ネットカフェを出て階段を降りた男は横殴りのような空っ風に身体を小さくした。コートに守られていない顔や手が寒い。
雲の少ない空は日差しが暖かいが、吹いている風は身体を芯から冷やす。季節相応だとしても早く場所を変えたい。
目の前の道路も通行している車はいつもの二割程度だろうか。タクシーの姿が目立って見えるのは、それ以外の車が極端に減っているからだろう。正月から働く人間は限られる。
視線を180度回転させて降りてきた階段に目を向けた。一緒にカフェから出ると店員から怪しまれると言われたので、先に退店して外で待っている。
数分して三人の少女が降りてきた。一人はソノコだったが、後の二人は知らない少女で、よくよく記憶を辿ると共有エリアに見た少女たちだった。
「その子たちは?」
「連れて行きます」
ソノコはそう言うと携帯を取りだして歩き出した。画面には目的地までの道程が表示されているらしく、時々視線を下げて誤っていないかを確認している。やはりこの辺りの人間ではないようだ。
着いていくだけなので男はソノコの横を歩く少女たちに目を向ける。二人ともソノコよりも遥かに幼く、似てなさから姉妹や親戚というのは考え難い。ソノコが道側を歩いて年下に気を配る様子は見ていて気持ちがいい。
一人はソノコと手を繋いで不安げにチラチラとこちらを盗み見ている。カチューシャで前髪を上げた姿が可愛らしい。
もう一人はウェーブをかけた髪を靡かせて歩く姿が印象的な子で、話してもいないのにクールな性格なことがなんとなくわかった。歩道が狭いのて歩美に道を譲っている姿からして優しくもあるのかもしれない。
15分ほど歩き、壁面に各階の看板があるやや細長い雑居ビルに入る。床にはタバコの吸殻がある。あまり行儀のいいテナントは入っていなさそうだ。
三階のカラオケ店のでエレベーターから降りる。フロアの中央を廊下が走り、その左右にドアがあった。
「あの」
エレベーターのすぐそばのカウンターに座っていた男に声を掛けたソノコが携帯を差し出した。それを見た従業員らしい男が舌打ちをして部屋の番号を教える。男は体格がよく、何か格闘技をしているのか耳が膨らんでいた。
ソノコの案内でフロアを進む。利用されているのは奥の方の二部屋だけだった。
収容グループ数を稼ぐ為かカラオケルームは奥に長く、横幅が狭い。機械類は奥にあり、それと垂直に四人掛けのL字型の長椅子と、それに対応するようにテーブルが配置されている。窓のない室内は暗く、すりガラスのドアを抜けた光だけが入り口辺りを明るくしていた。
照明を点けてエアコンの電源を入れる。蘭たちを長椅子の長辺に座らせ、自分はそれと垂直になる短辺に座った。
「歌う?」
黙っているのも気まずいので取り繕うように話し掛け、カラオケのコントロールパネルをソノコの前のテーブルに置いた。意外と防音に気を遣っているのか、メロディー漏れて聞こえてはこない。
俯いていたソノコが僅かに頭を上げた。固い表情を崩れない。
ふと、カチューシャの少女がラミネート加工されたサイドメニュー表に目を向けたことに気が付いた。
下を向いていた顔が上がっただけかもしれないが。
メニュー表をカチューシャの少女に差し出す。
「何か頼む?」
メニュー表を受け取ったカチューシャの少女が隣のウェーブ髪の少女に尋ねるような視線を向ける。
ウェーブ髪の少女が頷くとメニュー表を開いた。
「じゃあ、これ」
小さな指がグラタンを指した。
「二人は?」
残る二人はブラックコーヒーを選ぶ。飲みたかったというよりもカチューシャの少女に気を使ったのだろう。
カチューシャの少女に飲み物は、と尋ねるとオレンジジュースという答えが返ってきた。
内線で注文を伝えると、おそらく受付にいた男がぶっきらぼうな返事をして電話を切った。あまりの態度の悪さに受話器を見ながら閉口してしまう。店員の質が悪い。
だからと言ってむざむざと寒空の下に戻る気にも、ようやく暖かくなってきた部屋から出る気にもならない。顔を合わせるとしてもごく短時間の相手に気を立てるのも莫迦らしい。
ソノコは立ち上がると部屋から出ていく。残された二人の少女と何を話せばいいのか解らない。連れてきた当人に席を外されるのは非常に困る。
そんなカラオケルームにあるまじき時間が1分ほど続いた頃だった。ソノコが座っていた場所にカチューシャの少女が座った。いや、ソノコよりもこちら側、腕に寄り掛かってきた。
とりあえずこちらからは動かずに静観の構えを取る。彼女たちがソノコと同じだとは限らないのだから。それに、手を出すには彼女たちの身体は少々リスクが大きい。
そう考える一方で、この機会を逃すのは惜しいと囁いている自分がいた。これほどに可愛く幼い子に手を出せることは今後皆無と言っていい。だからこそ迷っている。ソノコからはまだ時間があるのかという質問とこの少女たちを連れていくとの言葉しか聞いていない。
カチューシャの少々の手が股間に伸びてくる。慣れた動きでファスナーを下ろし、下着越しに逸物を撫でた。
「出して」
黙っていたウェーブ髪の少女が口を開いた。
逸物のことなのはすぐに解ったが、いつあの態度の悪い従業員が来るかわからない。最悪のタイミングでやってくる可能性もある。
それをウェーブ髪の少女に伝えると、
「平気よ。あの子が足止めしておいてくれるから」
と、カチューシャの少女の方、正確にはそこに座っていたソノコをを目で差しながら言った。
