――戦争は終わった。海の底から突如現れ、人類に牙を剥いた深海棲艦。対するは第二次世界大戦期の艦船の力を身に纏いし娘達、艦娘。戦いは熾烈を極めたが、死闘の果てに人類は辛くも勝利を収める。役目を終えた艦娘達は普通の少女に戻り、平和になった世界の日々を謳歌するのであった。

終戦から数年後。これは、鎮守府解体後士官学校の教官となった元提督と、ある元艦娘の物語である。

Pixivに上げていたものを一部訂正しての掲載です。

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雷鳴る夜に

 今年の夏は、例年以上に暑くなるらしい――

 

 士官学校の帰り道、BGM代わりに流していたラジオでそんな事を言っていた。

なるほど、通りで今日の日中もあんなに暑かったわけだ。

冷房の効いた車内にいる今でこそ乾いてはいるが、着ていた服は汗でびしょ濡れだった。

 今日は帰ったらすぐにシャワーを浴びよう。

それで昨日の夕飯の残りを肴に一杯と洒落込もうじゃないか。

そんな事を考えてるうちに、我が家のアパートが見えてきた。

 

 ひとり暮らしのアパートの玄関から、仄かに明かりが洩れていた。

だが朝電気を消し忘れたとか、そういう理由があるわけではない。

自分の部屋に入るのだというのに一度呼吸を整えてから、玄関を開けた。

 

 「おかえりなさい司令官! 疲れたでしょ、もうすぐご飯炊けるわ! あ、それともシャワー先に浴びちゃう? 今日は暑かったものね!」

 

太陽の様な笑顔が、私を出迎えてくれた。

 

 「なんだ、今日も来ていたのか。いつも言っているだろう? 毎日は来なくてもいいぞ、と」

そう言いつつ私は持っていた鞄を彼女に手渡す。

彼女は少し不機嫌になりつつも鞄を受け取って、言った。

「だって司令官、家事全般全くしないんだもの」

「いや、普段は忙しくてやらないだけだ。休みの日になれば私だって……」

「うそつき。休みの日は休みの日で一日中寝てるじゃない! やっても洗濯ぐらいで掃除とか全然しないし」

ぐうの音も出ない。

「私はな、君のためを思って言っているんだぞ? 高校生の今しかできないことだってたくさんあるだろうに、こんな冴えない中年の世話なんか……」

世間体もあるしなぁと思っていると、とびきりの笑顔で彼女は言った。

「私は、司令官のお世話をしている時が一番楽しいの! だから……もーっと私に頼っていいのよ? 司令官!」

そんな彼女につられて、私も笑顔で告げるのだった。

「……全く、君には敵わないな、雷」

 

 ――駆逐艦、雷。

かつて私と共に深海棲艦と戦った艦娘の一人で、戦時中は秘書艦も務めてもらっていた。

そんな彼女も今や16歳。華の女子高生というやつだ。 

 

 「いつものスーパーで豚肉が安かったから冷しゃぶにしたの。ご飯のおかわりもあるからたっくさん食べてね!」

シャワーを浴び居間で缶ビール片手にくつろいでいると、雷が夕食を運んできた。

今日の夕食は冷しゃぶ、ほうれん草のおひたし、わかめと豆腐の味噌汁と昨晩残った肉じゃが。

ちなみに全て雷の手作りである。

「「いただきます」」

二人で行儀良く手を合わせる。

まずはおひたしを一口。うん、しっかりと汁が染み込んでで美味い。

次に冷しゃぶを一切れ摘み、ご飯と一緒に口に運ぶ。さっぱりしていて美味い。

最後に味噌汁を啜る。おふくろの味噌汁を思い出す味だ、美味い。

「うん、今日も美味いな」

結論、全部美味い。

「本当? よかった!」

そしてこの心底嬉しそうな笑顔である。

例え不味かろうと美味いと言ってしまう魔力が雷の笑顔にはあった。

まあ雷の料理の場合本当に美味いのだが。

「今日はね、電のクラスと合同で体育をやったの! それでね――」

 

 雷が今日あった事を楽しそうに話すのを聞きながら、夕食の時間は穏やかに過ぎていった。

 

 「洗い物までしてもらって……いつも悪いな」

夕食を終え、後片付けまでやってもらった私はお礼とばかりに雷を学生寮へと送っていく。

彼女がうちに通い始めてからの習慣だ。

「いいのよ、好きでやってることなんだし。それに私は司令官のお嫁さんなんだから!」

「それはあくまでカッコカリ、だろ」

「むぅ……」

助手席の雷は、あからさまに不機嫌な声を上げた。

 

