寄せているのは知っているし自覚している。だけど手を出すつもりはなかった。けれど、ここまでされては彼女の夜這いを台無しにする気も起きなかった。(初めから台無しにしているとは思っていない)

端的に言えば、彼女からが良かった。何せ今宵は彼女の夜這いなのだから。その趣旨を壊してしまうのは、彼女の許可があってからだろう。例え何かが間違っていたとしても、だ。(重ねて言うがもう壊してる事に気付いてない)

非童貞なのは黙っているが。

 

「お前の好きにしていいからさ……」

「うんっ」

 

それを聞いた曜は切なそうな表情を笑顔に変え、詠河に微笑みかける。身体を起こし、膝立ちで跨ぎ、秘所に肉棒をあてがう。

 

「……挿れちゃうね」

 

とりあえずの確認をすませ、一気に腰を沈める。

 

「────っぁ!!!」

 

破瓜の痛みによる苦しみと極上の快楽による嬌声がごちゃ混ぜになったような声ならぬ声。涙を流しながら小刻みに身体を震わせ、しかし恍惚とした表情で、じっと見つめ合う。

しばらく快楽の波に呑まれ、言葉を発する事なく見つめ合うだけだったが、波が引く頃には、二人とも軽口は叩けるようになっていた。

 

「……貰っちゃった、えーかの、初めて」

「一応おあいこ、なんだけど……つか……キツいよ……」

「本当は、そんな事気にならないくらい、気持ちいいくせに……えーかのウソつき……私だって、痛いけど、気持ちいいんだから……同じでしょ?」

「まぁ……うん……うくっ、締め付けが……っ」

 

えへへと笑いながら曜は詠河の手を握り、喜びと気恥ずかしさの混じった瞳を向ける。普段とは違って、割としおらしい態度の曜は詠河にとって初めてであり、また違った魅力に溢れていた。

 

彼女の媚肉は本当に初物か疑わしい程に肉棒をきつく締め付けながら、刺激し続け、曜は腰を上下左右にゆっくりと動かし、共に快楽を貪る。

 

「ねぇ……どう?曜ちゃんの、中っ、気持ち、いいっ?」

「あぁっ、すごく、いい……」

「よかったぁ……っん……でもっ、そっちも、動いてよぉ……っ……一人じゃ、つまんないからぁ……おっぱいだって触っていいし、キスしてもいいから……あんっ!?またおっきくなってる……っ」

 

元気で活発、良くも悪くも体育会系な彼女が、自分の上で淫欲に溺れた姿を晒している。

それだけで股座がいきり勃つというのに、こうして誘っている。もはや躊躇する必要など無い。こちらも肉欲のままに貪り尽くしてしまえ。彼女もそれを望んでいるのだから。

彼女の望み通りに服を捲る。するとぷるんという音があってもおかしくないような、愛おしく柔らかな乳房が露わになる。何も考えず乳房を掴んで弄り回す。自己主張する乳房の先端はもちろん遊ばせず、指の腹で押してみたり摘んでみたりこね回してみたりと、曜の嬌声を聞くために、曜に快楽を与えるために、自身の思うがままに、自分の好きなように弄ぶ。

手の中で弄ばれて自由自在に形を変える、小ぶりというよりも若干大きめなその乳房は水着姿で見慣れている筈なのに、不思議といつもより官能的に見えた。

 

「遠慮とか、しなくてっ、いいのにぃ……めちゃめちゃにしていいからっ……えーかの好きにしていいからっ……私の身体で、いっぱい、いっぱい気持ち良くなって……っ!」

「曜……っ!!」

 

甘く蕩けた表情と瞳で最愛の人へ囁かれる曜からの誘い。それは完全に詠河の理性を破壊し、させてあげたいとかしてもらいたいとか、そういった考えと感情を忘れさせ、ただ愛おしさと肉欲に従い情事を行なう事だけを目的に曜を貪り始めた。

 

「曜っ、曜っ、曜っ!!」

 

乳房を弄ぶのを止め、曜の腰を掴んで腰を乱暴に突き上げる。

 

「ひっ、あんっ!これぇ、待ってたのぉっ……!!」

 

ソファーが音を立てて軋むも、二人の情の交わりから発する淫らな水音と乱れた息に掻き消されて何も聞こえない。

 

「あっ、ひぅっ、ひゃぁんっ!もっとっ、もっとしてっ!!突いてっ、奥っ!奥にもっとぉっ!私をっ……壊すくらいにっ、あぁっん!」

 

奥に響く快楽の波で身体を仰け反らせながら、今までとは違う、快楽に溺れ、惚けた甘い喘ぎ声。そして更なる快楽を求め、顔を悦楽に歪めながらの嬌声。壊されていい、壊れる程に愛して欲しいと、曜は告白する。

いつの間にか騎乗位から正常位になっていて、上半身を密着させながら、腰と腰とがそれこそ壊れてしまっても構わないと言わんばかりにぶつかり、二人は欲望と愛情の限りを尽くしてお互いを貪り合う。上の口も下の口も、余すところなく味わうように。

 

「んぅっ、んちゅ、んむっ……えーかぁっ、えーかぁっ、ん……っ!」

 

あまりにも淫猥で夜に響く音、舌と舌が絡み合う際に零れ落ちた唾液、深夜だというのに真夏の猛暑日のように汗に濡れた身体。二人の意識があるのか無いのか、ただただ動きだけが加速し、惚けた表情で情事を続ける。

 

「あ、あっ、ああっ、奥っ、奥に来てるっ、えーかのっ、来てるっ!いいっ、これっ……すきぃっ!大好きっ!してっ、いっぱいっ、気がすむまでっ、ずんずんしてぇっ!」

「うぁっ、曜っ、ごめんっ……もう……っ!」

「えっ、んぁっ、っひゃぁ!?あ、当たって……っ、んんぁっ!奥にぃ、先っぽが……っ!!わ、わた、しも……すぐだからぁっ、一緒、一緒……に……っ!!」

 

これ以上はお互いに持たない。

 

お互いがお互いをぐっと抱き寄せ、奥の子宮口に肉棒の先端を叩き付けるような状態へ変えていく。

そして耐える事が出来なくなれば

 

