身体が重い。
微睡みの中で覚えたのは腰回りにのし掛かる重圧だった。
といっても、そこまで重い訳では無い。
何だろう、例えるなら親戚の家に泊まった次の日の朝に、従姉妹が無邪気に乗っかって起こそうとしている様な。
波間に揺蕩うクラゲみたいにふよふよと自身が定まらない感覚の中に、また別の感覚が生まれた。
一言で表すなら、快感。
矢張り腰回りを中心に生暖かさが伝わり、なんとも言えない気持ち良さが身体の中心を貫いて駆け上がって行く。
「……っ、……、ぁ……」
意識の遠くからか細い声が聞こえた。
耳に残る、可愛い声だ。
無意識に声の方へ手を伸ばそうとして、右手が動かない事に気付いた。
いや、右手のみならず全身が気だるさを訴えてきており、まるで鉛でも接合されているかの様に重たくなっていた。
どういう事かと思考を巡らせた瞬間、
「っ、が」
強烈な頭痛が巻き起こり思わず口から情けない悲鳴が漏れた。
だが今の僕にはそれを情けないと思う余裕すら無く、蛇が脳内をのた打ち回る様な感覚に歯を食いしばって耐える事しか出来なかった。
「っぁ、あんっ、契、起きた?」
鈍痛の合間から艶を含んだ声が聞こえる。
一段と激しくなる腰からの悦楽に誘われて目をこじ開ければ、行灯にゆらゆらと照らされた全裸の幼女が見えた。
幼女は自ら腰を落として、その幼い秘裂に肉棒を招き入れている。
それを見て、自分が犯されていると解る。
愉悦に口の端を歪め淫らに腰を振りたくる姿はひどく官能的で、見た目の幼さがもたらす背徳感と併せこの上無い淫靡な雰囲気が思考を縛り上げる。
思わず、腰を突き上げた。
「あひ、んにゃぁぁぅ!?」
突如生まれた攻めの動きに、幼女はだらしない喘ぎ声を上げた。
まだ自慰さえ知らないであろう柔らかな膣肉が突然の刺激に驚き、一瞬肉棒を拒む様に身を固くする。
が、直ぐにそれは和らぎ、代わりに奥へ奥へと導く様に煽動を始めた。
それが生む心地良さに味を占め、何度も腰を突き入れて楽しむ。
「うぁっ、あっ、んぅっ、んっ、んんぅぅっ! んひゃぁっ、け、契っ、それっ、激し過ぎぃ、ぃっ、いひぃぃん!」
腰に跨がった幼女は強過ぎる快楽から逃げようと、僕の腹に手を当てて支えにしようと身体を前に倒す。
そこを、引いた。
前に伸ばした手首を掴み、幼女の腰よりもやや後ろで下に引っ張る。
「ひゃぅっ!? あくっ、かっ、ひゃひぃ! いっ、いひぃっ、ひっ、ひぐぅっ、うっ、うぐぁぁっ!」
余りに強い快感を逃しきれず、全身を大きく震わせる。
口から漏れ出るのは正しく悲鳴。
蜜柑色の髪を振り乱し、口では拒絶の言葉を吐きながらしかし腰をくねらせ更なる快楽を得ようとする。
「あっ、あがぁっ、やぁっ、やらぁ、もうむりっ、あくぁぁぁぁぁっ、ひっ、ひくっ、まらひくぅぅぅっ、あ──、あぁ────ー、ゆるひっ、ゆるひてぇっ、こわっ、こわりぇ、こわりぇりゅぅぅぅぅっ、あっ、あらまっ、あらまおかひくなりゅぅぅぅ、あぁっ、まらっ、まらイクぅぅぅぅぅっ!」
何度も絶頂を繰り返し秘裂からぴゅるぴゅると潮を噴く幼女。
顔は涙と鼻水とよだれでぐちょぐちょだ。
