Fate/GO世界に英霊として召喚されたドリフ土方さんと桜セイバーこと沖田さんのお話、「鬼哭血風録」の続編になっております。沖田さんの一世一代の告白で、晴れてふたりは両想い?と思いきや、いつまで経っても手を出してくれない土方さんにモヤモヤする沖田さん。ぐだ子、キャス狐、清姫ら恋愛脳な隣人に知恵を借りて、奮闘してみた結果…という感じのコメディ成分多めのクロスオーバーカプ作品(R18)です。クロスオーバーカプが苦手な方は、どうか閲覧をお避け下さいませ。

R18はこちらでは投稿しないと言ったな、あれは嘘だ――というわけではありませんが、「鬼哭血風録」内の外伝にて「既にふたりが肉体関係にある」描写がさらっとされているので(Pixivに投稿した「動かねば闇にへだつや花と水」と「咲いて結ばず」との間に、実はこの話が挟まっているのです…)、こちらを読まれていない方に向けたものとしてかなり不親切だな、と感じまして…。当初こちらには投稿しないつもりでしたR18作品ではありますが、鬼哭血風録との繋がりを重視しまして、敢えてR18の中で当作品のみ、こちらにも掲載させていただきます。


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【※~注意書き~本文へ進まれる前に、必ずお読みください※】

この小説は以下の設定を含みます。この中に苦手な物が含まれている場合、このまま読まずにブラウザバックしてください!

・ドリフターズとFate/GO、版権同士のクロスオーバー二次創作で、かつ登場作品の違う男女キャラクター同士の恋愛ものです。
・カップリングは土方(ドリフ)×沖田(Fate)です。
・作中は史実の人ネタなんかも混じってるので、キャラ崩壊してる可能性が(汗)特に土方さん。若干ベッドヤクザで女性関係がアレだったのは若さ故の過ちだと思ってそっとしておいてあげてください。
・以前投稿しました「鬼哭血風録」の続編で、時系列は「動かねば闇にへだつや花と水」と「咲いて、結ばず」の中間です。当初R18はpixivのみとするつもりでしたが、この作品のみ上記作品との繋がりを考慮しまして(ふたりの肉体関係の描写が唐突すぎて、あまりに不親切かと思いましたので…)、敢えて掲載することに致しました。
・土方さんは廃棄物ではなく、Fate/GOの世界にクラス:アヴェンジャーの英霊として召喚されています。なんだかんだでカルデアに馴染んでしまった模様。
マスターは沖田さんと同じで、ぐだ子ちゃん(女主人公)です。
・玉藻の前、清姫、エリザベート、酒呑童子、ぐだ子ちゃんもちょろっとだけ登場します。
・恋愛話メインで、クロスオーバーな世界観をがっつり作りこんでいるわけではないので、設定に穴があっても細かい事はキニシナイ!という許容の心を持って下さると嬉しいです…。
・前半はバカエロコメディですが、後半はがっつりシリアスエロです。沖田さんの喘ぎや台詞にハートマーク使用してます。

以上のことが、大丈夫だよ、ばっちこい!と仰って頂ける方は、どうぞ次ページから本文にお進みくださいませ…!



初桜

冷酷無比な鬼の副長。

新撰組きっての策謀家。

命知らずの戦餓鬼。

 

幕末の世、京の都にその名を轟かせ、人々から死神の如く忌み恐れられた壬生狼――その土方歳三が、カルデアの廊下に立ち尽くしたまま、瞬きもせずに絶句していた。

 

「……えと、あの~……土方、さん?」

 

その間、実に十秒。不安げな声で名を呼ばれ、漸く意識が現実に引き戻される。ああ、と、土方は妙にぎこちなく、マイルームの中からこちらを見詰めている沖田総司へ相槌を返した。

 

