「ふぅ」
博士はお茶を煎れてそのままキッチンで一息ついていた。しばらく湯飲みをゆらゆらと揺らしていると園子が小さな袋を持って入ってきた。
風呂に入ってきた園子はバスローブ姿で、濡れた髪をタオルで巻いている。
彼女は博士をすり抜けると沸騰していたヤカンの上で小さな袋をひっくり返す。何かがヤカンの底を叩いた。
「それは」
博士は園子の後ろから尋ねる。
「ピアス」
園子はあっけらかんとした様子で答えた。
「やはりか。乳首にかね?」
「博士、正解」
園子はわざとらしく驚いて見せた。
「いやぁ、ピアスと聞いて耳は校則でうるさいだろうと思ってな。そうなるとクリか乳首しか選択肢が無いからの」
「舌っていう可能性は?」
「見つかる場所にピアス穴は開けないだろうと思ってな」
園子が小さく笑う。
「ふふっ、正解。でも、穴を開けるのは私じゃないのよ」
「ほぅ」
「ちょっと反応薄くない?」
博士はお茶をすする。
「いや、ピアスの時点で蘭くんを巻き込むつもりなのは想定したからな。あと、歩美ちゃんはダメじゃからな。隠して生活させるには露見のリスクが大きすぎる。」
「わかってるわよ。ピアスも三個しか持って来てないし」
「三個?一つ少なくないか?」
博士は自分の自分の乳首の上で指で輪を作る。
「蘭にはクリピアスもプレゼントしたいなと思って。ほら、インハイ三位おめでとう。みたいな?」
博士は大きなため息を吐いた。
「そうか。しかし、素直に着けてくれるかな?」
「私が言ったらね。でも博士のお願いなら聞いてくれるんじゃないかな?」
「まあ、な。でも着けてくれなかったら」
「今回は諦めるわよ。チャンスはまだあるだろうし。あ、それとお昼の蘭のビデオ私にもちょうだい」
「悪用しないならかまわないが」
「しないしない。単に観賞用に欲しいだけだから」
園子はヤカンのお湯をザルに落として中からピアスを取り出した。
博士は園子が持ったピアスを見ると飲んでいたお茶でむせた。
「……南京錠?」
「が小さくなったタイプね。」
園子は自慢げに鼻をならした。
「初ピアスにしてはいかめしくないか?」
博士が眉をひそめる。
「最初にハードルを高くしておいた方がいいじゃない。」
園子は自信満々といった様子で答えた。
博士はそれも一理あると思った。
「まあ、ピアスなんて穴さえ開いておればデザインは後で選べるからな」
「そそっ。これとは違うのよ」
園子は腰に手を当てる。
「そう言えば夏休みになったら更に彫るって話しておったがどうなったんじゃ?」
「へえ、気になるんだ」
「好奇心をくすぐる話題なのは確かじゃな」
園子は博士の前に回るとバスローブのから腕を抜く。
引っ掛かりを失ったバスローブは自重で踝まで落ちた。
「ほぅ」
博士は思わず感嘆の声を漏らす。園子は鼠径部をぐるりと刺青が一周している。
「もっと派手にやるかと思っておったが」
博士は刺青をなぞる。
「あんまりやると親にバレるからね」
「なんじゃ、まだ秘密にしておるのか」
「当たり前じゃない。こんな体見たら勘当されちゃう」
「なら、やらなければ良かったんじゃ」
「いいの! ストレス発散になるし。何よりセックスが盛り上がるから」
「…そうかね」
博士は呆れた様子でため息を吐いた。
「それじゃ、レッツゴー!」
園子は博士の手を取ると自分らの部屋に引っ張っていく。博士はのろのろと立ち上がるがズボンには逸物がテントを張っていた。
――――
博士たちが女子部屋に入ると手前のベッドに灰原と歩美は一緒に横になっていた。歩美が息をひそめているのがわかる。おそらく灰原も起きているのだろうが今はターゲットではないので博士は二人を素通りして二人と同じように息をひそめている蘭にのそのそと近寄る。
園子は女子部屋の前で待機している。今回のピアスは博士の独断としたかったからだ。二人の友情はまだ利用価値がある。
「蘭くん、起きておるかね?」
「…」
ベッドサイドに座った博士は蘭に声を掛ける。しかし、蘭は博士に背を向けたまま動かない。
「寝ておるか。ならば、おっ?」
反応の無い蘭を仰向けにしようと博士が蘭の脇に後ろから手を入れた瞬間に彼女の脇が締められる。手を脇に挟まれた博士はとりあえず一度引き抜いた。
「なんじゃ、起きとったか」
「…」
蘭の反応は無い。
博士は気にする様子も無く蘭に跨がる。そして彼女の手首を取るとそのまま仰向けに開かせる。
下手に抵抗すると状況が悪くなると解っていたのか蘭の抵抗はほとんど無い。暴れる様子もなく、仰向けにされた蘭は博士を小さく睨む。
「なんです?」
「いや、別に」
蘭の冷たい声に博士は目をそらす。
