チョコ(人´∀、`〃)。o○(オイチイ♪)
一応ちゃんと合わせた
「···今日はバレンタインだねェ、旦那。」
「だな。巷じゃ義理だの本命だの大騒ぎだよ。お前さんもあげるのか?」
「んふふ♪勿論、旦那にもあげますよ♪」
ここは春雨第七師団の宇宙船内。藍華は、仲良さげに阿伏兎と腕なんぞ組みながら歩いていた。何処に行くのだろうか。
「···んで、作る為に厨房借りたいってか。」
「しょゆこと♪」
チョコ製作に態々春雨第七師団の厨房を使うのは謎だが、まあ、家ではスペースの問題やら何やらあるのだろう。神威は不在の様だが、そんな事は気にせず二人は厨房に入っていった。
△▼△▼
「あ、団長の彼女さん···と副団長?」
「どうもー♪」
「ああ。此奴が厨房使いたいらしいが、今空いてるか?」
「どうぞどうぞ。忙しい時以外は滅茶苦茶暇ですから此処。道具とかもご自由に。」
厨房係であろう団員が二人を出迎え、要件を伝えた阿伏兎に快諾し、嬉々としながらその場で藍華の作る様子を眺めていた。
「···チョコレート♪チョコレート♪」
「チョコレート♪チョコレート♪」
「···チョコレート♪チョコレート♪」
「チョコレート♪チョコレート♪」
「「チョコレート♪チョコレート♪」」
「いや何ハモってんだよお前ら。」
ノリノリでチョコレートを連発する女子2人に阿伏兎がツッコんだ。すると、あっ、と藍華が手を止める。
「旦那いいこと言った。」
「何処がだ···」
「ホワイトチョコで模様作ろ。うん、ミルクと
「良いですねー♪」
「···ハモるって所からの発想か。」
キャイキャイ盛り上がりながら、チョコレートを作っていく藍華と女。
藍華の手際は良く、次々と出来上がっていく。が、
「?···これ何かおかしい。味が···」
「味?」
「味ですか?」
「ちょっと食べてみて。」
両人渡されたチョコの一欠片を口に含む。程良い甘さと、何故か強烈な塩味。
「お前さん、チョコに何入れたんだ!?」
「甘いけどしょっぱい···」
「甘くしようと思って砂糖入れたつもりだったんだけど···」
片手で白い粉の入った小瓶を振る。すると、何かを察したように厨房係の女が苦笑する。
「···それ、塩ですよ。私はわかってるからラベル貼ってませんけど···初めての人にはわからないという所を見落としてました。」
「···良く分かるねェ、お前。」
半分呆れ、半分感心した阿伏兎。藍華は無言で手元の砂糖···基塩を見つめていた。
「すみません。分からなかった···ですよね?」
「···ラベル貼っておいてよ···」
失敗①塩と砂糖間違え
△▼△▼
「あー!!!」
「溶けちゃいましたね···」
「見事に溶けたな。」
失敗②チョコレートの飾り完全融解
△▼△▼
「···ん?なんかまた···」
「しょっぱい···」
「塩味だな。」
「何でラベル貼ってねェんだよオオオ!!!」
失敗③ラベル表示無し
△▼△▼
「あっつ!?」
「お湯溢れてます!!!」
「火止めろ火!」
「はっ、はいっ!」
ガンッ!
「ぎゃあああ!!!チョコがあああ!!!!」
「あつっ!!!」
「うわっ!?」
失敗④お湯吹きこぼれて火傷二次被害
△▼△▼
「···何か煙上がってる!?!?」
「鍋!鍋!」
「···焦がしたんじゃないか?」
「え"···。······うーそーだーろー······」
「···さっき私が点火ツマミにあたったかも知れません···」
「···強火じゃ焦げるよ絶対に···」
「···端まで回されてるな···」
失敗⑤火違い
△▼△▼
「まってなんか固まらない。」
「生クリームでも入れすぎたんじゃないのか?」
「···え?200ccですよね?」
「100ccだわドアホ!!!」
「すみませーん!!!」
「···やれやれ···」
失敗⑥思わぬ所で落とし穴
△▼△▼
「···で、できた···」
「···な、なんか疲れました···」
「···お疲れさん。」
あの後も様々な事故を繰り返しながら、漸く完成させたバレンタインチョコ。苦労した分、きっと美味しく出来ているだろう。
「はい、先ずは旦那に♪」
「おう、ありがとな。」
「フォー!スッゲェ!」
かなり豪華な飾り付けがされている。まあ、15分程度で仕上げた代物なのだが。
「お前さん、他にも渡しに行くのか?」
「勿論♪」
「なら、団長はまだまだ帰って来ねェから行ってきな。···摘み食いする奴なんざいないとは思うが、一応見張っといてやるからよ。」
「流石旦那わかってる〜!」
藍華がギュッと阿伏兎に抱き着く。よせやいと言いながらも満更でもない阿伏兎。
「じゃ、藍華、行きまーす!」
チョコの入った袋を片手に廊下を走って出ていく藍華。残された厨房係は阿伏兎に問う。
「···あの人、団長の彼女さんですよね?えっ、副団長もしかしてアレですか?」
「いや、俺は別にそんなんじゃねェよ。ただ、彼奴が毎回毎回スキンシップって称してやってるだけだ。」
さらっと答える阿伏兎にツッコむ厨房係。
