眠いー
腹痛てぇ
地獄···二日酔いの朝はロクじゃない
某日午前4時。テキーラ酔い潰れ事件から二時間経過した明方に、目を覚ます一人の酔っぱらい。
「···あ···?何処だ、此処···。」
眠そうに首を傾けながらぼんやりとした目で辺りを見回す藍華。が、次の瞬間頭を片手で押さえた。
「···あ"ー、頭痛てェ···。······っ···。やべェ、吐きそう···う"ぶっ···。トイレ行かねェと···」
身体を起こそうとするが、足元がふらつき、立ち上がってもすぐに倒れてしまう。その様子を嘲笑うかのように、胸から異物が込み上げてくる。
「っ······う"、も"う"限、界···お"え"え"え"え"え"え"···」
偶々、近くにあった袋のなかに思いっきり虹をぶちまける。ゲボッ、ゴボッと不快な音が響く。
「···。うわ···やべェ···。」
しばらく吐き続けると、袋の中は最早モザイクが必要なレベルになっていた。とても、人様に見せられるものではない。
「あ"ー···辛ェ···。そういや、現在地は何処なんだ···?」
しこたま吐いただけあり、少し体調が回復した藍華は周りを見渡す。自分が寝かされていた布団を見た。すると、闇の中でも、少し光を放っている何かを見つけた。
「···旦那ァ···。何人を勝手にお持ち帰りしてんだか···。」
藍華が拾い上げたもの、それは少々丸みを帯びた銀色の毛。それによりだいたい何があったのかを察した藍華は、傍らに目をやった。
そこには、神楽が隣で寝ていた。
「···お気遣いは感謝だけど、アンタ一体どこで寝てるんだ。私ぐらい酒飲んでただろうに···。···昨夜は流石に飲みすぎたなァ···。」
ぼんやりとしている頭に少しずつ昨晩の記憶が蘇る。が、撞突に込み上げる異物感。
「う"ぼっ···う"え"え"え"え"え"···。クソッ···五文以上、考えると、吐く···おええええええ···」
完全に二日酔いの症状が酷い藍華。2度目のリバースを終えると、再び死んだように布団に倒れ込んだ。
△▼△▼
某日午前8時。ここは真選組屯所内である。
「う"え"···頭痛てェな、ちきしょう···ゴボッ!」
「トシー!総悟ー!大丈夫かー!?」
「···近藤さん、声デカイでさァ···うぷっ!」
此処では、二人の真選組隊員が二日酔いに悩まされていた。
「副長〜、隊長〜、ゴミ袋替えますか〜?」
「山崎ッ···!早くそれよこせ···!オ"エ"ッ"、オ"エ"エ"エ"エ"···!」
勢い良く戻すのは鬼の副長こと土方。
「ジミー···テメェの上に吐かせろィ···オ"エ"ッ"!」
「ちょっ!?流石にそれは駄目ですって!袋渡しますからそれに吐いてください!」
いつも通りの毒舌と共にそのクールな表情を台無しにして戻す沖田。
「全く···トシ、総悟、お前ら帰ってくるのがやけに遅いと思えば···まさか酒飲んでたとはな···仕事中だろ?」
いつも通りの大きな声で心配しつつ昨晩の事を問うゴリラ。だが、当の本人達にとって、これは頭を割るような感覚に響き渡る騒音にしかなり得ない。案の定、真っ青な顔で反論する土方と総悟。
「···近藤さんは黙っててください···ウプッ!!!」
「···詳細は、万事屋の旦那にでもっ、聞いてくだせェ···オェェェッ!!!」
「···あー、俺水持ってきますね···」
何気ジミーは気を使って水やら袋やらを準備しておくという細やかさを見せていた。
△▼△▼
「オエッ、オエエエエ···!!!」
「銀さーん、だいじょ······うぶじゃなさそうですね。」
某日午前11時。再び万事屋に虹発生音が響き渡った。
それは、万事屋店主・銀時によるものだった。
「あたりめーだろ···あ"ー···」
「···。僕は藍華さんの様子見てきます。」
倒れ込む銀時を複雑な目で見た新八は、藍華の元へと行く。
「···大丈夫アルカ?」
「···頭痛が痛い···。うー···」
「それは、頭が痛いか、頭痛がするかのどっちかでしょう。···大丈夫ですか?藍華さん。」
「···大丈夫に見える?」
「少なくとも、銀さんよりかは元気そうですよ。」
確かに、藍華の顔色はそれなりに良くなっている。死んだ様に寝た後、また何度も戻したお陰だろうか。
「···そう。···あ、そういえば悪いわね。泊めてもらった上に布団まで借りちゃって。」
「···まあ、藍華さんが酔潰れる原因作ったのは僕等ですからね。其れ位は別に大丈夫ですよ。」
