輝明が突然倒れて数時間、彼は明日の夜までそのまま伏せていた。たまがこの領地に合流し、彼の様子を見ていると倒れていることに驚いている。
(⁉︎どっ、どうしよう…)
ずっとこのままになっていた為に身体はひどく冷えており、優しいたまは何か掛け布団かを用意しなければと焦っていた。が、用意する前に彼は目を覚まして両手で起き上がる。
オロオロしているたまを彼が見て、頭をかきながら聞いてきた。
「おい…どれぐらい寝ていた」
「えっ、ええっと⁉︎」
たまは慌てて自分の端末で時間を見て伝えていた。ほぼ一日中寝ていたと言われてもそんなに驚いた反応がなく、起きた後にケースを漁っていた。
「…そうか」
そう言うと彼はケースから袋の入っている菓子パンを取り出して、食べていた。それだけではなく腕時計を付け、落ちていた鏡を使って櫛を用意し、髪を整えていた。
(えっ⁉︎でも昨日荷物を見せた時に…)
「お礼だ、わざわざすまねぇな。受け取れ」
彼はお金を手渡した。それを見たたまは彼に対してかなり困っている。
(どっ、どうしよう)
まさか現金まで入っているとは思っていなかったから不審になりながらも貰うべきなのかどうか困っている。以前ルーラ達に見せたものは衣服と娯楽用の道具しか持っていなかった。外出もせずに寝込んでいた彼が一体どうやって食べ物やお金を用意したのかわからない。
「たま‼︎そんな男は放っておいて早く集合しなさいっ‼︎」
「はっ、はいいいいいっ‼︎‼︎」
ルーラの叫びにたまは身震いして戻っていった。
*****
「あの…彼が起きました」
「全員集まったわね。それじゃあ計画を始めるわよ」
ウィンタープリズンとシスターナナからねむりんの死によって他の魔法少女がその真実に動揺を隠せなかった。ファヴに聞いても魔法少女の素質を失えば死んで当たり前だと言っていた。
全員は魔法少女を辞めることがどういうことかも知らず、死に直結することになるなど思ってもなかった。
ねむりんの死以降から、魔法少女同士でキャンディーによる譲渡ができるようになったシステムはファヴがマジカルフォンに搭載した新機能だった。
この新機能をルーラ達が知ったのは輝明のゲームが終わった後のこと。
しかし、これは分け合うと言うわけでも、やりくりしようというものではない。ルーラ達のように脱落しない為に相手のマジカルフォンを取り上げてキャンディーを奪い合えという意味にも捉えられる。
ルーラ達の標的になったのはスノーホワイトだった。彼女が一番キャンディーを手に入れている。問題なのは、彼女の隣にいるラ・ピュセルが武器を持って攻撃してくるに違いない。
ルーラ達の企みとしてはまずスノーホワイトの側にいるラ・ピュセルをミナエル、ユナエル、たまの3人が誘き寄せる。その間に一人になったスノーホワイトをルーラとスイムスイムが襲い、マジカルフォンのキャンディーをルーラが全部手に入れるという方法だった。
「なぁ。俺もその作戦に混ぜてくれないか?」
「起きたのね、でもこの作戦は私たちがやるわ。あなたの出る必要がないわよ」
輝明がルーラの計画に横から入って話してきた。話し合いは輝明のゲームのせいで昨日の夜では間に合わず、早めに集合して終わらせている。
「じゃあ囮役だけは俺もやろう。俺とそいつがゲームをやるだけでも相な時間がかかるはずだ。キャンディーを集めるなら十分な時間じゃないのか?」
「…分かったわ。昨日のように時間をかけなさいよ。あんまり短すぎるとスノーホワイトのキャンディを手に入れられないんだから。参加するのならそれなりに成果を出しなさいよ」
ルーラが厳しい目で輝明を見ていた。力については実感した為、それがどれだけ恐ろしいのかよく分かってある。が、彼がゲームに負けてしまえば最悪敵側になってしまうという可能性もある。
「了解した。ただその前に、襲う魔法少女の性格を知りたいんだ。教えてくれないかな?」
「はぁ?どういうことよ?」
彼は、二人の情報を聞いて余裕のある顔をしていた。ミナエルとユナエル、たまはラピュセルをおちょくればいいだけで、ほとんどは自分がやると言ってきた。
