ゴーストハント二次小説 短編、気分で長編中編 作:神崎 真由
除霊が終わって、数分後全員が目を覚ます。
「……痛ぁ…あれ、なんで俺こんなとこに?」
「巫女姿の綾子さんがいるってことは、もしかして憑依されていたのかな。」
「ナル、どういうことなんですか。」
三人をナルは睨みつける。
空気が軋む。
ひっ、と三人は固まる。
「ついて来い。」
三メートルあとを三人+綾子がついていく。
「俺達、憑依されていた間何しちゃったの?
記憶ないんだわ。
あと強烈に背中痛いんですけど。
何あったのか教えてくんね。」
「記憶ないことに感謝することね。
あんたたち、三人で麻衣をレイプしてたのよ。
それでナルがキレてるわけ。
あんたたたちも男なんだから、彼女がそんな目にあった彼氏の気持ち分かるでしょ。
出来るだけ大人しくナルの言うこと聞いて、少しでも寿命を伸ばすことね。」
隣を歩く男三人は綾子の言葉に真っ青になる。
程なくして、ベースにつく。
ついてしまった、という方が正確かもしれない。
ビデオデッキにビデオテープが吸い込まれる。
「座れ。」
感情のない声に、恐る恐る三人は座る。
「原さんと松崎さんは見ない方がいいでしょう。」
「ですが……。」
「真砂子は辞めておきなさい。
トラウマになるわよ。
私は大丈夫よ。
ここにいるわ。
ナルが暴走しそうになったら止める人が必要でしょ。」
「松崎さんに僕を止められるとは思えませんが。」
「それでもよ。」
「なら御自由に。」
真砂子は麻衣のいる別室に行き、ナルがテレビの電源をいれる。
バチバチっと音がして、ビデオが再生される。
『なんかこの部屋入ると耳鳴りがするな。』
『嫌な感じですよねー。』
『気温も低いような気がします。』
『リンもやっぱ変な感じする?』
そのあとうっ、とぼーさんが呻く。
『ぼーさん、大丈夫?!』
麻衣がぼーさんに駆け寄る。
二つのギラついた目が麻衣貫く。
『ぼーさん?ねえ!』
『……ガア゙…ア゙ア…ア゙……』
『ぼーさん!どうしちゃったの?
リンさん!
ぼーさんが変な…の。
リンさん!?』
『……ガギ…ア゙ア゙ア゙……』
『え?え、え、何、安原さん、助け……っ!』
男三人に迫られる麻衣。
暴行され、服を脱がされ、レイプされる。
『……ナル…ナル、助けて…ゥグッ…。』
ビデオから聞こえる、その麻衣の声にナルの怒りが爆発する。
ベースの天井照明がバキバキと音を立てて、壊れて床に落ちる。
「ナル!」
驚きで三人がナルの方を振り向く。
怒りでナルは自分のPKをコントロール出来なくなってきていた。
「何を、画面から目を逸らしている。
貴様らが自分のしたことを受け止めるために見せているのだ。
目を逸らすな!」
ナルの目は怒りで激しく燃えていた。
三人は返す言葉もなく画面に目を付ける。
最初、叫んでいた麻衣も静かになる。
痛みに耐えるために呻くだけになった。
抵抗しない麻衣をひたすら犯すようになってきたころ、ナルが早送りをした。
そして、ナルが突入して、PKで三人を壁にめり込ませて、ナル達が麻衣に駆け寄るところでビデオは終わった。
ナルは静かに部屋を出ていった。
「…………な。」
ナルを呼び止めようとした綾子をリンが止める。
ナルが部屋から完全に居なくなってから、ぽつりぽつりと話始める。
「……これから、どうしたらいいんだろうな。」
「谷山さんとナルにどう謝れば……」
「絶対トラウマになってますよね。」
三人がうなだれる。
「今回ばかりは不可抗力よ。
仕方ないわよ…………」
そして、沈黙する。
「僕達、カメラの設置途中でしたよね。
松崎さんに御札書いてもらって、各自持って、もう一度、カメラの設置しませんか?
こんなことになってしまったからと言って、一旦引き受けた依頼を断るなど、所長のプライドが許すはずありません。
今はできることをするしかありません。」
やはり一番立ち直りが早いのは、安原少年だった。
彼が非常なわけではない。
精神状況に左右されずに最善の行動が選択できる彼の有能なところの一つである。
「もう17時よ。御札は書くから、気合入れて行ってらっしゃい。
18:30にまたベースに。別邸の人達が出してくれる食事に間に合わないことは伝えておく。食材と台所かりて美味しい食事作っておくから。」
そして、三人は機材設置へ、綾子は台所へ向かった。
そろそろベースに戻っても良い頃かしらと思い、真砂子は入る。
「誰もいませんの?」
暗いですわね……と思い、照明のスイッチを入れるが電気がつかない。
天井見ると、壊れた天井照明から火花が散っていた。
急いでスイッチをoffにする。
原因は聞くまでもなく分かる。
《プルプルプル……真砂子どした?》
「綾子?
