『希望の光へ』の続編です!
今回の小説を書くのも大変でしたが、皆様のご支援のおかげで書き続ける事が出来ました!
拝見して頂き誠にありがとうございます!
タダカツとシンゲツとの戦いから9年が経っていた。
この9年の間にタダカツとマーシュの生活は大きく変わっていた。マーシュはデザイナーとしての腕をみるみる上げて、世界的に有名なデザイナーとなり、知らない人がいないほどの有名人になった。
そして、タダカツの方では、警察学校内の働きだけではなく、特殊部隊の指揮官を務めたりするなどの功績からカロス地方警察本部で歴代最年少の警備部長へと大出世していた。また、彼の指導力、戦略の練り方で数多くの強大な犯罪組織を撲滅して来た。その結果、カロス地方の犯罪発生率は大幅に下がり、犯罪者や警察内部の一部の人間からは彼のことを『閃光のタダカツ』と呼ばれ恐れられていた。
ある日、カロス地方警察本部にて
「アローラ地方ではリージョンフォームと呼ばれるポケモンやZ技という新たな力があるみたいだな」
「はい、Z技を使うには各島の試練と呼ばれるテストを受け、合格したものがZリングとZクリスタルを受け取れ、Z技が使えるようです」
「そうみたいだな。このカロス地方でもそのことで話題になっていて知らない奴は少ないだろう。だが、公安課の捜査官の調べではその力を悪用し新たなポケモンを使ってのテロが計画されているみたいだそうだ」
「なんですって!?」
「君も知ってる通り数年前にフラダリ率いるフレア団による伝説ポケモンを使っての最終兵器と呼ばれる装置でカロスを滅ぼそうとするテロ事件が起きた。その時は私は担当ではなかったから詳しくは知らないが、事件後フラダリに忠実な手下が新たなテロ組織を結成して何度もポケモンテロを起こして人、ポケモン共に多くの負傷者が出た」
「そして、今度は今までとは比べ物にならない程の事件が起こるかもしれん。フレア団の残党はまだ全員逮捕しきれていないからな」
「部長!心配なさらないでください!ここは我々公安課が全力をもってフレア団の残党を捜索し、全員逮捕させてみせます!」
「ああ、確かに君たち公安課ならZ技だけならなんとかなるかもしれないが、私が最も恐れているのはUBと呼ばれる未知のポケモンだ」
「UB?」
「これは国際警察から来た情報だが、アローラ地方では先日、UBこと、ウルトラビーストがウルトラホールという穴から出てきて、暴れるという事件が発生したのだ。その時は国際警察の捜査官とアローラ地方の初代チャンピオンが協力して鎮圧したみたいだが、報告によるとウルトラビーストは一体二体だけではなく複数体ウルトラホール内に潜んでいるらしく、ホールの穴はアローラ地方だけではなく、全国で出現しているという報告も各地方から来ている。だから、このカロス地方でもウルトラビーストが出現してもおかしくないということだ」
「そこで公安課、機動部隊、警備課の課長である君たちにこのことを伝えたくて、ここに呼んだのだ。ウルトラビーストがどれ程の力を秘めているのかは分からない。だが、このカロス地方の平和を守るため、君たちの力が必要だ!全力を持って警戒し、捜索してくれ!少なくともテロリストの手にウルトラビーストを渡すのだけは何としても阻止するんだ!」
「「「了解!!」」」
部下の課長達は一斉に敬礼して、部屋から出て行った。
(部下の手前ああ言ったものの本当に守りきれるだろうか・・・・)
その日の夜 タダカツ・マーシュ宅にて
「ただいま」
「あ!父上~!お帰りなさい!!」
「お、ソレイユ今日も元気にしていたか?」
シンゲツとの戦いから9年の間にスミレの次に男の子が生まれていた。タダカツとマーシュの話し合いで、明るく優しい子に育つよう願いを込め、カロスの言葉で『太陽』と言う意味を持つソレイユと名付けられた。ソレイユは無邪気でとても元気いっぱいな男の子であった。
