※この作品はR-18です。

東方恋人探   作:一ノ瀬 崇

8 / 90
能力の理解。そして始まるMTG講座。

 諏訪子様が嫁入りされたらしい。

 そんな噂というか事実が村中に広まった頃、漸く俺は解放された。

 ん、何からかって? 

 可愛い嫁さん二人の膣内からさ。

 俺にのしかかって腰を振り愛を囁いて中出ししたら満足して交代する、それを延々と一週間やられた。

 幾ら気絶させても回復力と愛欲に物を言わせてすぐに復活してくるのはゾンビ映画を彷彿とさせたな。

 風呂を沸かして三人で入り湯船を精液と愛液で汚して、なんとか身体を綺麗にした。

 そして久方振りの夕食を楽しんでいる時、諏訪子が何の気なしに言い出した。

 

 

「ねぇ、契。お願いがあるんだけど」

「ん、何だ?」

 

 

 鮎の塩焼きを堪能していた俺は箸を止めて諏訪子に顔を向ける。

 いつもの服とは違って今日は浴衣姿だ。

 白地に紫陽花の刺繍が美しい。

 ちなみに俺もルーミアも同じ浴衣を着ている。

 二人の金髪にこの浴衣は良く似合う。

 そのままガラスケースに入れて保存しておきたいくらいだ。

 

 

「大和との戦いの時に私の側に契が居てくれたら、多分いつもより力が出せると思うんだ。だから、一緒に居て欲しいなぁ、って……ダメかな?」

 

 

 くりくりとした目で伺う様に見上げる。

 その仕草にキュンときたのは秘密だ。

 ともあれ、俺は諏訪子の言葉を受けて記憶をひっくり返していた。

 

 

 ──あ、言ってなかったか。

 

 

 幼い身体を淫乱に調教するのにかまけて、その辺りの話を一切口にしていなかった事に気付く。

 

 

「悪い、諏訪子。すっかり言い忘れてたんだが、諏訪子の戦列に加わるつもりだったんだわ」

 

 

 最初の一言で絶望を、全てを聞いて疑問を、意味を理解して驚愕を顔に浮かべる。

 面白いな諏訪子。

 

 

「え、な、え!?」

「落ち着け諏訪子。無駄に口開いてるとチンポぶち込むぞ」

「ふぇ!? あ……んぁ」

 

 

 何を思ったのか軽く頬を染めて目を瞑り、口を開けて俺に向き直る。

 調教し過ぎて良い感じに愛奴隷になってきたな。

 とはいえ今は飯時だ。

 流石に食ザーの趣味は無い俺は鯛の刺身に少量の山葵を乗せ諏訪子の口に入れてやる。

 刺身をもぐもぐ、山葵でつーん。

 そんな感じの反応を見せる諏訪子に満足し微笑んでいると、隣のルーミアも目を瞑り口を開く。

 同じ様に刺身を箸で掴み食べさせてやる。

 

 

「あーん」

「あーん……ぱく」

 

 

 もぐもぐ、つーん。

 なんだこいつら、俺を萌え死にさせるつもりか。

 ん、何故山葵を塊で食べさせないかって? 

 俺はそこまで鬼畜じゃない。

 ましてや鯛の刺身だぜ? 

 一介の高校生じゃ食う機会なんて殆ど無い鯛の刺身を、諏訪子が俺の為に──取ってきたのは村人だが──用意してくれたんだ。

 そんな諏訪子を虐める事は出来ない。

 食い物に関しては誠実だぜ、俺は。

 

 

「まぁ、勝っても負けても協力するつもりだったからな」

「そうだったの?」

「可愛い幼女の頼みじゃないか、出来るだけ叶えるのが俺の信念だ。それが嫁さんなら尚更だ」

 

 

 豆腐とさやえんどうの味噌汁をすする。

 美味い。

 日本人に生まれて良かった。

 牛や豚が無いくらいで、殆ど食生活に変わりが無いのは僥倖だった。

 毎日パンとか泣ける。

 日本人なら米だろ、遺伝子的に考えて。

 

 