土方が言葉を失ったのは、無理もない。妹弟子がその身に纏うのは、浅葱色のだんだら羽織でも、ハイカラな緋袴でもなく――絢爛雅な打掛姿。それも、花魁もかくやという派手な紅染めの色打掛である。前結びの俎板帯と言い、やたらと煽情的なものだった。

似合いか否かはこの際置いておくとして、場違いにも程がある。よく分からないこの状況を頭の中で整理する為にか、土方は顰め面でこめかみを押さえ、瞑目した。

 

「一瞬、部屋を違えたかと思ったが……そうではないらしい」

「あ、安心してくださいっ!ここはちゃんと、土方さんと沖田さんのふたりだけの愛のs…こほんっ、マイルームですよっ!」

 

重たげな袖を引き摺りながら、拳を握って力説する沖田。そういう子供染みた仕草をすると、着物に着られている感が余計に目立つ。目の前の光景に気を取られ過ぎて、今何か妙な事を口走ったろう、等と、冷やかな突っ込みを入れる気にもならない。

 

ふたりだけのマイルーム――そうなのである。一週間ほど前のことだったか、土方の元へやってきたマスターが、両手を合わせながらこう言った。

 

『ごめんっ、トシさん!この所一気に新しい仲間が増えて、お部屋の数が足りなくなっちゃったんだ!

 それで……悪いけど、沖田さんと相部屋にしてもらってもいいかな?屯所ではずっと一緒だったんだよね?あ、うん、大丈夫。沖田さんにはもう許可貰ってるから!』

 

いや待て。だからと言ってこの狭い生活空間で男女同衾はまずいだろう。というか、部屋ならまだ奥の方に余っていなかったか?そこまで困窮しているというなら、広間をコンサート会場やら相撲部屋やら居酒屋やら、よくわからん娯楽施設に改造している場合ではない気がするんだが。俺も大所帯になった屯所の拡張で散々苦労はしたが、もう少し別のやり方があるはずだ――。

 

などと、言いたいことは山ほどあったのだが。土方が眉間に皺を寄せている間に、人懐こいマスターは用件を一方的に告げて、笑顔のまま去って行った。取りつく島もない、とは正にこの事である。

何だかんだで沖田には甘い土方のこと、彼女に関する無茶振りなら渋々にでも呑んでくれると踏んでのことだろう――このマスター、既にして土方の扱いを心得ているらしい。もっとも、これほどキワモノ揃いの英霊達をたった一人でまとめ上げなければならないのだ。嫌でもコミュニケーションスキルが上がると言うものだろう。

 

そのマスターの“お願い”から半日と開けず、荷物を纏めた沖田が部屋におしかけてきた時点で、どうやら謀られたらしいと気付いたが――時すでに遅し。

かくして、色々と波乱を含みながらも、土方と沖田の同棲生活が始まったわけである。

 

「……取りあえず、そこは把握した。だが……総司。何事なのだ、その格好は」

「へっ?あの、うーんと……これは、ですね」

 

沖田の視線が、あからさまに宙を彷徨う。何かを隠しているであろうことは、誰の目から見ても明らかだった。

実際、口が裂けても言えるわけがない。目の前にいる男を“その気”にさせたくて、着飾ってみたなどとは。

 

 

※※※

 

 

――事の起こりは、昨夜に行われたカルデア女子会。

 

その日は、玉藻の前、エリザベート、清姫、酒呑童子といった恋愛脳拗らせ系女子に、未成年だというのにマスター権限を使って無理矢理乗りこんできた少女が沖田と共に加わって、飲めや歌えと大いに盛り上がっていた。宴たけなわと言った所で、グループの話題はお決まりの恋愛トークに発展する。おせっかいな彼女達の好奇心の矛先は、当然のように恋人が出来たばかりの沖田の方へと向けられた。

 

ぶっちゃけ、もうヤることヤッてるんですよね?とド直球に切りこんできた玉藻の前に、沖田は何とも情けない表情で黙り込んでしまった。

悲しいぐらい何もないんです、と涙交じりに告白すれば、周りが一斉に驚愕の声を上げる。

 