(何こいつ…昨日とはまるで)
「へぇ…なら潰し甲斐があるな?負ける気がしないね」
「話が済んだらさっさと来なさい」
ルーラ達から見て昨日会った時とは雰囲気が全く違っている。
姿は似ていても言い方も、喋り方も何か変だった。
(よく見たらおかしいな…昨日は目の色が黒かったのに。なんで赤いんだろう…)
ルーラ達はもう気にしなかったが、たまの方はずっと輝明の瞳を見て疑問に思っていた。
*****
その日の夜
こうして作戦が決行され、スノーホワイトとラ・ピュセルの二人を引き離すことに成功した。ラ・ピュセルが着地したところをたまの作った落とし穴で引っかかるはずだった。が、剣を大きくさせて足場にしたために落っこちることはない。
ラ・ピュセルは自分の剣をバネにして飛んでいるミナエルとユナエルを叩き落とそうとするが、
ーーーGAME発動
ラ・ビュセルはユナエルとミナエルに攻撃が通じない。剣が何かに阻まれて届かなかった。
「もう散って良いぞ」
(どこにいるっ⁉︎…でも探す前にスノーホワイトを助けに行かないとキャンディーが‼︎)
ミナエルとユナエル、たまの3人はその声を聞いてこの場から撤退していく。ラ・ピュセルは3人を見て、スノーホワイトのところへ向かおうとするが、見えない壁が彼の行く手を阻む。
「おいおい俺を無視するなよ」
「誰だっ⁉︎」
輝明が前に出て、姿を現した。既に結界には二人だけが取り残され、互いに攻撃できない状態になっている。
(魔法少女じゃない⁉︎じゃあこれは…)
「ここから出るには俺とのゲームに勝つしかない。力づくでここから出ようとしても無駄だし、俺がお前を倒すこともお前が俺を倒すこともできない。
倒すにはゲームで勝ち負けを決める。
勝敗はまぁ、これで決めるか?」
彼の右手には6つのサイコロを握っている。そのサイコロを持ちながらラ・ピュセルの元へと歩き寄っていく。
「一体何者なんだ‼」
「お前の選択はゲームをやるだけだ。
こっちの名前を知る必要はねぇよ。俺を倒してスノーホワイトやらを助けに行かないといけないんだろ?」
(そうだ!だから僕は…)
魔法少女じゃないこの男についても気にはなっていたが、今のラ・ピュセルにはそんな余裕はない。彼がどんな能力なのかわからないが、ルーラに手を貸している以上倒さない限りスノーホワイトを助けに行くことができない。
「名前は聞かない…誰かは知らないけど。でも、僕が勝った時は…僕とスノーホワイトの邪魔をするなっ‼︎」
「ならこっちが勝ったらお前の身体を弄らせてもらう…それとスノーホワイトのところに案内させてもらうぜ?
ルールは簡単だ。
お互いに持っている三つのサイコロを投げ、出た目の数を合計で競うゲームだ。
一番合計が高い方の値を出した方が勝ち。
このゲームは三回勝負で行う。分かりやすいだろう?
サイコロは2回負けた場合だとサイコロはどんなサイコロになってても良しとする。
ただし、どんなっつても全ての面の出目に同じ数は無効だからな。
おらよ、それで振れ。こっちのはこっちで持ってる。じゃあゲーム再開だ」
輝明はサイコロを持っていないラ・ピュセルに三つのサイコロを手渡し、ゲームが始まった。ラ・ピュセルがスノーホワイトを助けに行きたいが為に急いで振ろうとするが
「おい、ちょっと待ちな。後出しは互いに無しだ。やった場合はすぐに負けとみなされるからな。俺もお前も」
「わ、分かったよ…」
振る前にちゃんと忠告し、ラ・ピュセルを止めた。もしも振っていたらラ・ピュセルは違反したことにより一回負けることとなっていた。
1回戦目
彼らは互いにサイコロを振った。
輝明?1+5+2=8
ラ・ピュセル4+2+3=9
(よしっ…!)
「惜しいな」
ラピュセルの点数が上回っており、一勝を獲得した。このまま勝ち進んで行けばスノーホワイトの元へ助けに行ける。
(さっさとこの男をどうにかしてスノーホワイトの元に行かないとっ‼︎)
2回戦目
輝明? 1+2+1=4
ラ・ピュセル 1+4+3=8
「…これは参ったな?」
(よしっ!)