 ――ケッコンカッコカリ。

戦時中に軍が開発した艦娘の限界を突破させるシステムの事を、指輪型のデバイスになぞらえてそう呼ぶ。

それに対する提督の反応も様々で、本当に艦娘と愛を育んだ者もいれば単に戦力強化の一部としか捉えていない者もいた。

ちなみに私はどちらかと言えば後者である。

秘書艦であった雷とはもちろん、限界を迎えた艦娘と片っ端からケッコンカッコカリしていた。

あの頃の私は誰も轟沈させまいと躍起になっていて――

「私は、本気なんだけどな……」

「ん? 何か言ったか?」

昔の事を思い出していた私の耳には雷のその呟きは届かず、気になって聞き返せば

「な、なんでもないわ!」

慌てて首を振る雷。

「そうか。――っと、着いたぞ」

寮の前に車を横付けし、後ろに積んであった荷物を取ってやる。

「ありがとう、司令官。おやすみなさい」

「こちらこそな。おやすみ」

手を振り笑顔で見送ってくれる雷。

その後バックミラーに映らなくなるまで手を振ってくれていた。

 

 

 

 

 

 「いやぁ、ひどい雨だった」

ある日のこと。

士官学校の帰りに降り始めた雨はアパートにつく頃には土砂降りとなっていた。

ラジオによると、今晩は嵐になるそうだ。

「シャワー浴びるか」

今日は雷は来ていなかった。この雨だ、当たり前だろう。

 

 「さて、と……」

シャワーを浴び、夕食の準備に取り掛かる。

と言っても雷が昨日作り置きしてくれていたものを用意するだけだが。

後はビールがあればそれで十分だ。

「……ん?」

冷蔵庫を覗いていると、不意にチャイムが鳴った。

「こんな時に来客か……まさか!」

その来客に思い当たる節がありつつ、まさかとは思い玄関のドアを開けると

「ごめんね司令官、遅くなっちゃった……」

予想通り、雨でずぶ濡れ姿の雷がそこにいた。

 

 「馬鹿野郎! こんな時にどうして来た! 何かあったらどうするんだ!」

雷の姿を見た途端、思わず声を荒げてしまう。

「ご、ごめんなさい! でも、司令官が心配で……」

驚いた様子で頭を下げる雷。その声は今にも消え入りそうだった。

「……怒鳴ってすまん。だがな、私は君を心配してだな」

「ごめん、なさい……」

ますます小さくなる雷の声。心なしか涙声の様にも聞こえる。

それもそのはず、世話好きの雷はその行動を褒められる事はあっても咎められる事は殆ど無かった。

ましてや(私の自惚れでなければ)慕っている相手に怒鳴られたのだ。泣いてしまっても仕様が無い。

いくら成長したとはいえ、彼女はまだ16歳の少女なのだから。

「泣くな。来てくれたのは、正直嬉しい。が、それ以上に心配なんだ。今日はこんな天気だしな」

「司令官……」

そっと抱き締め、頭を撫でてやる。こっちまで濡れてしまったが構うものか。

今大事なのは目の前の少女の太陽の様な笑顔を取り戻す事だけだ。

「私にとって雷は――艦娘だった皆は家族の様に大事なんだ。だからあまり危険な事はしてくれるな。私も悲しい」

「……うん」

とりあえず落ち着いた様だ。まだ元気はないが、声の調子は元に戻った。

 

 「さあ、シャワーを浴びて来なさい。その格好では風邪を引く。それに……」

「それに?」

言い淀む私を不思議そうな目で見る雷。

「その、なんだ……色々と透けていて、目のやり場に困る」

ずぶ濡れのセーラー服は雷の下着をはっきりと浮かび上がらせていた。

「も、もう! 司令官のエッチ!」

慌てて風呂場へと駆けて行く雷。

「……オレンジ、か」

そんな雷の姿を見て、独り言ちる。

快活な雷のイメージにぴったりな色だった。

 

