Star Dust Space chapter3 作:深緑 風龍
とりあえず、どうかこの映像を見てください。どうやら星の勇者を阻む者の中には、このような者もいたようです。
それと、音楽を奏でる女神『
-ガルフォード城-
ガルッチside
レイン「ミシェールってのは偽名じゃ無かったって事か………。」
ミシェール「ええ、そしてそこの女体化した貴方。私ととは違う人外でしょ?」
うわ、完全に見破られてるじゃん。
ミシェール「やっぱりね、思った通りだわ。こうもまた、あの人の子孫に出会えたんだから………。」
レイン「あの人の子孫?誰だ其奴?」
ガルッチ「………僕のお爺ちゃんの事?」
ミシェール「ええ、そうよ。聖戦の頃も、あの人が参加していたのよ。」
ガルッチ「じ、爺さんが!?」
おいおい爺さん、一体何処まで行ってんだよ。
ミシェール「でもよかった、ちゃんと自分で名乗れて嬉しいわ。ずっと見ているだけだったから。3年前にレインに会ったときも、貴方のお城に逃げ込んだ時も、嬉しくてつい気が昂ぶってしまったわ。」
ガルッチ「………だが、何故爺さんのことを?」
ミシェール「貴方のお爺さん以外にも知ってるわ。私もまた、全王神の配下でもあるから、貴方が虚王魔神という事も、ディルーラー士のことも、貴方の恋焦がれた未来の事も、知っているわ。その証拠に、これよ。」
ガルッチ「そ、それって!」
ミシェール「『星の勇者を阻む者』の刻印。そう、元貴方達『星の勇者』の敵だった者なのよ。」
ミシェール「その前に、レイン。如何したの?」
レイン「いや、その白い羽。飛ぶときに便利そうだと思ってな。魔人には全員生えてんのか?」
ミシェール「いいえ。私達の翼は、本来漆黒よ。でも、貴方がくれた純白のドレス。似合うと言ってくれたでしょう?だから、白くしたの。『私』には、似合わない?」
レイン「んな事無いが………。」
ミシェール「有難う、貴方も相変わらず似合っているわよ。旅を始めた頃から、少しも変わらない、『黒一色の格好』。」
レイン「そういえば、お前が現れたのはその頃だったな。旅を始めて間もなく、妙な気配の長い髪の女が、気づけば傍に居た。しかも会話したこともあった。あの頃から、少なくとも十年の間、お前はチビの中にいたんだな……。」
ミシェール「いいえ、十六年よ。」
ガルッチ「待って、その前に何故敵だった者とか言い出したんだ?」
ミシェール「そうね、実は私………一度無の神に叛逆しようとしてたの。」
無の神を!?何で!?
ミシェール「私は気に入っちゃったの。今という存在と、これから生きる未来の行く末が気になって、私は『星の勇者を阻む者』でありながら、無の神を倒そうと思っていたの。私以外にも、『星の勇者を阻む者』にもかかわらず、無の神を倒すっていう志を持った人もいたわ。」
ガルッチ「んな馬鹿な…………。」
ミシェール「だけど、貴方の知っての通り敗北し、元の世界に戻ったときは、衰弱しきっていたわ。生き延びたいと一心で、自分の肉体を捨てて、人間の胎児に同化したの。その母胎が、シェルファの母親『エレノア王妃』。『別人格』、『生まれ変わり』、『もう一つの魂』。どう思ってくれても良いわ。でも、全王神からは『転生』してくれたの。このような私をね。生まれる前から、私はシェルファと一つだった。」
レイン「ジョウのような混血すら希少だってのに、人間と融合だとは………。しかも、異世界でも飛び立っているなんざ、信じられねえな………。」
ガルッチ「寧ろ、よくバレなかったな。無の神を裏切ったにも関わらず、下手すりゃ消されてただろ?」
ミシェール「まぁ、そうね。それは、全王神のお陰だもん。」
ヴァルハラ、お前結構無茶しまくってるな…………。
レイン「上手くいったのは、王妃の魔法の才能のお陰か?」
ミシェール「ええ、よく知ってるわね。」
レイン「魔法知識の乏しいこの国で、独学で城一つ覆う結界を、密かに築いてたんだ。大したもんだよ。」
ミシェール「その素質は娘にも受け継がれていたの。それを引き出したのは、ガルッチ。貴方よ。」
ガルッチ「え?僕が?」
