ゴーストハント二次小説 短編、気分で長編中編 作:神崎 真由
かっこいいナルはいません。
「情緒のない夏」
ナルも珍しく所長室から出てきて、イレギュラーも調査ではないのに全員いた。こうしてソファーに全員が集結することになる。
「こんなに集まると飲み物の用意も大変だよ。」
という割に麻衣の顔は笑っている。
「皆さんお暇なようで。」
ナルはいつも通り、機嫌は普通かな?
「暇っちゃあ、暇だな。ライブもねーし、この時期。綾子は?」
とぼーさんが言ったとき。
『ブーン、ブ─────ン。』
「え?蚊?東京でもいるのね。」
「都会だからといっていないわけではないです、ただ田舎とは比べ物にならないほど少ないというだけで。」
綾子の疑問に安原さんが答える。
「あっ!」
「どうされはったんですか、麻衣さん?」
「ナルに蚊が……」
「おい、ナル坊、腕に蚊がとまってるぜ。」
ナル以外が期待と不安のこもった目で見つめる。
みな、不思議なのだ。
あのナルは蚊をどうするのか。
「ああ。」
短く返事したナルは、蚊にとまられた左腕を動かさない様に読んでいた本を閉じ、ふわりと蚊を押さえつける。
蚊に飛ぶ元気が残されていないのを確認すると、手のひらの上に乗せ所長室に向かう。
「ナル、所長室に戻るなら本を……」
「すぐ戻る。」
ナルは所長室に入っていった。
「蚊をどうするんでしょうか、りんさん何か知ってます?」
「イギリスには蚊はあまりいませんから。」
「なんか意外。バシッと叩いて、絶対零度の視線を向けてごみ箱行きだと思ってた。叩き方も優しかったし、まだ生きてるみたいだから所長室の窓から逃がしてあげてるのかも。」
「あの、ナルが?ありえないでしょ。私達にいつも配慮も遠慮もないナルが。」
「傍若無人のマッドサイエンティストだもねー。」
いつの間にか、所長室から出てきていたナル。
「僕の居ぬ間に言いたい放題言ってくれているようですね?」
「な、ナル?オ、オカエリ〜。」
「わ、私用事思い出したから帰るわ、また今度。」
引きつった笑みの麻衣と綾子。
「松崎さん、どうぞお帰り下さい。」
そうさせてもらうわといい、素早く帰る綾子に麻衣は私をおいて逃げる気か、という視線を向ける。
「麻衣、所長室にお茶。」
ガックリする麻衣に、残りのメンバーは心の中で合掌する。
数日後、ナルのマンションで。
「ふはは、はははは!」
麻衣が不気味な笑いをしている。
「どうした。」
ナルは珍しく話しかける。
ついに頭もおかしくなったか?という視線を麻衣に向けつつ。
「トイレに蚊が2匹いたから、仕留めてトイレに流してやったのさ。人間様にアダをなす存在として生まれてきたことを後悔しながら、浄化槽のなかで朽ちやがれ!」
鼻息荒く言う麻衣に、ナルは少し口角を上げる。
「それも悪くないが、人間と同じ感覚を蚊の小さい頭で持てるとは思えない。」
「へ?」
ナル、何言ってるの?という顔の麻衣。
「僕は、半殺しの状態で足と羽を引きちぎってから、窓から外へ落としてやる。羽も足もない状態での落下の恐怖は計り知れないだろう。
すべてを後悔しながら死ぬがいい。」
得意げに言う。
麻衣は、こんなゲスい顔、ナルもできたんだなという、感想を持つ。
次の日、事務所にて。
「やっぱ、ナルはマッドサイエンティストだよ…………。」
麻衣は呟く。
どうしました?安原さんが聞く。
麻衣は力なく首を振るだけだった。
イギリスには蚊はいないんでしょうか。
私は知りません(笑)
ちなみに私はいつも蚊を半ごろしにしてから羽と足を剥いでポイッ……