 「シャワーありがとう。着替えまで用意してもらっちゃって……」

ややあってシャワーを浴び終わった雷がリビングへとやって来た。

「私の着替えですまないな。……今度から雷用のを用意しておくべきか」

「ううん、いいわ。もう今日みたいな日には来ないようにするし、それに……こうしてると司令官に抱き締めてられてる感じがして、安心する」

そう言った雷の顔には本当に幸せそうな微笑みが浮かんでいて。

「そ、そうか……」

そんな彼女を見て思わずドキリとした。

いかん、先程の一件からどうにも色々意識してしまう。

落ち着くんだ私。雷はまだ16歳、雷はまだ16歳……

どちらかと言えば娘の様な存在だ。

「ゴホン! ……さて、これからの事だが」

気を取り直して咳を一つ。今後の事も考えないといけない。

「制服が乾くまでは帰れないな。そもそも外はすごい嵐だ、これじゃあどのみち送っていけない」

ラジオが言っていた通り、外は家の中にいてもわかるほどの嵐だった。

「仕方無い、今日は泊まっていきなさい。寮母さんには私から連絡しておくから」

「うん!」

心底嬉しそうに返事をする雷。

そこまで喜んで貰えるとこちらとしても純粋に嬉しいのだが。

「……とりあえず、飯にするか」

ちょっと崩れかけている理性を保てるかどうか、一抹の不安を感じるのであった。

 

 

 

 

 

 「さて、そろそろ寝るか。明日も早いしな」

夕食後テレビを見ながらのんびりと過ごしていた私達だが、気付けば結構な時間になっていた。

「そうね、私も明日学校だし。……あれ? でも司令官の家に布団なんてあったかしら?」

普段私はベットで寝ている。泊まっていく来客なんていないから予備の布団などあるわけ無い。

「ないな。構わないから雷はベットで寝なさい。私はソファで寝るから」

となれば私がこう提案するのは必然だ。

「そんな、悪いわ! 元はといえば私が悪いんだし、私がソファで――」

「駄目だ」

困った様な雷の声を遮り、否定する。

私とて日本男児だ、女性を無碍に扱う真似などできない。ましてや

「じゃ、じゃあ一緒にベットで寝ましょう? 大丈夫、私は気にしないから!」

「それはもっと駄目」

「えー」

雷の提案通り一緒のベットで寝てみろ。今日の私には普通に寝れる自信はないぞ。

「えー、じゃない。ほら、早く寝なさい」

「わかったわ……おやすみなさい、司令官」

「ああ、おやすみ」

雷がベットに入ったのを確認して、電気を消す。

部屋の中には雨の音だけが響いていた。

 

 しばらくして。

カーテンの向こうが微かに光った様な気がした。と同時に

「ひゃあっ!」

アパートが軽く揺れる程の轟音。

どうやら雷が落ちた様だ。

「……なんだ雷、君は雷が怖いのか?」

「……うん」

意外だった。

艦娘時代にはもっと怖い目に合っていたと思うし、何より

「名前一緒なのに怖いのか。……なんだか可笑しいな」

雷が雷を怖がっている事に何処か奇妙な可笑しさを覚え、思わず笑ってしまう。

「もう! 絶対言うと思った! 仕方無いじゃない、怖いものは怖いのよ! ――きゃあっ!」

そんな私に抗議の声を上げる雷。直後、また雷が落ちた。

「うう……」

「大丈夫か? すまん、まさかそこまで苦手だとは……」

尋常じゃない怖がり方をする雷を見て流石に不安になり、慌ててベットの横へ向かう。

「いつもはね、電が一緒に寝てくれるから平気なの。でも今日は一人だから――ひゃあっ!」

よくよく見ればその目には涙が浮かんでいて、体も小刻みに震えていた。

「……わかった、一緒に寝てやる。せめて雷が安心して寝れるまでは、な」

理性がどうとか言っている場合ではない。

雷がこんなになっているのだ、今はそのケアの方が重要だ。

「ホント? ……ありがとう、司令官」

ベットに入り、雷の頭を撫でる。

少しだけ表情が柔らかくなった気がした。

「何、気にするな。秘書艦時代は元より、司令官でなくなった今でも色々世話してくれているんだ。これぐらい訳無いさ。」

それは嘘偽り無い本音だ。

昔から雷はそうだった。自分も遠征や戦闘で疲れているだろうにいつも私の身の回りの世話をしてくれた。

それは司令官と秘書艦という関係が終わった今でも変わらない。

それが何故かはなんとなく察しは付いている。

「……だって、私は司令官のお嫁さんだもん」

結局の所はそれなのだ。

艦娘時代の習慣――ケッコンカッコカリ。

それが雷を縛っている。

「……雷、君が私を慕ってくれるのは嬉しい。だがな、もう君は艦娘じゃないんだ。ケッコンカッコカリなんて戦時中のシステムに縛られる必要はもう無いんだよ」

そうだ、彼女はもう艦娘では無い。普通の女の子なのだ。

だからこそこんな中年に構わず、自身の幸せを探してほしい。

「――して」

「ん?」

雷が何か呟いた様だが、雨の音でかき消され、聞こえない。

「どうして、そんな事言うの……?」

今度ははっきりと聞こえた。そして

「――雷、泣いている……のか?」

雷は、泣いていた。

 

