12月04日(日)「朝の卵」
「ふあぁ」
目が覚めた博士はあくびをしながら身体を伸ばした。
時計を見るとまだ短針が六の数字を跨いでおらず、窓にカーテンをした室内はほぼ真っ暗だった。
博士はベッドから降りて、記憶を頼りに照明のスイッチを目指す。ベッドの頭元にも小さなランプはあるが、天井の照明を点けたら消す事になるのでわざわざ手間を増やすつもりもなかった。
空調が利いた室内は暑いくらいの気温を保ち、博士の服は汗を吸って色を濃くしていた。
博士は壁に埋め込んだスイッチに手を掛ける。LEDの照明が灯り室内が明るくなった。
「……ぅあ、」
その光で浴びた歩美は目を細める。広いワンルームの中央でストレッチャーに裸で乗せられ、両手足と首と腹部にベルトを巻かれている。
博士は歩美の手を引き、彼女をソファに座らせると浴室からプラスチックの桶を持ってきて彼女の前のテーブルに乗せた。
「というわけで、ここに出してくれるかい?卵」
目の前に桶が持ってこられた段階で博士の次の言葉を予測出来たらしい歩美が弱々しく博士を見ている。
いつもならこれにチューブが加わる事が多いが今日は身体を固定されている以外の道具が使われている形跡はない。
「おはよう、歩美ちゃん」
その声に歩美は肩を震わせて頭をもたげた。
眠気が抜けずにあくび混じりに挨拶をした博士はそのまま台所に足を伸ばす。
「ふぅ」
顔を洗った博士はタオルで水気を拭きながら歩美に近寄ると様子を確かめる。
彼女の隣にあるバイタルモニターに表示されている脈拍は90を超えている。同じく表示されている血圧は起きたばかりにも関わらず110を超えていた。
「そんなに緊張せんでもいいよ。今日はそんなに無茶な事はしないから」
「嘘っ。それ、何?」
歩美は端からまともな事をされるとは思っていなかったようで、刺々しい口調で聞き返す。
「まあ、今日のメイン、みたいな?」
そう言うと博士は台所に戻り、コンロの上の小さな寸胴鍋の蓋を開いた。
「よく出来とる」
鍋から煮卵を穴杓子で掬った博士は出来映えに満足そうにしている。
淡いピンクに染まった卵が光に当たる。
「まったくAI様々じゃわい。寝る前に火を点けておいたら後は自動でいいんじゃから」
感想を口にしながら博士は歩美の所まで戻ると小さなボウルに入れた卵を見せる。
「どうかな?」
「どうって、変な色」
博士のあまりにも平坦な口調に釣られたのか、歩美も珍しく素直な感想を口にする。
「まあ殻に色は着くのは当たり前だから時に何も思わん。問題は中身じゃ」
博士が殻を剥くと中から真っ白の文字通りの卵肌が顔を出した。
「うーん、失敗か。やはり食紅をもっと入れないと中まで色は着かんか」
剥いた卵を食べながら博士は失敗の原因と思われる事をメモしていく。
「博士?」
放置されていた歩美が博士に声を掛ける。
「ああ、スマンスマン。君も食べるかい?」
博士は剥いた卵を歩美の口の前に翳した。
歩美は頭を横に振る。
「そう言わずに。結構旨いよ?冷めてるけど」
尚も歩美は頭を横に振る。
「そうか。ならば仕方ない」
言葉とは裏腹に博士の口角が上がった。
「食べるならするつもりはなかったんだがなぁ」
如何にも「こんなつもりはなかったんだけど」といったふうに言う博士の手が歩美腹部を拘束するベルトを掴んだ。
ベルトを緩めてストレッチャーの間にクッションを入れる。それだけでこれからの予想が着いたのか歩美の態度が急に変わった。
「やっぱり食べるっ」
「いいよ、無理しなくて。こっちもそれなら別の有意義な使い方をするから」
全部の卵を剥いた博士は歩美の膝を立てようとした。しかし歩美も膝を伸ばして抵抗し、結果として彼女の身体はクッションを支点にして弓なりに反っている。
