ゴーストハント二次小説 短編、気分で長編中編 作:神崎 真由
一瞬、性暴行が出てきます。
苦
手
じ
ゃ
な
い
人
は
、
ど
う
ぞ
~
。
[クリスマスが近づく某日]
「麻衣、クリスマス予定空いてるか?」
「空いてるよ」
付き合ってる彼がいてクリスマスに彼氏以外の予定を入れる人なんているのだろうかと麻衣は思った。
「連れていきたいところがある。10時に駅で待ち合わせでいいか?」
「どうしたの~ナル。ナルから誘ってくれるなんてね。大丈夫だよ、楽しみにしてる!」
[12月25日 AM10:00]
ナルから誘っておいてナルは来なかった。
[25日 AM11:00]
あまり期待できないだろうなと思いつつも、ナルの携帯に電話する。電源が切れてるようで繋がらない。
[25日 AM11:30]
麻衣は数人の男性に囲まれた。
「キミ、可愛いねー。俺達と遊ばない?」
麻衣の第六感がヤバイと告げていた。
「人を待ってるので、ごめんなさい」
数人のうち顔の怖い人が麻衣の腕を掴んだ。
「君に選択権は無いから」
麻衣はみぞおちを殴られて、無理矢理引きずられ駅を出たところで男達に大型バンに乗せられる。そこで麻衣は処女を失う。
[25日 PM1:00]
次に麻衣はラブホに連れて来られてた。男達の人数が5人程増えた。ラブホでまた体を弄ばれ、それは二時間程続き、やっと解放された。入浴を済ませて、身なりだけは整え、男達をホテルに残し、麻衣は外に出た。
[25日 PM3:30]
滝川は、仕事(本業の方)が終わって、ホテル街を歩いていた。前方から良く知る少女が歩いてきた。
「こんなところで何してるんだ、麻衣」
「…………ぼーさん」
麻衣の両眼からボロボロと涙がこぼれた。
「おい、ちょっと、どうしたっていうんだ……」
滝川は困った。これじゃあ、少女を泣かした不審者 is 俺になってしまう。
「悪いんだが、今は少し泣きやんでくれないか。俺の家で存分に泣いてくれたらいいからさ、ごめんな」
「私が……悪い、の。ごめん」
[25日PM4:00]
滝川は麻衣の服から男物の香水の匂いがすることから、ある程度、彼女に何が起きたかを察した。
「私、穢れちゃった。ナルと待ち合わせしてたのに……来なくて。男の人たちに……」
滝川は麻衣を抱きしめることしか出来なかった。こういう時どう言ったらいいのか分からなかった。
「子供……出来たらどうしよ」
「よし、俺と産婦人科いこう。アフターピル買ったる。100%大丈夫になるわけじゃないけど、な」
滝川は麻衣の頭を撫でる。
「大丈夫や、俺に任せとけ」
[25日 PM5:00]
アフターピルを飲み少し落ち着いた麻衣に滝川は詳しい事情を聞いた。
「私、ナルにどんな顔して会えばいいかわかんないよ。ナルはサイコメトリで見れるから、いずれバレてしまうし」
「自分の彼女のピンチの時に、電話すら繋がらないような男、やめておけ。俺ならどんな麻衣だって愛せる。……俺にしとけよ」
滝川は以前から麻衣のことが好きだった。だけど、麻衣はナルしか見ていなかった。だから滝川は麻衣のことを諦めていたのだが。
「……ぼーさん」
麻衣はココアの入ったコップを見つめる。
「私、ナルと別れようと思う」
「本当にそれでいいのか」
滝川のその言葉に麻衣は頷いた。麻衣のその言葉は天にものぼる嬉しさなのに、それでいいのか?などと言ってしまう自分の偽善ぶりを自嘲した。
「麻衣のことは俺が守ってやる」
麻衣はココアのカップを見つめたまま沈黙した。
[26日 AM10:00]
ナルとリンは羽田空港にいた。二人は今からイギリスに帰るのだ。
「誰も見送りしてくれないなんて、珍しいですね」
そんなリンの声も耳に入らない様子でナルは24日に届いた興味深い論文を読んでいた。
二人を乗せた飛行機が上空数千メートルを飛んでいる時。
「麻衣さんも見送りに来てくれないなんて、珍しいですね」
「…………!」
いつもすました白皙の美貌が強ばった。
「どうかしました?」
恐る恐るリンは尋ねた。
「麻衣とのクリスマスの約束を忘れていた」
ナルの手にある論文のせいか、とリンは思った。
「イギリスに着いたら電話で謝ってください」
「時間が空いたらする」
一年ぶりのイギリスでは引っ切り無しに予定が詰まっていた。これではその電話はいつになることやらとリンは頭を抱える。
[27日 日本時間AM10:00 英国時間AM1:00]