「既に幾つか作戦やその後の対策も考えて置いた」

「もう!?」

「どうだ諏訪子、お前の旦那は頼もしいだろ。惚れ直したか?」

「うん、契格好良いよぉ……♪」

 

 

 キラキラと恋する乙女モードな目を向ける諏訪子。

 隣ではルーミアが当然、と胸を張っているが膨らみは無い。

 だが、それが良い。

 おっと、余り妄想が過ぎるとまた息子が反抗期を迎えるからな。

 

 

「諏訪子、彼我の戦力差は?」

「私達が一なら向こうは二百かそれ以上って所かな」

「俺達の兵の練度は?」

「皆普段は鍬や鋤を持ってるからねぇ」

「なら取るべき策は決まりだな」

 

 

 俺は沢庵を一つ掴みご飯に乗せ掻き込む様に口へ運ぶ。

 咀嚼するとポリポリとした歯応えとちょうど良い塩梅が舌を楽しませる。

 味噌汁をすすり、纏めて飲み込む。

 うめぇ、ちょーうめぇ。

 緑茶を飲んで一息吐いた俺は、じっと期待する様に見つめる諏訪子に解答を教えてやった。

 

 

 

 

「──この戦いには素直に負けろ」

 

 

 

 

 ……まぁ、そういう反応になるわな。

 箸を取り落としそうになったのを左手でキャッチ、諏訪子用の蛙の箸置きに乗せる。

 時間を取り戻した諏訪子は慌てた様子で俺に食って掛かる。

 

 

「いやっ、契っ、なんで!?」

「落ち着きなよケロ子、ケイは放り投げたり諦めたりして言ってる訳じゃ無いんだから」

 

 

 意外にも諏訪子を押し留めたのはルーミアだった。

 竿姉妹となった二人はいつの間にかお互いをケロ子、ルー子と呼び合っていた。

 ルー子は良いにしてもケロ子とは、また珍妙な呼び名を。

 ともあれ、ルーミアの言葉に腰を降ろした諏訪子は改めて俺に問うた。

 

 

「な、なんで負けなきゃいけないの? 負けたら皆殺されちゃうんだよ?」

「焦るな諏訪子、お前が納得出来る様に簡単な所から説明してやる。先に結論から言えば、民は殺されない」

「え、な、なんで? 普通戦になったら沢山の人が死ぬよ?」

「普通の戦ならな。よく思い出すんだ諏訪子、今回戦を仕掛けてくるのは大和という国か、大和に住む人か、それとも大和を治める神か」

「それは……大和の神?」

「正解だ、諏訪子」

 

 

 ご褒美と緊張を解す意味を兼ねて頭をくしゃくしゃと撫でてやる。

 落ち着いたのか安心した様に惚けた笑みを浮かべる諏訪子。

 ちなみに喋る度に名前を呼ぶのは、ちょっとした印象操作だ。

 何度も名前を呼ぶ事で、呼ばれた相手は自分に話し掛けていると深く自覚し、同時に話し相手が自分の事を考えてくれている、と無意識下に刷り込ませる事が出来る。

 そうなれば相手の話を理解しようと努力するし、相手に対して好感も持つ。

 話を自分のペースで進めたい時には重宝するテクニックだ。

 ……悪用するなよ? 

 

 

「国が戦を仕掛けるのは自らの力を誇示したい時、人が戦を仕掛けるのは相手の物を奪う時。さて、諏訪子に問題だ。神が戦を仕掛けるのはどんな時だと思う?」

 

 

 えっとえっと、と可愛らしく首を傾げて考え込む諏訪子。

 思わず抱き寄せてキスしたくなったが、そこは我慢だ。

 後で存分に犯す、だから我慢だ息子よ。

 

 

「ヒントは要るか?」

「ヒント?」

「思考の手掛かり、って意味だ」

「うーん……欲しいかも」

「諏訪子、お前の力の源は何だ? お前だけじゃない、神がその力を維持するのに必要になるものは、何だ?」

 

 

 ぱっと弾かれた様に顔を上げる。

 どうやら答えに辿り着いたみたいだ。

 

 

「それは……信仰、だと思う」

「正解だ、諏訪子」

 

 

 また頭をくしゃくしゃ撫でる。

 隣から羨ましそうな視線を感じ、序でにルーミアの頭も撫でてやった。

 幸せそうに、むふー、と息を吐く二人。

 なでなで、むふー。

 なでなでなでなで、むふふーん。

 ……ハッ!? 