「「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」」

 

声のような何か。例えるなら咆哮のような嬌声を上げて、限界を迎え、お互いに果てた。

肉棒から津波のように子宮に注がれる精液は、膣内を全て白く塗り替えんとばかりに蹂躙して行き、永遠に続くかのような感覚に囚われ、白濁の快楽を肉体と脳裏に刻み込む。

 

片や注ぐ悦び、片や注がれる悦び。

 

しかしまだ青い身体がその量を全て飲み込める筈もなく、結合部から零れて行く。

絶頂が終われば、二人は糸が切れた人形のように倒れ込んだのだった。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

静かに月光に照らされている中、快楽の余韻に浸りながら、詠河も曜も、時間の経過を忘れて、ただ抱き合っていた。

やっとのことで呼吸が落ち着くと、挿れたままという現状に気付いたのか、二人はあたふたと慌てだす。

 

「そのさ、あの……抜くよ」

「う、うん……」

 

ゆっくりと肉棒を引き出すと共に零れ出てくる白濁液。栓が抜けた事で器に無理矢理注がれていたものが流れ出ているようだ。

引き抜かれた肉棒はあまり硬さを失っておらず、ちょっと刺激すれば二回戦目に突入できるだろうという有様。人の性欲は侮れないものだなぁ、と場違いな感想を浮かべている詠河。

 

「ちょっと……勿体無いかな……」

「そんなに名残惜しむものか?あんまりわからんけど」

「……あったかくて、とっても気持ち良かったし、詠河のだし……一杯にされるのすごかったからしょうがないじゃん」

「……休憩したらもう一戦ね。また中に出してあげるからさ」

「ありがと、詠河」

「俺も曜ともっとシたいし」

「不意打ちやめて!」

「はいはい」

 

今更赤面しながら照れている曜を横目に、ズボンだけ整えて上のシャツを脱ぎ捨てる。そのまま詠河はソファーの後ろに転がってた毛布を曜へ渡すと、何事もなかったようにソファーへと座る。

 

「下着はあるけど服はないんだろ。脱いで毛布被っとけ。風邪引くぞ」

「そうするよー。あ、そのバッグどっかに置いといてくれない?下着入ってるから」

「わかった、洗濯機の上に置いとく」

 

慣れた様子でやり取りを終え、一糸纏わぬ姿となった曜は毛布をポンチョのように羽織り、詠河の隣へ向かう。そして二人は寄り添うように座ったが、ついさっきまで情事を行っていたソファーは湿って破瓜の血で汚れている。

やはり湿っているのは嫌なのか、二人はいそいそと移動し、冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出し、コップに注いでから壁際に座った。

 

「しっかし、こうなるなんてな」

「予想外?」

「いや、何となく分かってた。夜這いされるとは思わなかったけど」

「えへへ……まあ、でも、変な告白でごめんね」

「チャットで告白するらしいぜ、この世の中。それに比べりゃとっても良かったし、嬉しかったよ」

「千歌ちゃんに悪い事したかな……」

「あ、俺とあいつ一応親族関係だし、異性愛の感情無いよ。あったらとっくに付き合ってる」

「へ?そうなの?」

「嘘言ったとして何になる」

 

たわいない話をしながら麦茶を飲みながら、のんびりと時間が過ぎていく。ちょうどお互いのコップが空になり、いい感じに身体が冷えてきた。

 

「する?」

「しよっか」

 

きっかけはどっちかなんて関係無い。二人とも貪りたいのだから、どちらかが誘えば成立するのは明白だった。性欲を持て余し、燻らせている人間が二人もいれば、行われるのは一つしかないのだから。

 

「あ、その前にコップ、テーブルに置いとこ……」

「曜、お前……」

 

なんとも閉まらない始まり方だった。

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

今度はお互いに着るものが邪魔だと判断したので、ありのままをさらけ出して向き合う。

 

「私はさっき好きにさせてもらったから、今度は詠河の好きなようにしてね」

「ほんっと、卑怯だよな……ほら、窓の縁に手を付いてみて」

「……ヘンタイ」

 

口から出たのは軽蔑の言葉だが、その表情と視線は若干の羞恥を交えながらも嬉々としているものだ。それは詠河にも手に取るようにわかり、ついつい加虐的な笑みを浮かべてしまう。

 

「期待してるくせに」

「う〜……そ、そんなことどうでもいいじゃん!!」

「じゃあ聞くけど、どうして言われた通りどころか、ケツ振って誘ってるのかなぁ」

 

変なところで恥ずかしがる曜が愛おしくてたまらない。睨んでるくせにしっかり窓縁に手を付いて、更に尻を振って誘っているのはどう見ても遊女のソレだ。

 

「我慢なんか出来ないに決まってるよ……ねぇ、早く大きいの挿れて……っ」

「……挿れるよ」

 

まだ触ってもいないというのに、曜の秘所は期待だけで淫液に濡れ、前戯など必要無いのが見てわかる程のもの。再び曜の身体を貪れると知って歓喜に打ち震えている肉棒は先の情事よりも硬く、太く、熱くなっていた。

それを期待に濡れたそこへ遠慮無く沈めて行く。深く深く、奥へ奥へと。

 

「う、あぁ────ッッッ!!」

 

大きな嬌声を上げながら、弓なりに身体を仰け反らせる。腰を打ち付けられた節に乳房が揺れ、可愛らしく劣情を誘う。

 

「く、う……っ……前よりキツい……っ」

「すご……っ!さっき、よりもっ、奥……っ!!響いてるっ、ぁあっ!太くて……っ、硬いよぉっ」

 

先ほどとは違い全力で突き、ぶつかる音が響き渡る。肉が打ち付けられるだけの音だと言うのに、二人には嫌に頭に響いて、しかし心地良く快楽へと誘う。

窓の近くでというのも合わさってか、始まって数分も経たない内に、肉欲はお互いの箍を外し、行為に没頭させた。

 

「ふあぁっ!ひぃっ、うぁっ!気持ち良いよぉっ!えーかっ、えーかにめちゃめちゃに、揺らされてるっ!がくがくして、ずんずんっ、されてっ……私っ、えーかにぃっ、えーかっ、えーかぁ!!」

