朝食は昨日の雰囲気が嘘のように静かになっている。気まずそうに箸を進めている元太と光彦。それをテーブルの反対側から園子がニヤニヤと笑みを作りながらシャツの襟を大袈裟に伸ばして二人を挑発している。そこから覗く肌に二人はチラチラと視線を泳がせている。おそらく園子の事だからブラなどしてないだろう。
蘭は園子の隣で箸を進めているが園子の挑発を止める様子はない。味噌汁に口を付けている蘭は目を閉じていた。
よく見れば蘭の瞼は赤く充血しており普段ならば誰かしらが指摘しそうな物だ。しかし今の状況で自分以外を冷静に指摘するのは少年二人にはほぼ不可能と言える。ただでさえ園子に視線を気付かれないように彼女をチラチラと見る程度なのに、その隣の異変に気付くなんて甲斐性を少年二人が持っているはずが無かった。
さらにその隣の席、博士から一番離れている現状で一番危害が及ばない位置で向かい合って灰原と歩美が箸を進めている。二人は食事をしているというにはあまりにも不自然だった。黙々と箸を動かしているが、決して食事のスピードが早いというわけではない。一口運んで咀嚼する回数が多い。
「静かですね」
静寂に耐えきれなくなったのか、それとも園子から視線を外すことに疲れたのかは不明だが光彦が少し大きな声を上げる。歩美がその声に反応して目を向けるが、疲れた表情は光彦には睨まれたと思ったのか小さな悲鳴を上げた。
「何ビビってるのよ」
馬鹿にしたように園子がせせら笑う。光彦はそれに反論せずにまごまごとしておどけるようにあいまいな笑みを返した。親分と子分の関係が出来ている。
「それで、元太くんと光彦くんは昆虫採集に行くのかね?」
「いえ、元太くんと話し合ってこれに行こうかなと思います。」
光彦が一枚のチラシをテーブルの上に広げる。そこには焼き物の体験教室の宣伝が質素に書かれていた。
「昨日、僕たちは議論して昆虫採集は大した成果は出せないという結論を出しました。それよりもこの焼き物の体験教室がレアだと思いまして。ダメですかね?」
「それを決めるのは君たちじゃよ。昆虫標本でも焼き物でもワシとしてはこの旅行で得るものがあってくれたら嬉しいな」
「得るもの、ですか」
光彦は視線を自分の股に落とす。昨晩の情事を思い出しているのかしばらく動きが無くなる。
「じゃあ、決まりだな!」
灰原たちと同じく黙々と箸を進めながらも、三杯目の碗に盛ったご飯を大口に収めた元太はようやく腹が膨れたのか会話に参加する。
「あ、歩美と哀ちゃんも!」
歩美が慌てたように参加する。灰原は目で参加を肯定した。
「おめぇらはもう自由研究終わってるじゃねえか」
「い、いいじゃない。別に二つ出しても」
「ま、いいんじゃないかな。歩美ちゃんの言い分が正しいし」
博士の言葉に歩美は今日初めて表情が明るくなった。
「まあ、仕方ねぇな」
「そ、そうですね」
どうやら自分たちと行動するのが嬉しいと捉えたのか少年二人はテレを隠しきれていないセリフを口にする。歩美が二人を友人としてしか見ていないのを知っている博士は心の中で笑った。歩美からしてみれば博士と園子から距離が取れる絶好の機会に違いなく、灰原もそれに乗っかかる様にして博士から離れたいのだろう。
「それじゃあ、引率は園子くんに頼むか」
「私はパス。せっかくゆっくりしに来たのに」
「じゃあ!」
引率に蘭が名乗り出る。どうやら園子が自分に助け舟を出してくれたと思ったのか表情がわずかに明るい。
「いや、蘭くんには申し訳ないが君には今夜のバーベキューの手伝いをしてもらいたいんじゃよ」
「え?」
「マジかよ!」
戸惑う蘭に対して元太を中心に少年探偵団が嬉しそうな声を出す。男子は喜びの声を。女子は安堵のため息が混じった反応だったが。
「どういうつもりですか?」
少年探偵団を引き連れて渋々と園子は出掛けて行った。彼女の算段では博士と一緒に蘭を落とすつもりだったみたいだがそれはもう少し楽しんでからというのが博士の考えだった。
さっきまでみんなで食事を囲んでいたテーブルには蘭だけが座っている。
正確には博士によって座らさせられている。彼女は身体的な拘束は一切されていないが、精神的な隷属を強要されている。
さっきから博士の持っているスマホから女性の悲鳴交じりの嬌声が響いている。最初の方は明確な拒否を持った怒声だったが、怒声が甘い嬌声に変わるまで博士がいくつかのファイルを頭の数秒ごとに変えていった。
自分の痴態の変遷を聞かされた蘭は最初こそ顔に出ていた羞恥を隠していたが、それこそが博士の見たい反応だと気づくと一転して態度を硬化させ、自分の嬌声を聞き流している。
「ふむ、さすがの精神力と言わねばならんな」
博士はそう言うとスマホをリビングにおいてある充電器に立てる。