「···ありがと。···よっ、と······。」
フラリと藍華が立ち上がる。足取りも先程と違いかなりしっかりしている。
「立って大丈夫アルカ!?」
「···んまあ、もう大体は平気。それに、世話になってるばかりじゃ悪いから、ご飯くらいご馳走してあげるわ。」
「ええ!?悪いですよ!!」
「···。人の好意は、素直に受け取っておくものよ。少し台所借りるわ。」
「は、はあ···」
「藍華の料理、楽しみアル···」
「いやそこは遠慮しろよ!?」
△▼△▼
「···ん?なんかいい匂いするな···」
「起き······てたか旦那。」
「···え?その姿は···?」
「···少し台所を借りた。神楽ちゃんと、新八君にご飯作ってたのよ。あ、エプロンはその辺に置いてあったやつ。」
数時間後、目を覚ました銀時は、何故かフリフリのエプロン姿の藍華を見ていた。寝惚けてるのかと目を擦る銀時。だが、何度擦っても変わることは無かった。
「···ごめん。えっ、待って、なんで?お前も酔い潰れたんじゃなくて?」
「···とっくに回復してるわ。何処かの怠けてる誰かさんとは違うのよ。···起き上がれる?無理そう?」
「···。うっ···」
起き上がろうとするものの、頭痛が酷く起きあがれない銀時。
「···無理そうね。まあいいわ。お粥作ったから、食べさせてあげる。」
「···は···?」
我が耳を疑った銀時。
いやまて、此奴今何を言った···?
「"は?"···って、何よ。私なんかじゃ不満?こんな泥酔女じゃ嫌だと?」
一気に非難的な藍華に、大慌てで弁解する銀時。
「いやいやいや!違うって!···ただ、」
「"ただ"?」
「お前···良いのか?ンな事したら、例え好いてねェ男でも···なんつーか、ドキッとするって言うか···」
丸々10秒ほど銀時を見つめていた藍華は直後に笑った。
「······ふふっ。大丈夫ですって。旦那は見境も無く人を襲ったりなんてしないでしょう?···あの獣みたいに···」
「あ、ああ···」
最後にボソッと低い声で何かを呟いた藍華。しかし、銀時には聞こえていなかったようだ。
「なら、別にこれ位平気ですよね?」
「なっ!?おまっ···」
「うふふ。はい、どうぞ。」
「···」
気がつけば、膝枕をされていた銀時。
否応なしに上を向かされ、その綺麗な顔に、瞳に、胸に魅入る。
「···何処見てるんですか?変な所みてるなんて···変態ですね。」
「···バーロー。お前、わざとやってるくせに煽ンじゃねェ。」
「···あら。···そういえば、味、大丈夫ですか?」
「···。普通に旨い。つか普通よりも旨い。」
「それは良かった。神楽ちゃん達にはオムライスだったけど、それも好評みたいだし。美味しく食べてもらえると、作り甲斐があります。」
「···ああ。」
最早、傍から見れば恋人同士にしか見えない密着度だ。だが、ここで勘違いはしないでほしい。
本人達の間には、恋愛感情なんて存在していない。
まあ、これを他人に見られたら明らかにそう思われるだろうが。
「···まだ食べます?」
「···。いやいい。」
「···。わかりました。」
立ち上がって部屋を出ようとする藍華。
が、少し振り返りつつ言葉を繋ぐ。
「···お布団、ありがとうございました。後、お風呂沸かしておいたのと、軽く掃除しておいたので······もう少し、掃除とかしましょう。」
指を立てながら、パチンッ、とウインク。
先程からそれなりに鼓動が早くなってた所に、それはクリティカルヒットだった。
「···お前、それ、あんまり他人にやるなよ?」
「···。惚れないでくださいね♪」
「···ああ。」
「では。また今度お会いしましょう。」
後にこの事が発覚して若干の修羅場になるのはまた後日。
【お知らせ】
①この小説の設定をコロコロ強引に変えます。あれ?って思っても多分それはそのうち初期設定変えて更新しておきます。
(最初の方の話とかぶっちゃけ変えるかもしれない。本気で。)
②この先かなりグダる。てか更新ペースに保証もてません。
(後につかえてるものが相当多い。それと私も多忙。)
③他キャラとの絡み増えます。
(鬼兵隊とか快援隊とか。何でだって?それは私が銀魂に熱を持ってるからだ。)
④文字数変化。
(ぶっちゃけ2000文字がきつくなってきた。と言うか守ってたらいつ終わんのー?って話になる。だから4000文字に拡大。)
すみません。ほんと。