 

一心不乱に腰を叩き付けられて、言いたい事もあやふやになるくらいに快楽の津波に押し潰された嬌声。そんな声に誘われるように腰を押し付け、いやらしく揺れる乳房を揉みしだく。

 

「あぁんっ、おっぱい……っ、取れちゃうよぉっ……激し……っ、やだ、先っぽも弄ってぇ……っ!切ないのぉ……っ」

「この、ド淫乱……っ!愛液だだ流しで、胸を触れだのっ、自分から腰まで振ってっ!股まで、緩いんじゃないのか……っ!」

「違うもんっ、鍛えてるから……っ、緩くないもんっ……そんな事、ないんだからっ……イジワル、えーか……っ、でも、大好き……っ!!」

 

振り向いてわざわざ告げる辺り、彼女も相当物好きらしい。言われた通りに乳首も弄んでやれば、甘い嬌声を上げて悦んでいる。

 

「誰かに、見られてるかもな……っ!?もっと強く……っ!」

「そんなこと、言わないでぇ……っ!恥ずかしい……って……!」

 

更に媚肉はキツく締め付け、いずれ来るであろう至高の快楽を求め、早く早くと急かす。それは見られてるかもしれないという興奮から来るものか、あるいは単に更なる快楽を求めてか。どちらせによ快楽に打ち震えているのには違いない。

ひたり、ひたりと混ざり合った淫液が床に滴る。ぐちゃり、ぐちゃりと糸を引いて突かれている。先ほどの貪りながらも愛し合っていた事情とは違い、完全に快楽を貪る事を目的としたそれは、見る者も理性を破壊されそうな、雄と雌と性交そのものだと言って過言ではない。

時間を忘れて身体を貪り尽くさんとするが、二人の限界は訪れる。いくら休憩したとてすでに一度絶頂を迎えた以上、耐えられないのは当然だった。

 

「あひっ、あっ、ああっ、来てるっ!このまま……っ、また、熱いの、いっぱいにして……っ!」

「あぁ……っ!!」

 

電撃のように走り渡る極上の快楽の渦に身を任せ、種付けるように精の奔流を子宮の奥深く目掛けて叩きつけ、白濁と歓喜に染め上げる。

再び響き渡る声と呼ぶのかわからない嬌声。

身体を痙攣させながら、雄は種付ける快楽を、雌は種付けられる快楽を味わう。深く甘く、そしてヒトからヒトを奪うかのような熱く蕩けるソレ。性欲を持て余しがちな青い二匹が病み付きになるのも、誰が責められようか。

荒く乱れた息を吐きながら、二人は崩れ落ちる。もはやどうしようなく疲れ果て、何かを言う気さえ起きない。ただ、挿れたままという事に奇妙な感じを受けた詠河は無理矢理に身体を動かして引き抜く。ごぼりと流れ落ちる白濁も気にならないのは、思考も麻痺してきたのか。

 

「……えー、か……」

「ん……?」

「また、しよう……ね……」

 

言いたい事だけ言って、すーすーと寝息を立てる曜。折り重なるような体勢から、寄り添うように隣り合う詠河。視界に入った毛布をひっ掴んで曜と自分に引っ掛けると、彼女の後を追うように眠りに就くのだった……

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

「……っ……朝……?」

 

普段と違った冷たい感触と、目に入る光で詠河は目が覚める。すぐ側に感じる人肌の温もりと、触れ合う肌の感触。

 

(そうだ、昨日……)

 

意識が覚醒していくと同時に蘇る記憶。隣に眠る少女をどう犯し、愛し、貪ったかが鮮明に脳裏をよぎり、再び沸き上がる衝動が──

 

「うん、腹減ったなぁ」

 

……それをも上回る食欲で掻き消された。やはり肉体の欲求は凄まじいなぁ、と詠河は中途半端に回る頭の中でぼんやりと思う。

ゆっくりと上体を起こし、身体を解して立ち上がろうとして、心地良さそうに眠っている曜が視界に入った。

こんな可愛い顔してたっけか──昨日の情事の所為か、また違った風に見える彼女の柔らかな癖っ毛の髪を優しく撫でると、くすぐったそうに身じろぐ。起きているのかと思って顔を覗き込むと、可愛らしい寝息と幸せそうな表情。

まるで小動物と戯れているような気分になってしまうが、若干の名残惜しさを押さえ込み、曜の髪を撫でる手を止める。

そして立ち上がると、腹にかかっていた程度の毛布をしっかりかけ直してから、詠河は服やらソファーのカバーやらの洗濯、部屋の換気、そして床の掃除と朝食の準備をする為に、まず自室にスボンと下着を探しに行くのだった。

 

変なところで理性が働くこの男は、情事の翌朝だというのにマイペースに過ごすようだ。

 

 

 

詠河が換気や洗濯を全て終え、やっとの事で朝食の準備に取り掛かった頃、曜は目を覚ました。

いつもと違う匂いと暖かい毛布、心地良い冷たさに違和感を覚えながら、ゆっくりと身体を起こし、伸びをしてから目に映った光景に惚けた表情を晒した。

 

「はぇ……えーかの家だ……?私、なんで裸……?」

「起きたかい曜。シャワー浴びてきたら?朝飯の用意は任せてくれ、やっとくよ」

 

上半身裸でフライパンを片手に曜に語りかける詠河。上から下まで眺めて、自分の身体を見つめて、やっと彼女に昨晩の情事の記憶が鮮明に蘇る。今目の前にいる最愛の人をどんな風に誘い、どんな風に犯されたいと強請ったか──

 

「うわぁぁあっ!?見ないで見ないで見ないでぇぇっ!!」

 

顔を真っ赤にさせて毛布を被ってしまう曜を奇妙なモノを見る目で見た後、はぁと溜め息を吐いてから台所に向かいながら一言。

 

「……今から朝飯作るから、シャワー浴びてきなって。服は俺の部屋から適当に使っていいよ」

「え、えーかは……?」

「もう浴びたよ」

 

それだけ言うと詠河はフライパンをコンロに置いて、冷蔵庫を開けてガサゴソと漁りだした。

相変わらずな彼を眺めて、とりあえず言われた通りにシャワーを浴びに行く事にした。

 