 「私は、司令官の事本気で好きよ? この気持ちは艦娘時代から変わらない……ううん、もっと強くなってる」

静かに語り出す雷。

「ケッコンカッコカリを申し込まれた時も、すごく嬉しかった。それが例えただの戦力増強が目的だったとしても」

「雷……」

「司令官は私の事、嫌い?」

「そんなわけ――」

そこまで言いかけて、言葉に詰まる。

本当はわかっていた。気付かないふりをしていただけ。

私は雷が好きだ。

艦娘時代と変わらない、快活な所も世話好きな所も。

何より彼女の太陽の笑顔が大好きだ。

けど、だからこそ考えてしまう。

自分は本当にこの娘にふさわしいのだろうか、と。

雷の人生はまだまだこれからだ。きっとこの先色々な人に出会うだろう。

その中には私よりも素敵な人が必ずいるはずだ。

雷には私の様な中年よりもそういった人達の方が似合うに決まってる。

そう思うと私は自分の気持ちを言えなかった。

けど――

「好きなの、司令官……出会った頃からずっと」

心が、揺れる。

「本人は厳しいつもりでも実際は優しく接してくれる司令官が好き。帰投した皆が執務室に報告しに来るまで心配でそわそわしてる司令官が好き。大破して帰って来た艦娘を見る度に自分の作戦が悪かったと落ち込む司令官が好き。大規模作戦を成功させた時に安堵しつつ小さくガッツポーズを取る司令官が好き」

純粋に好意をぶつけて来る雷。その目に大粒の涙を浮かべて。

「ねえ司令官、私もう16歳になったんだよ? 結婚出来るんだよ? カッコカリじゃなくて、本当の結婚が、出来るんだよ……?」

――ああ、もう自分を偽るのはやめよう。

これ以上彼女の顔が曇るのは見たくない。

「雷っ……!」

「あっ……」

思い切り抱き締める。

「私だって、私だって雷が好きだ! いつも元気な雷が好きだ! 甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる雷が好きだ! 落ち込んでる時に一生懸命励ましてくれる雷が好きだ!」

抱き締める腕に力が入る。

「ずっと一緒にいたい! 誰にも君を渡したくない! だから……だから!」

 

 

 

 

 

 「だから私と結婚してくれ、雷!」

 

 

 

 

 

 「……はいっ!」

 

 

 

 

 