「うん!今日は幼稚園の先生にお掃除をがんばってほめてくれたよー!」
「おお、そうかそうかそれは良かったな。これからも掃除はがんばるんだぞ」
「うん!」
「お父さま、うちは今日、学校のテストで100点をとったんよ」
スミレは大きくなり、現在は小学生であって、顔や性格は母親のマーシュに瓜二つ程そっくりであった。
「ほー、よく頑張ったな!その調子でよく学んで母上に負けないような立派な女性になるんだぞ!」
そういってタダカツは二人の頭を撫でた。
「お帰りなさい貴方、もうすぐでご飯が出来るけん、お先に着替えておくれやす」
マーシュはキッチンにて夕御飯の支度をしながらタダカツに話しかけた。
「ああ、わかったよ」
タダカツは和室のクローゼットでスーツを脱ぎ、私生活用の着物を着て、リビングに向かった。
リビングのテーブルにはいろんな料理が並べており、どれも艶が出て輝いていた。
「おー、今日は一段と豪勢な夕食だね?いったいどうしたんだい?」
「この間、ズミはん達とお茶会をしたんやけど、その時にズミはんから料理のレシピを教わって今日作ってみたんよ」
「へー、ズミ殿の料理となるとさぞかし美味しいだろうな。早速食べよう」
タダカツと子供達はマーシュの作った料理をそれぞれ箸で一口ずつ食べた。
「ん!?これはうまい!特にこのきんぴらごぼうは絶品だよ」
「うん!これとても美味しいよ!僕、母上の作ったご飯が一番好き!」
「あー、そのきんぴらごぼう、うちが一から作ったものなんよ」
「え!これもズミ殿から教わったものじゃなかったのかい?」
「違うんよ、うち、貴方やスミレ達が喜んでくれるように料理本から勉強して作ったんよ」
「そーだったのか。やはり、君が作ってくれたんだね。食べた時、私が知っているズミ殿の料理とやけに味付けが違うなと思ったんだよ。しかも私好みの味付けに作られているから特に驚いたよ」
「そーなんよ。貴方いつも味の薄いサッパリした料理を特に美味しそうに食べていたからもしやと思ってうちなりに味付けしてみたんよ」
「マーシュ・・・・。ありがとう、そこまで私のことを理解してくれているなんて本当にうれしいよ」
「貴方・・・」
「あー、お父さまとお母さま、顔が赤くなってるわー。二人ともラブラブやねー」
「父上も母上もお顔がトマトみたいでおもしろーい!」
「こっ、こら!親をからかうものじゃない。さっさとご飯を食べなさい/////」
「そーよ。スミレもソレイユも余りお調子に乗るんじゃありまへんよ/////」
一家の家からは笑い声が響き渡った。
ある日のこと
タダカツとマーシュの一家は休日で仕事が休みのため、家族でミアレシティの大型のショッピングモールに買い物に出かけていた。
「やれやれ、今日はいっぱい買い物したな。特にマーシュの仕事関係のやつが多いが」
「かんにんなー。今度のブティックに出す新しい服の材料がここのお店にしか無かったから多めに買ったんよ」
「まあ、仕事のためなら仕方がないな。それよりも、スミレ!ソレイユ!あまりはしゃぐと危ないぞ!」
「はーい。ごめんなさい父上・・・・・」
「ソレイユ、余りやるとお父様も怒るけん、これくらいにしような?」
「わかりました。姉上」
「うんうん、分かれば私もお前たちを怒ったりしないからな。私はお前達のことが何よりも大切なのだから、あまり心配掛けさせないでくれよ?」
「はい、父上」
「さあ、そろそろお腹が空いただろ?近くのレストランで昼食を取ろうか!」
「わー!僕はハンバーグが食べたいです父上!」
「うちはパンケーキが食べとうございます」
「ほらほら、ソレイユもスミレも余りお父上のことを困らせたらあかんよ?」
「いや、いいんだよ。今日は久々の家族団らんの買い物だからパーっと行こうじゃないか?」
「それもそうやね。ほんじゃあ行きまひょ貴方?」
「ああっ・・」
タダカツとマーシュ一家は笑顔で笑いながらレストラン街へ向かおうとした。
ドーーーーーーン!!!
