私こと、パルムは洛陽を煌安と勘違いしそれをさも当然ように投稿していました。
これにより、読者の皆様に多大なる迷惑と不快感を被ったことを心より深くお詫び申し上げます。
以後、このような問題がないよう、誠心誠意尽くしていく所存でありますので、どうかご拝読を続けて下さい。
もう1度言います。
大変申し訳ありませんでした。
Blue Rose
彼女が逃亡を始めてから三年目。
彼女は22歳、奴は23歳になっている。
今日は、ある意味特別な日になる。
彼女と奴にとって、最初で最後の再会になるのだ。
もう、何もリスクはない。
春雨の中で生存説は完全に消え去り、
風の噂ですら聞こえなくなった。
二人の気持ちは冷めずに、
むしろ強いままでいる。
なら、俺に出来ることは、引き合せるだけだ。
······騙して。
作戦A「騙して会わせよう」開始。
△▼△▼
「団長〜。俺今日ちょっと出掛けるから〜、ついてこい〜。」
と、いいながら奴の右腕を掴んで引っ張る。
「ちょ、まっ、俺行くとは言ってない!!」
「強制だよ強制。」
「はっ!?···離せよ阿伏兎!これ団長命令!!!」
「団長とかそういう以前に俺はお前さんより歳上だっつの。歳上の言うことは聞けって教わらなかったのか?」
「いや歳関係なく俺の方が立場上だからね!!?」
「あーはいはい。寝言は寝てから言ってくれ。」
「寝言じゃなくて事実!!!」
「いいから行くぞ。」
「俺の話無視!?」
嫌がる団長を無理矢理宇宙船に押し込み、強制的に連れていく。
「何処に行くのさ。」
「いりゃわかる。」
「何その投げやり感。」
「細けェことは気にすんな。」
「いや細かくないけど。」
奴と限り無くくだらない言い争いをしながら、目的地に向かう。
「ここ地球じゃん。」
「つっても江戸じゃないけどな。」
「ふーん?」
「まっ、お前さんにとっちゃ馴染みのない街に降りるのは確かな事だ。」
「···」
△▼△▼
今日の阿伏兎は、変だ。
大抵出かける時は俺の同伴を拒み、同伴の時はやや難色を示すのに、今回は異常なまでに強引だった。
しかも、行き先を伝えてくれない。
惑星規模の行先では地球というのが確定しているが、具体的な場所がわからない。江戸ではないらしいが。
そして目的もわからない。江戸でないなら何も用はないし、そもそも江戸での用も既にない。
はっきり言って、怪しい。
何か、何か裏がある様な気がする。
が、俺にそれを探る術はない。
問い詰めても、はぐらかされて誤魔化されるのがオチだろう。
つまり結論として、俺は阿伏兎の望む動きをするしかないのだ。
なんかムカつく。
「着いたぞ。」
「着いたぞ、って···ここ森じゃん。何の用があるんだよ。」
阿伏兎が船を着陸させたのは、森の中でも開けた場所。降り注ぐ夏の日差しが厳しい。
「それは団長の眼で確かめてみな。俺の用ってのは団長を此処に連れて来る事だからな。」
「いや何それ。俺地球に用ないし、しかも森の中に用なんてほんっとに何も無いよ?」
「いいから行ってみろ。」
「···今日の阿伏兎ほんとにおかしくない?異常に俺に指示するし···何かあんの?」
「だァーら、お前の眼で見てこいっての。ほら行った行った。」
今度は強制的に森の中へと突き飛ばされる。
「わっ!?」
「あ、何か見つけるまで帰ってくんなよ。」
「···わかったよ。行けばいいんだろ?行けば。」
「ああ。···最初から素直に聞けばさっさと会えるのにこの馬鹿は···。」
「何か言った?」
「何も。ほら突っ立ってねーで行け。」
「···」
△▼△▼
阿伏兎に突き飛ばされ、尚且つ何か見つけてこいなどと言われたのがはや十分前。
ただただ景色の変わらない森の中を歩き続けている。
森の中なので陽射しが遮られ、ある程度涼しいが、やはり木洩れ陽は強烈な夏の陽射しを帯びていた。
日を避けようと傘をさそうとしたが、木々が密集しているせいで引っかかってしまい、意味がなかった所か歩くペースが落ちたので諦めた。
あー、暑いなー。早く帰りたいなー。アイス食べたいなー。
等と一人考えながら更に歩き続けた。すると、前方に少し開けた場所と人のシルエットが見えた。
「···ん?誰か、人がいる···」
「···」
そいつは恐らく夜兎で、強烈な日差しを避けるために番傘をさし、平になった石に腰掛けていた。
傘のせいで顔は伺えないが、白地の涼し気な中華服と、傘から覗く華奢な腕。
――白、と言えば彼女の服装も白だった。···って今はそんな事を気にしてる場合じゃない。
胸の奥が少しざわつく。未だ癒えない傷が騒いだ。
が、次の瞬間、ふと傘が少し動き、刹那、濃紺の髪が覗く。
「!?」