 

シャワーを浴びながら、昨晩の情事の記憶を思い出す。

まるで遊女のように誘い、彼に犯される自分。夢のようで夢じゃない、幸せで溶けてしまいそうだった一時。甘く蕩けるような快楽と歓びが身体中を駆け回り、理性をグズグズに崩壊させて、自分の身体を愛する人に貪られて愛される。それのなんと甘美な事だったか。思い出す度にまた何度も味わいたいと焦がれてしまう程に。

 

「……詠河」

 

シャワーの所為か思い出の所為か。身体の火照りが止まらない。気を抜けばすぐに秘所に手を伸ばしてしまいそうな気持ちの中、理性に従い冷水に変えて頭を冷やす。

 

(これも全部詠河が悪いんだ、詠河が私をトロトロにするから……っ)

 

あれもこれも全部詠河が悪い。とりあえずそう結論付けて曜はシャワーを止めて、風呂場から出る。

引っ掛けられてるバスタオルで身体を拭いて、洗濯機の上に置いてある衣服へと手を伸ばす。

 

「これで喜んでくれるかな?」

 

恥ずかしさを無視して、初めてこんな格好をする。鏡でチェックして、納得する感じに直す。

 

「うん、これでいっか」

 

そしてふらりとリビングへ戻ると、詠河はちょうど皿に盛った朝食を運んでいるところだった。

 

「随分長風呂だったじゃないか……って、は?お前、何着てんの」

 

呆気にとられた表情ながらも皿を置くと、詠河は曜へと近づく。

 

「それ、俺のワイシャツじゃないか」

「どーお?似合うかな?」

 

曜が着ていたのは詠河のワイシャツ。新品特有の匂いがするから恐らくは中学時代に着そびれたものを開けたのだろう。しかし問題はそこではない。

 

「なんでお前、それ一枚なの?」

 

えっへんと腰に手を当て胸を張る曜に対して呆れ顔と共に吐き出される言葉は、なんともまあお前が言えるのかという言葉だった。

 

「不満?」

「いや、なんでさ」

「詠河が喜ぶかなーって」

 

詠河の身長は高校と中学では約10cmも違う。着そびれた一枚という事は、入学当初に買ったもの。つまり現在の曜にぴったりなサイズだ。そんなもの一枚という事は否応なしに劣情を誘うような、とまではいかないが、やはりこう、唆るものがある。更にこれまたちょうど胸の真ん中のボタンだけとめているのは、なんとも言い難い興奮がある。

しかし、しかしだ。

詠河にとって今の曜の行った行動は愚行に等しい。

 

「お前さ、これから飯食おうって時にそんなカッコするか普通」

「質問に答えてよ」

「そりゃ嬉しいさ、大好きさ。でもなぁ、時と場合を考えろって言葉知らない?俺は腹減ってんの。わかる?」

「私だってお腹空いたよ。でもどうせ詠河はエッチだから、またしたくなっちゃうでしょ?」

「いらん気遣いだよ。先にシャワー浴びといてよかった……一緒に浴びてたらお前が盛っちまって朝飯どころの騒ぎじゃなくなるところだったな」

「なっ……!?」

「曜はスケベ女だからなぁ……ったく、昨日は良い声で鳴いて可愛かったのに、どうしてこうお前は……とりあえず飯食うぞ」

 

曜の抗議を無視してまたいそいそと朝食の準備を再開する詠河。諦めの溜め息を吐くと、曜はそれを手伝うのだった。

 

「飲み物淹れるけど、コーヒーでいい?」

「詠河のキスがいいな」

「バカじゃねーの。真面目に答えろ」

「……なんでもいいよ」

 

ムスッとした表情に対して疑問を持ちながらも、黙々とコーヒーを淹れ、二人は朝食を取り始める。沈黙が嫌に響き、お互いがお互いをチラチラ見ながらトーストを齧る。なんと甘酸っぱく、なんといじらしいものか。これが昨晩の激しい情事を悦び愉しんでいた人間なのかと疑いたくもなるものだ。

 

「そういやお前、いつ帰るの?」

「お父さんとお母さんは好きな時に帰って来いって言ってたよ」

「……あっそ。とりあえず今日の夜中ぐらいにゃ帰れ。明日には親が帰って来ちまうから」

「別にいいじゃん。何がダメなの?」

「……独り占めしたいんだ、二人っきりで」

「あー……嬉しいけれど、うん……」

 

そこで会話は途切れて、結局食べ終わるまで無言のままだった。食器を片付けて、並んでテレビを見ても、まだ会話はない。つまらないCM、在り来たりな内容の番組、何一つ昨日と変わりないもの。

何もしないままダラダラと時間が過ぎる。くだらない話もする気にはなれない。唯一出来る事、あるいはする事といったら──

 

「俺の部屋、行く?」

「行こっか」

 

こういった、深い意味を含んだ、遠回しな誘いくらいなものだろう。

 

 

そうして招かれた詠河の部屋。多少飾りが置いてある程度で、他にはほぼ何もない。部屋を占領しているのはベッドと勉強机くらいなものだ。

 

「詠河はここで何をするつもりなの?」

「……曜」

 

振り向いて尋ねれば、返答代わりの押し倒し。曜は抵抗も出来ずにベッドへと倒れ込む。抑え込むような体勢のまま詠河は曜を様々な感情を孕んだ瞳でじっと見つめながら言葉を告げる。

 

「さっきから誘いやがって、我慢なんか出来るかよ。お前がなんて言おうが知らない、今はただお前が欲しい」

「え、詠河?なんか怖いよ……」

「そう見えるなら……そんな事考えさせない」

「んむっ……!?」

 

昨晩とは違った、強引な接吻。彼女からの接吻が甘いものなら、彼からの接吻は熱いものだ。刻み付けるような、押し付けるような、荒々しいもの。

舌を絡ませ合い、唾液をお互いの口内に流し込み、離れてしまわないように抱き合いながら、ひたすらに求め合う。

 

「れぅ……はぷっ、ん……あむっ……えーか、乱暴だね……んちゅ……れろ……」

「……そうさせたのはお前だよ……んんっ……」

 

