修羅場···牙
彼女と最後に会ってから、およそ1年が過ぎた。
ここは、春雨本拠地。
久し振りに、任務報告の為に帰還していたのだ。
「んー···ヒマー···ねー、阿伏兎何でまだここに居なきゃいけないの?」
「まだたくさん仕事があンだよ。お前が俺に投げた。」
ちったあ手伝いやがれ、と背後で怒鳴る阿伏兎を他所に、ぼりぼりとピーナッツをかじる。俺が手伝うより、阿伏兎一人でやった方が早く終わる、それを未だ本人は気づいていないのだ。バカだなぁ。
あー早く戦場に戻りたい。新しい敵見つけたいなー。あー眠い。
そう思った途端、ジリリリリとけたたましくサイレンが鳴った。何かあったときに鳴るやつだ。続いて冷静なアナウンスが響き渡る。
『緊急事態発生、緊急事態発生。襲撃者確認、全戦闘員は直ちに迎撃せよ。繰り返す。···』
続いて、通信機もピーピーと音を立てる。
『団長ッ!!大変です、敵襲です!!!』
「規模と状況、敵の情報は?」
『敵の数は確認出来ているだけでも八十!あらゆる方向から侵入したらしく実際は倍以上いるかと···!!既に迎撃した戦闘員がほぼ戦闘不能に!具体的にはわかってません···!!ですが確実に一人以上は夜兎がいます!至急出動願います!』
「言われなくても、いくさ!」
マントをバサッ!と羽織る。
何てタイミングの良い襲撃者。褒めたいくらいだ。
フワフワする気持ちを抑えきれない。
「阿伏兎、俺先行ってる!!」
「あっ、おい、待てッ!!」
制止も聞かず、傘を持ち、ひたすら走る。
焦げくさい煙、炎に照らされ光る血溜り。
自分が求めた戦場だ。
「来い来い早く来いーー!!」
△▼△▼
俺があの時、ああ願わなかったら、これは起こらなかったのだろうか。
あんな事には、ならなかったのだろうか。
まさか、あんなことになるなんて、俺の所為なのか、全て。
そう思っても、泣いても、過去は変えられないのだ。
···やり直せるなら、今からでも変えたいのに。
例えどんな代償を払おうとも、例えどんな犠牲を産もうとも、···例え己の生命と引き換えだとしても、変えたいのに。
だが、現実は非情だ。
時は、常に一定で進む。
時計の針は進めても、周りの時間は進まない。
時計の針を止めても、周りの時間は止まらない。
時計の針を戻せても、周りの時間は戻らない。
如何にそれを望もうと、願おうと、欲しようと、絶対に奇跡なんて起こらない。
延々と変わらず、砂時計の砂が、落ちる様に。
地球に広がる大海が、波を立て続ける様に。
ただ、ひたすらに流れ行くだけなのだ···
戦闘シーン···やっぱり苦手(´;ω;`)