 しばらく抱き合っていた私達だったが

「……いたいよ、司令官」

「す、すまん!」

そう言われ慌てて雷から離れる。

「だーめ、許してあげない」

イタズラっぽく笑う雷。

けどその頬は赤く染まっていて――

「そうね……き、キスしてくれたら、許してあげ、る」

最後の方は顔を真赤にして俯き、今にも消え入りそうな声だった。

そんな雷がどうしようもなく愛おしくなり

「雷」

「何? ――んんっ!?」

思わずその口を塞いでしまった。

「――好きだよ、雷」

「――うん、私も」

唇を離し、お互い微笑む。

「……もっと、キスしてほしいな」

「ああ、私もそう思っていた」

そうしてまた唇を重ね合わせる。

けど今度は先程のようなキスとは違う。

「ん……れろっ……くちゅ……ぅんっ……」

お互いの舌を絡め合い、口内を蹂躙するディープキス。

「ふぁ……しれい、かん……じゅずっ、じゅる……」

幾度と無く交換されるお互いの唾液。

まるで麻薬のような雷の唾液が、私の頭を少しつづ溶かしていく。

「ぷはっ……」

唇と唇の間には、名残惜しそうに唾液のが糸を引いていた。

それをとろんとした眼で見つめている雷。

「司令官? ……きゃっ」

そんな雷に最早理性を抑えることが出来ず、そのまま押し倒す。

「……触るぞ」

「んっ……」

Tシャツの上からその丁度手に収まるぐらいの慎ましやかな胸に触れる。

ブラは着けてなかったのか、柔らかな感触が伝わってきた。

「あっ……ん、ごめんね司令官。私っ……おっぱい小さくて……っ」

私に胸を揉まれている間、申し訳無さそうに雷が言う。

「気にしなくていい。私はこのぐらいのサイズが好きだよ」

「でも、よく愛宕さんの胸見てた……」

「う……」

いや仕方無いだろう。

だってあの胸だ、どうしても視線がそこに行ってしまう。

……愛宕と話した後時々雷の機嫌がちょっと悪くなる時があったが、その謎が今になって解明された。

「ふふっ……困ってる司令官の顔、なんか可愛い」

イタズラっぽく笑う雷。

大人をからかうなんて悪い娘だ。少しお仕置きしてやろう。

「雷、バンザイしなさい」

「え、なんで? ……これでいい?」

突然の申し出を不審に思いつつ、律儀に万歳してくれる雷。

「大人をからかう悪い娘は……こうだ!」

Tシャツの裾に手をかけ、一呼吸置いて一気に脱がす。

シミ一つ無い肌と、可愛らしい乳房、綺麗なピンク色をした乳首が姿を現した。

「ちょっ、司令官!? あんっ……!」

狼狽する雷をよそに、そのままむしゃぶりつく。

仄かに甘い匂いがした。

「んあっ……なんか司令官、赤ちゃんみたい……ああんっ」

「赤ちゃんがこんないやらしいしゃぶり方、すると思うか?」

唇で扱くように乳首を吸いつつ、時には乳輪をなぞる様に舌を這わす。

やがて乳首はその硬度を増してきた。

「……雷の胸、私の唾液でてらてらだな。……すごくいやらしいよ」

しばらく堪能し、胸から顔を離す。

私に組み敷かれる形となった雷は随分と息を切らしていた。

「……下も脱がすぞ?」

「うん……」

あまり反応がない雷をいい事に、ハーフパンツを脱がせる。

オレンジのリボンが付いた白いフリルの下着が顕になる。

「今更なんだが……替えの下着は持ってたんだな」

そう、よくよく考えれば雷の下着は今乾燥中だ。

そこら辺が全く頭になかった。

「替えの下着は持ち歩いてるの。……色々とあるのよ、女の子には」

ああ、生理とかか。

そう思ったがあえて口にはしなかった。

いくら私でも今それを言うのは空気が読めていないという事ぐらいわかる。

「そうか。ところで……」

「ひんっ!」

クロッチ部分に指を走らせるとじわっと濡れていた。

「濡れているな。感じてくれたんだな……嬉しいよ」

「ううっ……は、恥ずかしい……」

本当に恥ずかしいのか、雷は顔を両手で覆っている。

今はそんな姿でさえ愛おしかった。

「……腰、浮かせなさい」

顔は覆ったままだが、素直に言うことを聞く雷。

そのまま下着に手をかけ少しずつ脱がしていくと、愛液が糸を引いた。

「綺麗だ……」

薄っすらと生えた陰毛。

愛液でてらてらと怪しく光る、シミ一つ無い陰部。

そのあまりの光景に思わず息を呑む。

「大丈夫? 変じゃない? ……ひゃあっ!」

割れ目に沿って、愛液を掬うように指で撫で上げる。

「んあっ、あっ……んくぅっ!」

こすこすと上下させていた指を少しづつ沈めていと、何の抵抗も無く埋もれていった。

「ひゃっ……んっ……ふあぁっ」

指を包み込む肉壁は、火傷しそうなくらい熱かった。

「うん……あぁっ……あっ、んっ……んんっ!」

そのまま奥へと指を侵入させ、膣内を傷付けないように注意しながら指を動かす。

それに伴い、指にまとわり付く愛液の量も増えていく。

「気持ち良いか?」

「あんっ……ん、ああっ……うん、き……んぁっ、気持ちいい、よ……っ!」

「そうか……なら、もっと気持ち良くしてやる」

さながら花に誘われる虫の如く、下腹部に顔を埋める。

そしてそのままそっと舌で愛液をすくい上げるようになぞると雷の体がぴくん、と震えた。

「だめ、司令官……舐めちゃ、汚い、わ……んんぅっ!」

「汚くなんかない。それに……気持ちいいだろう?」

「そ、そうだけどぉ……ひゃぁぁっ!」

指と同じように、今度は舌を膣内に侵入させる。

鼻をつく、女の匂い。

あの雷から、こんなにいやらしい匂いがする――

その事実に頭がくらくらして、理性が消えそうになる。

「んんっ、はぁっ……あ、あっ、ああぁぁぁっ!」

雷の身が震える回数が段々と増えていく。

段々と絶頂への階段を登って行っているらしい。

「イキそうなんだな、雷? なら……これでイッてしまいなさい」

真っ赤に充血し、膨れ上がったクリトリスを口に含み、思い切り吸い上げる。

「ああぁっ! だめだめ! 司令官、それだめぇ! ……んああぁあぁぁぁーっ!」

背中を反らせ、体を痙攣させる雷。

合わせて無色透明な液体が顔にかかる。

どうやら絶頂を迎えると同時に軽く潮を吹いたらしい。

「はぁ……はぁ……」

「大分ほぐれて来たな。愛液の分泌も十分だし……そろそろ、いいか? 正直私も我慢の限界だ」

そんな雷のイき様を見せられたせいで、私の愚息はズボンの中で窮屈そうに自己主張していた。

「はぁ……ま、待って……その前に」

だが雷から帰って来た返事はまさかのノー。

何かまずい事をしてしまったのだろうか?