唇を啄みながら、ボタンを外して手を胸へと動かす。昨晩よりも優しく弄るように、ゆっくりと揉み、先端をねっとりと嬲るように弄ぶ。

 

「はぅ……ぁう……っ、なんだか、不思議なの……気持ち良くって、溶けちゃいそう……」

「なら溶けちゃえ。だらしなく溶けたのを見せてよ、曜。ここには俺たちしかいないから、もっと……」

「えー……かっ!?あぁ……っ、吸わないで……ぇ……っ、飛んじゃうよ、ヘンになる……っ」

 

指だけでは寂しそうにしていた先端に吸い付かれた曜は一際大きな嬌声を上げ、悦びの音色でいやいやと言う。片方の乳房を弄んでいた手を秘所に持っていくと、その入り口に指でなぞる。

 

「もう濡れてる……挿れて欲しい?」

「……うん、欲しい。ちょうだい……」

 

自分から見せ付けるように脚を開き、愛液に濡れた入り口を開く。水面のように蕩けた青の瞳と荒い息遣い、汗ばんだ身体に張り付いたワイシャツ。全身で誘うように、曜は期待の目線を送る。

それに応えるように、雄々しくそそり立つ肉棒は、一気に膣内へと侵入していった。

 

「ぅあ……っ────!!!」

 

同じ行為の筈なのに、与えられ、身体を走る快楽は倍違う。思考が真っ白になる程に溶けてしまいそうで、自分がどこにいるのかすらわからない程に危うい。

だというのに身体は更なる快楽を求めて動き、昨晩至った絶頂以上の絶頂に辿り着きたいと媚肉はうねり、肉棒が突き上げる。

口ではあれこれと言いつつも、結局はこのザマ。どちらが盛りどちらが冷めていようとも、どちらかが劣情を誘えば衝動には抗えない。まるで磁石の様な関係性だ。

 

「あぅっ、昨日よりも、がっつくね……っ、んひっ!?ふわふわさせないでぇ……っ!!」

「うっせ……っ、黙って、喘げっ……!!」

 

喋らなくていい。ただ喘げ。嬌声を上げて悦べ。快楽の渦へと堕ちよう。言葉なんかいらない。共に甘んじて受け入れよう。そしてこの甘く熱い快楽の底へ──

腰を激しくぶつけ合い、膣内を抉り、肉棒を締め付け、息を乱し、汗と汗で境目が消えてしまいそうな気さえしながら、深海に潜るようにひたすらにお互いを求め合う。昨晩よりも深く激しく交わる二人は、何も考えず、何も語らず、絶頂に至るまでの間、快楽を貪り合っていた。

 

「っ、曜……っ!膣内に……っ!!」

 

時間を忘れ去る程に熱中していても限界はやがてくる。腰を掴んで無理矢理に奥へと先端を押し付け、意識さえ押し流してしまいそうな奔流を容赦無く流し込む。

 

「──っぁ!?来てるっ、熱いの……──っっ!!」

 

思い切り身体を弓なりに反らして痙攣しながら、絶頂を迎える。膣肉は白濁を更に求めて収縮を繰り返し、今までで一番の絶頂の余韻を長く悦びながら、行き場をなくした白濁が結合部から零れ落ちるをうっすらと感じ、やっとのことで波が引けば、力なく倒れ込み、胸板の上で双丘がむにゅりと形を変える。

 

一体何時までそうしていたのかはわからない。二人が朧気な意識をはっきりとしたものにした時には、青空だが、陽は空の真ん中に昇っていた。

 

「……後始末すっか」

「ごめん、腰痛いの」

「体育会系が何言うか」

 

人間、理性的になるととことん理性的なようだ。

その後は身体を重ねる事なく、ゆっくりと過ごし、彼女は自宅へと帰宅した。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

これをキッカケにし、やっとのことで正式に付き合いだした。

それ以降も、もちろん重ねたのは唇だけでなく、身体も重ねた。時にゆったりと、時に隠れてバレるスリルすら快楽に変えて愉しんだ。

何度も何度も身体を重ねて、知らないところが無いくらいに貪って、愛し合って──

何時の間にか、隣にいて当然になった。

 

「ねえ、詠河」

 

ある昼下がりのバス停。学校帰りに二人でデートをする約束をして、その帰り。

 

「ここでしてみる?」

 

あの日のように挑発的で、あの日のように情熱的で、どこか妖しげな微笑みを浮かべた曜の何気無い、しかし勇気を振り絞ったお誘いは──

 

「やーだよ。誰かに見られると思うと見た奴を八つ裂きにしかねないし。それなら、後でな」

 

至極単純な独占欲と、優しげな口付けで、やんわりと先送りにされ───

 

 

 

「ヤダ」

 

 

 

───なかった。

詠河としては、ただの火遊びを誘われていると思っていた。

曜は準備万端で何時でも襲われてよい様に振る舞っていた。

そう……残念な事に、彼と彼女の思惑は一致していなかった。

 

「は……?」

「だってお外だよ? ワクワクだよ? ドキドキしちゃうよ? ねね、いいじゃん。いーっぱい凄いコトしちゃお?」

「え……え? 待って待って。ちょっと待ってくれって」

 

混乱する詠河に畳み掛けるように迫る曜。それはまるで小動物を頭から喰い千切る肉食獣の如き迫力。何も問題は無い。さあ早く交わろうと言わんばかりに迫り迫って、その何ともないような笑顔が嫌に恐ろしく映る。

そこでやっと詠河は悟った。

選択肢を間違えれば即座に食われる────!!

 

「しないの?」

「しっ、しないっ!! バス来たから帰る!」

「ふぅん……」

 

曜の含みのある呟きに恐怖しながら、意識しないように急いでバスに乗り込む。

詠河は壁際に座って、曜はその隣に座る。そしてバスが出ると同時に────

 

「ふふふ……っ。人が少ないから色々出来るね」

「やかましゃっ」

 

隙あらば誘惑する曜と、複雑な感情からそれを拒む詠河。

 

「────ねっ、えーか……?」

 

刹那、聞こえた欲情に塗れた甘い呼び声が耳元で囁かれる。不意に股間に感じる違和感。そう、これはまるで愚息を弄ばれているかのような。ぎょっとして彼女の方を見れば、いつの間にやらジッパーを下ろして中に手を突っ込んでいる。

無言の抗議。されど曜は妖しく笑うだけ。

 

(淫乱ヨーソローめっ! まーたヘンなエロ本読んできやがったなっ!)