ミシェール「何故だか知らないけど、無意識の内に、貴方のドッペルゲンガーが様々な魔法知識を教えてくれて、あの子は無意識ながらも、魔法を覚えていった。」
ドッペルゲンガーが、シェルファに教えるなんて、有り得るのか?いや、それだと未来と抱かれ、いつの間にかつけていたこのオパールの指輪の説明が出来なくなる。
ミシェール「でもこれは、あくまで私の記憶。今はシェルファのものでもある。レインの事を見る度に、あの子は
レイン「んな大袈裟な………。だがまあ、日記と合わせて色々と納得できた。チビの俺への懐き様は、幼少期からの夢による、英雄像の刷り込み、お前は直接その未来の助っ人の動向を確認しに来たわけか。」
ミシェール「それは違うわ!そんな打算じゃない………、何度夢の記憶を消しても、あの子は貴方の夢を見た。残酷な夢まで、ずっと見てきた。救国の英雄じゃなくても、構わない…………。シェルファもミシェールも、ただ貴方に、会いたかったの。貴方だから、惹かれたのよ。レイン。」
ガルッチ「ミシェール…………、君はそれ程、レインを─────」
『ぐにぃ。』
ガルッチ「ウェイ?(0w0 )」
レイン「人に喧嘩売っといて、可愛いこと言ってくれるじゃあねぇか。この口は。」
ガルッチ「お、おいレイン?」
レイン「ミランから聞いたぞ、おい。『人間じゃ私に相手にはならないわ』だったか?あ"?証明してもらおうじゃねえか、こら。」
ミシェール「いひゃいいひゃいいひゃいいひゃい、いひゃいからやふぇてくひゃだい~。」
ガルッチ「おいおいレイン、多分レインの事じゃあないと思うぞ?というか、可愛いなミシェール。」
ミシェール「もう、やっぱりそうやってかわすのね。あとガルッチ。声出てたよ。」
あ、心に秘めたかったのに………。
ミシェール「まっ、別に良いわ。いずれ私もまた消えちゃうけど、最後くらい、敵らしく、貴方達に挑むわ。『星の勇者を阻む者』として。」
レイン「神だろうが魔人だろうが、何でもいいぜ。ガキの頃から、俺の事を見てたから、解るだろ?」
ミシェール「強引なんだから………、ホントに。その情熱、別のところに使って欲しかったけど、いいわ。その我が儘、付き合ってあげる。改めて、名乗らせて貰うわ。
私は『ミシェール』。魔人にして、無の神に選ばれし『星の勇者を阻む者』なり。無の神の意志を持って、貴方達を消滅させる!」
空気が変わった………、だったらこっちも、本気で挑むか。
ガルッチ「行くぞ、魔人。我らの剣術の極地…………、恐れずしてかかってこい!!」
最初に動き出したのはレイン、その傾国の剣でミシェールを斬りつける。それを防ぐミシェール、だがそこで隙が見えた。
ガルッチ「貰った!」
ミシェール「ッ!」
ちっ、外した。どうやら瞬時にガードで防がれていたようだ。
ミシェール「『サンダー・シャウト』!」
ガルッチ「『クリムゾンシールド』!」
雷魔法か、だけどそれは既に習得済み!音楽と雷魔法の融合魔法発動!
ガルッチ「謳え、
曲が始まると同時に、ありとあらゆるところから稲妻が走り出し、ミシェールを襲いかかる。
ガルッチ「音色は軈て雷と化し、心を震わせる曲へと変わる!『
ミシェール「くぅぅぅ………!!」
レイン「弱ってるとこ悪いが、此奴を食らえ!」
レインによる攻撃は炸裂、それだけでなくミシェールに向かった雷に当たり、大きなダメージを与えていった。
ガルッチ「今度はこっちだ!『
僕の周りから楽器達が現れていき、強烈な炎の音色を放ち始めた。まるで地獄の生き物達が荒れ狂うかのように、ミシェールに襲いかかり、焼き尽くしていく。
しかし、今更だけど半裸のままって………。せめてサラシとかつけておくべきだったかも……。
ガルッチ「全てを焼き尽くし、その罪を浄化せん!『
曲もまた業火のように荒々しくもなるも、奏でる音色は神々しいほど美しく、ミシェールの心すらも狂わされてしまうほど、見取れそうになっていた。
ミシェール「と、止めないと…………。『
レイン「やらせるか!ガルッチ!お前の思うがままに、奏でて見せろ!」
リクエストは聞かせて貰った。ならば、こちらも全力で響かせて貰う。
未来、聞いてくれ………。これが、僕のメロディーだ!