 落ち着け俺、これは巧妙なトラップだ! 

 手を離すと少し寂しげな顔をする二人。

 こいつら解っててやってないだろうな? 

 

 

「まぁ、そういう事だ。恐らく大和の神は更なる信仰を求めて他神の土地を掌握し、その土地に住む民の信心を集め力を付けようと画策したんだろう。なら、民に与える危害は最小限にしようとするハズだ」

「でも、どうやって損害を小さくしつつ負けるの?」

「簡単な事だ、一騎打ちで決めればいい」

 

 

 民を率いて戦えば、民に被害が及ぶ。

 なら最初から一騎打ちにすれば被害は最小限に抑える事も容易い。

 勝ちも狙えない事は無いが、相手がその後あっさり退くとは限らない。

 そもそも、相手が乗って来ない事には成立しない。

 そこが気になったのだろう、諏訪子も問いを重ねてきた。

 

 

「でも相手が受けるか解らないよ?」

「そこは簡単だ、相手を挑発すればいい。相手は俺達を格下と考えているだろうから、一騎打ちを申し込まれれば受けざるを得ない状況に持ち込めば良い。最悪、俺が一騎打ちを申し込めば否応無しに受けるしか無い。一介の人間を怖れて神が尻尾を巻いて逃げだそうと云うのか、とでも言えばいいだろう」

「も、もしそれで契が死んじゃったらどうするのさ!?」

「大丈夫だろ、死ぬ要素が一つも無い」

 

 

 自信満々に言い放った俺に、あくまで諏訪子は心配顔だ。

 なら、と俺は諏訪子の小指に自分の小指を絡める。

 

 

「『契約』するか?」

「……ううん、私は契を信じるよ。それにあんまり『契約』してたら、雁字搦めになっちゃうよ?」

「違いない」

 

 

 指を絡めたまま諏訪子を抱き寄せ、左膝に乗せる。

 勿論、右膝にはルーミアも乗せる。

 

 

「こんなに可愛い嫁さん二人を残して死ぬハズが無いだろ。というか俺の能力だと多分死んでも生き返るし、そもそも死なない身体にする事も出来ると思うぞ」

「ケイ凄いよね、私達より人外だよ」

「失礼な事を言うのはこの口か?」

「んっ、はむっ、れろれろ……ちゅっ♪」

 

 

 ルーミアの口を手で抑えたら指を美味しそうにしゃぶり始めた。

 いやらしい幼女め。

 

 

「いいなぁ、ルー子」

「変態幼女二人は流石の俺でも持て余すかもしれん。だから諏訪子、お前は普通でいろ」

「あーうー」

「後でご褒美やるから。今は飴玉でも舐めておけ、ほら」

「了解です隊長!」

 

 

 可愛くぴしっと敬礼する諏訪子。

 しかしその視線は俺が取り出したパイン飴に釘付けだ。

 解りやすくていいな。

 小さな手に渡すと早速包み紙を破いて飴玉を口に放り込む。

 飴玉でご機嫌になる神様って何だろうな。

 嬉しそうに目を細めながら、諏訪子は口を開いた。

 

 

「じゃあ全部契に任せるね」

「待て、何故そうなる」

「だって頭いいし策も持ってるし私より強いし、何より私の夫でご主人様でしょ? 面倒見るのは当然だよ」

 

 

 楽しそうに笑う諏訪子。

 いや、お前もちょっとは考えろ。

 てかご主人様って何だ。

 色々と突っ込みたくなったが諏訪子の笑顔を見ていると、まぁそれも良いかと思えてきた。

 諏訪子は少し頬を赤く染めて、上目遣いで呟いた。

 

 

「だからいっぱい面倒見て、ちゃんと私の事を飼ってね、ご主人様」

「……よし諏訪子、尻を向けろ。淫乱な雌蛙を調教してやる」

「はぅぅっ♪」

 