「はぁっ!?何それ…!?」

「ここまでお膳立てしたのに、まさか……」

「好いた女と一つ屋根の下で暮らしておきながら、いっぺんも手ぇだして来ぃひんなんて……」

「その殿方、本当にその…」

「ついてるんです?大事なものが」

 

他人の恋人に向かってあまりにも失礼な言い様ではあったが、沖田はそれを咎める気力すらないようだった。

 

「ついてます。というか……生きてた頃は、そりゃあもうとっかえひっかえ女性に手を出して大変でした。今は流石に落ち着いたみたいですけど、……逆に落ち着き過ぎ、と言いますか」

「……取りあえず、念入りに焼いておきましょうか」

「やめときなさい、クレイジーサイコ蛇女。それ人のオトコなんだから」

「そら難儀なことやねぇ。そやったらいっそのこと、酒に酔わすか寝込みでも襲って、既成事実作ってもうたらええやないの」

「寝ても酔っても高機能索敵センサー起動してるような人相手に、無茶言わないでくださいよ」

 

それらの手段は既に試し済み、そして悉く失敗したらしい。頭を抱えて嘆く沖田に、玉藻の前がぽん、と手を打った。

 

「わかりました。それならこのわたくし、百戦錬磨の床上手・良妻狐タマモちゃんが、悩める処女(おとめ)に門外不出の悩殺テクを授けて差し上げようではありませんか♪」

 

たゆんと揺れるご立派な胸を張って、自信満々に言って退ける自称・良妻狐に、その場にいる全員の視線が集まった。

 

「イケメンモテ男ってのは、基本的にプライドが高いんです。何もしなくてもあっちから寄ってくるのが普通ですから。そこで必要になってくるのがズバリ、特別性っ!頭と下半身に強烈なインパクトを植えつけて、コイツは他の女と違う、と思わせるんですっ!

――と言う事で。まずはさくっと、イメチェンなんていかがです?女の子が普段見せない特別な姿に、殿方は弱いもの。所謂、ギャップ萌え、っていうやつですね!」

「……なぁんだ。どんなスゴいのが飛び出してくるかと思ったら、意外とチープなアイディアでガッカリね!」

 

期待値が高かった分落差も大きかったのか、大袈裟なまでに肩を竦めて落胆を露わにするエリザベート。しかしその後、再考するように腕を組みながら、彼女はこんな言葉を付け加えた。

 

「……でも確かに、そういうトラディショナルなやり方ってアリかも。絶対汚したり破いたりしないって約束するなら、アタシのステージ衣装、一着ぐらい貸してあげないこともないけど……」

「およしなさいな。ちんちくりんのアバズレ衣装なんて、良識ある殿方でしたら萎えてしまわれますわ」

「いや、それより先に入らないと思うよ。沖田さん、胸大きいし」

「余計なお世話よ、アナタ達!ちっぱいには夢がいっぱい詰まってるって知らないの!?」

「ほんなら、着物でええんとちゃうん?」

 

はんなりと和やかに響く酒呑童子の声が、あわや修羅場になりかけていた場の空気を一変させた。大杯に注がれた大吟醸をちびり、ちびりとやりながら、彼女が続ける。

 

「日本人なら、それらしく。肌も髪も綺麗やさかい、京友禅の打掛でも着せたらほんに艶っぽく、化ける思うわぁ」

 

その一言に賛同するように、全員が頷いた。

 

「そうだね。ちょっぴりメイクもして、今までとは一味違うセクシーな沖田さんを演出しよう!」

「その上、憂いのある流し眼で誘惑なんてなさった日には、どんなお堅い殿方もイチコロ、ですわね」

「そうですっ、例えばこんな風に……『あ~れ~、およしになってくださいまし、トシ様♪』」

「『はっはっはーっ、良いではないか、良いではないか~♪』」

「いざ往かんッ、夜の函館戦争!」

「飲み込んで、俺の和泉守兼定…!」

「きゃーっ、破廉恥!なんて破廉恥なのーっ!」

 