ガルッチ「『
『セット、『エリザベート・バードリー』の宝具使用可能。』
ガルッチ「さぁ、これがラストナンバーだ!この音色を奏でるは、あらゆる存在にも魅了する唄。永遠と響きしこの歌声は、何者にも決して到達することなし。あまりの美しさに誰からも理解されず、認識すらされない。なれば、我らは永遠なるこの歌を響かせよう!」
そしてこの場所全域に、楽器達を召喚させていき、更には………。
ガルッチ「倍加!」
『HYPER Boost!』
全身全霊の溜めて、破軍歌姫と曲奏女神全てに行き渡らせた。
ガルッチ「さぁ、お前達の思い思いの歌を謳い、奏でろ!『
~~~~~~~~~~~~~~~~~♩♩♩♬♬♩♬♩♪♩♬♪♩♩!!!!!!
まるでこの世界、いや未来達がいる箱庭の世界にも反響していくかのように、音色が響いていた。
しかもその曲には、あの第零宇宙にまで届いてしまうほど、最早全次元の命も、世界も、その美しさに魅了され、全てが完全停止した。誰からも理解されず、認識されない所以だ。あまりの美しさと神々しさに、聴く事も、見る事も無い。一部は聴いたり見たりしているが、思考も停止しているので、この演奏を覚えている事は、絶対に出来ない。
ガルッチ「此で、フィニッシュだ!『
曲が終わると同時に、全てが急激に動き始め、空が割れ、そこから凄まじい程のレーザーが放たれていき、ミシェールに直撃した。
ミシェール「カフッ!…………これは、祖父すら超えた………力ね………。いえ、流石全王神の、息子だわ。降参、するわ………。」
レイン「…………おい。」
ミシェール「はい?」
ガルッチ「…………ミシェール、まさかお前、手加減したのか?」
よくよく考えれば、最後の一撃はミシェール自身でも避けれたにも関わらず、避けずに当たった。
ミシェール「手加減なんて、していないわ。」
レイン「嘘つけ!態々こんな閉鎖空間に連れて来たくせに、攻撃が温い!しかも、あのガルッチの最後の攻撃ぐらい避けれたはずだ!」
ミシェール「………仕方ないわ。レインもガルッチも、殺そうなんて、冗談でも思えないもの。ガルッチだって、気付いていたんでしょ?だから、僅かながら加減も入れた。はぁ、やっぱり気付いてたのね。異空間に転移させてたこと………。」
レイン「いや、ガルッチはどうも気付けなかったようだぜ。仮に気づいても、ミシェールを倒せばどうにかなるって考えだったし。」
ガルッチ「まぁ………、ね。というか、そろそろあの子の交代するよ。」
ミシェール「あの子?」
んじゃ、頼んだ。ラクト。
sideChange
ラクトside
ラクト「もう、少しぐらい戦わせてよね……。戦闘狂にも………って言われたら、きっと怒るでしょうね。」
レイン「でたな、女体化の元凶。」
ラクト「えへへ、それ程でも………。♡」
レイン「褒めてねえよ。」
それにしても、結構派手にやったわねぇ…………。やっぱり、この世界のガルッチって、相当規格外だったのね。
ラクト「貴方がミシェールね、お疲れ様。」
ミシェール「………違うガルッチ?」
ラクト「ええ、同じ名前だけど、呼称として、私はラクトにしたの。」
ミシェール「ラクト…………、幽閉とも言えるわね………。」
ラクト「昔の私は、まさしくそれよ。それでも、私は幸せだった。結婚しても、痛めつけられても、愛されてるって思えると、幸せだったかもしれないわね。」
レイン「痛めつけられてもって………、お前性癖あれかよ。」
ラクト「否定はしないわ。だって好きだから。」
レイン「………全く、ガルッチも厄介なやつに憑依されたもんだわ。」
ラクト「まぁでも、此で分かったわ。ミシェール、本当は最初から、無の神に忠誠心は無かったのね。」
ミシェール「………気付いてたのね。」
ラクト「だって、本当に忠誠心があるなら、きっと本気で殺しに行ってるんだもん。私から見たら、貴方の目は…………。『優しく誰からも愛する目』をしているんだもん。」
ミシェール「…………お見通しなんだね。」
ラクト「貴方だからこそよ、ミシェール。それに、消える前に、忠告もあるのでしょ?」
