夜通し走り続け、漸く見覚えの有る景色が姿を現す。
記憶に残る姿からは幾分歴史を重ね、近代化した集落が広がってる。
全速力で駆け抜ける俺を見て村人達は訝しげだったり興味を惹かれたり、様々な視線を送って来た。
だがそれに応える暇は無い。
走り回るちびっこや鍬を片手に歩くオッサンを追い越し、なだらかな坂を登る。
遠く林に囲まれる様にして聳え立つ鳥居の丹と整理された石段の白が、朝日に照らされて光を返している。
目指すは石段を上がった先。
ここに辿り着くまでに色々な事を考えた所為か精神が削れ、疲労が体力を奪い息切れを起こしてしてしまう。
だが、まだ先は長い。
見上げるのが嫌になる程長い石段は誰の趣味だろうか。
今一度両脚に力を込め一段飛ばしで進む。
「────…………♪」
五十段程上がった頃だろうか、微かに旋律が聞こえた。
すぐに、理解出来た。
愛する人を心に描いて、帰りを待っている女性を題材にした歌だ。
憎い演出を、と思うのと同時、自然と口が喜に歪んでいく。
向こうも俺に気付いている。
徐々に歌声は明瞭なものへと変わった。
「──あの日くれた微笑みを、ずっと覚えているよ──」
やっと、石段の中程まで来た。
心が身体を急かす。
早く、早く、と。
疲労で上がらなくなって来た膝を無理矢理振り上げ、声の下へと急ぐ。
「──だけど夢だけじゃ物足りない、もっと君を感じていたいの──」
漸く石段も終わりが見えてきた。
全身に噴き出す汗で重くなった服が肌に張り付いて鬱陶しい。
もっと早く、もっと速く。
突き動かされる様に足を前に出し、全身の力を込めて駆け上がる。
「──だから君の笑顔を見せて、早く私を抱き締めて欲しいな──」
石段が終わった。
同時に背の高い林も終わり、朝の日差しが眩しいくらいに照り付けてくる。
体力も限界が近付き、思わず両膝に手を付いた。
荒い息と共に体内に篭もった熱を吐き出し、大きく息を吸い込んだ。
新鮮な空気が喉を冷やし、幾分冷静な思考を呼び戻してくれる。
そのまま大の字に倒れ込みたくなる衝動をなけなしの気力で堪え、汗に滲む目を前に向けた。
見慣れた境内の奥、金色の髪が風に揺れている。
女性は俺を見つけるとまず僅かな驚きを見せ、次に喜びを滲ませた。
その華奢な身体が動き出す。
始めはゆっくりと、次第に足を早めてこちらへ駆け寄って来た。
俺も最後の体力を振り絞り、女性に向けて走り出す。
お互いの顔がはっきり見える所まで近付いても足を止めず、
「──ケイっ!」
「──ルーミアっ!」
最愛の人を、思いっ切り抱き締めた。
「ケイっ、ケイ……っ! 会いたかった、会いたかったよぉ……っ!」
「悪い、ルーミア。心配掛けたな」
「急に居なくなって、凄い、凄い心配したんだからぁ……っ」
「本当にすまない」
「もう、私を置いて、どこかに行っちゃヤダよぉ……」
「約束する。二度と、ルーミアを置いて居なくなったりしない」
「ケイ、ケイ……っ!」
子供の様に泣きじゃくるルーミアを抱き留め、優しく頭を撫でてやる。
涙が頬を伝う度、心が軋んだ。
同時に、ルーミアに対してこれ以上無い愛しさが込み上げてきた。
抱き締めた腕に、温もりが伝わってくる。
腕の中の恋人が泣き止むまで、俺はただ頭を撫で続けていた。
騒ぎを聞いて駆け付けた諏訪子と神奈子とも熱い包容を交わした俺は、母屋の居間で額を畳に擦り付けていた。
「要らぬ心配を掛けた事、帰りが遅くなった事、本当にすまなかった。特に諏訪子、出産という一大事に側に居てやれずあまつさえ子育てを放任し娘の最期すら看取ってやれなかった。かくなる上はどんな罰も受けよう、本当にすまなかった」