――女三人寄れば姦しいと言うが、お酒でいい感じに出来あがった女達が集まればこの有り様である。悪ノリと下ネタが相乗効果を及ぼして、収拾がまるでつかない。

 

結局、あまりの羞恥プレイに耐えきれなくなった沖田が吐血して、強烈な血とアルコールの臭いに反応したナイチンゲール女史が銃を構えてその場に乱入し――その日の宴は強制的にお開きとなった。

 

※※※

 

そんなこんなで、舞台は再び現在へ。

仲間達から授かった有難い助言をもとに、沖田は早速、例の作戦を決行した。

着物と打掛、花簪は、酒呑童子の宝蔵からとっておきの品を貸して貰った。化粧は玉藻の前とエリザベートに手伝って貰い、女らしく慎ましやかな着物の作法は、清姫に教わってなんとか形になった――と、本人は思っている。

 

しかし、現実は非情である。普段の勇ましい剣客姿とは別人のように美しく洗練され、飾り立てられた妹弟子を前にしても、土方は相変わらず渋い顔で、何かを考え込んでいた。

 

「……にっ、似合いません、よね?やっぱり……」

 

急にしょんぼりと肩を落とす沖田。笑い、驚き、そして嘆く。万華鏡のように忙しなく表情を変えるこの生物を、どう扱ってやれば満足するのか――まるで幼い子供の面倒を見ているようだ、と、土方は思った。

 

――まぁ、いい。この娘は、昔からこう言う奴だ。

 

余計な思考をシンプルな一言に纏め上げると、土方は閉じていく自動扉を背に、堂々とした足取りで少女へと近づいていく。

 

「……そうだな。お前にその着物はそぐわん」

「うぐっ」

 

そんな、はっきり言わなくても――そう言いたげな顔で、沖田が真一文字に唇を引き結ぶ。少女のすぐ傍まで来れば、背筋の通った長身をゆっくりと屈ませた。拗ねる顔を間近で見れば、薄らと白粉を刷き、桜色の唇に淡い紅を差しているのが見て取れる。リスのように膨らませた頬へ大きな掌を当て、宥めるように一撫で。陶器めいて滑らかな感触に、土方はほんの微か、目を細めた。

 

白粉など乗せずとも、充分に美しい肌をしているだろうに。

 

「お前には、初咲きの桜の色が一番よく似合う」

「……え?」

 

故に――不要なものは、剥がしてやろう。

 

好いた女の決意を察してやれぬ程、野暮ではない。どうやら、年貢の納め時か――肉薄の唇が、微苦笑を漏らす。

呆けていた沖田の身体を、土方の腕が軽々と抱え上げた。

 

 

※※※

 

 

「あぅ、ちょっ、待っ……土方さん……!?」

 

腕の中から、上擦った声が上がる。土方は何も答えず、目を白黒させて狼狽える沖田を横抱きにしたまま、こぢんまりとした奥座敷へと向かっていった。真新しい畳の上、華奢な身体を下ろしてやれば、自分もまたその前で胡坐を掻くように座る。外套、上着、そしてスカーフに白手袋と、手際良く畳へ脱ぎ棄てながら、土方が釘を差した。

 

「珍妙な声で騒ぐな、馬鹿奴。人が来る」

「ふぇっ!?は、はい……――あっ」

 

緊張した面持ちで姿勢を正そうとする少女。その紅の袖から伸びる真っ白な手首を、男の手が強引に掴み寄せた。

幾重にも重ねられた布地に包まれてもなお柔らかいと感じる肢体が、崩れるようにして土方の胸板へと凭れかかる。どっしりと構えた居住まいでそれを支えてやりながら、土方は沖田の顎先を片手でくいと持ち上げた。