 

 俺にだって我慢の限界は有るんだ。

 この淫乱雌蛙にそれを叩き込んでやる。

 黄色い悲鳴を上げて諏訪子が抱き付き、横からルーミアがキスをねだってきた。

 幼女二人の浴衣を乱暴に剥ぎ取り、俺は欲望をぶちまけた。

 

 

 

 

 

 

「しっかしどうすっかなぁ……攻撃系のカード、何が有ったか殆ど覚えて無いな」

 

 

 時間は過ぎて深夜、俺は一人縁側に腰掛け頭を悩ませていた。

 諏訪子とルーミアは仲良く気絶中だ。

 また洗濯物が増えたがあれは二人にやらせよう、俺は主夫じゃねぇんだ。

 まぁ、夕食の片付けも終え卓上もピカピカに磨いた後に言う台詞でもないか。

 というか今、俺が悩んでいるのはその事じゃない。

 俺の使える能力についてだ。

 あの時咄嗟に思い浮かんだのが、この世界に来る前にハマっていたカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」こと通称ギャザ若しくはMTGのカード名だった。

 俺の能力が想像を創造するものなら、それに限らずホイミやメテオ、グランツやスナップドラゴンだって使えるハズだ。

 

 

「出ねぇもんなぁ、メラとかギラとか」

 

 

 試したのだが、結果は失敗。

 多分最初に使った時に、自分の中で能力の使い方がイメージで固定されてしまったのが原因だろう。

 現にMTGのカード名を冠した技は使用可能だ。

 

 

「白符『疲弊の休息』」

 

 

 呟きが空に溶けると同時、射精後の気だるさが消え清々しい気分になる。

 すっきりとした頭に、また別の悩みが浮かんでくる。

 この能力にも、幾つか制約がある。

 まずクリーチャースペルは使えなかった。

 ゴブリンや騎士、果てはドラゴンや構築物まで召還出来るクリーチャースペルだが全く反応が無い。

 基本的にクリーチャーで殴りつけ相手のライフをゼロにするゲームなだけに、少々落胆も大きかった。

 ドラゴンとか天使とか召還したかったな。

 更に試行錯誤を重ねて行く内、能力で扱える種類も解った。

 一度切りしか使えない、ソーサリーとインスタント。

 そして場に出て永続的に効果を発揮するエンチャント。

 これら三つの種類のスペルが能力で使用出来る。

 

 

「それは良いとしても、名前で弾かれるってのは謎だな」

 

 

 MTGの世界特有の固有名詞を持ったカードは使えなかった。

 まぁこの世界の法則やらなんかとの兼ね合いでも有るんだろう、よく解らんがそこは放置。

 一番謎だったのは単語がカード名になっているスペル、或いは同等に短い名前のスペルを使えなかった事だ。

 その事が俺に先程の台詞を吐かせていた。

 身体能力が強化されたとして、ただの高校生に戦いの動きが出来る訳がない。

 精々、腰の引けたパンチと威力の乗らないキック、見るも無様なタックルくらいだ。

 そこで俺は直接相手にダメージを与える、所謂『火力呪文』というスペルに目を付けた。

 付けたんだが。

 

 

「なんで火力は名前が短いんだよ!」

 

 

 ショック、稲妻、火の玉、火葬等々。

 メジャー所の火力は端的に表した名前が非常に多かった。

 どういう理屈かは解らないが、体感で平仮名と片仮名が六文字以下、漢字交じりは三文字以下の表記がされているカードは弾かれている気がする。

 ん、英語で言えばいいって? 

 馬鹿言うな、英語に限っては常に平均点を越えた事が無い俺に英語が解るハズ無いだろ! 