2回目でラ・ピュセルがまた勝ち取った。このままいくと輝明は一勝もできずに敗北することとなる。
「いい加減諦めたらどうだ。今なら辞めたっていいんだぞ!」
「それはどうかな?勝負はこれからだ」
(まだ諦めないのか…)
3回戦目
輝明? 4+4+1=9
ラ・ピュセル 5+1+2=8
「ギリギリか?」
「くっ…」
一点差で輝明が勝ち取った。
4回戦目
輝明?4+5+4=13
ラ・ピュセル2+3+6=11
ラ・ピュセルは負けていく結果にだんだん焦りを感じた。もうお互い次の敗北は許されない。これでどちらかが負ければゲームは終了し、勝った方が敗者を好きにできる。
(5と4と3…よしっこれなら‼︎)
自分のサイコロの出た目が二つも半分以上の値になっている。これなら彼を負かすことはできる。
彼の出目の合計が12以上でなくてはならない。つまり、彼は6との目を二つ出すか、ラ・ピュセルのように半分以上の4.5.6を出す必要がある。
1なら6が二つ、2なら5と6、3なら5と5というような大きい出目が二つ出さなければならない。
今度こそ勝てると思って、輝明のサイコロを見た。が、
「…は?」
ラ・ピュセルの希望は結果を見て一瞬にして絶望へと叩きつけられた。
5回戦目
輝明?6+6+4=16
ラ・ピュセル5+3+4=12
「これで3勝か、俺の勝ちだな?」
(嘘だ。こんなのおかしい…何でこんなに高い数が連続でっ)
「なんで高い数字が二回連続で出てるのかって顔だな?じゃあゲームも終わったことだしそろそろ種明かしとするか…」
輝明はサイコロを拾い上げて、見せた。
ラ・ピュセルは彼の持っているサイコロの面を見て青ざめてしまった。
「なんだよこれっ…4と5と6しかない…」
「そう、このサイコロをシゴロ賽って言うんだ」
なぜなら、名前の通りサイコロの面には4と5と6しかない。低い目出会っても3以上の値が出る高い出目であるため高い合計点が出るのは違いなかった。
つまり輝明が二回連続で高得点を取れたのはそのサイコロのお陰だった。
「ふざけるなっ‼︎こんな…こんなのっ卑怯だ!」
「卑怯?なら逆に聞くぜ。お前はゲーム中にジゴロ賽だと分かっていたのか?それと、ルールを説明するとき言ったはずだぜ。サイコロは何使ってもいいって。お互い同じサイコロを使えだの言ってなかったし、サイコロも変えるなとも言ってない」
ラ・ピュセルが結界で出られない以上サイコロを作るなんてできる訳がない。対して輝明の方はゲームを用意する前に既に準備していた為にジゴロ賽を持っている彼の方が圧倒的に優位だった。
だからこうして卑怯だと批判している。
「サイコロはなんでもいいって…そんなの…無理に決まっているだろ!」
「いや、用意できるだろ。落とし穴の際に剣を変形させてたじゃねえか?
地面を切り崩して転がせるような正方形にし、出目を細かく切り崩せばいい。
なんなら俺から貰ったサイコロの面を斬って新しく出目を作り変えても構わなかったんだ。
まぁ、勝ち負けでやらないといけないから面全部を同じ数でサイコロを使うのは禁止されてるけどな。そもそもジゴロ賽を持っているのならなんで1回戦目から3回戦目までは使わなかったのか。もう分かるよな」
ゲームの前に説明した通り、二回負けた場合だとサイコロを使っても良いと言っていた。いきなりジゴロ賽を使えば、ラ・ピュセルが何を出してもルール違反をしたことによってラピュセルが勝つこととなる。
「でも…でもなんで3回戦目でジゴロ賽を使わなかったんだ‼︎それなら僕を余裕で」
「確かにジゴロ賽を使えば勝率は高くなるな。でもこの勝負に負けても俺が損することはない。
正直俺にとっては勝ち負けなんてどうでもよかったんだよ。だってお前が勝てば邪魔をするなってだけなんだから。こっちはお前らの時間を稼げばいいだけでもう十分なんだ。だから一度チャンスを与えて、それ以降はジゴロ賽を使用した。少なくともお前は5回戦目に入る前にジゴロ賽を作れる機会が一度あったはずだ。サイコロを投げる前までの間は制限時間もないから、俺に勝つ為に考える時間は幾らでもある。でもお前はルールやジゴロ賽について全く気づかなかった。
だから、その機会を無駄にして5回戦目を始めた」
「それはっ…」
もしも5回戦目の前に4回戦目の結果を見てラ・ピュセルがジゴロ賽に気づいていれば、ジゴロ賽を用意して振ることができた。同じジゴロ賽で振って勝つ可能性が高くなっていたかもしれない。