もう既に何回かナルは麻衣に電話をかけていた。しかし繋がらなかった。言いようのない不安を感じたが、イギリスと日本ではどうすることもできなかった。
[28日日本時間PM6:00 英国時間AM9:00]
麻衣はまどかに電話をかけていた。
「突然で申し訳ないんですけど、まどかさんからナルに私が別れようと言っていると伝えていただけませんか」
『……え?!突然すぎるわよ。理由を聞いてもいいかしら』
「ナルに秘密にしてくださるなら……」
『……分かったわ』
麻衣は事の経緯をまどかに伝えた。
『辛かったわね、麻衣ちゃん……。ナルへの伝言頼まれたわ』
そのまどかの声が少し湿っぽくて、麻衣の心は苦しくなった。
「ありがとうございます」
『でも、本当に後悔はないの?今日もナルはラボで“麻衣、お茶”と言ってしまってから顔をしかめてたわ。ナル、麻衣ちゃんなしでもやっていけるのかしら……』
「大丈夫ですよ。ナルにはリンさんやまどかさんがいますから」
麻衣は涙が溢れそうになるのを押さえつつ、なんでもない風を装って言った。それから少し話して電話を切った。
[28日 英国時間PM7:00]
まどかは麻衣からの伝言を伝えた。
「理由は、聞いたのか」
ナルのその声はとても低かった。
「いいえ、教えてくれなかったわ。ナルが聞けば教えてくれるかもよ」
ナルの纏う空気が冷えていく。
失うことを嫌だと思える貴重な人の1人でナルの愛するたった一人の人だったのに、一人じゃもうナルは不完全で、そうしたのは麻衣ちゃんなのに、麻衣の不幸を恨むことしかまどかには出来なかった。
「用事は、それだけだから」
どうしようもなくて、まどかはナルから逃げるようにして部屋を出た。
「麻衣……」
こんなとき、どうしたらいいのか分からない、優秀なはずのナルの脳。なんと言われようと麻衣を手放す気なんてなかったのに、“別れたい”に恐怖している自分にナルはイライラした。考えることをやめて目の前の仕事に没頭した。
[1月2日]
麻衣はオフィスの私物を全て撤去して、大学の進路も変えることにした。大学を東京以外にある大学にしてしまえばナルと会うこともないだろう。ナルが幼いときにサイコメトリしたものの中には性暴行の被害者もいる。それが彼のトラウマになっていることを麻衣は知っていた。ナルに嫌悪されたり、苦しめるのは耐えられない。
[6日 AM10:15]
リンとナルがイギリスから戻り、今日からオフィスが開く。
「……おはようございます」
「麻衣、遅い」
15分の遅刻だ。
「すいません、所長。所長にお話があります」
所長と呼ぶ麻衣に、ナルの秀眉が上がる。
「バイトを辞めさせてください。一月からバイトに来られません。」
「……理由は?」
ナルには珍しいことだった。今まで、辞める人間の理由など全く気にしたことなどなかったのに。
「志望大学が変わって京都にある大学になったので。それが理由です。」
ナルの漆黒の視線が麻衣を貫く。
「僕からも話がある」
胃に鉛を詰めたような感覚に麻衣はなった。話に心当たりがあるからこそ、怖かった。
「なぜ僕を振った。25日の件か?」
麻衣は心に針を刺される気分だった。だがなんとか切り抜けなくてはならなかった。
「へぇー、思い出したんだ。そうだよご名答。最低だよね、クリスマスの予定すっぽかすなんてさ。それもどうせ忘れてたんでしょ?振られて当然だと思わない?」
目の前の白皙の美貌を睨みつける。もう必死だった。戻れない道を麻衣は進んでいるから。
「24日、僕宛に論文が送られてきて……」
「それを読んでたのが原因でしょ!?そんな言い訳もうたくさん。さよなら」
麻衣はナルに背を向ける。
「待て!」
ナルは気付いたら麻衣の腕を掴んでいた。
「は、離して!」
ナルは無意識に触れたせいでサイコメトリをしてしまった。麻衣の苦悩、そして25日のこと……。
ナルの顔が引き攣っているのを見て、サイコメトリをしてしまったことに麻衣は気づいた。
足が震えてナルは床に膝をついた。
「ごめ、ごめんなさいっ」
なんとか腕をナルの手から引き抜いて、オフィスから走り出た。ナルは麻衣を追いかけたかった。けれど、過去のトラウマと今見たものの恐怖で足は言う事を聞かなかった。
「くそっ!……くそぉっ」
自分の拳でナルは何度も足を叩いた。
[6日 AM11:00 inオフィス]
「どうしました、ナル!」
リンはナルに駆け寄る。
「大丈夫…だ」
