※この作品はR-18です。

希望の光へ   作:シルヴァリオン

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前回の続きです。

忍者タダカツはジムリーダーマーシュの下で生活を始めたが、果たしてどうなるのか?


希望の光へ②ー慈悲ー

タダカツはマーシュの下で警護するようになってから一週間が経っていた。

ある日マーシュがジムのトレーナーである振袖の女性達と買い出しのため、外出して、その帰る途中であった。

 

「ごめんな。わざわざうちの買い物に付き合ってくれて」

 

「いえいえ、マーシュ様に買い物にお付き合いできるのは私達にとってもとても光栄なことです」

 

「そーですよ。マーシュ様の日頃の苦労に比べればこんなの軽いものです!」

 

「ありがとなー。うちもあんさん達がいて、とても幸せよ」

 

彼女らが楽しく会話してるとそこにガラの悪い男が三、四人集まって彼女らに声をかける。

 

「よーかわいこちゃん、その荷物重いだろ。俺たちが手伝ってやるぜ」

 

男達はヘラヘラ笑いながら近づいてきた。マーシュ達は彼らに危機感を感じ、逃げようとした。

 

「お気持ちだけありがたく受け取りやす。うちら忙しいのでこれにて失礼致しやす」

 

「おっと、俺たちがせっかく手伝おうとしてるのにそれはないんじゃねーのか?」

 

「冷てーじゃねーか。もう少し俺たちに付き合ってくれよー」

 

男達はマーシュ達の両手首などを掴んで暴れないようにしていた。マーシュはともかく、カレンやシオネは男に対する免疫があまりなく、不安感があった。やがて彼女らの危機感が高まって恐怖と共に泣き出しそうになっていた。

 

(助けて・・・誰か助けて・・・・・。)

 

そこに体格の良い男が素早く出てきて、チンピラの一人の服の襟を掴んで思いっきり投げ飛ばした。

 

「いててて・・・。テメーー何者だ!!!」

 

「無抵抗の女子に容赦なく、無理やり押さえようとする貴様らに名乗る者はない」

 

「この野郎かっこつけやがってぶっ倒してやる!!!」

 

すると男達は四人いっぺんにタダカツに襲いかかった。

 

「ふん!!」

 

男達がパンチや蹴りをかけてくる中、タダカツは素早く攻撃をかわし、腹に拳をぶつけたり、背負い投げをしたり、相手の背中に回り肘打ちをしたりして反撃した。

 

タダカツ「そんな単純な攻撃で私を倒せると思っているのか!この愚か者めが!!貴様らは男として根性が曲がっている。そんな奴に私は負けはしない。今日の所はこれで勘弁してやるからさっさと失せろ!」

 

「ちっ・・!覚えてろ!」

 

男達はタダカツの強さと圧力に屈したのか捨台詞を吐いて逃げて行った。

 

「大丈夫ですか?誠に申し訳ございませぬ!私がいながら皆様に危険な目にあわせてしまったのは私の判断が誤っていたからです。何とお詫びを申し上げて良いのやら拙者にはわかりませぬ。」

 

タダカツはマーシュ達に怖い目にあわせてしまったのか彼女らに向かって深く頭を下げて謝っていた。

 

「タダカツはん!そんなに深く謝らなくてもいいんよ。あんさんがいてくれたおかげでうちやカレン達は無事で済んだんよ。頭を上げてくんさい。」

 

「そ、そ、そーですよ!マーシュ様の言う通りあなた様がいなければ私達はもっと危ない目に遭っていたんですよ。お礼を言いたいのはこっちですよ」

 

「あの人達を追い払っているタダカツさん、とてもかっこよかったよ。私達タダカツさんのこと少し惚れてしまったよ」

 

「マーシュ殿、シオネ殿、カレン殿、そのようなお言葉を頂き私とても光栄でございます。ですが、今後貴方様にこのような危機に合わさぬよう私もこれまで以上にで皆様を

お守りすることを誓います!」

 

マーシュ達はタダカツのその熱い言葉にとても感激していた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

その後、3日後マーシュ達はクノエジムの前の広場で年に2回しか行わないファッションショーをとり行うための準備をしていた。タダカツはその準備の手伝いとして重い荷物や機材などをせっせと運ぶなどをしていた。

 

 

「タダカツはんが手伝ってくれてるおかげで、準備が早く終わりそうや。ほんまにおおきに」

 

「いや、マーシュ殿の私にしてくれた御恩に比べれば安いものです」

 

その時、ジムの方から何かと騒がしい声が聞こえてきたので、マーシュはジムの中へ様子を見に行った。

 

ガシャーーン!!! バタン!!!!