向かおうとした途端、大きな音が聞こえ、建物全体少し大きく揺れた。
「!?、何だ!?この揺れは!?」
「キャーーーーー!!!」
「化け物が向こうで暴れているぞ!!」
「みんな、向こうへ逃げるんだ!!」
悲鳴や叫び声と同時に大勢の人々が音が聞こえた方から反対方向に走って逃げていた。
「父上ー!母上ー!こわいよー!どうしよう」
「お母様一体何が起こってるんの!?」
「ソレイユ!スミレ!お母はんから離れてはいけんよ!しっかり手を繋ぐんよ!」
「ソレイユ!スミレ!母さんの言うことをよく聞いて避難しろ!マーシュ子供達のことは頼んだぞ!私は客の避難と状況を調べてから対応しなくてはならないから」
「貴方、どうかお気をつけて」
マーシュと子供達は他の客と共に避難しに向かった。
「さてと、最初は客を避難させなくてはな」
「皆さん!私はカロス地方警察のものです!落ち着いて、従業員、警備員の方々の指示に従って避難してください!慌てずゆっくりと通路を進んでください!」
タダカツは周りの警備員と共に両手で大勢の人々を安全なところまで誘導していた。
やがて、警察が次々に大勢で駆けつけて来た。
「ご協力ありがとうございます!後のことは我々・・・・、ってタ、タダカツ警備部長!なぜこちらに!?」
「説明は後だ。取りあえず今来た警官隊の半数を来客の避難誘導並びに人命検索、もう半数は騒動の原因となっていると思わしきポケモンを阻止、並びに調査を進めろ!」
「「「「「了解(イエッサー)!!!」」」」」
警官達はタダカツの指示通りに行動を開始した。そして、タダカツは一部の警官隊と共に暴れているポケモンのいる場所へと向かった。
「これは、いったい・・・・。何があったと言うんだ!?」
タダカツ達が見たのは店舗街の壁や天井や床のあちこちがえぐれてたり、大穴が開いたりしていた。また、一部のコンクリートの壁の中からは断線した配電線が露出して火花を出しながら垂れ下がっているなど大惨事な状態であった。
すると、がれきの道の先には一体の黒く大きなポケモンが一つの店舗の商品らしきものを店内の椅子や棚などと共に、まるで掃除機のように吸い込んで食べていた。
そのポケモンはこちらに気づき振り向いた。
「グオォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
謎の黒いポケモンは威嚇しているのか、大地に響くような低い声でこちらに叫んだ。
「あのポケモンは!?確か、アクジキング!?」
アクジキング、先日、アローラ地方でエーテル財団による騒動によってアローラ各地でウルトラビーストが多数出現した。ウルトラビーストの能力は並のポケモンの力では歯が立たない程強く対応に混乱を極めた。だが、その時はアローラリーグの初代チャンピオン、国際警察のエージェント、島キング達の協力のおかげで騒動は最小限に食い止められた。
しかし、国際警察の後日の報告書によるとウルトラビーストは数種類確認されているが、それぞれは複数体以上ウルトラホール内で潜んでいると書かれており、その影響はアローラのみならず全国の各地方でウルトラホールの出現が報告されている。
このカロス地方でもウルトラビーストが出現した時に対しての対応策を考案されていた。その対応策を考察し、確立させるための担当委員会の最高責任者が現警備部長のタダカツである。
タダカツは委員会の立場からアローラ地方で確認された各ウルトラビーストの詳細なデータを国際警察から取り寄せて目に通して頭に叩き込んでいた。
