ゴーストハント二次小説 短編、気分で長編中編 作:神崎 真由
「とにかくひどい有様だったな」
滝川は同情のこもった声で使用人の一人にそう話しかけた。
使用人は沈痛な面持ちでええ、と答えた。
準備整ったSPRスタッフ達は、扉に背を向け使用人達と向かい合った。
「僕達は別邸を出て所長たちと合流するので、ここを僕達が出たら110番してください」
「分かりました」
その時背後の扉が開いた。
「そうはさせない」
そこには依頼主、目黒社長がいた。
「複数人生き残っているとはめずらしい」
恐る恐る、使用人がなぜそれを知っているのかと尋ねた。
「わしがこれを望んだからじゃ」
笑顔のはずなのに顔が歪んでいるようにしか見えない顔で社長はそれを告げた。
「君たちも、死にたくないのなら昨夜のことは忘れなさい」
「だがしかし……」
目黒社長に滝川は食い下がった。
「二度は言わぬぞ」
地を這う声だった。有無を言わさぬ力がそこにはあった。
「目黒 竜人さん。あなたは、前社長目黒 憲三さんとは血縁関係にない、そうですね」
安原は淡々と言った。
「ああ、それがどうした」
「これは僕の推測でしかないのですが、初めの生き残りゲームの生き残りはあなたなのではないですか?」
社長はそれを聞き、また笑顔に見えぬ笑顔を顔にのせた。
「そうじゃ、わしがそれじゃ。最後に手にかけたのは憲三社長の実の子だったわい。非情な父よのう」
は、は、は、と彼はしわがれた声で笑った。
「どうして僕達をここに呼んだんですか」
その答えは社長からではなかった。
「別邸に霊がいるか知りたかった、そうですね目黒社長」
「所長!」
「あんた、病院にいたんじゃ……?」
ナルの登場に安原と綾子が声をあげる。
「あなたは次期社長を決めるため、あの日の再来を願った」
目黒社長の表情は変わらない。
「あなたは超常現象の専門家に何度も足を運んで霊について質問している。そこで霊は人間に憑依し、人を操ることを知った」
社長は重い口を開いた。
「そうだ。君らにはここの霊の数を調べて帰ってもらうつもりだったのに、なぜこんなに早く」
安原が口を開こうとしたがナルはそれを制した。
「あなたの依頼は霊の数でしたね。沢山います、そうですね原さん」
「ええ」
「なぜ昨日なのか、その謎は我々には解けていますが、それを知ったあなたはまたこの悲劇を繰り返すだけでしょう」
ナルのその言葉に、社長は笑った。
「わしが答えを見つけて見せるさ」
「そうですか、それは我々の扱える範疇のことではないので御自由に」
ナルはSPRメンバーの方を見た。
「なにボケっとしている、すぐに撤収する」
「了解」
SPRのメンバーが散って行った後、社長とナルだけが玄関ロビーに残った。
「今日のことは他言無用だ、もし……」
「僕達の仕事は調査と霊の研究。それ以外のことには興味はありません。依頼者のプライバシーは守られます」
社長は、その井戸の底のような光のない淀んだ瞳でナルを睨みつけた。
「もし何かの不都合で公になったとしても日本の警察ぐらいあなたの力で握り潰せるのでは」
それもそうだな、社長は笑った。
リンも別邸に来て、全ての機材を積込んだ。
「撤収完了しました」
リンのその声で調査は幕をおろした。
後日談をまた書きます。
麻衣とかほっといたままになってますから(´・ω・`)