 ……いや、馬鹿は俺か。

 更に都合の悪い事に、火力と言われるスペルは主に赤、それと僅かに黒が有するだけだ。

 MTGは白、青、黒、赤、緑の五色、それに色を持たない無色の六つで構成されている。

 それぞれに役割が分け与えられていて、火力を司る色が赤という訳だ。

 黒はダメージじゃなくライフを失わせる効果が主だから、変則的に火力として扱う事も出来る。

 ここで遂に本題。

 俺が使っていた色は……白だ。

 白はライフ回復やダメージ軽減に特化している、火力とは真逆の方向性を持った色だ。

 小型のクリーチャーで序盤を制し、中盤をライフ回復やダメージ軽減で耐え凌ぎ、後半は強大な天使や鳥といった飛行クリーチャーで制圧する。

 有る意味王道RPGの様なプレイスタイルが可能な色だ。

 そして俺が使っていたのは白のみで構成されたデッキ、白単と呼ばれるものだ。

 勿論火力なんかありゃしない。

 

 

「──くそっ! 壁デッキなんか作って無いでバーン作れば良かった!」

 

 

 後悔の叫びが虚しく月に吸い込まれる。

 何を考えていたのか、俺がハマったのは壁というクリーチャーだった。

 デッキ全てを火力にしたバーンや小型クリーチャーで短期決戦に持ち込むウィニー等のタイプのデッキには目もくれず、俺はただ堅いだけで自分から攻撃も出来ない一時凌ぎクリーチャーである壁にロマンを感じていた。

 改良に改良を重ね、時々改悪や魔改造を施し、遂に完成した壁デッキ。

 回復で跳ね上げたライフが、ある値を越えれば勝利する。

 そんな謎のロマンを作り上げたのだ。

 まぁ、そのお蔭で諏訪子の光弾を防ぎ、疲れを癒やす事は出来たのだが。

 ちなみに光弾を打ち消した『この世界にあらず』は無色のスペルだ。

 一時期パワーとタフネスを三十越えの壁を作ろうとした時の遺物だ。

 まぁ、それは置いといて。

 

 

「どうすりゃいいんだよ……」

 

 

 すっかり冷めてしまった緑茶で乾いた喉を潤し、頭を抱える。

 ルーミアや諏訪子の手前啖呵を切ってみたが、戦そのものの勝算が全く見えてこない。

 能力のお蔭で、一騎打ちにしろ大多数による包囲戦にしろ負ける事はまず無い。

 が、相手の意識に勝つ手段が無いのだ。

 当初の予定通りに事が進んでも、ある条件を満たさない限り理想には近付かない。

 

 

「相手よりも圧倒的な強さを見せ付け、その後態と降参して交渉を有利に進める。そんな所かしら?」

 

 

 背後から届いた声に持っていた湯呑みを危うく落としそうになる。

 振り返れば、浴衣を着崩した大人ルーミアが立っていた。

 浴衣の合間から右の乳を露出させ、ぴったりと閉じた恥丘からはどろりと精子を滴らせている。

 酷く淫猥な姿に普段の俺なら襲い掛かっている所だが、掛けられた言葉に俺は動きを止めていた。

 蠱惑的な笑みを浮かべ、俺の背中にそっと抱き付く。

 

 

「封印はどうした?」

「ケロ子が寝ぼけて取っちゃったわよ」

「後でお仕置きだな……こら、いいなぁって顔するんじゃない」

「だってケイ、なんだかんだでいっぱい愛してくれるもの。体も心も、ね」

 

 

 嬉しそうに俺の頬にキスをする。

 やれやれ、と溜め息を吐いた俺はルーミアの指を握る。

 真面目な話をする、という合図だ。

 

 

「何故、気付いた? 俺が悩んでいると」

「ケイからいっぱい精子を貰ったから、その分頭も冴えるわよ。大体の話を聞いて充分な情報は揃ってたし、ケイの性格や嗜好を辿ればすぐに解るわ。それに、夫の考えを理解出来るのは良妻の証じゃない?」

「……解り過ぎは離婚の原因だぞ」

「大丈夫よ。何が有ってもケイを信じてるから」

「狡い答えだ」

 

 

 とん、とルーミアの顎が俺の右肩に乗る。

 甘く淫靡な匂いを孕んだ息が頬に当たってくすぐったい。

 ルーミアの鼓動を肌で感じながら、俺は諦めとも付かぬ泣き言を口にした。

 

 

