「博士、居る~?」
博士が研究を一段落させて珈琲を飲んでいると玄関を開けて鈴木園子が入ってきた。
「やあ、園子くん久しぶりじゃの。学校が終わるにはまだ大分早いどうしたんじゃ?」
時計の単身はまだ3の数字も過ぎていない。
「学校が最近おもしろくないから、こうやって早退することが増えちゃった。」
淡々と理由を告げた園子はサマーセーターを脱いでソファーの上に置いた。
「それで何の用かな?」
「これよ。これ。」
園子は左手の指で輪を作り、そこに右の人差し指をくぐらせる。
「今さらこんな老いぼれを相手にせんでもいいじゃろ。相手なら沢山おるんじゃないか?」
「まあね。この後も轟のオジサマとホテルに行く予定だし。」
園子は靴下を脱ぎ爪を気にしている。
「ならば、ワシの逸物に用は無いじゃろ。」
「博士のやもめ人生に久しぶりに潤いをあげようかなって。」
博士から珈琲を受け取りながら園子が答えた。
「そんな気分でやられてもなぁ。それに、正直最近はそれほど溜まることもないし。」
「けどこんなに若くて可愛いコと仲良くする機会はないでしょ。」
若さだけならば歩美達に敵わないが、色気という点では園子は二人の比ではない。
園子も含みのある言い回しに何かを察したのかしなを作り博士を挑発する。
「本当は?」
挑発に全く乗らずに問い詰める博士に園子は深い溜め息をついてソファーに座り直す。
「イチャイチャしたい。」
園子の言葉に博士は傾けたカップの手が止まる。
「最初は良かったのよ。博士よりもずっとテクはあるし、アレも大きかった。けど最近は私がひたすら責められてるの。」
「不満があるのかね?」
「不満、っていうのとはちょっと違うかな。轟さんは私の限界ギリギリまでしてくれるし。」
「じゃあ、ワシの出番は必要なかろう。」
「そうなんだけどさぁ。なんて言うのかな。心の不一致?って言えばいいのかな。身体が快感で一杯って感じなんだけど、なんかすごく虚しい気持ちになるのよね。最近。」
「そもそもが本命と遠距離恋愛の寂しさを埋めるためにしておるのに、そこまで求めるのは少しハードルが高過ぎないかな?」
「最初は良かったの!舌を絡ませるのもおっぱいを触らせるのも丁寧だったの。だけど最近は乱暴にされるのが気持ちよくなっちゃって、それに走るうちに心が置き去りに…」
園子の言葉が段々と小さくなっていく。
「別れたらいいじゃないか?お互いに体だけの割りきった関係なんじゃろ。」
博士は淡々と切り出す。博士と園子も体だけの関係だった。
「そうなんだけど、あのテクを手放すのはなぁ。」
園子は唸りながら呟く。
「他は?園子くんのことじゃから何人かキープしておるんじゃろ?」
「勿論キープはいるんだけど、テクとサイズが2ランクくらい落ちるし、身体目当てにしてるからそこを妥協してどうするって感じだし。」
園子は不満を顔に表していた。
「まあ、結局は京極君が一番なのかな。」
「そりゃ、真さんが居たら全部彼にぶつけるけど、居ないものはしょうがないじゃない。代わりを見つけて発散するしか。」
園子の意見に博士は男として複雑な感情を持った。だが、彼女の価値観が博士を潤したのも事実であり、諭す気も更々ないので深く踏み要らない。
「じゃあワシでも駄目なんじゃないか?」
博士は以前、彼女から愛情不足を指摘されていた。
「う~ん、なんて言えばいいかな。責められ過ぎてきたから気分を変えたい、みたいな?」
「それは轟とやらに相談すればよかろうに?」
「…今になってラブラブしたいなんて恥ずかしくて言えない。」
「……は?」
博士は言葉を失う。