 

「土方さ、どうし……っ、……ん、ぅ」

 

驚きのあまり半開きになっていた、薄紅色の唇。それが土方に問い掛けてくるよりも早く、男のそれで塞ぎ、言葉を奪い去る。

前に与えたものと同じ、力尽くの接吻。以前のそれはただ唇を重ねるのみだったが、今回は違った。

舌を、捻じ込む。驚いたのか、反射的に閉じようとしていた唇を抉じ開けて――差し挿れた熱い粘膜で探るように、沖田の狭い口腔を舐ぶった。

 

「ひぅっ、……ふ、ぁあ…ッ……ひじ、かた、ひゃ……んン……っ」

 

沖田の手が厚い胸に縋り、仕立ての良いシャツへ大きな皺を作る。口吸いの合間、相手を責めるような声を出してはいても、抗う気があるようには見えなかった。

散々蹂躙を施した後、余韻を愉しむ間もなくあっさりと舌を引き抜く。互いの唇同士を繋ぐ唾液の糸が、距離を離すと共にふつりと途切れた。ぼんやりと夢心地になっている少女を見降ろして、土方は低く囁く。

 

「……酒を酌み交わして、などという面倒な手順は踏まん。――いいな、総司」

「え、…あの、それって、……ふわぁっ!?」

 

沖田の返答を待たずに、長い指先が帯の結び目に掛けられる。慌てふためく沖田を見て、土方が一度手を止め、ふん、と鼻を鳴らした。

 

「お前も、“そういう”つもりでいたのだろうが」

 

雪のように白い面が、瞬く間に赤く染まっていく。もはや白粉など役に立たない。動揺と羞恥を露わにして、沖田が今にも泣き出しそうな声を出す。

 

「―――~~ッ……!

そ、それは、そう、ですけど……って、そんなの女の口から言わせないでくださいよぉっ!」

「喚くな。萎える」

「なっ、萎え!?…………っ!!」

 

沖田の言い分をすっぱりと切り捨てるような、短い返答。抗議すら許さないとばかり、まだ濡れたままの可憐な桜花を再度、己の唇で塞ぎ止めた。

片腕で細い腰を抱いて、刷いた紅が剥げ落ちてしまうのも構わず、押し付ける。そこから零れる声も、吐息も、何もかもを略奪するような、荒々しい口づけ。そのくせ、当然の如き顔で滑り込ませた舌先は、先程よりも余程丁寧に口腔内を撫で回していた。

 

並びの良い歯列をなぞり、歯茎を擽り、目的のものを求めて這い進む熱。どうしていいか分からずに、奥で所在なさそうに縮こまっている沖田の舌を、長く太い男の舌が蛇のように絡め取った。濡れてざらついた粘膜が、震える舌へ執拗に擦りつけられる。そのたびにじわじわと背筋を這い上がってくる未知の感覚を、沖田は感じていた。

 

……もっと、ほしい。

 

そんな衝動に任せて、恐る恐る舌を動かしてみる。巧みに動く土方の舌を、今まで翻弄されるばかりだった小さな舌がぎこちなく撫で上げた。土方の瞳が、細まる。帯の上で止まっていた五指が漸く、慣れた手つきで結び目を解き始めた。

 

「っは……んむ、ぅ……っちゅ」

「……む、ぅ……っは。――好いか、“これ”が」

 

緩め、解かれた錦の帯が、幾重にも折り重なって畳の新緑を覆っていく。口吸いの最中、たどたどしくも懸命に舌を伸ばしてくる沖田の様子を見て、土方が問うた。

 

「……んんぅ……わからな、…ぃ、れす、……けどっ……」

 

こんな感覚、今まで知らなかったから。

 

じん、と甘く痺れるような快感が、霞のように全身を包んでいる。素肌が、内側から燻されるように火照り始めている。熱い。怖い。でも――。

 