(アクジキングはウルトラビーストの中では攻撃力が最も高く危険な奴だ、突然のことだから手元には二体しかポケモンは持っていないが、皆を守るために全力で戦おう)
「部長!どのように作戦をとるのでありますか?」
「ああ!相手はウルトラビーストだ。並大抵のポケモンとは桁外れの強さを持つ、ここは私が先陣を切る!お前達は奴を一般人のいる所へ向かわないように防いでくれ!」
「「「「「了解!!」」」」」
「よし!では行くぞ!!」
そして、タダカツはポケットの中のモンスターボールを取り出した。
「出てこい!ガブリアス!」
タダカツのモンスターボールからガブリアスが出て来て、ガブリアスは威勢を出しながら雄叫びをあげた。
「手始めにガブリアス!かわらわり!!」
ガブリアスは力を込めてアクジキングに技を当てた。
アクジキングは驚き、こちらに振り向いた。
「グオォーーーーーー!!!!!」
アクジキングは攻撃を受けて怒り、雄叫びを上げた。
そして、ヘドロばくだんをガブリアスに向けて放った。
「ガブリアス避けろ!」
ガブリアスは素早く避けた。
「引き続きドラゴンクロー!!」
ガブリアスはドラゴンクローをアクジキングに当てた。
「グオーーーーーー!!!」
こうして、タダカツとガブリアスはアクジキングと攻撃したり、避けたりして激しい攻防戦を繰り広げた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・。これだけ攻撃しても体力が減るどころが、力がさらに増しているようで歯が立たない。これがウルトラビーストの力なのか?ウルトラビースト恐るべし」
「タダカツ部長!我々があいつを倒しますのでここは引いてください!」
「待て!これは私の奴との一対一の戦い、助太刀は無用!私が良いと言うまで手を出すな!それまで奴を避難所の方に行かないように援護しろ!」
タダカツはやや怒り口調で警官達を止めさせた。
一方アクジキングはタダカツ達との戦いでますます怒り出し、あたり一面を破壊しつくし始めた。
「まずい!このままだと外の方に逃げ被害が広がる!やむおえん、あれを使おう。ガブリアス!このままでは拉致があかない!あの力を使うぞ!!」
ガブリアスはこちらに振り向いて頷いた。
タダカツは上着の胸ポケットから綺麗な玉を取り出し、ズボンのポケットからはリングのようなものを取り出し、腕に取り付けた。そして、玉を腕輪のくぼみにはめた。
「良し!行くぞガブリアス!!キーストーンよ!我が心の闘志に応えよ!!ガブリアス!!メガ進化!!!」
タダカツの大声にキーストーンは輝きを出し、ガブリアスは鮮やかな色の球体に包まれ、姿を変え、現れた。
「ウルトラビーストとまともに戦えるようシャラシティのメガ進化おやじことコンコンブル殿からメガ進化を伝授させてもらっておいた。これでウルトラビーストと戦える」
タダカツはアクジキングに視線を向けた。
「アクジキングは重量が多く、パワーはあるが、機動性は低い・・・」
タダカツは何か閃いたような顔をした。
「うまく行くかどうかわからんが試す価値はある。メガガブリアス!地面に向かってドラゴンクローを放ちまくれ!」
メガガブリアスは地面にドラゴンクローを当て続け、辺り一面砂ぼこりで充満した。
アクジキングは砂ぼこりで視界を奪われガブリアスを見失いキョロキョロ探していた。やがて、一つの影が見え、触手で攻撃した。
ドンッ!!
