※この作品はR-18です。

月虹の元で生くる者達   作:名も無き呟き

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ハッピーバレンタイン♪

チョコ(人´∀、`〃)。o○(オイチイ♪)

一応ちゃんと合わせた


波乱···バレンタインチョコレート

「···今日はバレンタインだねェ、旦那。」

 

「だな。巷じゃ義理だの本命だの大騒ぎだよ。お前さんもあげるのか?」

 

「んふふ♪勿論、旦那にもあげますよ♪」

 

ここは春雨第七師団の宇宙船内。藍華は、仲良さげに阿伏兎と腕なんぞ組みながら歩いていた。何処に行くのだろうか。

 

「···んで、作る為に厨房借りたいってか。」

 

「しょゆこと♪」

 

チョコ製作に態々春雨第七師団の厨房を使うのは謎だが、まあ、家ではスペースの問題やら何やらあるのだろう。神威は不在の様だが、そんな事は気にせず二人は厨房に入っていった。

 

△▼△▼

 

「あ、団長の彼女さん···と副団長?」

 

「どうもー♪」

 

「ああ。此奴が厨房使いたいらしいが、今空いてるか?」

 

「どうぞどうぞ。忙しい時以外は滅茶苦茶暇ですから此処。道具とかもご自由に。」

 

厨房係であろう団員が二人を出迎え、要件を伝えた阿伏兎に快諾し、嬉々としながらその場で藍華の作る様子を眺めていた。

 

「···チョコレート♪チョコレート♪」

 

「チョコレート♪チョコレート♪」

 

「···チョコレート♪チョコレート♪」

 

「チョコレート♪チョコレート♪」

 

「「チョコレート♪チョコレート♪」」

 

「いや何ハモってんだよお前ら。」

 

ノリノリでチョコレートを連発する女子2人に阿伏兎がツッコんだ。すると、あっ、と藍華が手を止める。

 

「旦那いいこと言った。」

 

「何処がだ···」

 

「ホワイトチョコで模様作ろ。うん、ミルクとハ(・)ー(・)モ(・)ニ(・)ー(・)になって美味いだろ。」

 

「良いですねー♪」

 

「···ハモるって所からの発想か。」

 

キャイキャイ盛り上がりながら、チョコレートを作っていく藍華と女。

藍華の手際は良く、次々と出来上がっていく。が、

 

「?···これ何かおかしい。味が···」

 

「味?」

 

「味ですか?」

 

「ちょっと食べてみて。」

 

両人渡されたチョコの一欠片を口に含む。程良い甘さと、何故か強烈な塩味。

 

「お前さん、チョコに何入れたんだ!?」

 

「甘いけどしょっぱい···」

 

「甘くしようと思って砂糖入れたつもりだったんだけど···」

 

片手で白い粉の入った小瓶を振る。すると、何かを察したように厨房係の女が苦笑する。

 

「···それ、塩ですよ。私はわかってるからラベル貼ってませんけど···初めての人にはわからないという所を見落としてました。」

 

「···良く分かるねェ、お前。」

 

半分呆れ、半分感心した阿伏兎。藍華は無言で手元の砂糖···基塩を見つめていた。

 

「すみません。分からなかった···ですよね?」

 

「···ラベル貼っておいてよ···」

 

失敗①塩と砂糖間違え

 

△▼△▼

 

「あー!!!」

 

「溶けちゃいましたね···」

 

「見事に溶けたな。」

 

失敗②チョコレートの飾り完全融解

 

△▼△▼

 

「···ん?なんかまた···」

 

「しょっぱい···」

 

「塩味だな。」

 

「何でラベル貼ってねェんだよオオオ!!!」

 

失敗③ラベル表示無し

 

△▼△▼

 

「あっつ!?」

 

「お湯溢れてます!!!」

 

「火止めろ火!」

 

「はっ、はいっ!」

 

ガンッ!