「お前が俺との対決が面倒だったからなんじゃないのか?お前は確かスノーホワイトを助けるために急いでいたからな。
でもお前はゲームを始める前に既に二択を迫られていたんだ。時間を浪費して俺に勝つか、時間を短くすますために焦りイカサマを見破ることなく敗北するか、っていうことがな。
それに俺がジゴロ賽を使ったとしても、お前は最低でも12以上の合計を出すことができたら勝つことができる」
「そんなっ、嘘だっ…こんなの無効だ‼︎」
ラピュセルがいくら無効だと言ってもゲームは既に終了しており彼の勝ちだと断定された。ラ・ピュセルが鈍かったが故に敗北した。
「さてと、お前の負けた時の代償は…あぁ、俺に選択権があるんだ。どうするかはこっちの自由。潔く負けを認めろ。お前が俺に攻撃するのは勝手だが、いくら攻撃しても俺の身体がその剣で斬り刻まれることは絶対にない」
彼は体を改造すると言っていた為、ラ・ピュセルは恐怖した顔をしていた。一体何をしてくるのかわからかず、おもちゃにされるのか、どんな風にされるのか怖くなっていた。
「僕にっ、何をするつもりなんだっ…」
「とりあえずお前が健気な正義感のある少女だってのは分かったよ。にしてもまぁボクっ娘か…」
どんなに力で抵抗しても攻撃が通用しない。ゲームに負けた相手は逃げることも抗うこともできない。
そしてラ・ピュセルは彼に負けたことで代償を払ってもらう。
「んじゃまぁ…まずは、今から君の股間にあるものを生やしちゃいます」
「…へっ?」
ラ・ピュセルの下半身の部分に何かしらの異物を感じた。手で確認して触ると
(なにこれっ…おっおちんちん⁉︎な、なんでこんなのが⁉︎)
「どっ、どういうつもりだっ‼︎僕に、こ、こんなものを生やさせ…うわっ⁉︎」
「ちょっと確認をさせてもらうぜ」
彼が身体に手を出し、ラ・ピュセルの服を無理矢理剥がし、下半身を丸裸にした。ポロリと大きめの睾丸と勃起したペニスが出てきている。輝明はそのペニスを左手で掴み、シコシコと素早くさすった。皮で包まれていたペニスをゆっくりと剥いでいる。
右手で睾丸をモニュモニュと揉んでいる。
「何をするん、あぁっ…やめろっ‼︎やめてっ…あっ、ダメッっ!」
「精通は問題ねぇか」
(白いのが…おちんちんから白いのが出て)
ラ・ピュセルを無理矢理射精させ、男性器が機能しているのかをやっていた。精子が地面に飛び散って、ガマン汁が尿道からこぼれ落ちていく。
「なに、これっ」
「お前、射精を知らないのか?まぁ幼い女だもんな。無理もないか」
ラ・ピュセルは無理矢理身ぐるみを剥がされ、性器弄られた為に半分泣きながら怒っている状態だった。
「も、もういいだろ!ぼくはスノーホワイトを」
「は?何言ってんだお前。それで済むとでも思ってるのか?もう一つあるぞ。ちょっとお前の幼馴染の居場所の元に案内しろ」
「す、スノーホワイトにまでっ⁉︎何する気なんだおまえっ‼︎」
彼はラ・ピュセルだけではなくスノーホワイトにもちょっかいを出そうと考えていた。
またあの時のように、ゲームを発動して今度はスノーホワイトにまでゲームに負けた代償を払わせる。
「いやまだ終わらねぇよ。お前に生やした男性器を使って遊ばせてもらうぜ。
あぁ、スノーホワイトもお前と同じように『賭け』をしてもらうからな?俺がゲームに勝った以上まだ頑張ってもらうぜ。彼女の騎士さん?」
「また…僕をっ⁉︎」
彼はまだ、このまま終わらせてはくれなかった。
サイコロゲーム
難易度☆〜☆☆
三つのサイコロを用意して、出た目の数を合計する。
合計した数の一番多い人が勝利する。
・お互い同じタイミングで振る必要がある。
・サイコロの出目がどんなものであろうとそのサイコロに手を出してはいけない。
サイコロといっても1〜6の目のあるものなんでも良し(ジゴロ賽あり。ただし、6面全部6とかの引き分けを考えたサイコロだと勝ち負けができなくなるのでゲームが起動しない)
ただしサイコロを変えられるのは
・あと一勝で敗北すること
・どんなサイコロと言っても相手も勝てるようなサイコロでなくてはならない。
以上の条件にて
相手が振った後で振ったり、出た目の最中に手を出して変えようとしたりするのは違反行為となり、負けとみなされる。