アクジキングは手応えがあるように感じて近づいた。それと同時に砂ぼこりも消え影の正体が見え始めた。
「グオッ!?!?」
手応えがあったと思われた物は身代わりの人形だったのだ。
「今だ!!ドラゴンダイブ!!」
すると、アクジキングの背後の地面からメガガブリアスが出て来て、ドラゴンダイブでアクジキングを攻撃した。
「グオーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」
アクジキングは叫びながらうつぶせに倒れた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。砂ぼこりで視界を奪ってその隙に身代わりを使ってあなをほるで地面に潜って攻撃する作戦はなんとか上手くいったな」
メガガブリアスはメガ進化を解いて、地面に座り込んだ。流石のガブリアスも今回の相手はかなり手強かったみたいだ。
「ガブリアス戻っておいで」
タダカツはガブリアスをモンスターボールに戻した。
「お疲れ様。ゆっくり休んでくれ」
「タダカツ部長!大丈夫ですか!?」
近くにいた警官隊は一斉にタダカツに近づいた。
「ああ、何とかアクジキングを鎮静化させた。後はアクジキングを治療してウルトラホールに返すんだ」
「えっ!ですが、ウルトラビーストは危険なポケモンなので本部に連れて帰って分析した方が宜しいのでは?」
「それもあるかもしれん。だが奴も一匹のポケモンだ。人間の手で無理やり拘束したらアクジキングも悲しむ。だからウルトラホールに帰ってもらって平和に過ごしてもらいたい」
警官達はタダカツの言葉にジーンとしていた。これまでの警察上層部は保身の為に部下を平気で切り捨てる冷酷な奴ばかりだったが、ここまで優しく思いやりが強い人が自分達の上司だというから感動していたのだ。
「!?、危ない!!」
タダカツは一人の警官を突き飛ばした。
すると、タダカツに黒い触手が腹部に命中して壁に突き飛ばされた。
「グハッ・・・・!!」
タダカツは血を吐き、ズルズルと壁にもたれながら地面に座り込んだ。
なんと、気を失っているはずのアクジキングが力を振り絞って警官の一人に攻撃したのだった。だが、それに気づいたタダカツは警官を突き飛ばして身代わりになったのだ。
「「「「「「部長!!!」」」」」」
「全員、アクジキングに総攻撃しろ!!」
警官達は自分達の手持ちポケモンで一斉に攻撃してトドメを刺そうとしていた。
「待て!!」
「!?」
警官達はタダカツの方に振り返った。
「ここは、私に任せてくれ。」
タダカツは口から血を垂れ流しつつ腹を押さえながらアクジキングに近づいた。
「グ、グオォォォォォ・・・・。」
「アクジキング・・・。君は本当は怖かったんだろ?穴が開いて知らないところに来てしまってただ怖かっただけなんだろ?だから自分を守る為に暴れていただけなんだろ?」
「おびなくていい。私はこれ以上君を傷つけるつもりはないよ。いきなり信じろとは言わない。だけど、私はただ君を元の場所に帰して平和に暮らしてほしいだけなんだ。これだけは知ってほしい」
「グオッ!!!」
ドカーン!!
アクジキングは近づくなと言っているかのようにタダカツに向かってアームハンマーを放った。
「部長!!」
アームハンマーによって舞い上がった砂ぼこりはじわじわと晴れた。
そこにはギリギリの所でアクジキングのアームハンマーがタダカツの横に振り落とされていた。
「・・・・。大丈夫だよ。私は君の味方だよ。辛かっただろう、怖かっただろう、もう安心していいぞ。なにかあっても私が君のことをこれからも守ってあげるから仲間のもとへ帰ろう?」
タダカツは笑顔でアクジキングの触手を優しく撫でてあげた。
「グオォォォ・・・。」
アクジキングはタダカツに近づいて来た。
そして、触手でタダカツにすり寄った。
どうやらタダカツの思いが伝わった見たいのようだ。
「よしよし、君はいい子だ。さっ、もう疲れただろ?仲間のところへ戻ってゆっくり休むんだよ」
「グオッ!!」
アクジキングはこうして大人しくウルトラマンホールに向かってそこから仲間のもとに帰っていった。アクジキングがいなくなるとウルトラホールの穴が閉じてしまった。
「これでひとまず安心だ・・・・・・な・・・・・・・・」
バタッ
「タダカツ部長!!!」
「おい、誰か!救急車を大至急呼んでくれ!」
タダカツはアクジキングを送りとどけてからダメージの影響で意識を失い倒れてしまった。
ーーーーーーーーーーーー
(ここはどこなんだ?私は死んだのか?)
タダカツは一人で真っ暗な闇の中で突っ立っており周りを見渡していた。
(私はこれからどうなるのだ?このままあの世に行くのか?)
(?、あそこから何やら声が聞こえる?あそこの人達が私をよんでいるのか?)
声がする方には霧が被っておりよく見えなかった。だが、そこに行くには目の前にある大きな川を渡らなければならなかった。
(大した深さもないし、なんとか渡れそうだな。少し行ってみるかな?)