一切茶化しの無い本心からの土下座。
正直三行半も覚悟の上だ。
まず動いたのは神奈子。
大きく風が揺れたかと思った直後、こつんと旋毛の辺りに拳骨が落とされる。
「もう心配掛けるんじゃない、大馬鹿者」
落ち着いた声色が、怒りでは無く安堵を伝えてくる。
まるで姉が弟を叱る様なその口調に、くすぐったい様な嬉しい様なむず痒い感覚を抱く。
続いて諏訪子が俺の前に立ち、顔を持ち上げると思いっ切りデコピンを放った。
細く小さな中指が寸分違わず眉間の中心を穿ち、思わず苦痛に悶える。
「~~~~~~っ!?」
「私からはこれで許してあげる。後で鼎にも墓前で謝るんだよ?」
両手で額を覆いたくなるのを堪えていると、そんな声が掛かった。
勿論、と声を返し再び額を畳に付ける。
最後はルーミア。
浴びせられるのは罵詈雑言か、それとも苛烈な殴打か。
甘んじて受けようと思うが待てども待てどもルーミアが動く気配は無い。
「……保留で良い?」
「あぁ、ルーミアが相応しいと思うものを思い付いたならそれを、その罰を与えてくれ」
「うん、ならこの場はこれでおしまい」
ぱん、と両手を叩き合わせた音が鳴る。
その音に導かれる様に額と手を畳から離し前を見ると、まず諏訪子が右腕に抱き付いてきた。
続いてやや遠慮がちに神奈子が左腕に組み付く。
最後にルーミアが背後に回り、むぎゅっとしがみ付いてきた。
なにこの嫁トーテムポール。
「んぅ~っ、久し振りの契分が摂取出来るよぉ~」
「おい待て諏訪子、何だその珍妙な栄養素は」
「私が説明しよう。契分とは近年新たに発見された成分で不足すると過睡眠、記憶の欠落、思考力の低下、現実感の乖離、意識の混濁を引き起こし最悪死に至る事も有る毎日の生活に欠かせないものだ」
「やけに具体的な症状だな」
「そりゃあ契の後ろの第一夫人が陥った症状だからねぇ」
「ちょっと、ケロ子!」
驚いて首だけ振り向くと罰の悪そうな顔のルーミアと目が合う。
右肩に視線を戻すと、諏訪子がルーミアの反応に呆れた様子で口を開いた。
「ダメだよ、ちゃんと言わなきゃ。契は鈍い癖に甘いんだから、しっかり口にしないと省みて貰えないよ?」
「だ、だけど……」
「荷物が増えたからって悪態吐く様な人間じゃないでしょ。契は嫁の荷くらい喜んで持つさ」
さり気なく酷評された気もするが、それは一先ず置いておく。
ルーミアの反応を見るに、先程の症状は全てルーミアの身に降り掛かったものに間違い無いだろう。
と、俺の考えを読んだのか諏訪子と神奈子が腕を離した。
二人に一つ借りだな、と僅かに苦笑を浮かべて向き直る。
視界いっぱいに広がるさらさらの金髪に惹かれながら、俺はその細い身体をそっと包む様に抱いた。
「きゃっ!?」
「ルーミア、存分に補給してくれ」
「あ……うん、ケイ、もっと強く抱き締めて」
「こうか?」
「もっともっと、ケイの腕の形に痣が付いちゃうくらい」
いや、そこまではしないが。
暫くそうして抱き合っていたが、我慢出来なかったのか背中に軽い衝撃が二つ生まれる。
まぁ長い間寂しい思いをさせた分、思いっ切り甘えさせてやろう。
「そう言えばケイ、もう向こうでの恩返しは終わったの?」
すっかり日も高くなり、久し振りの手料理を振る舞ってやるかと筍御膳を作り皆で食卓を囲んでいた最中、ふと思い出した様にルーミアが呟く。
取り敢えずの補給は出来たらしく、今は幼女形態だ。
わざとらしく付いた頬の米粒に唇を寄せて吸い取り、飲み込んで口を開く。
「いや、ルーミア達の事を考えていてすっかり忘れてたが、本来は恩返しの一環でここに帰って来たんだ」