 

「ぎゃあああ!!!チョコがあああ!!!!」

 

「あつっ!!!」

 

「うわっ!?」

 

失敗④お湯吹きこぼれて火傷二次被害

 

△▼△▼

 

「···何か煙上がってる!?!?」

 

「鍋!鍋!」

 

「···焦がしたんじゃないか?」

 

「え"···。······うーそーだーろー······」

 

「···さっき私が点火ツマミにあたったかも知れません···」

 

「···強火じゃ焦げるよ絶対に···」

 

「···端まで回されてるな···」

 

失敗⑤火違い

 

△▼△▼

 

「まってなんか固まらない。」

 

「生クリームでも入れすぎたんじゃないのか?」

 

「···え?200ccですよね?」

 

「100ccだわドアホ!!!」

 

「すみませーん!!!」

 

「···やれやれ···」

 

失敗⑥思わぬ所で落とし穴

 

△▼△▼

 

「···で、できた···」

 

「···な、なんか疲れました···」

 

「···お疲れさん。」

 

あの後も様々な事故を繰り返しながら、漸く完成させたバレンタインチョコ。苦労した分、きっと美味しく出来ているだろう。

 

「はい、先ずは旦那に♪」

 

「おう、ありがとな。」

 

「フォー!スッゲェ!」

 

かなり豪華な飾り付けがされている。まあ、15分程度で仕上げた代物なのだが。

 

「お前さん、他にも渡しに行くのか?」

 

「勿論♪」

 

「なら、団長はまだまだ帰って来ねェから行ってきな。···摘み食いする奴なんざいないとは思うが、一応見張っといてやるからよ。」

 

「流石旦那わかってる〜!」

 

藍華がギュッと阿伏兎に抱き着く。よせやいと言いながらも満更でもない阿伏兎。

 

「じゃ、藍華、行きまーす!」

 

チョコの入った袋を片手に廊下を走って出ていく藍華。残された厨房係は阿伏兎に問う。

 

「···あの人、団長の彼女さんですよね?えっ、副団長もしかしてアレですか?」

 

「いや、俺は別にそんなんじゃねェよ。ただ、彼奴が毎回毎回スキンシップって称してやってるだけだ。」

 

さらっと答える阿伏兎にツッコむ厨房係。

 

「明らかスキンシップの域超えてません!?もし団長に見られたらどうするんですか!!!」

 

「とっくに見られてるよ。んで、その後はからかって大体キレない所ではぐらかしてるさ。」

 

「···ええー···」

 

いつか絶対団長ガチギレしそう、と内心密かに思う厨房係であった。

 

△▼△▼

 

話はうってかわり此処は万事屋。店主の銀時がふわあ、と欠伸をしながら障子を開けた。すると、

 

「やほ、万事屋の旦那。」

 

「おわっ!?」

 

何故かベランダに居る藍華。驚きのあまり素っ頓狂な声をあげて倒れる銀時。その声を聞いてか、外にいたであろう新八と神楽が駆け込んで来た。

 

「···どーしたんですか銀さん·········って藍華さん!?」

 

「あ、藍華アル。」

 

「同じくやほ、新八君と神楽ちゃん。」

 

ニコニコと二人と挨拶を交わす藍華。銀時はやや恨めしそうに藍華を見つめた。

 

「あー吃驚した。心臓に悪ィっつの···」

 

「悪いのは腎臓だけで十分でしょ。」

 

「るせェ。まだ糖尿病じゃねェよ。」

 

「いつなってもおかしくないって。準糖尿病患者なんだから。」

 

「お前さんも、いつアルコール中毒になるか分かんねェぞ。」

 

「ご心配なく。健康管理はできてますので。」

 

「なら俺だって······」

 

「いやアンタはできてねぇよ!?」

 

何故かお互いの健康で言い争いか始まったものの、新八のツッコミで終息した。

 

「ところで、藍華は何しにきたアルカ?」

 

「あ、危ない忘れる所だった。はいこれ。」

 

と言って手に下げた袋からチョコを3つ。

 

