※この作品はR-18です。

地球へ… 一章 「君がいる幸せ」   作:真城灯火

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はじまり

 

 

 序章(現在・Bilrost)

 

 綺麗に磨かれた廊下をコツコツと靴音響かせて足早にジョミーが歩いてくる。

 少し雰囲気が違って見えるのは、彼がミュウのソルジャー服を着ていないからだけではないようだ。

 そう、ここは彼の船シャングリラでも地球でもない。

 

 2つフロアを降りた先に目的の部屋があった。

 ドアの前に着くと慣れた手つきでパスワードを打ち部屋に入る。中には広いリビングがあり、ジョミーはその右にあるキッチンに向かう途中で壁のパネルを操作し部屋のブラインドを順に開けてゆく。

 BGMに静かなクラシックをかけてから、あるページを部屋の中心にあるモニターに表示させてそれを眺めながらキッチンでコーヒーを煎れる。

 これがここ最近の事となっていた。

 煎れたてのコーヒーを2つ持ちリビングの奥のベッドルームへと向かい、ベッドサイドに一つ置いてこの部屋の主へ声をかける。

「今日も忙しいみたいだね」

「人は簡単に変われないからな」

 とちょっと冷めた答えが返ってくるのもいつもと同じだった。

 

 ジョミーがまたモニターを見ている間に服を着たキースがコーヒーを手にリビングへとやってくる。

「お前は今日もシャングリラか?」とキース

「うん。人類がミュウも同じなんだと思うには、まだ時間がかかる。寿命の分、ミュウに待ってもらうしか方法がないから」

 

 生き残ったミュウ達はテラフォーミングされた惑星へと移住する事が決定してから半年になるが、人類と最初から共存を望む者、力で人類を従えてしまおうと言う者と、いろいろ意見が出ていた。

 だが、今はシャングリラは移住の調整を急ピッチで進めていた。

 ジョミーはモニターに映るシャングリラを見ながら

「彼等はソルジャートォニィに従う。そして人類は必ず目覚める。それを待つだけだから…。今度は先の見えない旅じゃない」とつぶやいた 。

「ジョミー、お前は一緒に行かないのか?」

 と少し考えてからのキースの問いに、ジョミーは間髪を入れずに答える。

「それは前にも話したけど、キースが元首を辞めたのと同じだよ」

 

 あの地球での戦いからまだ日がたっていない頃にキースは国家主席を辞めた。大怪我をしたという事もあったが、彼以外に誰が人類を導けると皆が言う中、辞した。

 キースは人をミュウを信じたから自分が居たらマザーと同じ事になってしまうのを避ける為に表舞台から降りたのだった。

 それと同じ頃、ジョミーもソルジャーを辞めた。

 辞めただけでなくミュウ達とも暮らさなくなってしまった。

 

 今はキースと同じここビルレストで暮らしている。

 

 

  黄昏の海1 へ続く    

 

 

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