 

大方、バス内かフェリー内で行為に及ぶ成人向け雑誌でも読んだのだろう。曜が詠河の性的嗜好を熟知しているように、詠河も曜の性的嗜好を熟知している。さて、これだけ聞けば献身的なようだが、しかしその実態は逆。彼らはお互いが献身的であり、お互いに征服的である。お互いを喰らい合う程に愛し合っている。そういう関係、つまりは主従関係じみた愛ではなく、何ともまあ熱い関係なのだ。

 

思わずバス内で行為に及ぶ程には。

 

「えーかはマグロじゃないでしょ? ねぇ、反応してよ」

「………マグロは美味い」

「手コキは?」

「……マグロは「天丼はいいから。再放送はしなくていいよ」さいでっか……」

 

マグロなフリをしてやり過ごそうにも曜は容赦無く突いてくる。何が悲しくてバスの中で彼女に手コキされて、それで嬉しくならねばならないのだろうか。いや、確かに嬉しいと言えば嬉しいのだが、詠河としては色々と面白くない。具体的にはマグロなのが。

 

「ほら、何かイってよ」

 

少々イントネーションが違うが、マグロが面白くないのは曜も同じなようだ。ならばする事はただ一つ。反撃だ。

 

「お前もイけっ」

 

左手をスカートの中、下着──触り心地から判断するとレースだろうか──その隙間に突っ込んで、恥部をゆっくりとなぞる。

 

「あんっ、エッチ」

「るせぇ、スケベ」

 

お互いの息が荒くなる。バス内、つまり公共の場だというのに本当にナニをしているのだろうか。相手に誘われて、それを拒んだというのに、今ではこうして弄りあっている。

流され易いタチだとは思っていたが、しかし曜が絡むだけでこうまでチョロくなってしまうとは……知りたくない真実だった。

 

だが、勢いでこうしたはいいが、二人は言う程激しく出来ない。当然である。

だってここ、バス内だし。

 

「……雨?」

 

不意に聞こえた雨音。

二人は思わず手を止めて外を眺める。

 

「ホントだ。結構勢いあるみたいだよ」

「傘ある?」

「無いよ」

「濡れるか」

「そうだね」

 

短いやり取りを終え、さて続きをと思ったが人がゾロゾロと入ってきたので、そそくさと手を引っ込め元に戻す。

ただ最寄りのバス停に着くまでの間、二人の距離はほぼ無かった。肩と肩がくっ付くくらいに寄り添い合って。

 

バスを降りる頃には、雨は酷く降っていた。ザーザーと音は聞こえ、地には寝る雨音はやけに響く。傘が無い事をここまで恨んだのは中々に無いだろう。

だが、視点を変えてみよう。

濡れるのである、服が。透けるのである、下着が。最高の状態だ。何故かは知らないが、そういった類は男の劣情を催す。それは詠河とて例外ではない。

少しだけ期待しているのだ。曜の、濡れた姿に。

 

「うわぁ……ひっどいなぁ」

「もう俺ン家寄ってけよ。引くまで待てばいいだろ?」

「じゃあ、お言葉に甘えて寄らせてもらうねっ。ふふふ、夜までいてもいいよね?」

「……うん」

 

急いで走った道のりは、不思議にも遠く感じた。やはり人の心理がもたらす効果とは様々なものに影響を与えるのだろうか。やはり、不思議だ。

二人して家に駆け込んだが、リビングでお互いの姿を見てみれば、それはもう酷い有様だった。豪雨を駆け抜けてびしょ濡れの姿。髪がペタンと降りて、濡れてない所を探すのが難しいくらいだ。

 

「ん? どーしたの? ジーッと見てさ」

「いや……」

 

濡れた制服から透けて見える、黒いレースの下着。

下着なぞ見慣れているが、しかしどうしてこう、初心な少年のように釘付けになってしまうのか。ああ、それだけではない。身体に張り付いた制服は、やけにラインを強調し、透けて見える下着も、その濡れた姿も、妙に妖艶に見える。

──そろそろ抑えが効かなくなりそうだ。もう、襲ってしまうか。

そんな思考に身を任せ、どうにでもなれの一心で唇を重ねる。

 

「ん……っ!?」

 

驚きながらも、無抵抗でそれを受け入れる曜。

お互い、やっと味わうことのできた恋人の唇に、言いようのない歓喜と欲望を感じながら、まるで蛇が這うように、嬲るように舌を絡める。いつものようなただの、深い接吻。だが彼らにはいつもと違う特別な接吻に思えた。何故そうなのかは、本人達にしか分からない。

 

「ぁ、んんっ、ちゅ……っ」

 

深く、甘く、暖かく淫猥を含んだその感触を求めて絡まり合う舌は唾液の架け橋を作り、吹き飛んだ理性と感情のままに唇を啄み唾液を飲み干す。

二人はどれだけ求め合っているのか、息が切れるのも構わずひたすらに。

 

「んぅ、ぁはっ、はむっ、むぅ……っ……えー、かぁ……」

 

熱に浮かされたように呟かれる名前をきっかけに、身体を寄せ合う。細い腰に回された手が下へと伸び、太腿を優しく撫で、指が円を描いて尻周りをつーっと這う。くすぐったそうに身じろぎしながら、ふりふりと可愛らしくくねらせる。

ただやはり息が苦しいのは辛いのか、二人はどちらからでもなく、唇を離した。

 

「悪りぃ、もう無理だ」

「えへへっ、私もダメみたい」

 

優しげな微笑みと、妖しげな視線。曜の青い瞳と情事への期待に塗れ、目尻は下がり、上気した肌が言葉無く欲情を誘う。そのとろんとした惚け顔は他の何よりも愛おしく、何よりも劣情を催し、何者にも代え難い存在だった。

 

「……すごいね」

 