「いいでしょ、別に減るもんじゃないし。」
そう言うと園子は着ていたシャツのボタンを外し、脱ぎ捨てた。
「コラコラ、また着るのにシワになるぞ。」
「セーターの下に着るし、今日はホテルのランドリーサービスに預けるから別にいいのに。」
博士のシャツを畳ながらの小言に園子は言い返す。
「いや、間に合わんじゃろう。どう考えても。」
「いやいや、7時に頼めば翌朝には帰って来るわよ?」
「つまり、7時にはチェックインして洗濯物が出せる、と。ほとんど直行じゃないか、それ?」
「だって他にする事もないし。」
「食事とかでムードを作るとかは?」
「えー。それじゃカップルみたいじゃん。」
園子は怪訝な顔をする。
「同じようなもんじゃろ。」
「ムードを作っても意味ないしなぁ。」
そう言いながらキャミソールを脱いだ園子の姿を見て博士は納得した。
「…確かに。君たちの関係にムードは必要ないかもな。」
博士が見た園子の身体には青黒い痣ラインが走っている。
「それは、縄かな?」
「正解。あとね、これ。」
言いながら回転した園子の背中にはいくつもの赤い斑点が出来ていた。
「蝋燭、か。いささかやり過ぎな感があるが。」
「いや、なんかやってたらどんどんエスカレートしていって。」
園子が恥ずかしそうに答える。
「しかし、これじゃ京極君ともセックス出来ないんじゃないか?」
「これから夏になると服が薄くなるから縄も蝋燭も明日からしばらくはやらないから大丈夫。真さんと会えるのは夏休みだし、背中のはこれでも大分治ったのよ。縄の跡は消えなかったら趣味に目覚めたってことにするし。」
「大丈夫、なのか。」
博士はあらためて園子の身体に注目する。
胸と骨盤に残る黒い螺旋が描かれている緊縛痕は彼女が服を着ている時にはちっとも分からなかった。彼女の希望にしても、轟という人物の嗜好にしても園子が思っているような「ラブラブな関係」を築くのは難しいのではないかと思ってしまう。
そもそも園子を自分のフィールドに沈めるために初めは彼女に主導権を握らせたように博士は感じた。縄のテクニックは知識のない博士からも見事な事は解ったし、それで少女を虜にしている事から相当慣れた人間だと予想出来る。
「まあ、園子くんはもしもの時は家の力で何とでも出来るか。」
博士の言葉は園子の耳に届かなかったようで彼女はパンツを脱いで手のひらを前で合わせて博士の方へ向き直る。
「これはこれは。」
数か月前は鬱蒼と茂っていた陰毛が今は数ミリの長さに刈られている。
「園子くんこれからセックスをしようとする乙女が陰毛処理を怠ってはいかんぞ。」
「違う違う。これは轟さんのお願いなの。彼ったら陰毛を剃りたてが大好きらしくて変に短くしていくとすごいがっかりするの。で、話し合ってやる前に剃ろうってことになったの。」
園子が軽く笑いながら答えた。
「ん?」
博士は手を陰毛の生え際の上から離さない園子を訝しむ。博士の視線に園子は不敵な笑みを浮かべる。
「ふっふっふっ、気付いたようね。」
「いや、そんなに露骨に隠されたら誰でも気になるし、ここまでの流れでだいたい予想はついておるよ。」
「あ、そう。」
博士が驚くと思っていたのか、園子は肩透かし食らったように手を開く。
「やはりな。」
博士の予想通り園子の手の下には小さなタトゥーが彫られていた。
「タトゥーはこれだけかな。」
「あんまり目立つ場所にはまだ出来ないかな。プール前だし。」
「京極君は良いのか?」
「彼に写メ送ったら「君の自由に」的な返信が来た。」
「縄は?」
園子は緊縛痕を指でなぞり、
