お久しブリーフ。
「···いい加減にしろやこの馬鹿親子!!!!」
「「す、すみません!!!」」
「何度注意したらテメェらは理解すンだ!!?あれ程食卓では暴れるなって口酸っぱくして言っただろうが!!?」
「いやだって···ねぇ?」
「偶然、ねぇ?」
「"ねぇ"じゃねェわ!!!初犯ならまだしも再犯者にかける慈悲はねェ!!!!そこに直れェ!!!!」
「「······!!」」
「···」
ガミガミと藍華が雷を落とす中、
またやってるし···お父さんもお兄ちゃんも学ばないのかなぁ。
と呟く一人の少女。
藍華によく似た蒼髪と、神威によく似た紫がかった青い瞳が特徴的で、とても可愛らしい。
「少しは火藍(からん)を見習ったらどうなの!?アンタらの方が先に産まれてるってのにあの子の方が全く手がかかってないわよ!!?情けないと思わないわけ!?」
「······」
本を片手に、チラッと横目で正座させられている二人を眺める。
ほんと、お母さん言う通り情けないと思わないのかな。
なんか、この本の主人公の方がよっぽどしっかりしてるし。
「一時間位そこで正座して頭冷やせ!!!······ったくもー···!!!」
「「は、はい!!!」」
やっと終わったな、お母さんのお説教。
確かにお兄ちゃんとお父さんが悪いんだけど、本を読むには少しうるさいんだよね。
まあ、懲りない方もおかしいけど。
「······はー。あ、火藍、ごめんね。うるさかったでしょ?」
「···別にいいよ。アレはお兄ちゃんとお父さんが悪いんだもん。」
ならよかった。
そう呟いてお母さんは、私に小包を渡した。
「···?お母さん、これは?」
「いい子にしてたから、新しい本をあげるわ。もうその本も五回目でしょ、読むの。」
お母さんの話を最後まで聞かないうちに、私は小包を開いて中の物を取り出していた。
紙の匂いが鼻いっぱいに広がる。
真新しい、革張りがピンと張った臙脂色の表紙。
金色の細字の題名。
シンプルだが、均整の取れたこの定型。
嗚呼、人間の素晴らしき知の結晶。
なんて、美しいのだろう。
新しい本をぼうっと見つめていると、お母さんの笑い声で現実に引き戻された。
「ふふ、火藍は新しい本を手にしている時が一番嬉しそうね。」
「///だ、だって嬉しいんだもん···」
カッと顔が赤面するのが分かる。
···恥ずかしい。
「あらあら、何をそんなに恥ずかしがる必要があるの?私は火藍がそうやって笑顔になってくれるのが嬉しいのに。」
ギュッとお母さんが私を抱きしめる。
柔らかくて、温かくて、ほのかに漂う石鹸の匂いが良い香り。私の頭を優しく撫でる仕草も、心地好い。
「むー···。お母さん狡い······」
「狡くない、狡くない。」
アハハ、と笑いながら私を離す。
ちょっぴり残念な気分。
もう少し抱き締めてほしいなぁ、なんて···
「んー?もうちょっとして欲しい顔してるわね~?」
「っ!?」
「えい!」
逃げようとしたものの、ワンテンポ遅かった。
ガッチリホールドされ、逃げられない。
「うにゅ!?」
「甘えたいなら素直に甘えなさい♪」
この後、数時間くらい撫で回されたのはまた別の話。
※注意※
ここから先は火藍ちゃんの日記となっております。
短い+滅茶苦茶
それでもいいという心優しい方は見て行ってね!