少女たちはヤル気満々みたいなので、こちらが渋る理由もない。しかし、事に及ぶ前にこれだけは聞いておきたい。
「ところで、君たちの名前を聞いてもいい?」
「…私はアイコ。その子はアユ」
ウェーブ髪の少女改めアイコが、カチューシャの少女改めアユを指差した。
「よろしくね、アユちゃん」
「…うん」
ソノコと同じく偽名だろう。それでも、わずかに名前を呼ぶことで心の距離が縮まるような気がした。
「それで、アユちゃんがしてくれるってことでいいのかな?」
俯き気味にしていたアユは頷いた。
下着をずらして露出させた逸物をアユが握り、ゆるゆるとマッサージするように逸物を上下に擦る。テクニックもそうだが、逸物を握り切れていない指先が特に締め付けてきて性欲を昂らせる。
「んっ」
勃起しきった逸物をアユは躊躇なく咥えた。
恥垢を舐め取るように舌が逸物を撫でまわす。丁寧そのもので、まるで掃除をしているような動きだ。
感心しながら見ているとアユの頭が一層深く股間に沈む。鈴口に細い物が当たった。
陰毛が鼻息で揺れる。アユは身体全体で息をしている。
グボッ、グボッ、
アダルトビデオの女優のような動きで、わざとか疑ってしまうほどに音を立てて頭を上下させる。実際わざとなのだろう。
ソファに凭れてなすがままにされているとアイコが近寄ってきた。ソファのアユの反対側に膝立ちになり、こちらの肩に手を置くと、唇を合わせてきた。迷いのない動きに『ウリ』慣れているのが判った。
そしてそれは逸物をしゃぶるアユも同様だと察した。勿論、ソノコも。
ただ、三人にはそういった少女の多くにある男を金づるとして見ている感じがなかった。アイコからは冷めた視線を浴びているが、嘲っているというよりも、淡々と観察されているように感じた。。
口を開くとやはり年不相応な動きで舌を絡め取られる。唾液を舐め取ったかと思うと、自分の唾液をこちらに送ってくる。
逃げるように視線を下に向けると、アユの頭がリズムよく動いていた。忘れていたこと誤魔化すように意識が下半身に集中して、耐える間もなく射精してしまう。
アユが頭を引いた。鈴口を舌の先の方で刺激している。逸物の中に残っている精液を吸い取っているのが判った。
射精による脱力感がソノコの時よりも明らかに強い。年端のいかない少女に奉仕させるのがこれほどに背徳的で興奮することだとは予想外の発見だった。
思考が間延びする。今もアイコの舌が責めてきているが応えるのが億劫だ。
ふと、逸物から口を話したアユが目の前に立った。手を顎の下に置くと、泡立つ白濁液を手のひらの上に出した。まったく、充実したサービスだ。
「どうしたらいいと思う?」
「じゃあ飲んでくれる?」
アイコの質問に即答した。
アユはそうするのが正しいように勢いよく手と身体を傾け、精液を口の中に流し込んだ。
「ごちそうさまでした」
空いた手のひらをアユが見せてくる。
肩から手を離したアイコがアユに近づき唇を重ねた。
少女のディープキスは見ていて愉しい。それがディープキスとなれば尚更だ。
ひとしきりキスシーンを見せつけた二人の唇が離れると、二人ともこちらを向いて口を開いた。舌を浮かせた唾がわずかに濁っている。
二人は喉の動きがよく見えるように顔を傾けて、魚を呑む鵜のように唾を飲み下した。
ソファに寝そべり、下半身だけ服を脱がせたアユに逸物を跨いでしゃがませ、鼠径部に手を置いた。
「それじゃあ、挿入(い)れるよ」
「うん」
腰を落とさせる。ナカは吸い付くように狭い。それでも愛液が溢れたナカはぬるりと逸物を受け入れた。
鈴口が壁に当たる。アユの表情が一瞬固くなった。快楽的な窮屈さで逸物を離すまいと締め付ける。ワインボトルにコルク栓を詰め直しているような気分だ。
「あんっ」
逸物で身体を突き上げると、アユがあえぎ声を漏らす。予想通り、ここが弱点らしい。
「あんっ、あっ、んっ、ああっ」
腰が落ちてくる度に逸物で突き上げる。幼い身体が振り子のように前後に揺れる。しかし、規則的に反復する振り子とは違い、アユの身体の揺れる向きを決めるのは腰に添えられた男の手だ。
背を反らせつつも後ろに倒れさせない。自分の膝に置こうとしたアユの手を取り、彼女の腰と自分の手で挟みこんだ。
「ダメっ、放してっ、放してよっ」
「あと少しっ」
逸物を突き上げる腰の動きが大きくなる。
腰から手を離すと今度はアユの膝の裏に回す。
アユが腿に力を入れたのと膝裏を突き上げたのはほぼ同時だった。
「んんんっ」
アユのナカに射精する。最近ではなかなかないほどに大量の精液が放出されているのがわかる。
立ち上がられるのを避ける為に抱え上げた膝も今はもう下ろしている。
アユの頭は垂れ下がり、絶え絶えに肩で息をしている。髪は乱れてカチューシャがずれていた。少しハードにやりすぎたかもしれない。
アユに箱ごとティッシュを渡す。ティッシュを取ったアユは腰を少し上げて、精液が漏れないように逸物の栓を抜いたと同時に白の薄紙を腟に当てた。
「ほう」
その仕草に声が漏れる。
ティッシュをすぐさま当てるのは保持出来るだけの大きさが腟にないのか。それとも緩すぎて留めておけないのか。
ドアノブが回る。
身体から血の気が引くほど驚いて、目だけをドアに向けるのがやっとだったが、そこに映った光景に更に驚いた。
そこにはトレイを持った全裸のソノコの姿があった。