下腹部に感じる熱と硬さ。いきり勃つ愚息が彼女に押し付けられている。その白い指がゆっくりと肉棒へと絡み付き、そっと取り出す。先端から根元まで、浮き出た血管をなぞるように指が這い回り、それは快楽の波をじわじわと作り上げる。

 

「っ……!」

「えへへ……とっても可愛いよ。カチカチで、こんなにヘンなのに、なんで可愛いのかな」

「お前の感性がヘンなんだろ……」

 

這う指はしっかりと固定され、上下に。それは強いと言い難いが、しかし波を超えて確かな快楽となり、襲いかかる。

久方ぶりの手淫は、初めて手淫をされた時のような、そういった悦びとただ愛おしい人に触れられているという喜びが与えられた。

 

「気持ちいい?」

「……うん」

 

肉棒の先端から吐き出される先走り汁が指に絡みつき、にちゅり、にちゅりと淫らで粘着質な音を立てる。ただの上下運動、言い方を変えれば自慰と何も変わらないというのに、なぜにこうも与えられる快楽は段違いなのだろうか。

竿をしごき、カリ首も責め立て、陰嚢も強弱をつけて揉みしだき、甘く鋭い強烈な快楽を気を抜けば思わず達してしまいそうな程に与え続ける。

 

変わる表情を楽しんでいるのか、曜は顔を上げて責め立てる。惚けた可愛らしい笑顔を淫欲の朱に染め、陶然とした雰囲気が吐息から漏れ、優しくも妖しい手つきで肉棒全体を大胆に撫で回す。

その身体が青い果実が故に魅力的で、行為は熱情的で遊女の如く。

 

なんと背徳的、扇情的なことか。

 

見るだけで理性を破壊し欲望が滾る。もはやヒトというよりも淫魔の類に等しい。それ程までに詠河にとって曜はそう映っていた。少し前まではただの幼馴染だったというのに、今ではこうして肉欲の赴くままに貪り合う関係だ。

……詠河にとっては、あの姉妹は例外的存在だが。

人差し指が裏筋を撫で、思わず呻きのような嬌声が上がり、震えてしまう。

 

「ぴくぴくしてるよ、ここが好きなんでしょ……?えーかのコト、もっともっと気持ち良くしてあげる……」

 

ゆっくりとした動きは次第に速度を上げ、淫猥な音を大きく立てて、その白い指が動く。

鈴口から止め処なく溢れるそれが、まるで歓喜の涙のようにも見えてしまうくらいには頭はまともではなかった。

 

「なんだかお口でされたそうな感じだね、いやらしいえーか……」

 

不意に手を止め、欲情に蕩けた瞳を向ける曜。

 

「知らね……っ!?」

 

何の前兆も無く紅く濡れた舌が鈴口を這い、反論を快楽が掻き消す。それを切り口に曜は愛撫を始める。嬉しそうに、楽しそうに、舌を這わして彼の反応を伺う。

 

「んぅ……ちゅ、あむ……ぴちゅ、んんっ、ぁん……」

 

唾液に濡れていない箇所がない程に舌が這い回り、鋭すぎる快楽が言葉も感情も消し飛ばす。ざらりとした舌の感触は、あまりにも心地良く、奇妙な征服感に支配されてしまう。それは二つの相反する征服感、支配する側と支配される側。

確かに手淫で追い詰められていたとはいえ、与えられる快楽は倍以上だった。気を抜けば絶頂に達してしまうどころか、意識をも削ぎ落とされ、性欲に従う愚かな獣へと堕ちてしまうようにも錯覚する。

 

「……ぺろぺろ、嫌い?」

 

中々射精しない事が、自分では満足してくれないのかという疑問に変わり、何か虚しさに近しいものを感じたからか、曜は寂しげに尋ねる。

 

「そんな目すんなって。その、アレだよ……意地っていうか、何ていうか……」

「ふーん……意地なんだ。じゃあ、いっぱい出させてあげるから……」

 

その可愛らしい両手で竿を少ししごくと、そんな宣言と共に逸物を口に咥え吸い上げる曜。

 

「じゅる、ずゅ、ずずっ、ちゅ、じゅるる……」

「ぁぅっ!?」

 

快楽が途端に膨れ上がり、呻きは明確な嬌声へと変わる。その反応に気分を良くしたのか、優しい笑顔が妖しい笑顔へと。

舌が絡まり頬の内側の肉が包み込む。頭を前後に揺らしての強烈なバキューム。中にあるもの全てが吸われてしまいそうな気さえする。

早く欲しいと言わんばかりに竿をしごき、陰嚢をゆっくりと揉む。別々の刺激がまた違った快楽を与え、逸物への激しい責めが射精を催促する。

 

「らひてふぉ……」

 

口に含んだままの嬉しげな一言が撃鉄となり、視線が交差する。喜びと喜びが交わり、直後。

 

「──っ、ぁ──」

 

せり上がる快楽が爆ぜ、それが白い津波となって、まるで音が聞こえそうな程に、その小さな口へと注がれる。雪崩のような勢いと量の白濁液が曜の口内を陵辱し、しかしこくこくと喉を鳴らして飲み込む。奥の奥、最奥の果てから来る白濁までも飲み下すように。

だがその濁流はあまりにも熾烈で、耐えられずに曜は唇を離す。絶えず白濁液を吐き出す愚息は、まるで溜め込んだものを全て出し尽くすかのようだった。故に律動は止まらず、曜の顔を白く粘着質で重い液体が穢して行く。征服するように、覆い隠すように、唇も口元も朱が差している頬も余す事なく穢された。

 

「……ぁ……はぁ……っ、はぁ……」

 

やっとのことで全身を駆け巡った快楽の津波が引き、身体の力がほぼ全て抜け落ちてしまう。崩れ落ちそうになりながら、フラフラとソファーに座って、ふと詠河は曜を見下ろす。

 

「いっぱい、出たね……とっても……嬉しいな……」

 

恍惚とした表情に、歓喜の言葉。青の瞳は欲情の桃色を中に宿して、淫欲に濁らせているような、そんな気さえする。今の曜は、どう見ても淫魔のそれだ。遊女も毒婦も通り越して、魔性の淫乱さを持った淫魔というに相応しい。

思考が纏まり始める前に、曜は顔に付いた精子を指ですくい取り、口へと運ぶ。

 