「じゃあ、それでもいいよ」
博士は卵を掴むと歩美のアナルにあてがったが、歩美もきゅっとアナルを締めた。臀肉が引き締まり、丸かったお尻が空気の抜けたボールみたいな形に変わる。
「力を抜いて」
「嫌っ」
諭すような口調をしながら卵でアナルをつつく博士を歩美ははっきりと拒絶した。
「そうかい」
博士は卵を押す力を強くすると、ゆっくりとアナルの中に卵が吸い込まれていく。
「何でっ?」
歩美の焦るような声が響く。
「これまで散々遊ばれてきたんじゃ。アナルが柔らかくなってても何の不思議もあるまい?」
声と共に卵がアナルの中に消えた。
異物感が嫌なのかさっきまで尻の形が変わるほどアナルを絞めていた歩美は膝を曲げて卵を外に出そうと気張った。
難なく卵が半分近く顔を出す。
しかし、あと少しで外に飛び出しそうな所で博士は卵を押し戻した。
「これこれ、まだ途中だというのに何を勝手に排出しておる」
「だって」
「言い訳しない。歩美ちゃんが素直に食べると言っていれば良かったんじゃ」
二つ目の卵を歩美のアナルに入れる。
「ごめんなさいっ。もうしないからっ。謝るからっ」
「なにをかね?別に君は悪いことをしたわけじゃないし。単に煮卵を食べないと意志表示しただけじゃないか」
二つ目の卵がアナルに入った歩美の恥丘をなぞる博士のもう片方の手には三つ目の卵が握られている。
それまでの鶏卵に比べると倍近くあり、形もより楕円の形をしている。他の卵と同じようにピンク色をしているが、鶏とは別の種の卵なのは歴然だった。
「なに、それ?」
歩美に指摘されて博士は卵を彼女に見えるように持ち直した。
「見るのは初めてかな?これはワニの卵じゃよ。昨日、知り合いから送られて来てな。どこにもひびが無かったし、丁度いいから一緒に煮たんじゃよ。立派に煮卵になるもんじゃなぁ」
博士はワニの卵を歩美のアナルに入れる。鶏卵に比べて細長いワニの卵はスムーズにアナルに吸い込まれていくが、半分あまりが呑み込まれた段階でそれ以上動かなくなる。
「痛いっ。もう入んないよぉ」
「ふむ」
博士はワニの卵をアナルから離し、しばらく考えていた。
「仕方ない」
結論として博士は歩美のアナルから卵を一つ出した。
腸液にまみれた卵は光に照らされ白い肌がより輝いている。
博士は容量の空きが出来たアナルにワニの卵を挿入していく。
抵抗する気力を失ったのか歩美は膝を立てて博士に協力している。
「どうかね?」
「どうって」
「痛いとか、気持ち悪いとかあるじゃろ?」
「……トイレに行きたい」
言葉を選ぶように歩美は時間を置いて答えた。
「もうちょっと悲観的になってもいいのに」
博士は自分が思っていた言葉が聞けなかったことに残念そうにしながら歩美を拘束しているベルトを外していく。
拘束を解かれた歩美は体を起こすと、卵の場所を確かめるように腹部に手を当てる。
「それじゃあ降りてくれるかい」
博士は腹部を擦っている歩美を促すように彼女の手を取り、ストレッチャーから降りるように促した。
歩美は片方ずつ慎重に床に足を着けると博士の顔を見上げた。手を繋がれていて離れられない。
「放して!」
「そんなすぐに出してしまっては勿体ないじゃないか。自然と出したくなるまで待つんじゃ」
振り払おうと手を動かす歩美の手首をがっちりと掴んだ博士はそのままベッドの方に手を引いていき、ベッドの上に歩美を放り投げた。
ベッドのスプリングが軋む。
「卵が排泄されるまで時間はあまり無いだろうからな。サクサクいくぞ」
博士は歩美の足を開き、早々に膣に逸物を挿入する。
「嘘つきぃ!」
「何がかね?もしかして無茶しないって言ったことかな?」
両手を交差させて顔を覆っている歩美が頷いた。
