不快に思った方がいらっしゃいましたら、その方には大変申し訳ありませんでした。
久しぶりの新話です。
すみません、三歳児の語彙力不明です。
なので、だいぶ流暢にしゃべります。
天才児ってことで、勘弁してください。
「お母さーん!」
「ん?どうしたの?神凌。」
「遊ぼ!一緒に!」
キラキラと目を輝かせた、三歳くらいの少年―神凌―が藍華の傍で手を引く。
「ええ、いいわよ。······うん?」
おかしいな、と藍華は首を傾げる。
珍しく休みの奴が、今朝、神凌と遊ぶと宣言していた筈。
―まさか、すっぽかしたのかしら···?
「ねえ、神凌。···彼奴が、アンタと一緒に遊ぶって言ってたの覚えてる?」
「え?えーと···」
「俺はバッチリ覚えてるけど?」
ヒョコ、と神威が姿を現す。
藍華は、自分の考えが外れた事に一先ずホッと胸をなで下ろす。
「あら、居たの。···ほら、神凌、遊んできなさい。」
「えー!!僕、お母さんと一緒がいーい!!!」
「······」
案の定、神凌が駄々をこね始めた。
もう一つの考えが当たってしまった事に、やれやれと頭を振る藍華。
「···もー。アンタが早く連れていかないから···」
「···俺のせい!?」
「お母さんと一緒じゃなきゃやーだー!!!」
「···はあ」
その場でジタバタと暴れ出す神凌。
深い溜息を付きながら、藍華は神凌を押さえて立たせ、静かに、だが厳しい声で言い聞かせる。
「神凌。お父さんはね、いつも神凌と遊べる訳じゃないのよ?普段だって、仕事でいないでしょ?」
「でもぉ···」
「"でも"じゃない。私とは、いつでも遊べるじゃない。だから、今日はお父さんと
「···え?俺が遊んで"もらう"側なの?」
「···むう···」
神凌が頬を膨らませながらも、神威の傍にトコトコと歩み寄る。
「そうだけど、何か問題でも?」
「いや大ありでしょ!?俺が偶には面倒みるって言ったのに遊んで"もらう"側って!!!」
「···面倒見てくれてるなら、私が来ないと嫌なんて駄々こねないと思うんだけど。そこら辺、どーなってるんですかね〜?」
うっ、と神威が唸る。
「···。上手く出来もしない癖に人の言葉に一々文句つけんな、馬鹿亭主。おら、行った行った。」
「お父さーん、行こー?」
「···うん。」
一同、公園へ――
「結局ついてきてるじゃん···」
「誰が行かないって言ったのよ。監督不行届とは言ったけど、一緒に行かないなんて一言も言ってないわ。」
それに、アンタ何かやらかしそうだし。と、藍華が付け加える。
「ねー、何するのー?」
「···何するの?」
「ん?んー、キャッチボールかな?」
「いや何でアンタまで疑問形なのよ。···私は見てるから、遊んできなさい。」
「わかった〜」
「···」
神威が野球ボール(硬式)を握り、神凌に向けて投げる。
「えい。」
「······ちょっとまてェェェェッ!!?」
嗚呼、素晴らしき反射神経。
球速200kmは優にあるだろう豪速球を、息子の目の前で、息子ではなくボールに華麗に傘でクリーンヒット。
『渾身のジャストミートォォォォ!!!!決まったァァァァァ!!!!サヨナラ逆転大ホームランだァァァァァ!!!』
等とこの場に解説がいたならば叫びそうな程、カキーンと小気味よい音を立てて空の彼方へ消え去ったボール。
周りに誰もいなくてもよかったね、奥さん。
「···ナイスヒット〜」
「·········ナイスヒットじゃねェよこの大馬鹿野郎!!!!なんだあの球速はあッ!!!???」
「メジャーリーグに移籍しちゃった人の真似。」
「テメェは大谷翔平かッ!!!??いや大谷翔平はもっと遅いけどさ!!!!??どっちにしてもおかしいよね!!???子供に投げる球速では決してないだろうがァァァァ!!!!!!!」
「···そう?俺、これでも手加減したんだけど。」
「ま、マジで言ってンの?アンタ···」
「マジで。うん、割と真面目に。」
「うわ無いわ。·········そーか。アンタに常識は通じないンだったっけ。ごめん、非常識。」
「いや、何その呼び方!?酷くない!?」
「酷くない。当然の結果。」
はー、と本日二度目の深い溜息を付いた藍華。
―嫌な予感がここで的中するとはなぁ···
「···あーやってやればいいんだねッ!!!!」
『え?』
夫婦喧嘩(?)が終息した時、今まで黙っていた神凌が目を輝かせて叫ぶ。顔を見合わせる藍華と神威。が、親の困惑など他所に神凌は自信満々に傘を構える。
「おとーさん!もう一回投げて!!!」
「え、あ、うん。···いいの?」
「···ヤバそうだったら私がどうにかするから、とりあえず一回投げてみてあげて。」
ヒュッ!!
風を切る音と共に、豪速球が迫り来る。
「!」
カキーンッ!!!
