「へえ、あんた見えるんだ? あたしの髪」
挑発的な女の声。
「だれよ?」
それに応じながら、かごめは渋々振り返る。どうせ、期待できない。きっと声だけが女で、ケムクジャラなんだろう。あー! やだ、やだ! あたしは美少女と……。
かごめのそんな倦怠感満載な思考は、途中で吹き飛んだ。
「美少女きたっー! ジーサス! 神はいた!」
感動のあまり、涙まで流し始めるかごめ。その視線の先。そこには美少女がいた。
その美少女からは妖気を感じるし、明らかに妖怪。それは間違いない。ただし、見かけは人間とほとんど変わらない。
そんな美少女妖怪の年齢は14歳ほど。かごめと同年代に見える。さらさらとした綺麗な黒髪をボブカットにしている。頭に付けている赤いリボンが随分似合っている。
少女が着ているのは、黒い着物。その着物は、おへそが見えるほどに大きく胸元が開かれ、着物から零れ落ちそうなほど大きな二つの果実を見せつけてくる。また、その着物には袖がなくノースリーブのようになっていて、脇下も大きくえぐれているため、正面の谷間だけでなく横乳もその存在感を主張している。
そのうえ、美少女の着物は、あまりに丈が短く太ももがほとんど露出し絶望的なまでに面積不足。ミニスカの中のミニスカ、マイクロミニだ。
加えて、この美少女。空中にピンと張った髪の上に立ち、かごめを見下ろしている。ミニスカを穿いた少女が、高い場所にいます。この場合、どうなりますか? 答えは簡単。スカートの中が見えてしまいます。
しかもこの美少女、
「ノーパンだとっ!!!」
かごめの絶叫。かごめからは、噴水のような勢いで鼻血が出る。美少女の股間に茂る生えかけの陰毛。その間から覗く、綺麗なマンコ。これで鼻血を出さないなどあり得るだろうか? いや、無い。反語法。などと馬鹿なことを考えるかごめ。彼女はハイテンションだった。
スイカのように巨大な胸に、雪のように白い肌、そしてくりっとした紅い大きな瞳。そんな美少女が、露出万点、マンコまで見える服装をしているのだ。まさに、かごめの欲望を具現化したからのよう。飛んで火にいる夏の美少女状態だ。
「ぐふふふふふふふ」
かごめは鼻血で真赤に染まった顔面を歪め、奇怪な笑い声を漏らす。
なんて、破廉恥な娘なんでしょう。これは捕獲して、アーンなことやコーンなことをしないと……。妄想が膨らむ。
数分後。
鼻血を噴出するかごめ。それを暫く眺めていた美少女が、チェリーのように愛らしい唇を開く。
「くすくすくす。随分興奮してるのね? 鼻血まで出して」
可愛らしい声音。美少女は、妖艶にほほ笑む。余裕綽々と言った風情だ。
「ほうら、こっちもどう? でっかいでしょ?」
そう言って、着ている服をずらす美少女。オッパイが丸見えになる。メロンやスイカのように丸々と実った胸部。その先端にピンと突き出た愛くるしい乳頭。それで興奮しないはずがなかった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
歓声を上げるかごめ。その鼻血はますますヒートアップ。体中の血が無くなってしまうんじゃないかという勢いだ。
そんなかごめの様子を見て、侮蔑的な表情を見せる美少女。
「くすくすくす。冥途の土産に、良い物見れたでしょ。あたしは、逆髪(さかさがみ)の結羅(ゆら)。“逆髪”一族、その族長の娘」
そう言って美少女は、腰に差した刀を抜く。
「じゃあね、もう死んでいいよ」
死の宣告。と、同時。
タンッ!
軽い音。美少女が跳躍したのだ。一瞬で、二人の距離が近づき、結羅は刀を振る。
トンッ。ゴロゴロ。地面を転がる人間の頭部を、美少女は幻視する。
剣を振り、人間の首を跳ねる。今までに何度となく行ってきた、日常的な行動。失敗する筈はない。
だが、今回は上手く行かなかった。その人間は、首を切りつけられたにもかかわらず、まったくの無傷。ケロリとしている。
「へえ? 頑丈なのね?」
美少女の問い。口調には余裕がある。だが、かごめは百戦錬磨の退魔の巫女。それはハッタリだと、見抜いていた。結羅は動揺し、その背中には嫌な汗が流れている。
「ええ。そうよ」
そんな結羅へと、かごめは軽い答えを返す。にっこりとした笑み。ついでに、結羅へと手を伸ばす。
「っ!?」
慌てて跳躍し、距離を取る結羅。
「あら、あら。逃げるの? 族長の娘なのに? 人間相手に?」
かごめの挑発。
「っ!? 人間風情が調子に乗って! 死ね!」
かごめの見え透いた挑発に乗り、激昂する美少女。結羅は、大きく腕を振って多数の髪を操り、かごめへと突進させる。
ゴオオオオオオ!!