強行策は博士がより苦痛のある手段を取ると学習しているのか泣き落としに出たらしい。
嗚咽を漏らし、肩を震わせる姿はいかにもレイプの被害者に見えた。
が、
「嘘泣きは感心せんな」
そう言うと博士は顔を覆っている手をどかして歩美の顔を確認する。
確かに目に涙を浮かべてはいるが、その顔は綺麗なままだ。
「今さらこんなことくらいで君が泣くはず無いだろう」
博士の手を放そうと腕を動かす歩美を嘲笑うように博士は力ずくで動きを止める。
歩美の両手は圧倒的な力の差に頭の上にやられてしまった。
嘘泣きを看破された歩美はさっきまでとは一変して静かになっている。
虚ろな様子は博士は知るよしも無かったが男を取らされた時に見せる心を閉ざした証だった。
「いやぁ、卵のおかげでナカが狭くなっていい感じじゃ」
歩美に覆い被さり逸物を動かす博士はわざとらしく声を大きく、はっきりとさせた。
人形のように逸物に突き上げられる反動以外に歩美に動きはない。
「園子くんの言ってた通りマグロになるのぅ。しかし」
「あ゛っ!」
博士は逸物で歩美のGスポットをえぐると、虚ろにしていた瞳孔に光が戻る。拳を作り懸命に反応を抑えようとしているが、逸物に衝かれる度に声を上げる。
「あっ、あっ、あ゛っ」
「ほう、本当に開発されているみたいじゃな。最初の一回以外は普通に衝いてるつもりじゃが、いい感じに声を出してくれてるし」
歩美の腰を両手で押さえている博士は大きく腰をグラインドさせて逸物で膣内を蹂躙していく。
「二本差しとGスポット責めで一発と聞いて半信半疑だったが、どうやら本当だったみたいじゃな」
逸物が膣を衝くと歩美はおもちゃのような律儀さで毎回絞ったような嬌声を上げている。それが楽だからそうしているのか、それともそうなってしまうのかは解らない。
どちらにしても関係ない博士は力任せに逸物を動かした。
「あっ、待って、あっ、待って」
嬌声の間を縫って歩美が声を上げる。
「どうしのかね?」
「もう、っ、すっ、こしっ、やさしっ、ぐっ」
最後の方は博士が逸物で子宮を力一杯突き上げたせいか言葉が濁った。
「それは無理じゃ。せっかく歩美ちゃんのかわいい姿が見れているのに、またさっきの人形みたいな君を抱くなんて」
「ちゃんとっ、するっ、かっ、らっ」
「本当に?」
博士の問いに歩美が頷いた。ような気がする。博士に衝かれているせいで首が揺れていてどれが彼女の意思のか判然としないのだ。
「まあよかろう」
腰の動きを止めた博士は歩美の上体を起こし、対面座位の格好になる。
さっきまで声を上げさせられていた歩美は耳まで真っ赤にしていた。
「それで、君が言うちゃんとというのはどういうことをしてくれるのかな?」
「はあ、はあ、んっ」
息が整って来た歩美が博士の肩を掴んで引き寄せる。博士の顔が近づくと自分から唇を重ねた。
まだ肩で息をしている歩美の息は熱い。湿った呼吸が博士の口内を満たす。
歩美は舌を博士のに絡ませ、涎を博士の口内に移す。その過程で博士の口回りは涎まみれになった。
「ほうほう。これはなかなか」
舌なめずりした博士が肩に置かれた歩美の手を取った。
そのまま後ろに倒れ、騎乗位に変わる。
「じゃあこれがどういう意味かも知っておるな」
「……うん」
返事をした歩美が腰を振り始める。手を取られているせいで博士の腹に手を着く事も出来ず、足を伸ばそうとすれば手を引かれて阻止されてしまい逸物に衝かれた反動だけで身体を動かさなくてならなかった。 博士も腰が浮いたタイミングで少しだけ手を押して手伝っていたが、歩美の肘は曲がっていてどれ程の効果も無さそうだった。
「ふぅっ、ふぅっ」