やはり少し調子に乗って責め過ぎたのが行けなかったのか――

なんて事を考えていたら

「今度は……私が司令官を、気持よくさせてあげるね」

そんな魅力的な提案をしてきた。

 

 ベッドの上でズボンもトランクスも脱がされた私は、下半身丸出し、膝立ちの状態で雷の前にいた。

「こ、これが司令官の……」

尻込みしてそうな様子の雷だったが、その手は私の愚息をしっかりと握っていた。

「司令官の、びくびくしてるわ……」

そう言いながら、掴んだ手をゆっくりと上下し始める。

「雷……っ!」

単調な上下運動。

だが生み出される快感は自慰の比ではない。

「気持ちいい?」

「あ、ああ……っ」

「よかった……じゃあ、司令官の事、雷がもーっと気持ちよくしてあげるわ!」

一旦手を離す雷。

そしてそのまま俺の下半身に顔を近付け

「うわぁ……近くで見るとホントすごい……」

反り起ったペニスをまじまじと見つめられる。

「これは……中々に恥ずかしいな」

「ふふっ、散々私に恥ずかしい思いをさせた罰ね」

ぐうの音も出ない。

「司令官……私、頑張るわ」

少しずつペニスに近づいてくる。雷の唇。

熱い吐息が与えてくる刺激に、愚息は更に硬くなる。

「ちゅっ……」

先端に軽くキスをしたかと思うと

「んむっ……」

「っ!」

その小さな口いっぱいに私のペニスを咥え込む雷。

「んんっ……んむっ……んぅ……」

雷が一生懸命顔を動かしている。

唾液でぬるぬるの口内は、まるで一つの性器の様だった。

「……どこで覚えたんだ、こんな事……くっ!」

少しでも下半身から意識を遠ざけるために、気になった事を尋ねる。

でなければ、情けない話すぐに射精してしまいそうだった。

「んっ……ふぃびきらもっへはほんに……」

「咥えたまま喋る、な……っ」

が、逆効果だった。

咥えたまま喋る事で変則的に動く口内は、私に更なる刺激を与えてくる。

「むっ……ぷはっ!響が持ってた本に載ってたわ、こうすると男の人は喜ぶって」

「あいつめ……」

口を放してくれたおかげで、なんとかクールダウンできそうだ。

「それよりも……気持ちよかったのね? よかった……れろっ」

「雷……んっ!」

なんて油断していた私に、再度雷攻撃。

今度は咥えるのではなく、根元から亀頭にかけて舐め上げられた。

「ふふっ……司令官、かわいい……ぺろっ、ぴちゃっ……」

上目遣いに俺を見つめる雷。

その目が妖艶な輝きを放っていた事に、その時の俺は気付かなかった。

「あ、びくってなった……ここが気持ちいいのね? ぺろっ……んっ……」

しばらくいろんな所を舐めていた雷だが、亀頭が敏感な部分である事を悟り執拗に責めてくる。

「うっ……あっ……!」

初めてとは思えないぐらい上手な雷のフェラに、私は成す術も無くただ目を閉じて耐えていた。

「れろっ……はむっ……んっ……んんっ……」

遂には咥える、舐めるの両方を織り交ぜての口淫へと変化していく。

――短期間でどんどん上達し過ぎではないか?

「んむっ……んっ、ちゅぷっ……じゅっ……」

そうこうしている内に限界を迎える下半身。

「雷、すまん、もう……」

「んんっ……じゅるるるるるっ!」

事実を告げた瞬間、トドメを刺さんとするかの如く口を窄めて思い切り吸い上げる雷。

「っ……出るっ!」

「んんっ!? んんーーーーーっ!」

ドクンっ!ドクンっ!ドクンっ――!

