※この作品はR-18です。

月虹の元で生くる者達   作:名も無き呟き

37 / 67
指が、指がぁぁ···


修羅場···砕

「藍···華······ッ!!!」

 

「久し振りー変わんないねー」

 

軽い口調。だが、それとは真逆に笑顔は氷みたいに鋭く、冷たい。

 

「無駄話してる時間無いから、さくっと終わらせよう。」

 

再び攻撃が始まる。

 

相手が彼女だと判った途端、殴れなくなった蹴れなくなった。

 

何でだ。何で!!

 

自分が情けない。

 

そんな事はお構い無しに、彼女は手を止めない。

 

刺されたふとももが痛みだす。

 

たちまち押さえ込まれた。

 

「こんなんじゃあ、まだまだ駄目だね、神威。」

 

顔が見えない。声だけが聞こえる。

 

「············ッ!!」

 

「拍子抜けしたわ。あなた、いつからそんなになったの?残念。」

 

彼女が短剣を振りかざす感じがした。

 

「···サヨナラ。」

 

シュッ!

 

彼女の声は、もう彼女ではなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「団長ォォォォッ!!!」

 

遠くで叫び声がした。うちの団員か?

 

「何?邪魔しないで。」

 

すっと、背中が軽くなった。

 

ガッ!!!

 

強烈な、肉の打撃音が耳元でした。

 

俺が体勢を立て直して、戦状を見ると、彼女とうちの団員と交戦していた。

 

流石とでも言うべきか、軒並み他の師団の団員よりは強い筈―知らないが―の団員を、素手で圧倒している。

 

ふっと、いきなり、視界に見慣れた黒が飛び込んできた。

 

それは、持っている傘を、力いっぱいに彼女の背中―丁度心臓のところ―に突きつけた。

 

彼女の身体が吹っ飛ぶ。

 

口から、血が大量に流れていく。

 

「藍華ッ!!!!」

 

彼女は壁にぶつかったきり、動かなかった。

 

「何自分の情人だからって、殺されそうになってんだよー?団長ォ。」

 

「阿伏兎···!」

 

「ったーく、情け無ェったらありゃしねェ。」

 

阿伏兎は、いつも通りの口調でしゃべりつつ、吹き飛んだ彼女の元へ歩いていった。

 

「···脈はあると。よし、お前ら、コイツ縛り上げて今すぐ牢屋ン中ぶち込んでこい。」

 

「はいッ!」

 

「ちょ、阿伏···」

 

「手間ェはすっこんでなー、団長。こっからは、俺の仕事だからな。」

 

早く残党狩り行ってろ、と言葉を残し、阿伏兎はどこかに消えた。

 

△▼△▼

 

その三日後だった。

 

彼女は、処刑され、死んだ。

 

△▼△▼

 

―旦那か。

 

景色がスローモーションで移っていく。

傘の先端が背中に突き刺さる。

死ぬのかな、私。

 

旦那に殺されるのも、いいかもしれない。まあ、死なないだろうけど。

 

それでも、それが決定打となって、戦闘不能にはなるだろう。

 

元より、ここへは死にに来たのだから。

 

今さら、恐れる闇など有る筈もないだろう?

 

―こんな私を、最後まで、疎まないで。




半端なく痛い···。゚(゚´Д`゚)゚。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。