「待つんだ。タダカツ」
「!?誰だ。私の名で呼ぶものは?」
「お前は恩師の声まで忘れてしまったのか?」
「!?この声はまさか!?」
すると、タダカツの目の前に年老いた老人が姿を現した。
「師匠!!」
「全く、お前の忍術や精神を鍛え上げさせた恩師のことを何者かと疑うとは何事か。この馬鹿者が」
「はっ、申し訳ありませんでした!」
「だが、ワシの教えをちゃんと覚えここまで人生を送って来たことは大いに評価できることだ。褒めてやるぞ」
「ありがとうございます」
「あと、お前に会いに来たのはワシだけではないぞ」
すると、タダカツの師匠の横に穏やかそうな男女が1組現れた。
「!?父上!、母上!」
「タダカツよ、お前は子供の頃はやんちゃで落ち着きがなく、勉強もできなかった、どのように成長するか私達夫婦は心配だったのだ」
「でも、あなたのお師匠さんに預けてからは心身ともに立派に成長して行ったことに父も母もうれしかったのよ」
「その上、私達が戦で死んでもお前はここまで乗り越えられて来た。それにマーシュ殿という綺麗で立派な女性を嫁にもらえて私達は本当に心から嬉しく思っているぞ」
「だから、あなたは私達や仲間の死を悲しまずにマーシュさんと子供の将来を考えてこの先の人生を歩みなさい。それが私達のあなたに送れる一番の願いですよ」
「そうだ。お前はこんなところで死んではいけない奴だ。妻子と共にカロスの平和を守り続けてくれ。それが師匠であるワシの最後の宿題だ」
「私達はいつまでもお前達のことを上から見守ってるぞ」
すると、タダカツの師匠や両親は光に包まれながら消えていった。
「師匠、父上、母上、ありがとうございます。これからも私達家族のことをどうか見守っててください。あなた方の想い、このタダカツ、何としてでも守り続けていきます」
タダカツが一言語ったとたん、強い光が辺り一面を覆い尽くしていった。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ
タダカツは目を開けると白い天井があり、横には点滴などの治療器具が置いてあった。
「こ、ここはいったい?」
「タダカツさんが目を覚ましました!!先生をお呼びして!」
「はい!」
看護婦が医師を呼んでから医師が駆け付け、診察を受けてもう安心だと言われてから病室から出ていった。
医師が言うには腹部のダメージが酷かった為に緊急手術を行ったらしく、手術してから今日まで1週間目を覚まさなかったらしい。
そしてさらに3日がたち、タダカツは容態が安定したため、集中治療室から個室へと移された。
個室へ移されてから数時間後
「父上ー!」
ソレイユがドアを開けてからタダカツに近づいてベットの手すりにつかまった。
「父上大丈夫?僕、すごく心配したんだよ?父上がずっと眠り続けたから」
「そうだったのか。ソレイユには本当に迷惑かけたな。父が退院したら一緒にポケモンバトルしようか」
「うん!僕、父上とポケモンバトルするととても楽しいから、待ってるよ」
「こらこら、ソレイユ、あまりお父様を困らせてはいけんよ。お父様はまだ怪我人なんやから
スミレもソレイユの後に続いて病室に入って来た。
「お父様、大丈夫なの?うちもお母様もすごく心配したんよ。お父様が大怪我したって聞いてものすごく不安だったのよ?」
スミレはタダカツの手をぎゅっと握り、悲しそうな顔をしてタダカツを見つめていた。
「すまなかったな、お前達には本当に迷惑かけてしまったな。お詫びに父が治って退院した時にはまた家族で食事に行こうか?」
「それなら、デザートもつけて欲しいやす!それだったら許しやすよ?」
「分かった分かった。デザートもつけてあげるよ」
「ありがとうございやす。お父様」
スミレは嬉しそうに微笑んだ。
そして、タダカツはスミレの頭を優しく撫でた。
「貴方」
病室のドアから今度はマーシュが現れた。
「マーシュ、君も体調は大丈夫かい?しばらく子供達を任せきりだったみたいだから心配してたんだよ」
「うちのことは気にせんといて。うちはこの通り大丈夫やから。さ、スミレ、ソレイユ、これからお父はんと大事な話があるから病院の中庭で少し遊んでおきよし」
ソレイユとスミレは病室から出ていき、病院の中庭に向かった。
「それで、話というのは?」
「・・・・・・」
バチン!