幼女の淫猥な泣き顔に高揚感を覚えた僕はもっと鳴かせてやろうと思い、更に激しく腰を突き上げた。
小さな身体が跳ね、肉棒を奥深くまでくわえ込む。
子宮口が亀頭でぷちゅっと潰れる度、幼女は口からあられもない淫語を吐き出す。
「あひぃ、ひぃ、んひぃぃぃん、イクぅ、イクにょぉ、けいのおひんひんきもひよしゅぎりゅにょぉぉぉっ、あ──ー、あ────ー、イってりゅぅ、イってりゅにょぉ、わらひのおまんこイってりゅにょぉぉぉっ、っぁぁぁぁあ、でりゅ、でりゅぅ、おしっこ、えっちなおしっこでりゅにょぉぉ、あぁっ、おしっこでりゅぅ、おしっこきもひいいよぉ、あぁん、おしっこでまらイクぅぅぅっ!」
ぴゅくっ、ぴゅくぅっ、と僕の腹に何度も潮を撒き散らしてイキ続ける幼女。
そして幼女がイク度、膣壁がきゅっきゅと肉棒を締め上げる。
我慢する必要も無いか、と考えた所為かあっさりと堤防は決壊し煮えたぎる精子が子宮内へとぶち撒けられた。
どびゅぅぅっ、とデコレーション用の生クリームを思いっ切り握り潰した様な勢いで精子が迸る。
「あ、あっ、あぁぁぁぁああぁぁぁっ!? きたぁ、きたきたきたぁぁぁっ!? けいのせーしなかだしきてるのぉぉぉぉっ!」
叫ぶ様に喉を鳴らした幼女は、急にガクッと力を失う。
そのままふらりと此方に倒れ込む。
顔を覗けば、口の端を至上の愉悦に歪めて失神していた。
時折びくっと身体を震わせる。
気を失って尚続く絶頂が無理矢理身体を動かしているらしい。
精子を幼女の子宮に吐き出し終わると、途端に頭痛が舞い戻ってきた。
鈍痛に苛まれる内、意識が段々と薄くなっていく。
最後の力を振り絞って両手を幼女の背中に回し、優しく小さな身体を抱き締めた。
──んぁ……?
鳥達の囀りに耳をくすぐられ、ゆっくりと意識が浮上してくる。
部屋に差し込む光の量から察するに、早朝を少し過ぎた頃か。
起きる為に身体を動かそうとした所でのし掛かる重圧と胸板をくすぐる吐息に気が付いた。
視線を天井から胸元に下げれば、蜜柑色の髪の毛が揺れていた。
はて、何故鬼ロリっ娘が僕の上で寝ているんだろう。
更に言えばお互いに全裸だし萃香ちゃんはとろ顔だし僕の息子は幼女おまんこに入ったままだし。
てか半勃ちのまま根元までくわえ込まれてる時点でもう色々とアウト?
ふと、脳裏に幽香さんの笑顔が浮かんだ。
──ひぃぃっ!? ま、待って、僕は何も知りませんよ!?
とても表現出来ないレベルの恐怖に駆られて息子も縮み上がる。
その所為かにゅぽん、と萃香ちゃんのロリまんこから息子が抜け出た。
ぱっくり開いた膣内から非常に粘性の高い精子が僅かに流れ出る。
多分子宮に入り切らなかった分だろう。
どろり濃厚ヨーグルト、なんちって。
馬鹿な事を考えて現実逃避を謀ってみたけど脳裏に焼き付いた幽香さんの笑顔が消えてくれません。
これは拙い。
知らず知らずの内とはいえ、幽香さんを裏切ってしまった事に変わりはない。
浮気した事に怒り狂い殴られるならまだしも、目を伏せて静かに泣かれたりされたらどう償えば良いのか皆目見当も付かない。
どうしたら良い、何て謝れば良い?