「あたま、ぼぅっとして……きもちい、……んぁっ……」

 

蕩けた舌が、自分勝手に言葉を紡ぐ。艶掛かった甘やかな声。それが自分の喉から発声されたものであると、沖田はすぐに解らなかった。

間近にある土方の目が、一瞬、満足そうに笑った――ような、気がした。同時に身体へ巻き付いていた腰紐が、床の上に解け落ちる。そうして緩んだ襟合わせに、ごつごつとした掌が忍び込んできた。

びくり、と沖田の肩が跳ねる。口内から舌が抜かれ、唇が解放されると――今度は男の唇が、光る濡れ跡を残しながらゆっくりと首筋を這い降りていく。

と、その時。沖田の手が、ぐっ、と、土方の胸を押し返してきた。待って下さい。掠れた声がそう、懇願する。

 

「今更、怖気づいたか」

「いっ、いえ!そうじゃ、なくって――!」

 

気分を害した風でもなく、首筋から唇を離して尋ねる土方。沖田は慌てて横に首を振ると、恥ずかしげに目を伏せながらこう続けた。

 

「あの、わ、私そのっ、……初めて、ですので。閨事に、関しては……正直その、自信ない、と言いますかっ!

無知故に……不手際も多いかもしれません。でも、えっと、せいいっぱい、がんばりますから」

 

顔色を耳まで赤く染め上げて、土方の胸に添えた両手を、きゅっ、と握り込む。か細い声を絞り出す唇は、緊張気味に震えていた。

 

「なので、ぉ、……おし、えて、欲しい…です。土方さんに、手とり足とり…男女の褥の“いろは”を、一から仕込んでもらいたいです。

私を、土方さん好みの女に……してほしい、です。だからその、ご指南、くださいませんか…?」

 

おずおずと、伺うような上目遣いが土方を見上げる。その先で、確かに――整った唇が、笑みを形作っていた。シニカルな笑みを浮かべたまま、土方はもう一度、沖田の首筋に顔を埋める。今度こそ、何を言われても止めてやるつもりはなかった。

 

「――いつから、それほど男をその気にさせるのが上手くなった?」

 

抜けるように白い肌を、強く吸う。あっ、という短い息が、少女の唇から漏れた。新雪の上に花弁を散らしたような仄赤い痕跡が、そこに残る。

 

「いいだろう。……お前は、仕込み甲斐もありそうだからな」

 

それって、どういう意味ですか。

 

疑問をぶつけようとした矢先、今まで静止していた土方の掌が懐をまさぐり始める。絹で織られた白い襦袢の上から、節の張った五指が豊かな乳房に触れた。言葉になりきらなかった少女の吐息が、男の黒髪を微かに揺らす。

布越しにも伝わる、女の熱と、肉の柔らかさ。久しく忘れていた感触に、土方は思わず息を呑んだ。それが求めてやまなかった愛しい女のものであれば、尚更の事――昂る。

 

未通女であることに加えて、脆弱な身体である。優しく、じっくりと身体を拓いてやるつもりが、逸る心を抑えきれない。掌が性急に、襦袢を押し上げている美しい椀型を崩しに掛かる。指先へ力を込めて掴めば、乳房がとろけて、どこまでも沈んでいくように錯覚するほどだった。

 

「やっ…あ、ぁうっ…ん♥

はうっ……そんなに、つよく、したら……や、です……んあぁっ♥」

 

掌全体で押し揉み、捏ね上げる愛撫を数度繰り返せば、次第に乳輪が窄み、小さな頂が凝り勃ってくる。ぷっくりと膨れた蕾が指の間からはみ出して、薄い襦袢に浮き上がっていた。