『あっ、あんっ、止めてッ、止めてクダサイッ。お願いします。限界なんです。とめてぇっ!』
唐突に響く大型スピーカーからの自分の嬌声と懇願。さすがにこれを聞き流すことは出来なかったらしく蘭は博士を睨む。
「悪趣味ですね」
「君の反応が薄かったからじゃ」
「それで?どうするんですか?私をまた襲いますか?」
諦めたのか蘭は博士を睨み付けたまずで凄む。
「いやいや、バーベキューの下準備を手伝って欲しいのは本当じゃよ」
「でもそれって大した準備じゃないですよね」
「昼の三時から始めて余裕って感じかな」
「つまり博士は私を三時まで乱暴するつもりですか」
「そうなるかな」
蘭の軽蔑の視線を博士は流す。そして、ポケットから手錠を取り出した。
「そうやって自由を奪ってからじゃないと手を出せないなんて情けないですね」
蘭は手錠を嵌められながら博士を睨む。
「全国有数な格闘少女にはそれ相応の態度で望むよ。」
博士は蘭をリビングに促すと彼女のシャツを上げる。蘭は反射的に抑えるが、博士が脇を指でつつくと力を抜いてシャツを脱がされた。博士は手錠で抜く事が出来ないシャツをハサミで切り裂く。
次に博士は蘭の白いデニムパンツに手を伸ばす。蘭は一瞬たじろいでいたが、博士が咳払いすると観念したのか踝まで下ろす。
昨日はあまり確認出来なかったが、インターハイを終えて一月と過ぎていない蘭の身体には筋肉が満ちている。
割れた腹筋、メリハリのある腕、デニムパンツに隠されていた筋肉質な太ももとふくらはぎが露わになる。
博士の目を一番奪ったのは胸だった。ライトグリーンのブラのサイズが大きいのか隙間から色素の薄い乳輪が蘭がデニムパンツを下ろした拍子に博士の目に飛び込んでくる。
「サイズの合わないブラをしておると垂れるぞ。ブラジャーなんて安いのがあるじゃろうて」
博士の視線に気づくと蘭は胸を隠した。おそらくインターハイ用に肉体改造をして胸が縮んだという感じなのだろうと博士は推測する。
ブラを新調しない理由は解らないが、少しばかりくたびれた感がある。それはつまり、蘭が普段から使っています下着で、見栄を張っていないのであればそれが彼女の普段のサイズである。
正直、蘭を手錠だけで拘束できるとは博士は考えていない。おそらく蘭も足技が使える今の状況ならばいつでも逃げられるから従っているのだろうと博士は判断する。こうやって精神的に追い詰めるのも手段の一つだった。こちらが危害を加えなければ、とりあえず蘭は攻撃してこない。
博士はリビングの梁に新一のために開発した伸縮サスペンダーを投げて通すと、蘭の手錠に繋ぐ。
「これって」
蘭は手錠に繋がれたベルトをまじまじと見ている。
「君も見覚えがあるじゃろ。コナン君のサスペンダーじゃ」
博士はサスペンダーの繋ぎ目のボタンを押す。すると蘭の腕はすぐに頭の上まで上げられる。サスペンダーは更に収縮していき、蘭のつま先が床から離れると博士は収縮を止めた。
「本当に悪趣味ですね」
蘭が悪態をつく。
「ワシもそう思うよ。しかし繰り返し言うが、君は全国有数の格闘選手じゃ。それを相手に平押しするほどワシは強くないからな」
博士は吊り下げた蘭を放置して自分の部屋に戻る。数分して帰ってきたその手には大きな注射筒を持っている。そしてキッチンからボウルに水をなみなみと入れると博士は蘭の後ろに立った。
「…冗談ですよね?」
蘭の強ばった声が響く。これからされることは流石に予想はついているようだった。
「いやぁ、蘭くんが予想以上に精神的に強い女の子じゃったからな。どうやら昨日の映像だけでは君の口は防げないようじゃ。だから口外出来ないような映像を撮っておこうと思ってな」
博士は注射筒の先端を水に浸けてピストンを引いた。注射筒の中に水が満たされる。
「いやぁっ!」
蘭は身体を捻り博士から逃げようとする。しかし手錠をサスペンダーで繋がれた蘭の脚は地面をける事が出来ずに空回りしていた。
「それを信じられると思うかね?」
博士が注射筒をボウルに浸けるとピストンを引いた。注射筒の中が水に満たされる。
瞬間、博士の肩に衝撃が走った。中腰で用意していたために博士は尻もちをつく。
「痛ッ!」
尻もちをついた博士はそこでようやく方から痛みの伝達が来ると蘭に蹴られたのだと理解した。見れば今の蘭は脚を空回りさせておらず、肩越しに博士を睨んでいた。
「そんな顔をしないでおくれよ。興奮してしまうじゃないか」
「本当に変態ですね!」
蘭は馬のように脚を後ろに蹴り上げて威嚇する。
「私に近づいたら蹴りますよ」
「じゃあ、君が懇願するまで待ってみよう」
博士はそう言うと蘭の前に椅子を運ぶとそれに座り、蘭を眺めることにした。
ちょっと表現を悩み中。もっと性的な表現が出来ないか官能小説で勉強中。