マーシュはタダカツの頰を引っ叩いた。
「えっ?マ、マーシュ、一体・・・?」
「どれだけ心配したと思っとるん!?貴方がポケモンと戦って瀕死の重症を負ったと貴方の部下の人から聞いてうちはもうどうにかなりそうだったんよ!?」
「貴方の正義感の強さはうちも誇りに思ってるんやけど、後のことを考えず無謀なことをやるのはやめてくれやす!もし貴方が死んだらうちだけやなく、スミレやソレイユのことはどうなると思ってるの!?」
「うちは小さい頃から両親には厳しく教育されている上に、変わった性格や顔つきだったやから、いじめられ、友達も一人もいなくてとても寂しい思いをしてたんよ。せやけど、ズミはんやザクロはんみたいな友達が出来ただけやのうてうちを心から愛して大切にしてくれるお人が現れてうちはとても幸せやったの」
「せやけど、今回貴方が瀕死の重症を負ったと聞いてこのまま死んだらどないしようと心配で夜も眠れへんやったんよ?せやから、もうこれ以上うちを悲しい思いをさせないでおくれやす。お願いやから・・・・」
マーシュはタダカツの胸元にしがみつきながらメソメソと泣いていた。
「マーシュ・・・・・・」
(あの感情をあまり表に出さないマーシュがこんなにも怒るなんて・・・・・。よっぽど辛かったのだな・・・・)
タダカツは優しく包むようにマーシュを抱きしめた。
「すまなかった。本当にすまなかった。私は市民を守るために全力で戦っていたが、一番大切な君や子供達のことをこんなにも辛い目に遭わせてしまって私は本当に最低な男だな」
「だが、私はどんな事があってもマーシュやスミレ達のことを大切に思わなかったことは一度もない。いつでも君達家族のことを愛しているんだよ。これだけは分かって欲しい」
「・・・・・・・・・・」
「これ以上の言い訳はしない。でも、どうすれば許してもらえるか教えてくれないかい?」
「そんなら、うちにキスをしておくれやす」
マーシュは目を瞑りキスをする体勢を取った。
タダカツは愛しいマーシュの心を癒すつもりでそっと彼女の唇に自身の唇を重ねた。
「んっ・・・・」
タダカツは舌を彼女の口内に入れ、彼女の舌と絡め始めた。
「んっ・・・・ちゅ・・・・・はむ・・・・・・あっ・・・・・・あなたぁ・・・・・・・・もっとしてぇなあぁぁぁ・・・・・・//////」
「んっ・・・・・マーシュ・・・・・・・はふ・・・・・・愛してる・・・・・・・・ずっと側にいて欲しい・・・・・・・・ちゅ・・・・・・」
やがて、タダカツとマーシュは唇を離した。二人は息を乱しつつ、二人の唇の間には唾液の透明な橋が出来ていた。
タダカツとマーシュは頰を真っ赤に染めながらうっとりしつつお互い見つめ合っていた。
「ここは病室だから続きは家に帰ってからやろう・・・ね?」
「あい・・・・・///せやけどそれまでうちは貴方のことを許されへんよ?ここまで来てお預けは満足できへんやすからな」
「ああ、約束は守るよ。こんなに優しく美しい旦那思いの妻をお粗末に扱いたくないからね」
「貴方・・・・・・//////。さ、さっ、ソレイユ達を一緒に迎えに行きまひょ?」
「ああ、一緒に行こうか」
タダカツはベットからから立ち上がって、車椅子に乗り移った。車椅子を押しながらマーシュと共に病室の扉へと向かった。
ドアを開ける前にタダカツとマーシュはお互い顔を向き合い、優しく笑顔で微笑んだ。
そして、ドアを開けると眩い光が二人を照らしてくれた。
続く