思わず雷の頭を押さえ込んでしまう。

口の中で暴れながら射精を続ける愚息。

「はぁ……はぁ……すまん雷、大丈夫か?」

長い射精が終わり、ようやく事の重大さに気付いて慌てて手を離す。

「……んくっ」

雷は口に出されたそれを一生懸命飲み込んでいた。

「無理するな、雷……ほら」

流石に初めてのフェラチオでそこまでさせるつもりはなかったので慌ててティッシュを4、5枚取り雷の眼前へ差し出す。

「ごくっ……んくっ……」

が、首を振って拒否された。

その間も飲み続ける雷。

「ぷはぁっ……えへへ、司令官の、飲んじゃった……」

結局全部飲み干してしまった。

自分で言うのもアレだが、かなりの量が出たはずだ。

それを全部、しかも初めてだったのに飲んでしまうとは。

「無理しなくてもよかったんだぞ? ……苦かっただろう?」

つぅ、と口の端を垂れる飲み干し損ねた精液を先程のティッシュで拭き取りながら、雷を労る。

「うん……苦いし、でろっとしてて喉に引っかかるし、正直最悪だったわ」

「……本当にすまん」

思わず頭を押さえつけてしまった自分に自己嫌悪。

そんな私を見て、雷は

「でも……司令官のだから、平気よ!」

笑顔で、そう言った。

 

 そんな健気な雷の姿を見ていると、射精したばかりの愚息が早速元気を取り戻した。

「わ、またおっきくなった……」

びっくりした様子で私の愚息を見る雷。

我ながら節操無くてすまなかったな。

「雷……」

「司令官……んっ……」

優しく、相手を労るような軽いキス。

「……君の初めてを、私にくれ」

「うん……優しく、してね?」

「ああ、善処する」

改めて雷を押し倒し、ガチガチに硬直したペニスを雷の割れ目に充てがう。

溢れでた愛液が、先端を妖艶に濡らした。

「入れるぞ」

「うん……っ」

少しずつ、割れ目を抉じ開けるようにペニスを挿入していく。

未だ嘗て男を受け入れた事の無いそこは中々進入を許してくれない。

「痛くないか?」

「ちょっと苦しい感じはするけど……大丈夫よ、痛くないわ」

そう言う雷の表情は嘘を付いているようなものでもなかったので、ならばと腰に入れる力を強くする。

「っ! くぅ、くっ、あ……はあぁっ!」

「もう少しだ、もう少しで全部……」

三分の二ほど入った所で、ダメ出しにと更に力強く挿入を進める。

「ふっ……ふぁっ……はぁ……んあぁぁっ!」

「……全部入ったぞ、雷」

「うん……やっと一つになれたね、私達……」

「そうだな……」

お互いに下腹部を見る。

雷の膣が私のペニスをしっかりと咥え込んでいた。

破瓜の血が出ている様子は無い。

まあ艦娘時代に散々激しい運動をしていたからそれはあまり驚かなかった。

「動くぞ、雷」

「来て、司令官……あっ!」

ゆっくりとペニスを引き抜き、抜けるギリギリの所で再び奥まで挿入する。

「んっ……あっ、くふっ……ひゃあっ!」

はじめはゆっくりだった動きも、雷の嬌声が大きくなると同時に激しさを増していった。

「んっ、んんっ、しれい、んぁ、かん……はぁっ、んふぅ……気持ち、いいよぉ……ふあぁっ!」

「私もだ……雷の膣内、すごく気持ち良いよ……っ!」

雷の顔が快楽に染まる。

「はっ、あん、んっ……はんっ、くふっ、ん、んんぅっ!」

部屋の中を獣の様な雷の喘ぎ声と激しい水音だけが支配していた。

「雷、もう出そうだ……外に射精すぞ」

限界が近くなり、雷にそう告げる。

流石に高校生相手に膣内出しはまずい。

そう思ったのだが

「ああぁっ、あっ……んっ、んんぅ、ふあぁ……あっ、んっ、んああぁぁぁっ!」

「お、おい……!」

両足を後ろに回され、がっちりと絞められてしまう。

「離しなさい、このままだと君の膣内に……」

「やだぁ……んぅ、しれいかんのせーし……ふぁっ、ほしいのぉ……あかちゃん、ほしいのぉ! んっ、あっ、んあぁぁぁっ!」

――ああ、本当にこの娘はずるい。

そんな事を大好きな君に言われたら、私は――

「わかった、膣内に出すぞ……私の子を、産んでくれ……っ!」

「うんっ……あ、あっ、ああんっ、あ、あぁ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」

一際大きな嬌声を上げ、仰け反る雷。

それと同時に、まるで私のペニスを引き千切らんとする勢いで締め付けてくる膣内。

「くっ……出るっ!」

ドクンっ!ドクンっ!ドクンっ――!