許して貰えるかどうか、なんてのはどうでもいい。
幽香さんを裏切ってしまった僕は一体何をすべきなんだろうか。
というか幽香さんを裏切ってしまった僕に、一体何が許されているのだろうか。
宴会の時に萃香ちゃんとイチャイチャしていたのは、あくまで小さな娘に対する父性愛的な感情でやっていた事で、決して性的な意味を持ってした事じゃない。
冗談混じりにぷにぷにとかむぎゅむぎゅはしたけど、萃香ちゃんを性的な目で見た事は一度も無かった。
なのに、僕は萃香ちゃんを抱いてしまっていた。
結局僕は大切な人を一途に愛する事も出来ない最低の屑に過ぎなかったんだろう。
中途半端な気持ちで、幽香さんだけでなく萃香ちゃんまで傷付けてしまった。
こんな僕でもけじめが着けられるのだろうか。
──うん、素直に謝って潔く全てを幽香さんに委ねよう。
命を取られても愛想を尽かされ絶縁されても、はたまた二度と裏切れぬよう監禁されても文句は言わない。
暗鬱たる決意を固めた所で、萃香ちゃんがもぞもぞと動き始めた。
半分寝たまま僕の身体を降りて部屋の隅に置かれた瓢箪を手に取り、勢い良くごきゅごきゅと中の酒を飲み下す。
ぷふー、と朝っぱらからアルコールを摂取して漸く目を覚ましたみたいだ。
「あ、契おはよー」
「……おはよう」
「んん? 元気無いねぇ、眠いのかい?」
「……いや、まぁ……あ、萃香ちゃん。ちょっと聞きたい事が有るんだけど」
「ん、何?」
「昨日の「朝だよ、って何だ二人共起きてたのかい」……おはようございます、大将さん」
襖をガラッと開けて大将さんが姿を見せた。
大将さんは僕と萃香ちゃんを見て、僅かに眉を顰めた。
あぁ、そう言えば全裸だったっけ。
枕元に置いてあった浴衣を羽織り力無くうなだれる息子を手早く隠す。
「すいません、粗末な物をお見せしてしまいまして」
「いや、立派なもんさね。……萃香、ちょっと聞きたいんだがねぇ」
「何、大しょ……」
いそいそと服を着込んで向き直った萃香ちゃんの言葉が突然止まる。
大将さんは顔から、いや全身から一切の機微を無くして萃香ちゃんを見据えていた。
冷たいとか凍るようなとか、そんな生易しいものじゃない、向けられただけで存在が消えてしまいそうな目だ。
それを向けられた訳でも無いのに、僕の身体は心臓以外の全ての動きが止まってしまった。
萃香ちゃんはまるで彫像みたいにピシリと動きを止め、だらだらと傍目にも解るくらい汗を掻き始めた。
「契、ちょっと萃香を借りてくよ」
僕が返事を返す前に大将さんは萃香ちゃんの首根っこを掴んですたすたとどこかへ消えていった。
というか大将さんの足音が聞こえなくなるまで呼吸すら出来なかったんだけどね。
取り敢えず固まった身体を解す為に深呼吸を一つ。
すぅ……はぁ……。
よし、ちょっと落ち着いた。
「……はぁ。こんな事で後悔するくらいなら、幾らでも回避する手段は有ったハズだよなぁ……つくづく自分の愚かさに反吐が出る」
罪悪感や悔恨の念で胸が痛む。
けれど、幽香さんはこれ以上の痛みを受けるんだ。
他でもない、僕の所為で。
再び思考が陰鬱なものへ沈み込もうとした所へ、耳をつんざく怒号が響き渡った。
「──巫山戯るんじゃないよ!」
余りの声量に空気がビリビリと揺れ、空を飛んでいた鳥達が気絶しばたばたと落下した。
僕はと言えば、本能的な恐怖に突き動かされて身を竦めていた。
暫く恐怖に震えていたけど、一時間程経過しても大将さんの怒号は聞こえて来なかった。
でもそれが逆に恐ろしい。
一体何が起きているのか。
その後、朝ご飯が出来たと勇義さんが呼びに来てくれるまで強張った身体から緊張は取れなかった。
立ち上がる事もままならない僕の為に、勇義さんは膳を客間に運んでくれた。
食器は後で取りに来るから、と言い残して勇義さんは部屋を後にする。
重苦しい雰囲気で朝ご飯を食べ終えた僕の元に、苦々しい表情を浮かべた大将さんがやってきた。
すぐ後ろには涙で目を赤く腫らした萃香ちゃんの姿がある。
萃香ちゃんは僕を見ると、ガタガタと身体を震わせた。
思わず身構えてしまった僕に、大将さんは膝を折り土下座をした。
萃香ちゃんも同じく土下座をして、額を畳に擦り付ける。
「え、な、えっ!?」
訳も解らずパニックを起こす僕に、額を畳に付けたまま大将さんが口を開いた。
「望月契殿。この度は我等が鬼族が多大な迷惑を掛け且つ許されざる罪を犯した事、鬼族を代表してお詫び申し上げる。許されたい等と思い上がった事は申さぬ、契殿が望むままに如何なる咎をもお受け致す。ただ、他の鬼族にはどうか慈悲を賜りたい。咎は族長足る私と下手人である伊吹萃香が一身に引き受ける故、何卒、他の者への咎はご容赦を、どうか、この通り」