「なら退いて下さい。私、今日博士のせいで疲れたんです。」
蘭はそう言うと横を向こうと体を捻る。博士はあわてて腰を落として蘭が横を向けないように密着した。
「まだ用ですか?」
蘭は再び冷たい声を上げる。しかし、今度は構えていた博士はたじろがなかった。
「ま、用件を聞く前に一杯飲まんかね。そんなに気を立てておったら疲れるじゃろ?」
博士はスポーツドリンクを差し出す。
「博士」
蘭が非難の目を博士に向ける。それでも飲まないという選択肢は無いのかスポーツドリンクを受け取るとごくごくと喉を鳴らしてドリンクを空にした。
「そんなに一気に飲まなくても良かったんじゃがな」
「一気に飲んだら倒れられるかもしれないじゃないですか」
「そんなことを考えておったのか」
博士は蘭の短絡的な思考に驚く。
「まあ、これくらいの量なら深い眠りにつくのがせいぜいなんじゃが」
蘭の顔がわずかに悔しそうにする。
「当たり前じゃないか。ワシは君をセフレにしたいのであって、壊したいわけではないよ」
博士は手に持っていた小さな南京錠とピアッサーがプリントされた紙箱を蘭に差し出す。
「これを着けてくれんか? やっとさっき見つけてな。熱湯殺菌してたら遅くなってしまったよ」
「…まさか、ピアスですか?」
蘭が口を開く。
「正解」
「…校則違反です」
「バレなきゃ平気じゃろ?」
「耳なんてすぐにバレ…まさか」
蘭の表情が固まる。
「蘭くんは察しが良くて助かる。そうじゃよ。ココに着けるんじゃよ」
博士は薄いトレーナーにうっすらと乳首が浮いていた蘭の乳首に合わせる。
「バカじゃないですか!?」
声から感情を消していた蘭の声に怒気が混じる。
「やりたくないなら構わんよ。代わりに歩美ちゃんと哀くんにやってもらうから。無理強いはせんよ」
「ちょっと待って!」
立ち上がる博士のズボンを蘭は掴む。
「何かね? ワシは忙しいんじゃよ」
「二人も乳首にするんですか?」
「残念じゃが二人とも乳首に穴が開けられるほどに発達しておらんからな。クリかビラか、出来る場所は限られておる」
「…かわいそうですよ!」
「君が着ければ二人はやらなくていいんじゃが?」
「………………着けます」
「じゃあ、上着を捲ってくれるかな?」
「……はい」
蘭はトレーナーを脱ごうとする。
「脱がんでいいよ」
博士はシャツで顔が見えなくなった蘭の手首を掴むとシャツの端を握っていた蘭の手を離させる。シャツで顔を隠されたままだったが蘭は下げようとはしなかった。
博士は構わずに蘭のキャミソールをずらし上げる。蘭はブラはしておらず、シャツを捲り上げられた反動で引き締まった胸が揺れた。
「前から思っておったが、蘭くんって筋肉で判断し辛いがマシュマロおっぱいじゃよな?」
「……」
「夏は部活で筋肉に邪魔されておったが、今年は引退で鍛える必要がなくなったからいい感じに女性らしい肉好きになっておる。いや、国体があるから完全には引退しておらんのか」
「……」
シャツで顔を隠している上、声にも反応しないので博士は蘭の感情を掴めなかったが、あまり気にした様子もなく博士は蘭のマシュマロおっぱいを握り潰したり、乳首をつね上げては放しを繰り返していた。
ほどなく蘭の乳首の高さが倍以上に隆起する。
「さて始めるか」
博士は先端に穴が開けられたピアス用のピンセットで蘭の乳首を摘まむ。蘭はこれまでの博士の指とは違う感触に気後れしているのか体に力が入っている。
「そんなに緊張することはない。痛いのは一瞬じゃよ。たぶん。痛いのは慣れておるだろ?」
返ってくる言葉は無いがシャツを被る蘭の息が深くなるのがわかり、博士はピアッサーの針を箱から抜く。
薬が効いてきているのか蘭の体はぐにゅりと力が抜けていた。手の力が入らないのか空いている両手を左右に投げていた。
「どこにしようか?」
博士は針をちょんちょんと乳首の腹にずらして当てていく。針が刺さることはないかったが、表面の皮膚に引っ掛かっる度に蘭は肩を小さく震わせた。
「よし、ここにしようか」
博士は針を刺さらない程度に乳首にめり込ませる。
「覚悟はいいかね、蘭くん」
「……勝手にすればいいじゃない……」
蘭は博士の言葉に吐き捨てるような返事をする。
「それじゃ、遠慮なく」
博士が針を刺した瞬間に蘭の口からくぐもった声が漏れた。博士が見ると首の筋を浮かせていた。
「痛かったかね」
「……全然」
蘭の言葉には余裕があった。事実、彼女は針が貫通した後は力が抜けて、大きく息を吐いていた。
「その調子なら、もうひとつも余裕そうじゃな」