快調な音を立てて、ボールが空高く飛んでいく。
『·········』
「ほら、打てたよ!!!!」
満面の笑顔でドヤ顔を決める息子に、親二人は――
『やっぱりアンタ(藍華)の子供ね(だ)』
と呟いていた。
△▼△▼
「何でお父さんとお母さんだけなの!!?僕も行きたいー!!!」
「···ごめんね。でも、今日はちょっと一緒に行けないの。いい子でお留守番してて、ね?」
「やだやだー!!!」
駄々をこねて暴れる神凌を、阿伏兎が抱え込む。
「ほら、坊主。ママとパパは用事があンだよ。お前も男の子なら我慢して留守番しな。」
「···旦那、ありがと。じゃあ行ってくる。」
「···。ま、程々にな。」
「···わかってるわよ。」
△▼△▼
某ホテルにて――
風呂を済ませ、身支度を整えた藍華に、今しがた上がった神威が問いかける。
「ねえ」
「ん?」
「何で、急にもう一人産みたいなんて言い出したの?」
「···。なんとなく?」
「え"!?」
「嘘よ、嘘。」
濡れた髪を拭きながら、じゃあ何で?と聞いてくる奴。
それはねー、と私は返す。
「やっぱ、一人っ子って寂しいじゃない?神凌もずっと見てなきゃいけない時期は過ぎたからいいかなぁ、って。」
「···そうだね。神凌も、もう三歳だし。」
「まあまだわかんないけど。デキたらラッキーね。」
「···デキなかったら?」
「もう一回、かな?」
ああ、でもキツイかな、色々と。
と呟く。
ふーん、そっか。
と奴が返す。
「···もしデキたら藍華はどっちがいいの?」
「うーん···女の子かな。娘欲しいし。」
「俺は······うん、俺も女の子がいいかな。藍華似の。」
「私似、ね···。楽そうでいいわ〜。」
「···何か、俺の立場無くなりそー···」
「···ふふ。頑張らないとね。」
「···うー···」
一方その頃――
「ねー、おじちゃーん。」
「ん?」
「何でお父さんとお母さんは二人で出かけたのー?」
「···さァな?二人でご飯を食べに行くって事しか聞いてねェよ、俺は。」
阿伏兎は、神凌の面倒を見ていた。
(面倒を見るという名の雑務を)
「···むー、ずるいー!!」
「ま、偶には夫婦水入らず、ってのも必要なんじゃねェの?」
「ふうふみずいらず?」
「···二人だけの時間って事だよ、坊主。···後、俺はおじさんじゃなくて阿伏兎。」
「遅いよ、おじちゃん。···だったら僕も坊主じゃなくて神凌だし。」
「おっと。すまんな、坊主。」
「直ってないし。」
「へーへー。まあ、お前も俺の事おじちゃんって呼んでるンだし、おあいこだな。」
「···むー···」
頬をプクーっと膨らませてそっぽを向く神凌。
やれやれ、と思いながらも、阿伏兎は的確な忠告をする。
「···。ほら、子供はそろそろ寝る時間だ。さっさと布団で寝てきな。」
「···え。やだ、もう少し起きてる···」
「寝る子は育つって言うぞ?······ははーん、もしかして一人で寝ンのが怖いのか?ママがいないと嫌って訳か?」
「···!うっ······」
図星、という顔をした神凌に、仕方ねェなァ、と阿伏兎がソファを指さす。
「···。しゃーねェな。なら、彼処のソファで寝てろ。俺も居るし、その内帰ってくンだろ。」
「!いいの?」
「良いも悪いもねェよ。おら、寝な。」
神凌がソファに横になる。
ふわぁ、と欠伸をしながら、うつらうつらと目を閉じた。
「おじちゃん······」
「ん?」
「おじちゃんって、意外と優しいんだね······」
「意外は余計だろ意外は。」
「······」
「って寝ちまいやがったのか。早いねェ、寝付くのが。」
スヤスヤと寝息を立てて寝る様は、歳相応に、子供らしかった。その寝顔を見ながら、阿伏兎はボソッと呟く。
「お前、もうすぐ兄ちゃんになンだからもう少しちゃんとしとけ?ママとパパが二人で出かけたってのはお前の妹か弟拵えてンだよ。」
あわよくば、俺への負担も減ってほしいもんだけどな?と付け加える。
「ただいま〜」
少し遠くから声が聞こえる。
続いて、少し騒がしい足音。
帰ってきたのだろう。
―全く、手前らの子供が寝てンのに、もう少し静かにできないもんかねェ?
半ば呆れながらも、空いたドアから駆け込んでくる奴らを出迎える。
「ただいまー、旦那。」
「ただいまー、阿伏兎。」
「へいへい、お疲れさん。」
「······」
「あっ!寝てる!!」
「しっ!起こしちゃ駄目。」
「かわいー···」
まっ、育児が順調なら、俺は構わねェけどな。
えー、遅れた理由はいくつかありまして······
①深刻すぎるネタ切れ
②終着点を見失った
③環境の変化による文章能力低下+妄想力低下
です。
ネタ切れというのは、要するに話がつまらなさ過ぎる上に全くまとまらなかったんです。
一応ネタ話を書いていたのですが、全然駄目なので凍結状態にしてあります。もし、何処かで尺が余ったり気が向いたら載せるかと思います。
②は、まぁ、完全に自己責任です。
んな事お前が決めろよ。
はい、マジで正論です。
作者が終着点を見いだせない作品はいつまでたっても終わりませんからね。
③はもうそのまま。私事ではございますが、この度めでたく進級し、クラスが変わりました。それにより、新しい環境になれねばと頑張った結果でございます。
···ですので、これからは、ゆったりまったり焦らずのんびりと熟成したものを書き上げていきたいと思ってます。皆様的には早く更新して欲しい!という要望があるとは思いますが、早くて質の悪いものと、遅くて質の良いものなら私は断然後者なので、そうさせていただきます。
長くなりましたが、この作品が終わるまで、どうかお付き合いをよろしくお願い致します。