ミシェール「そうだったわね。レイン、この忠告だけは、消さずに残してあげるわ。」
レイン「?」
ミシェール「レイグルには、本当に気をつけて。彼は魔人の中でも特に強い力を持っている。実力主義の魔界でも、彼に太刀打ち出来るものは、ほぼいない。本音を言うと、戦わずにシェルファと一緒に、逃げて欲しいくらいよ。」
そこまで強いの?そのレイグルさんって。
レイン「俺は必ず、彼奴と決着をつける。それに、未来のレイグルだっているんだ。負けはしねえよ。あのチビが逃げるってんなら、止めはしないが………。」
ミシェール「シェルファがあなたを置いて、一人で逃げるわけ無いでしょ!?貴方に何かあったら、あの子は連日泣き続けて干からびるわよ!?」
レイン「…………それは、ちょっと困るな。大袈裟すぎる気がするが………。」
ラクト「大袈裟な訳ないわ。少なくとも、あのシェルファちゃん、貴方のこと大好きなんだし、置いていく事なんてしないわ。もし本当に何かあったら、あの子本当に気が狂う程自分を責めて、絶望に落ちながら大泣きするわよ?」
レイン「いや待て、流石にそれは言いすぎじゃねえか?」
ミシェール「言い過ぎなほど、心配なの。ラクトちゃんの言うとおりね。」
レイン「…………そうか。それぐらい、シェルファは………。ただ、ミシェール。お前の場合、俺に求愛されてるみたいだな。」
あらら、ミシェールちゃんショック受けちゃったよ。
ミシェール「みたいじゃなく、本当に求愛………あ。」
ラクト「もう、時間なのね。」
ミシェール「ええ………。此で私の意志は、完全にシェルファに溶けて、本当に一つになる。」
レイン「これから、彼奴はどうなるんだ?」
ミシェール「………解らない、けど此だけは分かるわ。あの子は『星の勇者』となって、覚醒するの。そして、レイン。貴方もまた、『星の勇者』になるわ………。その時は、ガルッチ達と共に行って。私との完全融合でますます強まるかもしれないし、逆に魔人としての力は、全て失うかもしれないわ。」
レイン「…………そうか。まぁどうでも良いが。」
ラクト&ガルッチ「ちょ!?(おい!?)」
ミシェール「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
レイン「ガルッチと同じように、何者だろうが関係ないって事だ。どうなろうが、俺が………いや俺達がどうにかしてやるよ。『約束』だ。」
ミシェール「……………………全てを忘れてしまっても?」
ラクト「私とガルッチが、それを忘れないわ。これを見ている、未来達もね。」
レイン「俺も忘れない、現に昔のことは忘れてた訳じゃ無い。昔の俺とは違う。」
もう、半分も消えてるわ。でも、それでも私は見るわ。最後の最後まで………。
ミシェール「ありがとう、此で私は、魔人ミシェールは全ての記憶から、全ての存在まで消え去る…………。シェルファの事、よろしくね。たまには………、こうして抱き止めて、名前を呼んであげて…………。」
──『ミシェール』って………。
『そんなこんなで、僕と『私』、レインが見た夢のような現実は終わったわ。
正直僕でも、信じられなかったよ。『星の勇者を阻む者』でも、無の神に歯向かう奴がいるだなんて、思わなかった。
だからこそ、『私』は思う。例え『星の勇者を阻む者』だとしても、中には無の神に従わず、『私達』と共に戦ってくれる人がいるって事を。
今はシェルファさんを慰めている。だから、合間を見て、『星の勇者』の目的を話すことにするよ。
ps,
半裸の事だけど、気にしないでよ?
気にしたら『私』、興奮しちゃうから。♡
おいラクト!余計なことを書くんじゃあない!!
でも断る、『私』だってこう言うの書きたいんだもん。♡
巫山戯るなァァァァァァァ!!!!あ、そうそう。僕が弾いた曲は如何だったかな?結構疲れたけど………、多分全王神の所まで響いたと思うな………。あの曲。
あ、そろそろ舞踏会が始まるので、それじゃ。
貴方の"エンジェル"&"ゴッテス" ガルッチ&ラクトより』
-to be continue⇨-