 

「おらーーー!!!あの女ジムリーダーと侍装束の男はどこだーーー!!!」

 

「この間のお返しに来たぞーー!!さっさと出てこいやーーーー!!!!」

 

声の正体はこの間マーシュ達に襲いかかったチンピラ達だった。どうやらタダカツに受けた恨みから仕返しするためにわざわざジムにまで襲撃しに来たようだ。

 

「あんさんら、うちのジムをこないにめちゃくちゃにして、覚悟はできてるんのどすか!」

 

マーシュはやや怒り口調でチンピラ達をにらめつけた。

 

「この間はよくもやってくれたな仕返しに、このポケモンで大暴れして明日のファッションショーとやらをめちゃくちゃにしてやるぜ!!!無理にでも追い出そうとするならこの女の身はタダでは済まんからな!!」

 

チンピラ達のそばには手を後ろに縛られたマーシュの部下の振袖トレーナーが人質に取られていた。

 

マーシュは人質の女性を見てさらに怒りが高まり、冷静さを失って手持ちのポケモンで痛め付けようとした。

 

「マーシュ殿ここは怒りを抑えて下さい!」

 

「せやけど、うちの大切な仲間をあんな風にして怒らない方がおかしいどす!!」

 

マーシュは怒りの余りタダカツを怒鳴ってしまった。

 

「大丈夫です。ここは私に任せてくださいませぬか?奴らの狙いは私自身です。ですから、マーシュ殿は仲間の皆さんと共に安全なところまで下がっていてください。」

 

マーシュはタダカツの目の真剣さに驚き、彼にひとまず任せることにした。

 

「わかりはんした。ここはタダカツはんに任せやす」

 

彼女は少し落ち着いて後ろに下がった。

 

「さてと、お前達こんなことをしてタダで済むと思っているのか!?」

 

チンピラ1「お前はあの時の!ここで恨みを晴らさせてもらうぜ!!今日の俺たちはあの時とは違うぜ!強いポケモンを連れてきてやったぜ。お前このジムのフィールドで勝負しろ!」

 

「よかろう!ただし私が勝ったらその子は直ちに離せ!」

 

「いいだろう。しかし、俺たちが勝ったらこの娘は連れて帰るからな!」

 

「!?・・・。よしいいだろう」

 

「!?!?!?」

 

「ちょっとタダカツはん!あんな約束して大丈夫どすか!?」

 

「マーシュ殿、ここは私を信じてくださいませぬか?あやつらに負けるほど私は落ちぶれてはいません。それに私はこれ以上人を悲しませたくはないんです!!お願い致します。ここは私に任せてはもらいませぬか?何かありましても、命をかけて彼女を助け出します!」

 

タダカツは本気で彼女達を説得させて、なんとか了承を得た。

 

「よし、ではバトル形式は二対二のシングルバトルだ!どちらかが先に二体両方が瀕死になった方が負けとする。それでいいか?」

 

「いいぜ。この間の攻撃の仕返しをさせてもらうぜ!」

 

「いいぞ兄貴そんな奴めちゃくちゃに倒してください!!」

 

「兄貴は俺たちの中で1番強いんだ。既にジムバッチを3つも持ってるんだ!お前みたいな変な奴に負けはしないぜ!!」

 

「一つ忠告してやろう。強さは力とバッチの数だけで決まるものじゃないんだぞ」

 

「ふん!かっこつけるのもここまでだ!いくぞ!いけ!キリキザン!!」

 

「キザン!!」

 

チンピラの最初のポケモンは鋼・悪タイプのキリキザンだった。

「だったらこちらは、行け!ファイアロー!」

 

「ファイファーーー!!」

 

タダカツの最初のポケモンは炎・飛行タイプのファイアローだった。

 

「それでは、バトル開始!」

 

「キリキザン!、ダメ押し!」

 

キリキザンはファイアローにダメ押しをする。

 

「ファイアロー、かわしてニトロチャージ!」

 