「タトゥーを彫られた時に変なテンションだったから送った後にすごい後悔したのよね。でも誠さんの返信で腹が立っちゃったから縄の方はバレるまで内緒にしようかなって。」
少し小悪魔的に笑いながら答える。
「さてと、近況報告はこれ位でいいでしょ。」
園子は全裸のままソファーの対角にあるベットに博士の手を引いていく。そしてベッドに仰向けに横になって両手足を浮かせた。
「ほら、さっさとする。」
園子に急かされて博士も手早く全裸になる。
「あれっ、」
「どうしたんじゃ。」
園子が博士を見て眉を寄せる。
「博士、痩せた?」
「なに?」
博士は園子に覆い被さろうとしていた動きを止める。
「前は博士のお腹で見えなかった博士のチンチンが先っぽだけだけど見えるから。」
「ふむ、最近運動する機会が増えたからかもしれん。」
「博士ったら、その歳で風俗にハマるってヤバいわよ。」
「何故、風俗と決めつけるかな。」
「博士が恋の駆け引きをしてるのが想像出来ないし、私たちのネットワークに博士の噂が無いから。」
「高校生のネットワークじゃろ。」
「上は40代、下は10代前半、SNSの中に作られてる、裏サイトよりも大きなコミュニティだから結構情報が集まるんだから。」
園子はカバンからスマートフォンを取り出し、画面をタップして博士に見せた。表示されている有名SNSの画面には要注意人物の名前と特徴、そして隠語が並んでいる。
「これってワシに見せていいのか?」
「あ、」
園子はあわててスマホを胸に隠す。
「…言わないでね。」
媚びるような声色で園子は博士の顔を胸に押し付けた。それに合わせるようにして博士の手が園子の乳房を掴む。
博士は吸い付くような乳房を変形させながら乳首を指の間で挟み愛撫する。
「はぁ、博士、もう少し強く。」
「結構強くしておるんじゃが。」
乳房の形がかなり変わっているのに園子はさらに求める。
「イチャイチャしたいんじゃなかったのか?」
「え?」
園子は不思議そうな顔をする。
「う~んっ、なんかベッドに来たらスイッチが入っちゃった。」
博士の頬に手を添えた園子はそのまま唇を合わせる。しかし、舌を絡ませてくる園子に博士は違和感を感じた。
「つつくばかりじゃ意味ないぞ。」
「なら博士が舌を入れてよ。」
園子は不満そうに答える。
「前は舌を引っこ抜かれそうな位ワシの口の中に入れておったじゃろう。」
「そだっけ?」
とぼけた様子もなく、園子は本当に忘れているようだった。
「調教されまくとるっな。」
「気持ちいいならなんでも良いの。」
園子は博士の胸に潜り込む。
「おほっ!」
博士は思わず間抜けな声を上げる。園子は博士の逸物を扱きながら乳首を吸っている。博士はその気持ち良さに思わず暴発してしまった。
「博士ってこんなに早漏だった?」
「いや、乳首に驚いて思わず出てしまった。」
「もったいないわねぇ。フニャチンはした感じがしないし。」
「それなら心配いらん。」
そう言って園子の目の前に差し出した博士の逸物は反りを保ったままだった。
「前の時よりも彈数は増えておる。」
「上等よ。絞り尽くしてあげるんだから。」
園子は博士をベッドに押し倒すと逸物に跨がりそのまま腰を落とした。
「あんっ、」
園子の膣内は博士の逸物を握り包み込むようにしてくる。以前の園子はせいぜい膣を締める程度の器用さしかなかった。
「へへ~ん、気持ちいいでしょ。」
園子は自慢げに腰を動かし始めた。彼女の中は腰の動きから独立したように博士の逸物を責める。
「おっ、おっ、」
博士はその動きに思わず射精しそうになるが、園子は腰を止めてそれを阻止する。
「博士早すぎ。」