「さっき回収した日傘もその恩返しに使う物なんですか?」
俺の斜向かいで筍の煮物に舌鼓を打ちながら問い掛けるのは今代の巫女少女。
聞けば鼎の子孫だと言う。
つまり俺の孫の孫の孫のそのまた孫の……よく解らんが直系だ。
艶の有る黒髪の合間に鮮やかな緑髪が混じり、なんとも異国情緒溢れる色香を醸し出している。
「あの日傘とケロ帽子を持ってこいと、京の姫様からのご要望でな」
一瞬、空気が冷えた。
神奈子と諏訪子は射抜く様な視線を俺に向け、ルーミアは頬を膨らませて少し不機嫌そうだ。
唯一そのままなのは今代の巫女少女……そう言えば名前聞いてなかったな。
取り敢えず三人は放って置き、巫女少女に向き直る。
「そう言えば自己紹介をしてなかったな。俺は望月契、こいつらのダメ亭主だ」
「あ、私は東風谷奈苗と申します。諏訪子様と神奈子様に仕える巫女ですので、契様も存分に顎で使ってやって下さいね」
「色々と迷惑を掛けるかもしれんが、まぁ一つ宜しく頼む」
「はい、お任せ下さい! あ、そう言えば契様は初代の父君なんですよね?」
「初代って言うと鼎か。一つも父親らしい事はしてやれなかったんだよなぁ」
「あ、すみません。思慮が足りなくて」
「いやいい、気にするな。で、それがどうかしたのか?」
「私から見たら契様ってご先祖様になるのかなぁ、って思いまして」
「確かにご先祖様だな。とはいえ長く気を失っていた様なもんだから、俺自身にそんな感慨は無いが」
「契様凄くお若いですもんね、余りお爺ちゃんみたいな感じがしませんし」
「そこまで老け込みたくは無いな」
「じゃあ……」
そこで言葉を区切り、奈苗は何やら考え始めた。
俺を見ながら右に首をかくんと傾げ、やや上目遣いに甘える様な声で、
「おとーさん?」
「ぐふっ」
よく判らない何かが鳩尾にクリーンヒットした。
この一瞬で世の親が子供狂いになる理由が解った気がした。
アレは兵器だな。
先程までただの巫女少女にしか思えなかった奈苗がひどく愛おしい。
ひょっとしたらこれが父性愛なのかもしれん。
「奈苗」
「なんですか?」
「もう一度呼んでくれ」
少し呆けていたが、すぐに思い至ったのかぽんと手を打つ。
奈苗は満面の笑みを浮かべて口を開いた。
「おとーさん♪」
「うぐっ」
「おとーさん?」
「がはっ」
「おとーさんっ」
「ぐぬっ」
呼ばれる度にこそばゆい何かが背筋を駆け上り、思わず悶えてしまう。
俺の反応が面白いのか、奈苗もノリノリでおとーさんと呼び続ける。
「いい加減にしろ!」
「がふっ!?」
「あいたぁ!?」
神奈子が声を上げるのと同時、諏訪子が俺と奈苗に拳骨を落とした。
放置して遊び過ぎたか。
居住まいを正すと膨れ顔のままルーミアが口を開いた。
「まぁ奈苗と遊んでるのは良いとして、その『京の姫様』ってどういう事? また私の知らない所で色々な女の子誑かしてたり拐かしてたりしてない?」
「待てルーミア、誑かしはまだしも拐かしはただの犯罪だろ。てか『また』って何だ『また』って」
「だってケロ子や神奈子や香苗をいつの間にか篭絡してたし」
「香苗は約束を交わしただけでいかがわしい行為に及んだ事は無いぞ!?」
「神奈子様、鼎って初代の事ですか?」
「いや、違う。初代の前に諏訪子に仕えていた巫女が香苗って娘でね、初代の名前は彼女から貰ったのさ」
「へぇ~、流石おとーさん。モテモテですね!」
やいのやいのと盛り上がる中、どうにかルーミアを落ち着けた俺は不比等に厄介になってからの事を話す事にした。
厄介になった理由や妹紅の事、かぐや姫の噂や今回の課題について等々。
途中妹紅と幽香について触れた辺りでまた一悶着有ったのは蛇足か。