「明らかスキンシップの域超えてません!?もし団長に見られたらどうするんですか!!!」
「とっくに見られてるよ。んで、その後はからかって大体キレない所ではぐらかしてるさ。」
「···ええー···」
いつか絶対団長ガチギレしそう、と内心密かに思う厨房係であった。
△▼△▼
話はうってかわり此処は万事屋。店主の銀時がふわあ、と欠伸をしながら障子を開けた。すると、
「やほ、万事屋の旦那。」
「おわっ!?」
何故かベランダに居る藍華。驚きのあまり素っ頓狂な声をあげて倒れる銀時。その声を聞いてか、外にいたであろう新八と神楽が駆け込んで来た。
「···どーしたんですか銀さん·········って藍華さん!?」
「あ、藍華アル。」
「同じくやほ、新八君と神楽ちゃん。」
ニコニコと二人と挨拶を交わす藍華。銀時はやや恨めしそうに藍華を見つめた。
「あー吃驚した。心臓に悪ィっつの···」
「悪いのは腎臓だけで十分でしょ。」
「るせェ。まだ糖尿病じゃねェよ。」
「いつなってもおかしくないって。準糖尿病患者なんだから。」
「お前さんも、いつアルコール中毒になるか分かんねェぞ。」
「ご心配なく。健康管理はできてますので。」
「なら俺だって······」
「いやアンタはできてねぇよ!?」
何故かお互いの健康で言い争いか始まったものの、新八のツッコミで終息した。
「ところで、藍華は何しにきたアルカ?」
「あ、危ない忘れる所だった。はいこれ。」
と言って手に下げた袋からチョコを3つ。
「チョコアル!」
「ん?何でチョコレート?」
「ハッピーバレンタイン。今日は2月14日。」
「···貰っていいんですか?」
「あげる為に作ったんだもの。当たり前でしょ。」
「やったアル!チョコアル!!!」
「センキューな。」
「ありがとうございます。」
「んじゃ。」
△▼△▼
先程からうってかわって此処は真選組屯所。珍しく非番な土方と沖田は貰ったチョコの処分をしていた。
「副長〜、沖田隊長〜、お客様ですよ〜。」
「···俺に?」
「···どんな奴でしたかィ?」
「···えーと、凄い綺麗で、多分夜兎族の人です。今近藤さんが相手してますから早く行った方が良いですよ。」
伝えると山崎は出ていった。残された二人は顔を見合わせて、土方はため息をついた。
「···藍華だな。」
「···藍華ですねィ。」
△▼△▼
「···近藤さん、入···」
「いやそれストーカーだろ!?警察のリーダーが何やってんの!?」
「あれはストーカーじゃない!お妙さんをあらゆる悪から守る為に後をつけてるだけだ!!!」
「絶対違うから!!!」
新八の様に近藤にツッコむ藍華。テーブルの上にはチョコレートが一つ置いてあった。
「···近藤さん、何やってんだ。」
「···ん?おお、トシに総悟。お客さんだぞ。」
「···ハァ······。あ、副長さんに沖田さんこんにちは。」
「久しぶりでさァ、藍華。」
先程と同じ様にニコニコとしながら二人にチョコレートを渡す藍華。
「ハッピーバレンタイン。」
「···どうもな。」
「···ありがたいでさァ。」
やや複雑な顔をしてチョコを受け取る二人。察した様に藍華は言葉を繋げた。
「···あー、無理に食べなくていいですよ。お世話になったから渡しに来たんですけど、よく考えたらお二人共沢山貰いそうですものね。」
「大丈夫でさァ。藍華のやつ以外は捨てるんで。ねぇ、土方さん。」
「···いや俺は別に······。···有難く食わせてもらうよ。」
「なんかすみません。」
「気にする事は無いでさァ。次店に行った時サービスして貰うだけなんでねィ。」
「···。···お待ちしてます♪」
「んじゃ。」
「ではー」
去っていく藍華に、ポツリと呟く近藤。
「···俺なんか省かれてない?」
△▼△▼
「···はい、バレンタインチョコ。」
「ありがと。···何か疲れてる???」
「···別に。じゃ、私帰るから。」
「もう帰っちゃうの?」
「···私もそこまで暇じゃないの。」
「······つれないなァ。」
「···じゃ。」
神威にはサラッと渡すだけ渡して帰る藍華。
残された神威は呟く。
「なーんか俺に対して冷たい気がする···渡すだけ渡して帰るとか。」
「···まあ疲れてんだろ?それに、愛情はこもってるから美味しい筈だ。」
「······。それが怪しい気がする···。」
「疑うなって。そこは団長が一番信じる所だろ?」
「···そりゃそうだけど······むー···」
チョコをバリバリ食べながら考える神威に、阿伏兎はつい数時間前の事に思いを馳せる。
△▼△▼
「···お前さん、拘るねェ。」
「···まあ、一応恋人だし?拘っておこうかな···ってあー、意識して作ったらまた崩れた···。」
「···前途多難だな。」
△▼△▼
そう、実は藍華の失敗が連発したのは、神威のチョコレートに本気で細かく拘ってたからなのでした。
次回は色々とカオス。
つかお知らせてんこもりもり。
何時かなー、次回は。