「チョコアル!」

 

「ん?何でチョコレート?」

 

「ハッピーバレンタイン。今日は2月14日。」

 

「···貰っていいんですか?」

 

「あげる為に作ったんだもの。当たり前でしょ。」

 

「やったアル!チョコアル!!!」

 

「センキューな。」

 

「ありがとうございます。」

 

「んじゃ。」

 

△▼△▼

 

先程からうってかわって此処は真選組屯所。珍しく非番な土方と沖田は貰ったチョコの処分をしていた。

 

「副長〜、沖田隊長〜、お客様ですよ〜。」

 

「···俺に?」

 

「···どんな奴でしたかィ?」

 

「···えーと、凄い綺麗で、多分夜兎族の人です。今近藤さんが相手してますから早く行った方が良いですよ。」

 

伝えると山崎は出ていった。残された二人は顔を見合わせて、土方はため息をついた。

 

「···藍華だな。」

 

「···藍華ですねィ。」

 

△▼△▼

 

「···近藤さん、入···」

 

「いやそれストーカーだろ!?警察のリーダーが何やってんの!?」

 

「あれはストーカーじゃない!お妙さんをあらゆる悪から守る為に後をつけてるだけだ!!!」

 

「絶対違うから!!!」

 

新八の様に近藤にツッコむ藍華。テーブルの上にはチョコレートが一つ置いてあった。

 

「···近藤さん、何やってんだ。」

 

「···ん?おお、トシに総悟。お客さんだぞ。」

 

「···ハァ······。あ、副長さんに沖田さんこんにちは。」

 

「久しぶりでさァ、藍華。」

 

先程と同じ様にニコニコとしながら二人にチョコレートを渡す藍華。

 

「ハッピーバレンタイン。」

 

「···どうもな。」

 

「···ありがたいでさァ。」

 

やや複雑な顔をしてチョコを受け取る二人。察した様に藍華は言葉を繋げた。

 

「···あー、無理に食べなくていいですよ。お世話になったから渡しに来たんですけど、よく考えたらお二人共沢山貰いそうですものね。」

 

「大丈夫でさァ。藍華のやつ以外は捨てるんで。ねぇ、土方さん。」

 

「···いや俺は別に······。···有難く食わせてもらうよ。」

 

「なんかすみません。」

 

「気にする事は無いでさァ。次店に行った時サービスして貰うだけなんでねィ。」

 

「···。···お待ちしてます♪」

 

「んじゃ。」

 

「ではー」

 

去っていく藍華に、ポツリと呟く近藤。

 

「···俺なんか省かれてない?」

 

△▼△▼

 

「···はい、バレンタインチョコ。」

 

「ありがと。···何か疲れてる???」

 

「···別に。じゃ、私帰るから。」

 

「もう帰っちゃうの?」

 

「···私もそこまで暇じゃないの。」

 

「······つれないなァ。」

 

「···じゃ。」

 

神威にはサラッと渡すだけ渡して帰る藍華。

 

残された神威は呟く。

 

「なーんか俺に対して冷たい気がする···渡すだけ渡して帰るとか。」

 

「···まあ疲れてんだろ?それに、愛情はこもってるから美味しい筈だ。」

 

「······。それが怪しい気がする···。」

 

「疑うなって。そこは団長が一番信じる所だろ?」

 

「···そりゃそうだけど······むー···」

 

チョコをバリバリ食べながら考える神威に、阿伏兎はつい数時間前の事に思いを馳せる。

 

△▼△▼

 

「···お前さん、拘るねェ。」

 

「···まあ、一応恋人だし?拘っておこうかな···ってあー、意識して作ったらまた崩れた···。」

 

「···前途多難だな。」

 

△▼△▼

 

そう、実は藍華の失敗が連発したのは、神威のチョコレートに本気で細かく拘ってたからなのでした。




次回は色々とカオス。

つかお知らせてんこもりもり。

何時かなー、次回は。
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