※この作品はR-18です。

Darkness Of The Game   作:斬刄

9 / 12
今回は短いです。
*これまでのあらすじ
ラ・ピュセルが男の娘だと知ったハイドは泡を吹いて倒れる。
↓
意識を取り戻した輝明、四面楚歌となって追い込まれる(今ここ)


試行錯誤

目を覚ました輝明は四人の魔法少女に囲まれるという、絶望的状況に追い込まれていた。四人中3人はハイドの被害者、ゲームなどで嫌がらせなどをしたため恨まれて当然のことをしたのだから顔が真っ青になっている。

(こんなバカなことがあってたまるかっ⁉︎何をどうやったらこんな酷い状況になるんだ!しかもラ・ピュセルにこちらのことをすべて話している以上、能力を警戒して至近距離でこっちに身体を寄せてきている。

 

これじゃあ能力が発動できない…ゲームにすらなってないぞ⁉︎ユナエルとミナエルが助けに来てくれるのか?いや絶対あり得ないし、そもそも仲がいいってわけじゃない。ならたまかスイムスイムが僕を…あり得ない。協力関係になったとはいえ僕を命を張って助けに向かうなんてどう考えても虫が良すぎる)

 

そもそも、スイムスイム達が輝明を助けに向かうとは思えない。彼らが輝明に対して仲間意識があるかどうかさえあやふやだった。たまだけが心配で仮に助けに来たとしても、リップル相手に勝ち目があるかというと皆無だった。リップルの方が逆に遠距離で牽制し、たまが仕留められてしまう。

 

リップルの方はトップスピードが殺された時ほどの怒りはこもってないが、彼から目を離そうとしない。彼の能力のせいで精液という独特の匂いがこびりついたことと、ラ・ピュセルをふたなりにさせた人を黙って見過ごすわけにはいかなかった。

 

(どうやってこの状況を切り抜ける?ラ・ピュセルに謝罪して助けた借りをここで返して欲しいと頼むか?いや、こっちの悪行の方が上回ってる。助けてくれるわけがない…

ならゲームを無理矢理発動して強行突破!…どう考えても自殺行為だ。そもそも魔法少女の身体能力が人を凌駕する時点でその方法は絶対に無理。発動される前に攻撃されたら、もう勝ち目がない。

 

もういっそのこと二重人格でしたと言うか?いや、信じられるわけがない!今までやったことを考えて、信じてくれるわけがない!この場から逃げようと言い訳を言っているだけだ…どうする…バカな…くそっ⁉︎)

「だんまりか…ならこいつを」

「待って!」

 

スノーホワイトがリップルに待ってほしいと頼んだ。リップルは輝明から強引に聞き出そうとするのの、手が止まる。

 

「ねぇ、一つ質問してもいい?貴方は…本当にハイドなの?」

 

スノーホワイトは焦っている輝明の心の声を聞いて、おかしいと思っていた。輝明もピンチで焦っているせいで肝心なことをすっかり忘れている。

 

スノーホワイトの魔法は【困っている者の心を聞くことができること】だ。

(そうか!ハイドから話は聞いたけど確か君は困っている人の心を読めるんだった!だったら話が早い!とゆうより助かった‼︎)

「その…俺は、ハイドじゃない。輝明って言って…つまり、二重人格なんだ。その証拠に俺の目は黒い…あいつは赤かった。さっきのようにあんな酷いことはしない。信じられないかもしれないけど、頼む…信じてほしい」

輝明は早速スノーホワイトと対話を試み、自分が害ではないことをなんとかして伝える。

このまま何もできないままリップルに拷問を続け、情報を吐いてしまえば最悪命を狙われてしまう。

 

「その…彼を見ていると前とはハイドって人とはだいぶ様子がおかしくて」

「それはそうだけど…でも僕のことを」

 

スノーホワイトの方はハイドがラ・ピュセルを奪おうとしたが、それでも彼を助けた命の恩人でもあるため複雑な気持ちではいた。魔法で彼の困っていることがわかる以上、嘘を言っているとは思えなかった。

輝明は助けて欲しいと頼む。しかし、

 

「なら、危害を加えないなら貴方のことについてや貴方と手を組んでいるスイムスイム達の知っていることを教えて!」

(…えっ?)

 

スノーホワイトの魔法なら彼が口に出したことを言っても、彼が困っている以上嘘かどうかを見破れることができる。言わなかったら、死ぬことはないものの酷い目に合うのは目に見えている。

 

(ここで話せばこの状況を生き延びることはできる。でもだからと言って、僕とスイムスイム達のことをいまここで話したら…ならここでバラすか?いやダメだ…バラしたところでまた命を狙われる。ただでさえ住む場所がないっていうのに⁉︎)

「住む場所がない?…どう言うことなの⁉︎」

(つっ⁉︎やっぱり、心を読まれるのは面倒だ…)

この現状で殺されることはない。しかし、スイムスイム達の情報を吐いてしまったらスイムスイム達に貸してもらっている住処を失い、裏切りの烙印を押されることとなる。

黙っているばかりで彼に対する疑心が増加していく。

(どうする…どうすれば)

だからと言って何も言わなかったら今度はリップルにリンチにされる。もう今度こそ詰んだと思っていた。

スノーホワイトによって誘導尋問されるか、徹底的にボコボコにされるか、どちらにしても時間の問題だった。が、スノーホワイトが彼の質問の答えを聞く前にスイムスイムが武器を持ったまま地面から出てきて、背後からリップルを襲ってきた。