雷の膣中に吐き出される大量の精子。

「あ、んっ、ああぁぁぁっ……お、おなか、ふっ、ん……あついよぉ……」

まだ射精は終わらない。

びくんびくんと波打ちながら、次々と精子を送り出している。

先程雷に一回抜いてもらったのに随分と元気だ。

「はぁ……はぁ……」

「んっ、あ……ふあぁっ……」

永遠に続くかと思われた射精が終わりを告げ、私はゆっくりとペニスを引き抜いた。

綺麗な薄桃色の秘所から大量に溢れ出す白濁液。

「しれい、かん……」

虚ろな目で私を呼ぶ雷。

「どうした?」

「わたし……ちゃんとできた? しれいかんのこと、ちゃんときもちよく、できた……?」

健気にもそんな事を聞いてくる雷に、答えの代わりといわんばかりに抱き締め、言った。

「ああ、気持ち良かったよ。……ありがとう、雷」

「よかっ、た……」

そのまま目を閉じ、静かになる雷。

しばらくすると寝息が聞こえてきた。

「おやすみ、雷……」

軽くキスをして、私も目を瞑る。

 

 ――気が付けば、外の嵐は既に過ぎ去っていた。

 

 

 

 翌朝。

雷と一緒にシャワーを浴びて朝食を取り、通勤通学の準備をする。

「今日は私が送っていこう」

「うん。……あ、待って」

玄関を出ようとすると雷が引き止めたので、振り返る。

「どうし――んっ」

刹那、私の唇は雷に塞がれていた。

「――いってきますのキス……なんてね」

唇を離し、照れくさそうに笑う雷。

そんな雷を見て、なんだか私まで恥ずかしくなってくる。

「……先、車に行ってるね?」

硬直したままの私を置いて、雷が玄関を出る。

慌てて後に続いた。

「……雨、上がったわね」

「そうだな」

雲一つない青空は、まるでこれからの二人を祝福しているようだった。

 

 ――これからは毎日迎えに行こう。

別れ際に雷に告げた私は、約束通り雷の通う学校まで来ていた。

雷を乗せたらまずは寮に向かわないと。

寮母さんに説明しなくてはならないし、ある程度の荷物は持って行きたい所だ。

後は休日に改めて引っ越しすればいい。

なんて事を考えていると

「しれいかーん!」

校舎から出てきた雷が私を見つけ、笑顔で手を振りながら近づいて来る。

「おまたせっ!」

そしてそのまま飛び込んでくる雷。

「おっと! ……お疲れ様、雷」

しっかりと受け止めてやる。

「とりあえず寮に行くか。引っ越しの事、寮母さんに話さないといけないしな」

「そうね! 着替えとかも持って行きたいし」

二人でこれからの事を話していると、何か視線を感じた。

まさかと思い視線を感じた方を見てみると

「はわわ、雷ちゃん大胆なのです……!」

「ぐぬぬ……まさか雷に先を越されるなんて! 私の方がレディーなのに!」

「ハラショー。私の貸した本が役に立ったみたいでよかった」

雷の姉妹三人が三者三様の表情を向けていた。

「お、お前たち! いつからそこに――」

「あ、ごめんなさい司令官。三人には全部話しちゃった」

あっけからんに答える雷。

「なっ……!」

開いた口が塞がらない。

これは……なんだろう。

よくわからないが、非常に不味い感じがする。

「暁、電、今日は司令官の家にお邪魔して色々とお話しようか? 雷の料理を食べながら」

「ダメなのです響ちゃん! せっかくの夫婦団欒を邪魔しちゃ可哀想なのです!」

「そうよ響! そんなのレディーとしてやっちゃいけないことだわ!」

そう言いながら後部座席に乗り込む三人。

「お前らなぁ……」

頭が痛くなってきた。

「司令官、大丈夫?」

心配そうに顔を覗き込んでくる雷。

「ああ、大丈夫だよ。少し驚いただけさ」

苦笑しつつ、雷の頭を撫でてやる。

「さ、私達も帰ろうか」

「そうね。そうしましょう――あなた」

思わぬ呼び方にハッとする。

「雷、お前今……」

「ほ、ほら! 早く車に乗りましょう!」

雷の顔が赤かったのは、恐らく夕日のせいだけではないだろう。

 

 助手席のドアに手をかけた雷が振り返る。

「これからも、ずーっと一緒よ、あなた!」

はにかみながらそう告げる雷を見て

「……ああ、ずっと一緒だ」

これからもこの太陽の様な笑顔を守っていこうと、改めて思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷鳴る夜に

 

―おしまい―

 


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