どうにか納得して貰え、掻いた冷や汗を袖で拭おうとすると横から奈苗が手拭いを差し出してくれた。
「はい、おとーさん」
「有り難う奈苗、お礼に撫でてやろう」
「あっ……でへへ」
特徴的な色の髪の毛を梳きながら頭を撫でてやると、奈苗は余り女の子らしくない笑い声を上げた。
と、首の辺りに真新しい擦り傷が有るのを見つけた。
「奈苗、首のここ擦り傷が出来てるぞ」
「あっ、本当だ。さっき転んだ時に出来たやつですかね?」
「女の子なんだから気を付けないとダメだぞ? ほれ、治療してやるからじっとしてろ。白符『治癒の軟膏』」
能力を使うと指先に白っぽい軟膏が現れ、それを優しく傷口に塗ってやる。
このインスタントは対象のプレイヤーかクリーチャーに与えられるダメージを三点軽減、若しくはプレイヤーのライフを三点回復させる効果が有る。
インスタントで有る為に十秒程で塗り込んだ軟膏はすっと空気に溶けて消え、その下の傷も痕一つ無く綺麗になっていた。
「これで良し、元の綺麗な肌に治ったぞ。どうだ、痛みや異物感は無いか?」
「はい、大丈夫ですよ。有り難う御座います、おとーさん♪」
「気にするな。それより転んだり怪我したりしたら、すぐに俺に言うんだぞ?」
「でへへ、はぁい♪」
また頭を撫でてやると嬉しそうに目を弓にする奈苗。
少しバカ犬っぽい所が可愛いな。
その後諏訪子に連れられ社とは反対側の丘へ向かう。
見晴らしの良い丘の上、ぽつんと一つの墓が有る。
鼎の墓だ。
竹箒と盥を持ち、墓の周りを綺麗にしてから線香に火を点した。
両手を合わせると、微かに風が揺らぐ。
──来るのが遅くなってすまない。本当なら鼎が嫌って言う程構ってやったり、諏訪子が怒り狂う程甘やかしてやりたかったんだが、俺の不注意で寂しい思いをさせてしまったな。まだ残ってる仕事を終えたら帰って来るから、その時にまたゆっくりと話でもしよう。
心の中で語り掛けているとまるで相槌を打つかの様に、線香の煙が風も無いのに激しく揺らいだり、湯呑みの酒が波を立てたりといった現象が起こった。
始めは偶然かとも思ったが段々鼎と対話している気がして、少し救われた気持ちになった。
一頻り報告や懺悔が終わり、折ったまま固まっていた両足を伸ばす。
軽くぱきぱき鳴るのは日頃の運動不足が招いたものか。
最後にもう一本線香を立て、丘を後にする。
また来る、と心の中で告げたら線香の煙が大きく左右に振れた気がした。
「さて、すっかり忘れていたがケロ帽子を回収しようと思う」
「おとーさんたいちょー、準備は完璧でありますっ♪」
「流石だ奈苗隊員、後でナデナデしてやろう」
「でへへ~」
ぴしっと敬礼したままだらしない笑みを浮かべる奈苗、その横には脚立を肩に担いだ神奈子、はたきを手にしたルーミア、雑巾を振り回す諏訪子の姿が有る。
かく言う俺も水を張った桶二つを手にしている。
物置にケロ帽子を取りに行くがてら、序でに暫くしてなかった物置の清掃と整理もやってしまおうというのが今回の目的だ。
早速物置へ入ると埃っぽい空気が出迎えてくれる。
見るからにごちゃごちゃと乱雑に物が積まれており、地震でも起きたらあっと言う間に崩れて来そうで怖い。
取り敢えず雨戸を開け放つ。
光量が増し物置内部の全体像が見えた。
「……おい、誰だ物置をこんな風にした大馬鹿野郎は」
無言で皆に指を向けられた神奈子はひゅ~ひゅ~と鳴らない口笛を吹いてそっぽを向いている。
乱雑を通り越して最早奇跡的と言って良いバランスで斜めに立つ箪笥や卓袱台、どこか芸術的でさえ有る転がり方の酒瓶……ってアレ俺秘蔵の酒『禍討ち』じゃねぇか!?
