あぶねー。
でも短けー。
「にしてもさっきの店員面白かったなぁ〜」
「···なんでよ。神威が怒らせてくるから殺意抑えきれなくてめちゃめちゃビビってたじゃない。」
「俺のせい?まあ思い出してみてヨ。何て言ったのか。」
「······」
ええと、確か···
『店内での痴話喧嘩はちょっと···』
至って普通······あっ!
「その顔は理解したみたいだネ。」
「···した。物凄く。」
思わず額に手を当ててしまった。
痴話喧嘩というのは···まあ···俗に言えば、恋人同士の喧嘩だ。一応断りを入れておくが、私と神威は別に付き合ってるとか両想いとかそういうのは全くない。
あくまで、ただの(無理矢理の)友人だ。
「俺結構あの店行ってるんだけどネ。ま、あの店員明らか新人だったししょうがないか。」
さらっと言ったものの、私は思わず聞いてしまった。
「···まさか毎回アレやってるわけ?」
「そうだけど···なんかまずい?」
しれっと問題発言。
「···。ファミレス乙。」
「話戻すけど、まあ、俺はそう見られても構わないから。」
「·········は?······」
丸々十秒ほど神威の顔を見つめた。
そして···
「アッハハハハ!!!何、それ、カッコつけてんの!?」
爆笑した。
「え···」
「"俺はそう見られても構わない"ってアレ?学園ドラマものでよくあるヒロインの片想いしてる奴のセリフ!?何それ笑えるわー!!!」
「···」
ツボった。完全にツボった。
此奴ちょっとキラッとした感じで何を言い出すのかと思ったらそんな臭い台詞吐くなんて···
「無理、まって、似合わない、マジ!」
笑い過ぎてお腹が痛い。腹筋崩壊並に痛い。
「···笑い過ぎ···」
「ハー、ハー············アハハハ!」
数十分後···
「すっごい人に見られてるけど···」
「···笑い過ぎたかな?」
「逆にそれ以外無いでしょ。」
「···そうね。」
驚いた。まさかあんなに大笑いするとは思ってなかった。冷たく流されると思っていたのに。
「···ねえ、藍華って笑いのツボ浅い?」
「···別に?さっきのはほんっっとにに合わなかったから笑っただけ。ふふふ···」
果たしてそれが本当に面白かったのかは彼女しかわからない事だが、良い笑顔だった。
向日葵のように明るく、眩しい笑顔だった。
「···何?人の顔ジロジロ見て。」
「···。笑顔可愛いなって思って。」
「···そう。」
褒めてみた。が、彼女の対処はいつも通り冷めたものだった。
「···照れないのが残念?だとしたら御生憎様、それ位の褒め言葉、慣れてるから。」
まだこちらが何も言わない内に、そう言って冷ややかに笑った。だが、その目に一瞬寂しそうな色が映ったのを、俺は見逃さなかった。
「···慣れてるなら、何でそんな寂しそうな目をするのさ。褒め言葉、嬉しいものなんじゃないの?」
俺の言葉に、彼女は軽蔑したような視線を向けた。
「心のこもって無い褒め言葉なんて、ただの薄っぺらい飾り。揶揄うって魂胆が丸見えなアンタに褒められたって、些とも嬉しくないわ。」
「···別に、俺はそういう意味で···」
その棘が多く含まれた言い方に、慌てて弁解をするが、彼女の軽蔑は増すだけだった。
「私の物言いがキツイからって見苦しい弁解しなくてもいいじゃない。そうやってコロコロと意見変えた所でアンタの動揺は隠せないんだし、そもそもそう言う意図がないことも焦り具合から見て良くわかるわ。」
「···」
多分俺は、彼女の地雷に触れてしまったのだろう。
彼女の声は、冷たい。
何時もの温かみは無くても冷たくはない、平温な声とはかけ離れている。
「···はあ。私帰るから。」
「え、あ、うん···」
言うが早いかさっさと人混みに気配を消してしまった。
ズキッ···
「·········?」
胸が、なぜか少し痛んだ。
後、これから色々と話を変えていくと思うんですね。
どうも原作者と意向がズレまくっている事が判明したので。新作よりも改稿が多いです。しばらくの間話が前と変わってるとかありますので。
↑フラグ回収ー