ファイアローはダメ押しを回避してニトロチャージをキリキザンに向けて放った。

 

「ギザン!!」

 

そのままニトロチャージが命中したが、あまりダメージは受けてなさそうだ。

 

「へん、大したことねーな!」

 

「どうかな?・・・・」

 

「調子にのるな!、続けてアイアンヘッドだ!!」

 

「そのままもう一度かわしてニトロチャージ!」

 

再びファイアローは素早くかわしてニトロチャージをキリキザンにお見舞いした。

 

「ちっ!ならば、がんせきふうじだ!」

 

「ニトロチャージでかわしまくれ!」

 

ファイアローはキリキザンの技をまるで読まれているかのようにかわされている。

 

「くそー!もう一度がんせきふうじだ!」

 

「このままだと埒があかないから終わらせるか。ファイアロー!キリキザンにブレイブバードだ!」

 

ファイアローはキリキザンががんせきふうじを出す前に素早くキリキザンに技を当てた。

すると、砂ぼこりが舞い、しばらくすると目を回したキリキザンが倒れていた。

 

「キリキザン!」

 

「キリキザン戦闘不能!ファイアローの勝ち!」

 

「くそっ!!役立たずが!!」

 

「・・・・・・・・」

 

チンピラは悔しがってキリキザンをボールに戻した。

 

「次はこいつだ!」

 

チンピラの次のポケモンは毒・飛行タイプのクロバットだった。

 

「クロッ!!」

 

「こっちは二体目に彼を行かそう。行け!ギルガルド!」

 

タダカツの二体目は鋼・ゴーストタイプのギルガルドであった。

 

「ギルガ!」

 

「それでは二戦目開始!」

 

「先手必勝だ!クロバット悪の波動!」

 

「キングシールド!」

 

クロバットの悪の波動はキングシールドによって無効化された。

 

「ちっ!ならばシャドーボール!!」

 

「かわして、つるぎのまい!」

 

クロバットのシャドーボールをギルガルドは素早くかわしてつるぎのまいで攻撃力を上げた。

 

「ちくしょーー!!ならば!、はかいこうせんだ!」

 

「たえろ!」

 

クロバットから放たれたはかいこうせんは見事ギルガルドに命中した。その時ギルガルドから爆風が生じて見えなくなった。やがて、爆風が消え去った時にはギルガルドはまだ立っていた。

 

「そんなばかな!!」

 

「それでもう終わりか?ならば次はこちらの番だ!ギルガルド!せいなるつるぎ!!」

 

ギルガルドはせいなるつるぎでクロバットに命中させた。そして、切った瞬間爆風が出て、再び視界が失せられた。やがて、煙が収まると、クロバットが地面に落ちてて、目を回して倒れていた。

 

「クロバット!!」

 

「クロバット戦闘不能!ギルガルドの勝ち!よって勝者タダカツ!!」

 

「そ・・・そんな・・・・兄貴がこんな簡単に負けるなんて・・・・・」

 

チンピラ達は怯えて先程の威勢が失せてしまった。

 

「キャー!タダカツさんが勝ったー!」

 

「皆様少し静かにして頂けないでしょうか?」

 

すると振袖トレーナー達はおとなしく静かにした。

 

「そんな、これは何かの間違えだ・・・。この俺がジムトレーナーでもないこんな奴に負けるなんて・・・・。」

 

タダカツ「君はなぜ負けたか理解出来てないから教えてやろう。君は勢いと攻撃技ばかりで相手に挑んでいただろう、相手のポケモンのタイプや攻撃、防御も確かに大切なことだが、君にとって1番の敗因はポケモンと心を一つにせず、道具として扱っていたからだ!ポケモンは人間と違って純粋に主人に役に立ちたいから頑張って戦うんだ。そんな気持ちを踏みにじっている時点で私との戦いは負けが決まっていたのと同然だ!」

 

「!!!」

 

「だが、その猪突猛進な戦い方だけは認めてやろう。今回はお前達のやったことは確かに犯罪だ、だが、今回のことで反省し、マーシュ殿に深く詫びるのなら、このまま見逃してやる。」

 

「!?!?あれだけ酷いことしたのにそれだけで許してくれるのか?」

 