 

*****

 

(なんでスイムスイムが俺を⁉︎)

「リップル!」

スノーホワイトがスイムスイムの登場に驚き、叫んだ。リップルは振り下ろされた槍が首が届く直前で防いだ。

 

仕留め損ねたことで、スイムスイムは下がる。

「これ、使って」

「あぁ! 分かった!」

 

拘束を解かれた輝明は透明外套をスイムスイムから貰い、なんで助けに来たのかを聞くよりもこの場から逃げることを最優先にする。輝明は透明なって視界から見えなくなり、逃げることに成功した。

 

 

「逃すかっ…!」

 

 

リップルが手に持っている手裏剣を飛ばすが、スイムスイムの魔法は何でも潜れることができるため、投げた手裏剣は身体を通過していくだけだった。

 

(なにっ…⁉︎)

 

スイムスイムは輝明がいないことを確認し、自分のいる位置から地面に潜って逃げていった。

 

*****

 

輝明の方はスイムスイム達の領地である王結寺に帰った後、ミナエルとユナエルの二人に何やってるんだと叱られていた。いくらハイドのせいだと言い訳したところで、輝明がハイドに伝えなかったからこんな危険な目にあっている。

(何も言い返せない…)

 

叱っている間に、スイムスイムが後から王結寺に帰ってきた。スイムスイムは失態を犯した輝明に対して怒っておらず、平然とたまに透明外套を手渡す。ラ・ピュセル達が輝明の情報の為に、本拠地である寺に追ってくることはなかった。輝明は自分に関心のないスイムスイムがなぜ助けるのか、彼女が帰る前に聞いた。

「あの…なんで俺なんかのために「まだ貴方を死なせるわけにはいかないって。ハイドとの大事な約束」」

輝明はハイドという名前を聞いて憤っていた。

「またハイドかっ…くそっ!」

ハイドは輝明に情報を聞くだけ聞いて、ハイド自身のことについては明るみに出そうとはしない。

出そうとしても、行ったゲームについてや呪いのゲームの詳細(しかも僅かしか教えてくれない)という少ない情報ばかりしかない。約束事をしたなんて知なかったことや、意識を強制的に遮断されることもあった為不愉快極まりない。

(でもあいつ、スイムスイムと何の取引をしたんだ)

今のスイムスイムは輝明にどんな感情を抱いているのかわからなかった。クラムベリーを始末する時は彼女自身が強者であったため組むメリットはあったが、輝明を助けるためのメリットが何一つ思い浮かばない。

 

輝明の能力は闇のゲームという強力な呪いの力。その力で他の敵対している魔法少女に使わせて、勝利して敗北した魔法少女を奴隷のように戦わせるのか。

 

(そんな考えなら…俺はスイムスイムの心を改心させないといけない。どんなことをしてでもっ…)

 

原作を知っている輝明でさえも、スイムスイムがどんな行動をしてくるのかわからない。ただ、分かっていることはこの殺し合いに乗じ、他の魔法少女を殺していく。ルーラという規約に基づいて、その規約に違反した魔法少女は殺される。

 

幸せになりたかっただけのたまもその犠牲となる。殺し合いが起きる前のスイムスイムはルーラのことを仕えたい一心だったが、ねむりんによってお姫様という願望を得てしまった。その結果、仕えるからなるとなったことでメンバーと手を組んで、ルーラを裏切って殺そうとした。

 

ルーラならという考えを貫いて、状況を把握しようとする場面が多いせいで、彼女自身の意思が全く見当たらなかった。そして、殺し合いが加速していくうちに仲間以外にもウィンタープリズンとハードゴア・アリス、そして妊婦であったリップルの3人をも殺す。

 

スイムスイムの側にいる3人の仲間は、終盤で彼女一人を残して死んでいった。そして、最後の局面で彼女も死ぬ。

(なんとかするしかない…この力で。

まだ彼女は、人を殺めてない。今の所死んでしまったのが、ねむりんとマジカロイド44の二人だけ。だから、スイムスイムが心を変えてくれる可能性が少なからずまだあるかもしれないっ…それに、たまも助けてあげたい)

呪いの方はまだ青鬼だけしか使っておらず、それ以降はハイドがその力を乱用している。しかし、ハイドがゲーム内容について話してくれたおかげで、この力の扱い方を多少は理解できるようにはなっていた。

しかし、輝明の考えとは裏腹に知らぬ間にスイムスイムにもっと悪い意味での動機を与えてしまった。

 

(輝明の能力で賭けに勝ったら…私はルーラを超えられる?)

(またミナエルとミナエルに怒られるけど…それでも)

 

まだ彼は、自分が狙われていることに気づきもしなかった。前回青鬼というゲームで負けたことが原因で、今度は彼の賭けに勝って、そして殺すことでルーラを超えることを。

 

そして、スイムスイムの歪んだ思いと輝明による衝突はそう近くない。スイムスイムは、輝明が殺し合いに乗ることなくDarkness Of The Gameを使って相対する可能性があることが分かっていたからだ。

 

そして、二人の衝突にハイドがまた絡んでいることもまだ輝明は知らない。

 

 

 

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