呼吸が落ち着いてきた歩美はそれまでの嬌声とは違うマラソンランナーのような合理的な息の吐き方をしている。小さな身体を余すところなく使い腰を上下させていた。
「よしっ、イくぞっ」
手を引いて歩美を抱き締めた博士が彼女の膣内に精液を放出する。
歩美は一瞬目を細めるが博士の腕の中で静かにしていた。
10秒としない射精が終わり、博士は歩美の脇に手を入れて彼女を隣に寝かせた。
何の感慨もなさそうに天井を見ている歩美の指がピクリと動く。
ベッドから降りて早足でトイレに向かう。
開かれたドアがパタンと音を立てて閉じられた。
軽い足取りで博士もトイレに向かうと、勢いよくドアを開いた。
鍵のついていないドアは施錠が出来ず、前傾姿勢で両手を伸ばしてドアを引っ張っていたらしく、開かれた反動で歩美が膝を曲げてトイレから千鳥足で出てきた。
明らかに怯えた目で歩美は博士を上目遣い気味に見ている。
「よく考えたらトイレに卵を直接流してしまったら詰まるんじゃないかと思ってな」
博士は歩美をソファーの所まで連れてくると、途中で回収したボウルをソファーの前のテーブルに置いた。
「っ、何?」
「惚けてもやることは変わらんぞ」
博士はテーブルに歩美をボウルを跨ぐように立たせて、膝裏を軽く叩いて膝を曲げるように指示する。
「ここでするんじゃ」
「……いや」
博士が興味深そうに歩美をみた。それは動物実験の結果で予想外に良い数値を目にしたような驚きと嬉しさが入り交じった目だった。
「そうかそうか。しかし、そうはいかん。最初から君にはワシの目の前で卵を出してもらうつもりだったからね」
「なんで……」
テーブルの上に立っている事に加えて膝をがっちりと掴まれている歩美が博士を見下ろす。
「そちらの方が愉しいからじゃよ。他に理由が必要かい?」
博士は答えようとせず目を潤ませて見下ろしてくる歩美を屈ませる。
わずかに呻いた歩美のアナルから卵が一つボウルに落ちた。
「産卵おめでとう」
博士は産まれた卵を手に悪戯っぽく言ったが歩美はもう一つの卵も出すつもりなのか、中腰で気張る体勢を変えない。
「ん゛ーっ」
首を伸ばして膝に手を乗せている。時々頭を上下させたり、膝を曲げたままその場で足踏みをしていた。
「……出ない」
「出そうな感じはあるのかね?」
歩美がポツリと口にした言葉に博士は質問する。
「お腹の奥にある感じはあるよ」
どうにかして卵を排除したいのか歩美が素直に答えた。
「そうかい。それじゃあテーブルに寝てくれるかな? お腹をマッサージしてあげよう」
歩美がゆっくりとテーブルに仰向けに横になる。
博士はソファに座り、歩美の下腹部に指を少しずつめり込ませる。
触診で判る範囲には卵は無さそうだった。博士は手を離す。
「奥の方には無いみたいじゃ。たぶん肛門近くまで来てるだろうから時間が経てば勝手に身体が出そうとするさ」
歩美の身体を起こし、さっきまで博士に押されていた場所をなぞる。
「それじゃあ、朝食にしようか」
「え?」
「何を驚く? 朝御飯まだなんだから当然じゃないか。それとも食べないのかね?」
意外そうに声を上げた歩美に博士が質問すると彼女は首を横に振った
「そうじゃないけど……これで終わり?」
「そうなるかな。今日はこれをやりたかっただけで他には計画してなかったし」
博士は歩美が産んだ卵を撫でた。
「そっ、そうなんだ」
たじろぐように歩美が身体を反らした。
「じゃあ歩美、裸にされる必要無かった?」
「いや、あったさ。慣れるためにね」
「慣れる?」
頭にクエスチョンマークを浮かべる歩美を見ながら博士は不気味な笑みを浮かべる。
「いい加減外してくれない?」
博士の寝ていたベッドの隣のベッドに手足を伸ばす格好で鎖に繋がれた灰原が天井を見たまま声を上げた。