「ちゅっ……ぴゅ、んく……っ」

「おい……」

 

詠河は静止の声をかけようとしたが、その淫猥な光景に思わず目を奪われてしまい、言葉が止まる。

ただ舐め取っているだけなのに、こうもそそる、卑猥なものがあるのだろうか。征服感とも違った何かが込み上げ、昂ぶる。まだ注ぎ足りないと言わんばかりに愚息は硬さを取り戻し、雄々しくいきり勃つ。

 

「あはっ、まだまだ足りないって感じだね? じゃあ、もっとしよっか。それこそ夜になるまで……」

 

顔に付いた白濁液をほぼ舐め取った曜は、横目に見えた肉棒に期待の目線を送る。

望んでいるし、望まれている。ならば躊躇する通りなど、何処にあろうか。

手を掴み、腰を抱き寄せ、顔を寄せる。

 

「加減効かねぇからな」

 

自然と出た言葉は独占欲と征服欲と性欲が入り混じった何とも言い難いもの。それに喜びを感じながら、下着を脱ごうとして──

 

「ひゃっ!?」

 

何やら危険な瞳をした彼が、彼女を押し倒す。

 

「え、えーか……?」

「脱ごうとしたろ」

「だって、邪魔じゃん?」

「そのままだ」

「へ?」

「このままやる」

 

有無を言わせず胸元を捲り上げ、そのたわわな乳房を露わにする。ブラを完全に外さないのは彼なりのこだわりだろう。同様に下もズラす程度に収め、まるで強姦現場の少女のような、あられもない姿へ。

裸を見られるのは今更だと言うのに、何故だろう。奇怪な羞恥心が芽生え、曜は頬を赤く染める。

 

「は、恥ずかしいよぉ……っ」

「ならどうしてバスの中では手コキ出来たのか教えてくれよ」

 

加虐的な声に、見せ付けられる愛液に濡れた指。

 

「おやおや、バスの中でシた時から、濡れてたんじゃないのか?」

「それは……雨だよっ。きっと雨が……あぅっ!」

「ふーん……雨、ね。随分と粘り気あるし、言い訳に無理あると思うんだけど」

「そんなの、ひぅっ……!」

 

言い訳をさせないように、空いている手が恥部の入り口を弄る。

普段とは違った加虐的な詠河に、曜は涙を見せて抗議する。

 

「……いじわるっ、えーかのいじわるっ」

「そう言われましてもねぇ。人をその気にさせたのは何処のどいつだかってハナシなんだけど」

 

言うまでもないが、詠河の性的経験は多い。某姉妹に襲われた後も、ごく稀にその褥の暖かさを確かめたことはあった。曜の夜這いの後、明確にその関係をゼロにしたが……

 

「まっ、抵抗するならお好きにどうぞ。ヤる事は変わらないし、可愛く喘げよ」

 

オトナ向けのアレコレを知っているのならば、盛る青い果実程度は楽に喰らい尽くせる。今までは食われてやっていたが、

寒さと快楽から自己主張を始めた乳首を軽く口に含むと、舌先でコロコロと転がしてみる。

 

「あ……っ、おっぱいダメェ……っ」

 

曜の口から漏れる、快楽に塗れた甘い否定の声。それが本音かを確かめる為に恥部の筋にゆっくりと指を這わせ、そっと左右に広げる。何の抵抗もなくあっさりと広がった辺り、上の口ではウソを言い、下の口は素直に喘いでいるようだ。

 

「さて、質問」

「……はぁ……っ、なに……?」

「このまま指と乳首でイく? それとも……どうしたい?」

 

コレ、全て詠河が言われた事である。

……オトナの女性侮りがたし。

 

「──挿れて…… 欲しいの……っ!! お預け、切ないよぉ……っ!!」

 

涙と羞恥に溢れた表情と、さらなる快楽に餓えた声。曜の涙交じりの悲願は──

 

「分かった」

 

あっさりと受け入れられた。

 

「でもイけ」

「えっ、あっ……ああぁ──っ!?!?」

 

クリトリスを激しく弄り、時に押し潰し、膣口に指先を突っ込み、ただ容赦無く絶頂へと極めさせられた。

 

「さて……じゃあ、挿れるよ」

「……きてぇ……っ」

 

正常位の形で、ゆっくりと肉棒を沈めていく。大して力を入れていないのに、溢れんばかりに濡れている膣内はあっさりと受け入れていく。健気に媚びる媚肉は、熱烈に歓迎しながら最奥まで迎え入れた。

 

「んんっ、はぁ……ん……ぁっ!」

「全部入ったよ」

「キスぅ……ちゅーしてぇ……っ」

「りょーかい」

 

奥を抉るように叩き付けながら、唾液を流し込むように唇を重ね合う。たわわな乳房が揉みしだかれるのと同時に、膣内は締め付けを増して射精を催促する。

頭の中が真っ白になる程に貪り合い、子宮と亀頭が何度も触れ合い、まるで吸い付いて離れないように錯覚を感じる程、正常と異常の区別はつかなく、何もかも忘れてしまいそうな気持ちになった。

 

「ひっ、あんっ……もぅ、らめ……! ちょうだい……っ、すごいのぉ……っ!」

 

再びの絶頂を前に、もっとすごいものを求めて精液を哀願する。嫌に耳に残る淫猥な水音を立てて、どろどろの愛液塗れになった二人の腰が隙間無く密着して、その子宮口をこじ開けんとばかりに亀頭が捻じ込まれて、震えて、白濁の泉が弾けた。

 

「─────────っ!!!!!」

 

嬌声のような、さながら獣の断末魔のような、艶を含んだ絶叫。雨に濡れたままの男女のその声は、雨音を裂くように響いた。

 

 

 

 

 

 

「……へくしっ!」

「……へくちゅっ!」

 

結局あの後、二人はシャワーも浴びぬまま何度も何度も交わり、陽が落ちて雨が止むまで盛り合っていた。

正気に戻って、やっとシャワーを浴びて、着替えても遅く、二人仲良く風邪を引いてしまった。

 

「……濡れセーラー服って最高だな」

「風邪引くからやらないよっ!!」

 

……おしまい

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