博士は乳首を貫通していた針からピンセットを外す。そしてピアッサーの箱から針をもう一本取り出すと何の声かけもなしでおもむろに針で乳首を貫いていく。
今度はさっきのように一気に貫通させることはせずに乳首を中程まで刺し貫くとピンセットを離した。
「ヴッ、ヴンッ」
乳首の痛覚の少なさから絶叫することはなかったが、貫通していない針はだらりと垂れている。
かえって視認なくて良かったのかもしれないと博士は思った。彼女の太くなった乳首からは血が滲み出ている。
針が貫通した乳首からに比べると赤の比率が高い。20ccも血液は流れていないだろうが赤く染まった胸部は自分のものだと理解した瞬間に混乱することは想像に難くない。
博士は貫通していない針をゆっくりと刺し穿っていく。ピンセットで固定していない乳首がぐにゅりと針が進行方向にしなるが、博士は構わず刺し進めて針の先端が顔を覗かせる。博士は針を進める。
針がしっかりと貫通したのを確かめて博士は手を離す。博士に支えがなくとも針はしっかりと乳首を横に貫き呼吸に合わせて上下していた。
「さて、それじゃメインといこうか」
博士は人差し指と中指で蘭の体の上を歩いていく。
鳩尾を歩き、臍の下を抜けてざらざらの股の上に博士の指が乗る。
「さてと。素人の腕にクリピアスは危ないから」
「ちょっ、ッと」
博士にクリトリスを摘ままれた蘭は慌てた様子でシャツに手を伸ばした。シャツから顔を出そうとしたのだろうが勢い余って顔に腕をぶつける。
「~~?!」
予想外だったのだろう衝撃に蘭はシャツの上から顔を抑える。
「あーあ、無茶するから。君の体は大分麻痺しておるみたいじゃし。おそらく相当眠たいはずじゃ。無理する必要はないぞ。素直に眠ってしまったらどうかね。起きたら全てが終わっておるぞ」
「嫌です。どうなるかもわからないのに」
「そうか。ならいいが」
「それよりも離してください。結構痛いんですけど」
「あ、すまんな。思わずかたまっておった。」
クリトリスを摘まんでいた指の力を博士は緩める。摘まみ上げられていたクリトリスは指から離れた。その代わりに蘭のピンクの小陰唇を博士は伸ばす。
「え?」
「そい♪」
「?!?!?!」
博士が小陰唇を針で刺し貫く。蘭の体が跳ね上がる。
「い、痛いっ」
「当たり前じゃないか。体でも有数の敏感な場所なんじゃから」
博士は針を抜くと南京錠ピアスをあてがうが、針を抜かれた小陰唇からは血が溢れているのを見て博士は近くにあったティッシュをあてる。
博士は立ち上がるとバタバタと部屋を後にする。五分ほどして戻ってきた博士の手には氷の入ったガラスコップが握られていた。そしてコップから氷を一つ取ると蘭の股間に山積みされているティッシュの上に置いた。
ティッシュの嵩が氷の水分を吸って低くなる。博士は蘭のクリトリスから血が流れなくなるまで押し付けていた。蘭も博士の手を振り払う様子はなく、静かに博士の手当てを受けている。
ティッシュを三回変えた段階で血が止まっているのを確かめた博士は蘭の股下に山積みされたティッシュをベッドの橋に置く。あてがっていた氷は溶けきり二つ目を投入するかまよったが、彼女のクリトリスから血の気が引いているのを見て必要ないと判断する。
博士は再び南京錠ピアスを蘭の小陰唇に当てる。南京錠ピアスはフックは細いが、開けた穴よりも少しばかり太い。
博士は針の入っていた箱を手に取る。ピアっサーがプリントされている見回すが外箱は針の情報を書いてない。
「まあ、いいわい。」
博士はそう言うと、クリトリスに刺さっている針と南京錠のフックを入れ替える。
博士の見立て通り針のサイズはフックよりも細く、入れ替えに手間取るがなんとかフックを通すことが出来た。
その間、蘭からの抵抗が無かった博士は彼女の顔を隠していたシャツを下ろす。
「ありゃ」
蘭はすやすやと寝息を立てていた。
「今日はこれくらいかな」
博士は南京錠の鍵を掛ける。そして、蘭の枕元にあったスマートフォンを手に取る。画面をタップすると鍵は掛かっていなかった。
蘭のスマートフォンで博士は彼女を記録していく。フラッシュが彼女の身体を照らし、同時にカシャッと機械的なシャッター音が鳴り響く。
彼女の正面から。側面から。下から舐めるように。ピアスだけを接写。20枚に届きそうな枚数を写真に収めてやっと博士は一息つく。
そして自分のスマホに送ろうと蘭のアドレス帳を開くが、そこに博士の名前が無かった。
仕方なく博士は自分のスマートフォンのアドレスを手で打ち、写真をメールに添付して複数回に分けて送信する。
「気付いてくれるかな?」
博士は蘭の最後の送信記録が二月前であるのを見ながら呟く。