「知っての通り防御面は完璧だ。だが攻撃手段が見当たらない。如何に相手の攻撃を防いだとして、防ぐだけじゃ意識的に相手より優位には立てない。精神的に相手より優位に立つ事が、一騎打ちを申し込む理由だからな」

「あの打ち消しで動揺を誘い、そこへ強烈な一撃を加える。相手は慎重に戦いを進めようとするから、その間はひたすら防御に徹する。焦れた相手が防御を捨てて攻撃した所へ痛烈な一撃を叩き込む。散々攻撃を重ねて相手が負けを意識した所でやる気無さそうに降参、すかさず戦後処理についての取り決めを行う。……ケイが目指したのはこんな感じ?」

「流石は俺の本妻だな、考えてる事全部言いやがった」

「ふふっ、褒めてもいいわよ?」

「馬鹿、イヤミだよ。……強烈な一撃か、どうするかな」

 

 

 再び思考がそこへ戻ってきた。

 無限ループって怖くね? 

 

 

「そもそも何で攻撃手段が無いの?」

「ん、あぁ、俺の能力には色々制約が有ってな。元の世界に有ったスペルしか使えないんだ」

「スペルって?」

「呪文って意味だ。俺の知ってるスペルは殆どが防御系でなぁ、普段は手下を呼び出してタコ殴りにしてたんだが、手下を呼び出すスペルは使えないんだ」

「……色々と面倒な能力ね」

「言うな、何も無いよりはマシだ」

「まぁまぁ、飴玉でも舐めて一緒に考えましょう? 甘い物は頭に良いわよ」

 

 

 そう言ってルーミアはみかん味の飴玉をどこからか取り出した。

 こいつ俺のズボンからくすねて来たな。

 ルーミアは包み紙を破って口に放り込むとそのまま俺の唇に吸い付いてきた。

 飴玉と一緒に、甘くとろけた唾液が流れ込んでくる。

 自分から飴玉を渡してきた癖に、舌を伸ばして飴玉を舐め上げる。

 俺は意地悪してやろうと思い、舌の裏に飴玉を隠した。

 飴玉を探して、ルーミアの舌が動き回る。

 初めは舌の上。

 優しくつんつんと舌先が触れる。

 次は左右の歯茎。

 ねっとりと歯の裏まで舐め上げられる。

 最後に舌の裏で飴玉を探し当て、ルーミアは嬉しそうに俺の舌を吸った。

 互いの唾液と溶けた飴玉が混ざり合い、甘く脳髄が痺れる媚薬が完成する。

 俺はルーミアの身体を持ち上げ、膝の上に乗せる。

 ルーミアは対面座位がお気に入りらしく、雛鳥の様に何度も何度も、俺の唇を啄む。

 愛液と精液を垂れ流す秘裂を肉棒に擦り付け、いやらしく腰を振っておねだりを始めた。

 

 

「こらこら、攻撃手段を考えてくれるんじゃないのか?」

「ちゅっ、んっ、だってぇ、旦那様のこんなに素敵なおちんちんを前に、我慢なんて出来ないわよ、んっ、ちゅるっ」

「いやらしい嫁さんだな」

「ケイの所為よぉ、んちゅっ、私の身体を淫らに調教した責任、取ってね?」

 

 

 キスだけで洪水の様に愛液を漏らす。

 縁側の下、既に水溜まりが出来ていた。

 秘裂に亀頭を押し当て、ルーミアの子宮に狙いを定める。

 

 

「じゃあ『約束』だ、一回抱いたらちゃんと一緒に考えてる事」

「十七回」

「いや、ヤり過ぎたろ」

「十五回」

「ダメだ、そんなにやってたら諏訪子まで参戦してくるだろ」

「仕方無いわね……十回」

「何故に上から目線!?」

「うぅ、解ったわよぉ、一回で我慢する」

「よしよし、良い子だルーミア。……ご褒美に五回は中出ししてやる」

 

 

 なんだかんだで俺も甘かった。

 きゃぁん、と悦びの悲鳴を上げるルーミアの膣内に、俺は荒々しく肉棒を挿入した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。