最近の博士のマイブームに灰原の下着選びが加わった。これは灰原が下着を着ないという予想外の行動に出たからだった。
「博士、これは?」
灰原が紐を片手に博士に尋ねる。
「下着じゃよ。ブラはまだ必要ないみたいじゃが。」
「そうじゃなくて、私が聞きたいのは最近の博士の嗜好よ。なんだか最近紐意外の下着を見てないのよね、私の下着。」
「そりゃそうじゃろう。紐以外全部捨てたし。」
紐パンツを手慰みにしていた灰原の動きが止まる。
「下着は着けなければいかんよ。乙女がノーパンなんて品性が問われるぞ。しかし、下着がストレスになる哀くんは穿いてくれん。ならばストレスを最小限に抑えようという親心じゃよ。」
博士は灰原から紐パンツを取り上げると両手で開きながら答えた。
「詭弁にもなってないわね。」
そう言いながらも灰原は博士の広げたパンツに足を通す。風呂で温まった体も既に冷え始めている。
「ま、率直に言えば趣味かのう。」
「頭に「悪」が抜けてるわよ。」
「ワシは哀くんの下着姿を見て満足。哀くんも下着選びをしなくて良いからWIN-WINじゃ。」
博士は空いた両手でピースを作る。
「本気で言ってる?」
灰原は穿いたパンツを調整しながら不機嫌な声で博士に尋ねる。
「冗談じゃよ。哀くんがセクシーランジェリーに慣れてくれたら本望じゃが、自立した女性じゃから厳しかろうて。それに最近は着せ替え人形みたいで楽しめておるしな。」
「紐の色が違うだけじゃない。」
灰原は自身が穿いている紐を軽く引っ張る。僅かにある布地と糸は白だった。昨日は青だったので、
「明日は赤かしら?」
「トリコロールか。決まりじゃな。」
博士は灰原は冗談を気に入ったようで大きな笑み浮かべた。
「ねえ、博士。一人で盛り上がってるのは構わないけどいい加減服を着たら?目の前でブランブランされたらなんか釈然しないわ。」
「いや、結局は脱ぐから同じかと思って。」
「…お風呂入った意味が無いわね。」
灰原が今日二回目だった。一度目は風呂上がりにそのままベッドに連れ込まれた。
「哀くんは寝てても構わんぞ。何ならコレ使うか?」
博士は右腕の手首の上で左手で何かを挟むようなジェスチャーをする。
「それって一つしか無いんじゃなかったかしら?」
「丁度改良を新一に頼まれておってな。睡眠姦というのも少し興味があるし。」
「絶対に嫌。」
灰原は洗濯篭に入れていたパジャマを着るとそのまま浴室から出ていった。
「そうじゃろうな。仮にも途中まで感じておるから気絶しても具合がいいのであって、最初から気を失っておったらお互いに明日は朝から悶絶する可能性があるし、もう少し哀くんが大きくなるまでの楽しみに取っておくとしようかな。」
博士は呟いたが、割と心配していない自分がいるのに気付くと好奇心に勝てなかった。