五月十四日 曜(水) 天気(晴れ)
今日は、家族皆で公園に行きました。
お兄ちゃんは凄くはしゃいでたけど、私は家で本読んでたかったな、正直。まあ、遊ぶのが嫌ってわけじゃないから別にいいんだけどね。
公園についてから、まずボール投げ······キャッチボール?をした。んー、あれキャッチボールって言うのかなぁ?お兄ちゃんとお父さんはキャッチボールって言ってたけど、投げたボールを傘で打ち返してたら野球とか言うやつなんじゃないかな、って私は思うんだけど。
案の定、お母さんに聞いたら苦笑いでそうねと言っていた。
次に鬼ごっこしたんだけど、何か凄い疲れた。
お父さんが鬼で、私とお兄ちゃんとお母さんは逃げる側。変則ルールで、捕まったら終わりってことにしたまでは良かったのに。
うーん、お母さんもお父さんも大人気ないというか···意地張りすぎ!開始早々私とお兄ちゃんは捕まったのに、お母さんだけはずっと捕まらなかった。お父さんも凄い速いんだけど、お母さんはそれ以上に速くて全然捕まらなかったの。
私とお兄ちゃんのこと考えてよ、暇なのに。
お兄ちゃんは『暇だなー。ねー、火藍、どうする?』ってずっと聞いてきてうるさいし、二人の決着はつかないし······まあ、最後は阿伏兎さんが来て私とお兄ちゃん連れて帰って遊んでくれたんだけどね。何か、お父さんとお母さんより親みたい。
因みにお父さんとお母さんは二時間後に帰ってきた。決着ついたの?って聞いたら『周りの目が痛くなった』って言ってた。普通そうだと思うよ?いい歳した大人が公園で本気で鬼ごっこなんかしてたら、変だもん。
五月二十日 曜(金) 天気 (雨)
今日は大雨。流石に外では遊べないから、家の中でかくれんぼになった。ジャンケンで鬼を決めたんだけど、またお父さんの一人負けだったんだよね。ジャンケン弱い、お父さん。
三十数えてる間に、私はキッチンの戸棚に隠れたの。そしたら、見つかるのを待ってたらいつの間にか寝ちゃってて。ハッとなって戸棚から出たら、お母さんが目の前にいて、『そこに居たの!?···良かったぁ、見つかって······』って呟いてた。
どうやら、お父さんがどうしても見つけられなくて騒ぎになってたらしい。お母さんは見つけられたというか、かくれんぼにしては妙に大騒ぎしてるお父さんが心配になってわざわざ出てきたみたいで。
失敗したなぁ。
後から聞いた話だと、数時間も眠っていたらしいからね。
七月十一日 曜(月) 天気(快晴)
今日は海へ。
海に行くって·········私達夜兎なのに平気なのかな?
みんな張り切ってるけど·········
『海だー!!!』
って叫ぼうとしたんだろうね、お兄ちゃん。
でも、日差しにやられて目を回して倒れちゃった。
私は日陰にいたから難を逃れたけど、それでも頭がクラクラした。
それを見たお父さんお母さん達は、とりあえずホテルに一旦退避しようって言って退避した。
夜、日差しがなくなってから海に入った。
冷たくて気持ちよかったけど、とってもしょっぱくて口に入った時は驚いた。お父さんは、平気そうにしてたけど。
お母さんはお兄ちゃんと一緒に磯にいた。お兄ちゃんがヤドカリ沢山捕まえて、それを見せてた。凄いねー、ってお母さんは言ってたけど、私はなんか嫌な予感がしてお兄ちゃんに離した方がいいんじゃないの?っていったら案の定指を挟まれてた。
真っ赤に腫れてたな、指。
八月三日 曜(火) 天気 (曇)
"お祭り"っていう地球のイベントに行こう、って話だったから行ってきた。浴衣着て、屋台回って楽しかった。
けど、途中でお父さんによく似た女の人に会った。その人は"~アル"っていう話し方が面白かったな。
後、隣に眼鏡をかけた男の人と、死んだ魚の目をした銀髪の男の人も居て、『彼奴の子供か、お前。似てるなー。』って私に綿アメくれた。甘くて美味しかった。
お兄ちゃんは、何か真選組?とか言う人達に捕まってた。うう、今思い出しても気持ち悪くなる。土方、とか呼ばれてる人、マヨネーズでたこ焼きを漬けてた。あれ、舌おかしくなるんじゃないの?お兄ちゃんは興味本位で一口貰ってたけど、吐いてたし。
それから少し歩いたら、優しそうなお姉さんに会った。その人は"お妙さん"っていうみたいで、凄く優しかった。けど、なんか電柱の後ろから誰かがずっと見てたから教えてあげたら、『ありがとう。少し待っててね。』って言ってその人殴り飛ばしてた。
夜兎なんじゃないかな?って思うくらいその人吹っ飛んでたな。そしたら、さっきの土方···さん?とかいう人ともう一人栗髪の男の人がその人引きずってた。引きずられてる人の顔は少し見えただけなんだけど、ゴリラにそっくりだった。
最後の日記は消して文字数稼ぎではない))
そして、次回でこの話は終わります。
最後までご拝読のほど、よろしくです。