四月十三日
一年ぶりに彼女と会ってみた。
待ち合わせの場所に行くと何故かメイド服を着ていた。本人曰く、「メイド喫茶でバイト中なの。似合うでしょー」と言ってスカートをチラリと捲った。勿論、俺は頭に手刀を叩きつけた。痛そうに顔をしかめる彼女。
当たり前だ。
こんな人前でスカートをめくってみせる奴があるか。
それに、メイド服が似合ってない。
ファンシー過ぎるし、彼女のイメージとあまりにもかけ離れてる。
似合ってない、そう言うと意外にも彼女はあー、といった。どうやら、本人にも自覚はあるらしい。
···どうでもいいが、俺個人の意見だと、やっぱり彼女に一番似合うのは中華服だと思う。
その旨を伝えると、彼女は肩を竦めて、「んー···中華服かー。メイド服も気に入ってんだけどなー。まー、旦那がはっきり似合わないって言うならやめよっかな。そろそろ潮時だし。」と言った。
はよ辞めろ、痛いから。
と皮肉ってみれば、拗ねたように彼女は頬を膨らませた。「もー、旦那なんて知らないッ!」そう言って走り去ってしまった。
こりゃ、もう会えそうにないな。
けど、まっ、元気そうで何よりだ。
また、一年後、会いに行ってみるか。
追記:最近やっと、団長も立ち直ってきたな。この前あの黒猫連れてきた時以来、ある程度はコミュニケーション取れるようになった。あの猫、不思議と彼女にそっくりなので、団長も癒されるのだろうか。ただ、俺は少し猫アレルギーなのかくしゃみが出る。残念だ。
オマケ
藍華と神威の出会ったばかりの頃
×月×日
商談を終えた後、やけに遅いから様子を見に行ってみれば、案の定殺し合いをしていた。相手は、珍しく夜兎族の女。あの軽い身のこなしからして、暗殺者だろう。女がある程度理性的なのか、まだお遊び程度で済んでいるのが幸いだった。
···また止めないといけないのか。面倒だな。
毎度毎度、殺しちまって事後報告するわけにもいかないのだが。
俺は二人の間に割って入り、それを止めた。
遠目からではわからなかったが、女は17、8歳の美人だった。力強い眼でこちらを睨んでいたので、警戒心を解くために実名を名乗ってその場を収めた。
帰り道、なんで殺し合いしていたのか問うと、団長曰く、「この前藍華が殺してる所見て、興味湧いたんだ。阿伏兎が止めなきゃ殺し合いできたのに」との事。俺は思わず額に手を当てた。
···これだから、この馬鹿は手に負えねェ。興味本位で相手してたみてェだが、相手は明らかに殺意しか無かった。その辺の区別、いい加減つけ。
大バカ野郎が。
日記は難しい(確信)
疲れたンゴ。