「ナル。こんなに震えてどこが大丈夫なんですか」
リンはナルをソファに座らせた。
「麻衣に振られた。僕がすっぽかした25日、麻衣は僕を待っていたせいで……レイプにあっている。僕にサイコメトリさせないために、バイトも辞めて、僕を振ろうと決意していた。それをサイコメトリで見てしまった」
「なんて、こと」
そう言ってリンは眉をよせる。
「明日から麻衣はここに来ない。辞めたから。安原さんに連絡しておいてくれ」
そうリンに言ってナルは所長室に入った。
[6日 AM11:00]
麻衣はオフィスから走り続けた。いつの間にか自宅のあるアパート前に立っていた。
「ごめんね……ナル」
好きだからこそ、傷つけたくなかった。振られた苦しみを和らげるため、きつい言葉もあえて選んだ。
なのに、なのに、失敗した……
「もう二度と失敗しない」
麻衣はそう心に決めた。
[7日 AM10:00]
麻衣は京都にいた。もう部屋も借りた。12月から学校は自由登校で行かなくてもいいからだ。
そんな時、ナルは麻衣の住んでいたアパートに来ていた。インターフォンを押すが、反応はない。
「あんた、麻衣ちゃんの知り合い?」
「はい」
「麻衣ちゃん、昨日大きな荷物持って出たきり帰ってきてないわよ」
「そうですか、ありがとうございます」
麻衣、どこにいるんだ……。
[3月9日11:00]
麻衣は久しぶりに登校していた、というのも卒業式だからである。
「麻衣!渋谷さん来てるよ!」
友達の優杞が麻衣に言う。ナルは正門に佇んでいた。
「そう……なんだ。でももう別れたんだ」
「え!?なんで?あんなイケメン世界中探してもそういないよ?」
私だって嫌いで別れたわけじゃないと麻衣は思った。
「優杞が帰るときにもナルいたら、私は帰ったと伝えて」
優杞は麻衣の琥珀色の瞳をのぞき込む。
「本当に、会わなくていいの?」
優杞のつぶらな瞳を麻衣は強い視線で見つめ返した。
「会わない方がいいの、二人のために」
優杞が心配そうな顔をしていたが、麻衣は無視して教室を出た。
そうしてナルを避けて裏門から帰った。
気分とは裏腹に空は綺麗に晴れて。
「サヨナラ、東京」
「本当にさよならでいいんですか」
麻衣はびっくりして前に立っている人を見た。
「安原さん!?」
眼鏡をかけていないと大分雰囲気が違った。
「久しぶりです。麻衣さんすこしやせました?」
安原さんには全て見抜かれそうで怖かった。
「ごめんなさい私、急いでるから」
麻衣は早歩きで遠ざかる。
「後悔しないように生きてください。さようなら」
安原はそう叫んだ。
[10年後]
麻衣は株で大成功しIT企業を立ち上げ、スポンサー兼社長になっていた。ナルは、日本支部をリンに任せ、イギリスのSPRで働いていた。
[12月24日 AM11:00]
麻衣と部下数人でイギリスに商談に来ていた。大変うまく行き、麻衣らは食事していた。
「私、イギリスの知り合いに挨拶してくるから、貴方達は自由に午後をすごして」
「ありがとうございます、社長」
[24日 PM2:00]
麻衣の知り合い、そう森まどかに会うためSPRに来ていた。
まどかさんの部屋をノックする。
「どうぞ~」
声はあの頃と変わってなかった。
「谷山麻衣です。お久しぶりです、まどかさん」
「麻衣ちゃんじゃない!!久しぶり~♪会いたかった、元気にしてた~?」
やはりハイテンションな所も変わってなかった。
「お茶していって、今、紅茶とお菓子出すから♪」
「でも、まどかさん、私そんなに長居できn」
「色々話きかせてね♪あっ、麻衣ちゃんに渡そうと思ってたものがあるの!ちょっと待っててね」
[24日 PM2:30 まどか]
麻衣をのこして、資料室に入ったまどかは急いで電話する。
「ナル、いる?」
『なんだ?』
「私の部屋に…麻衣ちゃん来てるのよ!」
『………』
「ナル!?忘れちゃったの?」
『……麻衣か』
そのナルの声は裏返っていた。
「私が教えたことは内密に。会いたいなら仕事のフリして来るのよ!じゃあね!」
[24日 PM2:30 麻衣]
まどかさんは奥の部屋に入って、私一人になった。こんなところにいてナルに会ったらどうしよう。それだけが心配だった。
会わせる顔なんてない、でも会えるかもしれないと期待したから来たんじゃない?今更何考えてるんだろと自嘲した。
[24日 PM2:40]
まどかは細長い箱を麻衣に渡す。