慌てて駆け寄り瓶が割れていないか確かめると、外観には傷一つ付いていなかった。
だが中身は空。
近くに御柱を削り出して作った栓抜きが無造作に置かれている事から犯人は一目瞭然だ。
「よし神奈子、逆立ちして腕立て用意」
「そんな無茶な!?」
「あ、ちゃんと親指だけでやれよ?」
ひぃっ、と情け無い悲鳴を上げる神奈子は放置して取り敢えず上の物から片付けていく事に。
軽い物から順に諏訪子、ルーミア、奈苗とリレーして外へ運び出す。
「重いから気を付けろよ」
「ほいほい。ルー子、パス」
「奈苗、気を付けてね」
「はい、大丈夫ですよ! あ、神奈子様邪魔なのでそっち行って下さい」
何気に一番毒舌な奈苗の言葉に膝から崩れ落ちる神奈子。
それでもちゃんと雑巾で運び出された物を拭いて綺麗にしてる辺りは流石と言うべきか。
単に仲間外れが嫌なだけかもしれんが。
一通り物を運び出すと、今度は物置内部を掃除する組とケロ帽子発掘の組に別れる。
掃除組は俺、ルーミア、奈苗。
発掘組は諏訪子と神奈子だ。
外は二人に任せて置いて大丈夫だろう。
問題は、
「すげぇ埃……」
この埃の量だ。
厚さ五センチは有ろうかという程に積もった埃は、本来なら重み有る歴史を伝えてくれるものだが今の俺達にはただの障害でしか無い。
竹箒で軽く床をなぞるだけでもうもうと舞い上がってくる。
二人を一旦外に出して、手拭いで口元を覆い手早く埃を外に叩き出す。
面白いくらいに埃が塊となっていくが、同時に頬やら手の甲やらが強烈に痒い。
目も埃で刺激され涙が滲み、眼鏡にも埃が積もる。
時折ボリボリと掻き毟りながらも何とか埃を粗方取り除く事に成功する。
二人を呼んで、今度は雑巾で床や壁を拭いていく。
床板の隙間や壁に残った埃が次々に雑巾を黒く染め上げ、幾度と無く水を換える事二時間。
いつの間にか日も暮れ始め、西の空を赤く染める時分になって漸く掃除が終わった。
ケロ帽子はとっくに発見され、暇を持て余していた諏訪子と神奈子を投入したにも関わらずこの時間。
長い戦いだった。
取り敢えず四人を集めて風呂に入ってこいと言い付け、ちゃっちゃと荷物を中に戻していく。
三十分程で片付け終わり、掃除用具を元の場所に戻し終了。
「……何でケロ帽子探すだけでこんなに疲れるんだ」
くたくたの身体を引きずり、母屋へ帰る。
一人浴槽で溶けていた奈苗と鉢合わせ、可愛らしい悲鳴を上げられたのはまた別の話だ。