激突。轟音。数百万もの髪が一丸となって衝突したのだ。直撃だ。これで無事のはずがない。
「やった!」
結羅が歓声を上げる。かごめを仕留めたと思ったのだ。
「生意気な口をきいた罰よ」
嘲笑を浮かべる美少女。ついでに、結羅は腕を振るう。ギチギチ、ギチギチ。異様な音がかごめのいる辺りから響く。かごめを直撃していた髪が、その死体を押し潰さんと圧力を増しているのだ。
だが、次の瞬間。美少女の表情が歪む。
「なっ!?」
人間を圧縮していた筈の無数の髪。それが、勝手に蠢く。結羅の制御を受け付けない。
「一体なにがっ!?」
狼狽する結羅。その答えは直ぐに明らかになる。
「ううん。髪の制御って結構難しいのね」
かごめだ。かごめが、結羅の髪に干渉しているのだ。四魂の玉にバックアップされたかごめの方が、結羅よりも強い妖力を発している。である以上、髪が結羅ではなくかごめになびくのは、道理だった。
「うむむむ。こんな感じかな」
かごめの呟き。それに合わせるかのように、髪が移動。密集し、ある形を作る。
「なっ!?」
結羅の焦った声。美少女は刀を構え、かごめへと突っ込む。かごめの行動を阻止しようとしたのだ。だが、それは余りに遅かった。
「ちょっと大きいかな」
かごめの独り言。かごめが見つめる先。そこにあるのは、奇怪な髪のオブジェ。男根の形をしている。
……サイズを除けばだが。そう、それはかごめが言うように“ちょっと”大きかった。二リットル入りのペットボトルぐらいはある。
「えい」
軽い掛け声。それと共に飛翔する髪製男根。男根の向かう先。それは無論、結羅だ。
「ひっ!!」
大きく目を見開き、悲鳴を上げる結羅。結羅は慌てて回避しようとするも、時すでに遅し。
結羅のマンコへと、疑似男根が突き刺さる。
「っ!?」
衝撃によろめく、結羅。美少女の陰部に激しい痛みが走る。当然だ。男根のサイズは極めて大。前戯も無しに急速度で突入したそれは、結羅のマンコを引き裂き、子宮を突き破って、心臓にまで到達していた。凄まじい激痛。普通なら、死んでいたであろう。
しかし、美少女はそれに耐える。結羅は族長の娘。プライドがある。この程度の痛み、耐えられる。
美少女はその瞳に涙をたたえながらも、気力を振りしぼる。仁王立ちになると、自身のマンコへと腕を伸ばす。
「こんなものっ!!」
結羅は、マンコに突き刺さった男根を掴み、引き抜こうとする。だが、抜けない。いや、抜くことは出来る。問題なのは、抜いても抜いても終わりがないこと。どれだけ髪を引き抜いても、まだまだ圧迫感があるのだ。
「ざんねーん! 髪は伸びるのよ」
あざけりの言葉。かごめだ。かごめは、ワシワシと両手を動かしながら結羅へと近づいて行く。
「ぐふふふふふふふ。それじゃーーーあ、結羅ちゃーーん。たーーーーぷり、楽しみましょうねーーーー」
欲望に歪むかごめの表情。それを見て、結羅のプライドが音を立てて崩れ落ちた。
「ひっ! いやあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
絶叫。結羅は、かごめへと背を向けて逃げ出す。だが、無駄だ。数百本の髪が、結羅の両足に絡みつく。
「あっ!?」
足を取られ、転倒する結羅。
「ぐふふふふふふふふふふ! 逃がさないよーーーー!」
かごめはそんな結羅へと一歩、また一歩と近づく。
「くるな! くるな!」
子供のように駄々をこね、刀を振り回す結羅。無論、そんなもの無意味だ。すぐに別の髪が両腕も拘束。四肢を掴まれ、身動き一つできなくなる。
「それじゃーーーーあ! まずはーーーーあ! おマンコから楽しみまーーーーす!!」
かごめの宣告。それと同時。結羅のマンコに挿入されていた髪が、爆発的に膨張。内部からマンコを引き裂き、骨盤を粉砕。結羅の下腹部を木っ端微塵にする。
余りの激痛。結羅には耐えられなかった。
「いぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
美少女は無様に絶叫を上げながら、地面を転げまわる。