「私が知りたいのはお前達の反省の意思そのものがあるかどうかだ。それ以上の高望みは欲深なことだから望まぬ。さあ、どうする?」

 

「マーシュさん、皆さん酷いことばかりしてすみませんでした!!」

 

チンピラ達は一斉に土下座して謝った。

 

「・・・。ええんよ。あんさんらがきちんと反省してくれればそれでいいんよ」

 

「あ、あ、ありがとうございます!!!そちらのお嬢様も酷いことしてすみませんでした!!」

 

「普段なら警察に突き出していたところだけど、マーシュ様に免じて許すわ。さっさと出て行きんさい。」

 

「本当にすみませんでした・・・。」

 

チンピラ達はさっさとジムから出て行こうとした。

 

「待った!お前達に一つ教えておいておくことがある!」

 

「?、なんでしょうか?」

 

「罪を憎んで人を憎まず、人は皆いろんな人達から支え上げながら生きているんだ。どんなに悔しく屈辱的なことを受けても直に受けず、慈悲の心で許すことを肝に銘じてこれからの人生を歩んでいくんだぞ。これは人生で最も大切なことの一つだから忘れてはいかんぞ。」

 

チンピラ達はその言葉を理解したのか涙を流しながらジムを去って行った。

 

 

「タダカツさーーん!!」

 

「!?!?・・・。」

 

「タダカツさんがいてくれたおかげで、私達たすかりました!私達だけではあの怖い人達に立ち向かえませんでした!」

 

「本当にありがとうございます!!それにタダカツさんの強さもですが、最後のあの言葉とても感動してしまいましたよ。私なんかもうあなたにメロメロです!///////」

 

振袖トレーナー達はたくさんタダカツに感謝の言葉を上げてワイワイ騒いでいた。そこにマーシュが入ってきて話しかけてきた。

 

「ほんまにおおきに!あんさんのおかげでファションショーどころがひかいも最小限に食い止められて大助かりよ!あんさんはうちだけじゃなく、みんなの守り神よ!」

 

「私は大したことをしていませんよ。ただ、大の男が人質をとり脅すという卑劣なことをするのが許せなかっただけです。それに彼らにも更生するチャンスを与えても良いと彼らと接しているうちに思いまして、それで彼らを解放しました」

 

「しかし、マーシュ殿や皆様には勝手なことを言ってしまったり人質にされたお嬢様には大変怖がらせてしまったことにお詫びを申し上げまする」

 

タダカツはマーシュや振袖トレーナーに向かって土下座して謝った。マーシュ達は驚いたが、優しく顔を上げるように言った。

 

「タダカツはん、これはほんのうちからの少しばかりのお礼どす」

 

そして、マーシュはタダカツの顔に近づきそっと頰にキスをしながら抱きしめた。

 

「!?!?!?」

 

「きゃっ!・・・//////」

 

「マ・・マ・・・マーシュ殿一体何を!?」

 

タダカツはあまりの突然なことに焦ってしまった。

 

「これはうちからの少しばかりのお礼どす」

 

マーシュは頰を赤くしながら感謝の言葉を話した。

 

「・・・・・・///////」

 

「・・・・・・//////」

 

「そっ・・・それより明日はファションショーがありますでしょう?準備はまだ終わっていませんので、再開致しましょう」

 

「そっ・・・・そうどすなぁ。みんなもう時間があまりないんで、早く終わらせましょう」

 

「はい!」

 

こうしてチンピラ達が荒らした部分を片付け、明日のファションショーの準備も無事完了した。

 

そして、翌日クノエジム前の広場で大規模のファションショーが開催された。そこにはマーシュのデザインした振袖等を見に来たファンや雑誌の記者、そしてテレビのマスコミなどが大勢参加していた。

 

ファションショーにはマーシュがデザインしたポケモン達をモチーフにした和洋折中の振袖を着た若い女性が真ん中の通路を渡ってショーの参加者に見せていた。

 

一方タダカツは仕事用の忍装束の服や覆面を付けて、不審者やトラブルがいないか会場全体を手持ちポケモン達と共に目立たないところから警備をしていた。

 

やがて、ファションショーは大きなトラブルは無く無事に終了した。ショーの閉会式には主催者のマーシュが参加者の人達に感謝の意を込めた挨拶をして、ショーは閉幕した。

 

 

 

続く

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