考えるよりも先に、身体が動いた。俺は、傘をしっかりと掴み、数十メートル先へ弾丸の様に、走った。
つまづく事も、葉で肌が切れる事も、気にせず、ただ一つの予感に駆られたまま、走った。
本能に促されるまま、走った。
急激な物音に驚いたのか、傘をさした女は音のした方―つまり俺がいる方―を向いた。
濃紺の髪が、金色の眼が、陽射しを受けて光る。
俺は、自分の勘が間違っていなかったことを確信し、そのまま彼女の目の前で止まった。
すると、彼女は俺を見て眼を見開いた。
驚愕、そして落涙。
「···藍華?」
「···うん···!」
「···っ!!」
「···神威?」
「···うん。」
「···ッ······ぁ···」
『うわああああんッ!!!』
彼女は号泣し始めた。そんな彼女を抱きしめながら、俺の頬に、暖かいものが伝う。
涙だった。
嬉しくてしょうがないのに、泣いていた。
枯れ果て、彼女が死んだと思った時にさえ一筋しか流れなかったものが、どんどん溢れて止まらなかった。
その涙は、
ただ嬉しいだけじゃなく、この奇跡に感謝していた。
死んだ筈の彼女が、生きているという奇跡に。
「···藍華ッ···!」
「う"···ぁ"···ひぐっ···神威ぃ"···!」
お互い、涙を滂沱と流し、大泣きした。
△▼△▼
「···え?」
「···要するに旦那に助けてもらったの。わかった?」
「···俺、そんなの阿伏兎から一つも聞いてないけど?」
「そりゃ言ってねェからな。」
此処は宇宙船前。阿伏兎と合流し、そして気になっていた疑問を彼女にぶつけた。
何故生きていたのか。
···その答えは、単純明快だった。
結論:阿伏兎が助けた。
ただ、それだけだった。
「···」
「···まあ、過程はどうあれ会えたんだからいいじゃない。ねぇ、旦那。」
「だな。···ったく、手間かけさせやがって···」
あー、疲れた疲れた。
そう言って手を振る阿伏兎を横目に、俺は呆然としていた。
怒るというよりか、頭の中の整理がつかなくて、何も言葉が出ないというのが正しかった。
「こりゃ完全に混乱してんな。」
「···んまあ、今の今まで死んだと思ってた奴に会って、しかも生きてる事実をすぐ側にいた奴が知ってたなんて此奴のおつむじゃそう簡単に受け入れられないでしょ。」
「それもそうか。じゃ、さっさと此奴連れて春雨に戻るか。」
「···そうね。何時までもここに突っ立ってる訳にもいかないし。」
「···待って。」
彼女が生きてた云々の整理はつかないが、彼女へやるべき事の整理はついている。
今度こそ、伝えなきゃいけない言葉がある。
「···?何、どうしたの?」
腕を掴んだ俺を、怪訝そうな顔で見る藍華。
「···藍華。」
「···」
何時になく、真剣な声色になる。
「···伝えたい事は沢山ある。けど、今は一言だけ言わせてもらう。」
「···」
彼女は、黙ったまま俺をじっと見つめる。
「···俺と、死ね。」
「···!」
そのまま、俺は藍華を掴んでいた手を離し、そのままその手を出す。彼女の顔をまっすぐ見据えていたかったが、彼女がやや俯いたせいで前髪が垂れて見えなかった。
たった数秒間。
それが、永遠のように感じた瞬間――
「···はい。喜んで。」
藍華がそう言い、俺の右手を握った。
···プロポーズ、成功。
「ヒュー!···おめでとうだな、団長、お前さん。」
「···うん。」
「···ええ。」
藍華が笑う。俺も笑う。
今ばかりは、夏の陽射しの眩しさが、祝福に感じた。
側に咲いていた、真っ青な薔薇も、陽光を受けて輝いていた。
「ってちょっと待てよ!?」
「何よいきなり。」
「何で俺のプロポーズの台詞あのクソ親父と同じなんだよ!!?」
「そんなの作者の都合でしょーが。私に怒らないでってば。」
「···作者出てこい。」
ぎゃあああ!!!まって、ちょ、聞いて、お願いだからその右腕で殴るのだけはやめてぇぇぇ!!!
「···ん?何か弁明があるみたいだから聞いてあげたら?」
「···何だよ。」
あのですね、当初は別の台詞のつもりだったんです···いやほんとに!!!でも、似合う台詞とかが真面目に全く思いつかなくて、そんな折にアニメ見ちゃって···
「結論として?」
ネタが全く思いつかなかったのでパクリましたミ☆···って何言わせんの!?
「···ぶっ殺す。」
いやあああああ!!!!!誰か助k···あぎゃああああーーーーッ!!!!
キラーン···ピカッ!
「···ふう。」
「···皆さんもアニメパクリには注意しましょう。」
あだだだだ···
どーも、作者のパルムです。
Blue Roseの和訳は青い薔薇。
花言葉は「神が起こした奇跡」。
素敵じゃないですか?