証明壊れてますわよ。
どうせナルでしょう?
どうしますの、これでは夜になれば真っ暗になりますわ。」
《そうね……なにか灯りを借りるわ。
もう少しで、屋敷の人にも手伝ってもらって料理をベースに運ぶから、机の用意よろしく。》
「分かりましたわ。」
そう言って電話を切る。
そして、リンさん、安原さん、ぼーさんが帰ってくる。
「真砂子ちゃん、ナルは?」
「おかえりなさいませ。
ナルはまだですわよ。
綾子がもうすぐこちらに料理を持ってきてくださるようなのでここにいてくださいね。」
着物の少女がにこっと微笑む。
滝川達としては、あの状況を見ても普通に接してくれるのが嬉しかった。
真砂子はもっともこういったものには耐性がないだろう。
いくらベースにいるとはいえ、女が自分しかいない状況は怖いだろうに、彼女は気丈だ。
「真砂子ー!扉明けて!」
「俺開けるよ。」
「おっ、あんたたたちも帰ってきてたのね。ナルはまだ?」
「まだ、らしいよ。」
「そう。まぁ、帰ってこなくても食事にしましょ。」
そして屋敷の人達も料理を持ってきてくれていて、料理を受け取り、綾子は手際よく持ってきた器に盛り付ける。
「飲み物何にするのー。」
口々にオーダーされる。
盛り付けの終わったあとは飲み物の用意をする。
「ナル、帰ってこないおつもりなのでしょうか…………」
「本来なら、私がナルを呼び戻さなくてはならないのですが……」
「僕が何か?」
「ナル。」
「ナル、帰ってきたのね。
今から食事にするから。
ナルは紅茶よね。
麻衣ほどではないけど、私だってそこそこにはいれられるから、安心してちょうだい。」
「僕は飲めたら問題ありません。」
「そう?ならいいわ。
ナルとリンは別に精進料理があるから。」
「僕は結構です。」
「私は麻衣じゃないけど、あんたにまで倒れられたら、この依頼どうなるのよ。
ちゃんと食べなさい。」
ナルは麻衣の名前に表情を固くしながらも渋々、のんだ。
食事は異常に静かだった。
麻衣がいないのと、ナルのことを考えたら、音さえたてるのをはばかられる、あの三人。
重い重い空気の中で食事は終了した。
「原さん、麻衣は?」
「食事前までは寝てましたわ。
熱は高いですわね。
少し様子を見てきましょうか。」
「お願いします。」
真砂子が、女子の寝室に充てられた別室に向かう。
「松崎さん。」
「はーい。麻衣をどうするかって話?」
「そうです。」
「調査からは抜けてもらうしか無いわ。
どう考えても、復活できないわ。
特に心の方が。
それに、熱も高い。
本来なら、誰かが付きっきりで看病してなきゃいけない状態だけど、今のわたし達では無理でしょ。
それに目を覚まさない限り、水をのますことも出来ない。
そろそろ脱水が怖いわ。
入院させるしかないわ。」
「そうしないと、下手すると死ぬと。」
「そうよ。」
「分かりました。
今から麻衣をタクシーで病院に連れていきます。
一緒についてきて下さい。」
「あのねぇ、自分の能力忘れたの?
サイコメトリしてしまうわよ。
そんなことしたら。」
「ならどうすればいいと思われます?」
ナルの慇懃無礼は怒ってる証だ。
「そうね……。
救急車しか、ないわ。
高熱で、昏睡してると言えばきてくれるでしょ。
簡易担架作って運ぶってのもありだけど、それするとタクシーは使えないわ。」
ナルは、依頼人の別館の執事長である榊原さんに電話で許可をとり、救急車を呼んだ。
「同乗、誰行くの?」
「僕が行く。」
リンが何か言いたそうだったが、諦めたようだった。
「そう。今後の方針は?
機材の設置は完了してるわ。
そうよね?リン?」
「ええ。」
「なら、交代でピデオのチェック。
僕は朝にはここに戻る。
病院で何かあれば、松崎さんの携帯に連絡します。
それでいいですか。」
「いいわ。
麻衣を頼んだわよ。」
僕は頷く。
松崎さんの顔は、母親の様だった。
間もなく、救急車が到着し、担架で麻衣が運ばれ、ナルもともにベースを出て、またサイレンを鳴りはじめ、その音も段々と小さくなる。
本格的な調査は次話。
調査の内容あんまり考えずに書き始めたのが良くなかった……(´・ω・`)
麻衣をいたぶる話が書いてみたくて