「園子くんのが気持ちよすぎるんじゃよ。」
博士の言葉に園子は嬉しそうに笑う。
「ま、私のは名器だからね。仕方ないけど」
そう言うと園子は仰け反る。
「私が下になるから博士のペースでやってよ。」
「そりゃ構わんが、イチャイチャしに来たのにこんな普通のセックスで良いのか?」
「普通のセックスがいいんじゃない。」
「…アブノーマルも程々にな。」
博士は逸物が抜けないようにしながら起き上がる。
「よっこらしょ、っと。」
騎乗位から正常位に攻守を変えた博士は園子の乳首を吸いながら腰をグラインドさせていく。
「あっ、あんっ、あっ、」
最初は余裕そうに喘いでいた園子もピストンを繰り返されていく内に膣から愛液が溢れ、声にも艶が出てきた。
「この短期間でよくこんなに男を悦ばせるテクニックを身につけたのぅ。」
「私的にはこれが普通なんだけど。」
「この淫乱め。」
「オープンなだけよ。」
二人は軽口を交えながらお互いを責め合っていく。
「あぁんっ、イクッ」
園子の言葉と同時に博士は下腹部に温かい感触を得る。
「ありゃりゃ。こっちは相変わらずか。」
博士が逸物を抜いてシーツを確認すると薄く黄色い染みが広がっている。
「はあっ、はあっ、そう簡単には、治らないわよ。」
胸を大きく上下させ、肩で息をしながら園子は答える。
「それじゃ、」
博士は逸物を園子に膣に再び埋める。敏感になっているのか園子は入れられた瞬間わずかに痙攣した。
「ちょっと博士、タンマ、タンマ。私っ…イッたばっかりで…敏感で…」
「解っておるよ。温かくて柔らかい、けどたまに震えてくれる。これがあるからワシは頑張れるんじゃ。」
博士のピストンがそれまで以上に激しくなる。
「…アンッ、アッ…、アッ…、」
園子の喘ぎ声からは艶が消えて、呼吸に合わせて声が出ているだけに博士には聞こえた。
「あうっ、そろそろ限界じゃ。射精すぞっ!」
博士は園子から逸物を引き抜こうとした。
「あっ、園子くん。離してくれっ!」
しかし、園子は博士の腰を脚で挟み込み、脚に力を入れて博士の逸物を自身の奥に迎え入れる。
「ヤバいっ、出るっ!」
園子は博士の射精を受けてもピクリともしない。しかし、呼吸の荒らさから気絶はしていないようだった。
「あんなに嫌がっておったのに、どういう心境の変化じゃ?」
「は?」
呼吸が落ち着いてきた園子は頭を起こし博士に絡ませた脚を見る。続けて子宮に当たっている精子の感触に気付いたのか博士の言葉の意味が解ったのか園子は深く息をして頭を落とす。
「あー、慣れって怖いわ。」
「…つまり、いつも通りなのか。」
「一回許したら、そのままズルズルとねぇ。」
「妊娠しても知らんぞ。」
「まあ、知り合いの病院で「処置」するだけだから良いんだけど。」
「ならワシとシてた時も中に射精しても構わんかったのでは。」
「あの頃は避妊は外かゴムしか無いと思ってたの。」
呼吸が整った園子は時計を見る。
「やばっ。」
そう言うと園子は素早く制服を着ていく。
「お~い、シャワーはいいのか?」
「ちょっとゆっくりし過ぎたみたい。浴びる時間が無くなちゃった。」
園子は手鏡で化粧の崩れを確認する。10秒ほど鏡とにらめっこした彼女はカバンからマスクを取り出した。
「よしっ。」
来た時とほぼ同じ格好になった園子は
「またね、博士。」
と投げキッスをしながら玄関から出ていった。
「まるで台風じゃな。」
乱れたベッドのシーツを変えようとしながら博士は呟く。
そこで学校から灰原と歩美が帰ってきた。
博士は逸物と相談して今日のメニューは少し激しく行こうと決めた。
長くなった…、園子なのに