「24日だし、ひと足早いクリスマスプレゼント!なんてね。さ、開けて♪」
「これは、ネックレス?いいんですか、頂いても」
まどかは頷く。
箱を開けるとエメラルドの四つ葉のクローバーのペンダントが入っていた。
「可愛い……。ありがとうございます」
「麻衣ちゃんに幸せになって欲しくてね。つけてつけて」
その時、扉がノックされる。
「私…帰った方が……」
「いいのいいの、ここにいて」
まどかは少し声を張り上げ、どうぞと言う。
入って来たのは、眼鏡をかけた三つ揃いのスーツを着た男性だった。
「まどか、たのまれてた書類だ」
声はナルだった。どうか気づかないでと、麻衣は身を固くする。
「ありがとう」
まどかは封筒を受け取る。ナルはちらりと部屋を見る。
「来客とは珍しいな」
「そうでしょ~。仕事でイギリスに来たから挨拶にって麻衣ちゃん来てくれたの」
もうどうしようもない、麻衣は腹をくくった。席を立ち、振り返る。
「久しぶり、ナル」
ナルの漆黒の瞳に貫かれる。
「綺麗になったな」
そう言ったナルは、造形の美しさに色気が加わって青年から大人の男性になっていた。
「会いたかった、麻衣」
麻衣はあどけなさが抜け大人な女性になっていた。やっと会えた、その感動で、胸が苦しくてつまりそうだとナルは思った。
「私も……会いたかった、ナルに」
言いたいことはたくさんある筈なのに、どれもこれもうまく言葉にならなくて。麻衣はぎこちなく微笑んだ。
ナルは目を伏せる。長いまつげが綺麗な陰影を作る。
「……あの日、守れなくてすまなかった」
「ナル……」
ナルが誰かに謝るなどというのはほとんどといって無い。奇跡的と言ってもよいぐらいだ。
「もう、いいよ。ナルと別れてSPRの仲間と別れて、私は独りで……一人で強くなったの」
今度はちゃんと笑顔で。
「だから、大丈夫。今の私はナルを苦しめない」
麻衣は右手を差し出した。ナルはその手を取った。
「僕も強くなった。いや、これは弱くなったということなのかもしれないが、今はもう完全にサイコメトリの能力をコントロールできるんだ。使おうと思わなければ使えない。」
ナルのその言葉に麻衣は少しびっくりした。確かに能力は10代をピークに減退すると言われているけど、ナル程の能力者にも当てはまったということに。
「聞きたいことが沢山ある。麻衣のお茶も飲みたいしな。僕の部屋について来い。」
つべこべいう暇はなく、麻衣はナルの部屋に連れてこられた。それも、マンションの。
「おじゃまします」
「べつにかしこまることはない。これからは麻衣の部屋にもなるのだから」
「へ?」
ナルの突然すぎる発言に麻衣の頭はフリーズした。
「へ?じゃない、ちゃんと日本語で話してるのに理解できないのか」
「私の部屋に…なるって言ったよね?」
「ああ」
「え……あ…ま、まずお茶入れてくるね」
あたふたと麻衣は駆けていった。
紅茶を入れて戻ってきた麻衣の顔はやはりまだ少し赤かった。
「その、私、仕事もあるし……」
「SAKURA坂コーポレーションの社長だろう?辞めて僕と暮らすのは嫌か……?」
「なんで、知ってるのよ。それに直ぐに、は無理だよ」
「安原さんがわざわざ国際電話かけてきて教えてくれたんだ。新聞を見たとかなんとか言っていた。辞めるのは、少しぐらいなら待ってやる。だから早くしろ」
「…………わかった」
優秀な部下たちだ、収益も上がっている。
きっと……私がいなくてもなんとか出来る。
「ちょっと、渡すモノがある」
ナルが持ってきたのは小さな立方体の箱だった。
「開けてみろ」
そこには、ダイヤのエタニティリングが入っていた。
「これ…………」
「婚約指輪だ」
透明のダイヤが細やかな光を反射して知識のない麻衣にもすごく高価であることは予想できた。
「高いんじゃ……どうして?」
「ああ、高いな。安原さんに麻衣のことを聞いて仕事が落ち着いたら麻衣に会いに日本まで行くつもりだった。そしてこれを渡すつもりだったんだ。」
「ナル…………」
ナルは涙の止まらない麻衣の手をとり、薬指にリングをはめた。
もう二度とはなしたりしないと心に誓いながら。
麻衣の友達、アニメに一瞬出てきた気もするけど、名前忘れたので、適当につけちゃった。
高3だから、アニメの時と学年違う(はずだ)から、クラス替えで出来た友達で何だかんだでナルのことも知ってる的な展開ってことで(笑)
ラブラブシーンがうまく書けないのが最近の悩みです(´・ω・`)