ちょいと場所の説明も兼ねてお仕事風景書いてたら真選組登場になりました。とっつぁんって言ったらキャバクラと真選組だからさ~。
「いらっしゃいませ~!」
ここはとある繁華街の店。どんな店かというと、ぶっちゃけ水商売の店だ。水商売というのは、まあ、簡単に言えばおっさん達が女の子達とお酒を飲む場所。逆もまた然り。
賢明な皆様ならお気づきだろうが、何故私がこんな所に居るのかと疑問に思う人もいるだろう。
それは単に、仕事の依頼で殺す相手が大のキャバクラ好きというだけ。好みも既にリサーチ済み。それに合わせて顔を微妙に変えてある。
それに服装も金の蓮の花と葉の刺繍があるチャイナ服で、それなりのキャバ嬢には見えていると思う。
今接客中なのだ。相手は···なんと幕府のお犬さん。
松平片栗虎とかいうおっさんが一番偉いみたい。
そして、通い慣れてる感が凄い。
私じゃない女の子にグイグイ絡んでるからね。
で、その隣に居るゴリラ顔の人が近藤勲。
なんか局長さんらしい。
明らか酔っ払ってるよね。顔赤いし。
絡むよりかは絡まれてる側。
そして私の両隣にそれぞれ隊士さんがいる。
左側が土方十四郎さん。さっきから無表情に煙草スパスパ吸ってキャーキャー騒ぐ隣の女の子を煩わしそうにあしらっている。まあ、クールな感じのイケメンさんだけど、タイプかと言われると微妙だ。
右側が沖田総悟さん。この中じゃ一番若くて明らかに未成年だ。外見は爽やかなイケメンなのに性格が黒い。何かにつけては土方さんを弄って私に同意を求めるその姿はドSと称さずになんだろう。
「土方さんはマヨラーでさァ。何でもかんでもマヨネーズつけて食うんだぜィ?頭いかれてるんでさァ。」
「あ"?誰が頭いかれてるだと?」
「土方コノヤローに決まってるじゃないですかィ。なあ、蓮。」
「アハハ···でも、マヨネーズは不味くないですよね。」
名前が違うと思ったそこの君!変装したら普通偽名くらい使うからね。結構な数の偽名のうちの一つ。説明とかは面倒だから省かせてもらうよ。
「あったりめーだ。アレがなきゃ美味いもんも美味くない。」
「蓮は知らないんでさァ。土方さんはどんぶりに入れたご飯の上で山盛りにかけるんだぜィ?」
「別に美味いだろーが。お前も1回食ってみろ総悟。」
「嫌でさァ。異常な味覚を持ってる土方さん以外には食えたもんじゃないんでさァ。」
「てめえ···」
「怒ってるんですかィ?土方さん。」
「お店での争いは困ります~(汗)」
何度目なるかわからない仲介。だけど、やめてくれそうにない。
―仕方ない。アレをやるか···
「仲良くしてください、ね?(ウル目+上目遣い)」
「っ!わ、わーったよ///」
「その顔は反則でさァ///」
必殺、ウル目+上目遣い。コレをやられて言う事を聞かない男は今まで会ったことがない。
―尤も、しょっちゅうやってるわけじゃないケド。
一度、鼻血を出して卒倒した人も居た。そうすると目立ちかねないので、これはあくまでも最終手段なのだ。
「あれー?土方さん顔赤いでさァ。もしかして蓮に惚れやした?」
「なっ!?ふっ、ふざけんな総悟!てめぇこそ赤いだろうが!」
―言ってる側からおちょくるのやめてくれないかな···
事実、さっきのアレが効いてるのか顔は赤いのだが。
「俺ですかィ?だって俺ァ蓮の事好きでさァ。俺のものにしたいぐれィに。」
グイッ、と沖田さんが肩を掴んで私の身体を引き寄せる。
「こんな美人、滅多に出逢えないでさァ。蓮···この後一緒に過ごしやせん?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、本気とも冗談ともつかない事をさらりと言ってのけた。
―ここは乗るべきだろうか···
ちょっと答えに詰まる。あちらがあの言い方ならばこちらも同じようにしなければならない。
「嬉しいお誘いですけど···あちらの方に嫉妬されそうだからやめておきますね、ふふっ。」
合わせるように悪戯っぽい笑みを浮べて返した。
「はっ!?お前らぁ···」
ったく、と言いながら再び煙草に火をつけてスパスパとやっていた。その後しばらくすると松平さんが帰ることを宣言し、お見送りをすることになった。
「またのご来店をお待ちしております。」
とびきりの営業スマイルで見送ると、沖田さんはピースサイン、なんと土方さんも軽く会釈してくれたのである。
―何だかんだ優しいと言うか礼儀正しいんだなぁ···
1番モテるのが土方さんというのも納得出るな、と思った藍華であった。
ようやく神威君書ける···。次話はヒロインと神威くんの再会だねー。収まりきらなかったら二部に分けるかも。