幼な顔とは裏腹に熟れた肉体がくねって悶え、声には隠しきれない喜悦が滲み始める。嫌、と口にしながらも、物欲しげに見上げる潤み目に――刺激される、牡の嗜虐欲。

逃れられぬよう腰を強く抱き寄せながら襟元を開き、肩までを一気に肌蹴させた。たぷん、といやらしく弾みながらまろび出た双丘の片割れへ、改めて武骨な手を重ねる。

汗を纏い、吸い付くような柔肌の触感を直に味わいながら、土方は屹立した先端を浮かせた人差し指で責め始めた。揺らし、擦り、時には押し込んで。やがて、完全に芯を通した桜色の突起を指の間に挟み込んでは、軽く扱き上げてやる。

清楚だとばかり思っていた妹弟子は、余程淫乱な身体をしているらしい。啜り泣くような甲高い嬌声が、たちどころに部屋中へ響き渡った。

 

「ひぁっ、あー…ッ…♥そこ、だめです、だめぇ…ッ!

こんなのっ……あぁ♥わたし、おかしくっ、なっちゃい…ます…っ♥」

「なればいいだろう、幾らでも。……男女の交合いとは、そういうものだ」

 

白い喉首を反らして喘ぐ沖田。ふしだらな強請り声で、だめ、と繰り返す女を躾けるように、その首筋へと噛みついた。軽く歯を立て、己の存在を感じさせるための甘噛みを施しながら――指先が、きゅぅ、と、自己主張する乳頭を摘まみ上げ、優しく捻ってやった。悲鳴じみた甘啼きを合図に、乳房から手を離す。

 

――頃合いだろう。このままいつまでも、乳ばかり弄り回してやるわけにもいかない。

着物の前合わせを割りながら、するすると滑り下りていく掌。引き締まった腹筋を撫で、形の綺麗な臍穴をなぞり、こんもりと肉の盛り上がった、ふくよかな恥丘へ。案の定、本来在るべき下着はそこになかった。申し訳程度に生えた薄桜色の恥毛を擽って、指先が秘裂の上へと運ばれる。

 

「……ひゃぅんっ!♥

ま、待って、くださいっ……!いま、そこに触れられたら……私……っ!!」

 

初々しく閉じ合わさった肉の亀裂は、男の指を待ち侘びていたかのようにぐっしょりと蜜で濡れていた。ぬるついた淫汁を絡め取り、指腹で塗り込むように浅く、割れ目を上下に撫でてやる。

ひんっ、と言う高い声が、少女の唇から聞こえた。ヒクつく処女穴から溢れる粘汁と、強張った後にゆっくりと弛緩していく身体。ただそれだけで、沖田は軽く果てたようだった。

 

「触れただけで、もうこの様か。――自慰を我慢でもしていたのか?」

「―――~~ッ!!?」

 

虚脱した全身を土方へ預けていた少女が、ぎくりとして目を見開いた。

 

「ち、ちがっ……!そんな、わたしっ……」

「手淫など、したことがない、と?いつまでも子供のようだったお前でも、身体までそうではあるまい」

「ぁ、あうぅっ…それは、その…っ…♥」

 

沖田は分かりやすく視線を逸らして、紅潮した顔を俯ける。覚束ない返答は、隠れて己を慰めていたという事実を自ら告白しているようなものだった。

 

「……指か。それとも張り型か。どちらでも構わんが……ならば、入れても問題ないな」

「え……?……ひっ、ああぁんッ!!♥」

 

果てたばかりの牝穴、余韻の冷めやらぬその輪郭を丁寧に指でなぞる。そして言うが早いか、中指を肉の華に埋め込んだ。充分な愛蜜で潤みきった淫穴は太い指の第二関節までをあっさりと呑み――起伏に富んだ肉壁が、きゅぅきゅぅと波打ちながら侵入者を締めつけてくる。

 

「きついが、――多少は、こなれているらしい。これだけあっさりと指を咥えられれば、上等だ……好きモノめ」

「…うぅ…っ♥わ、わたしだって、ひっ、ぉ、大人っ、ですもんっ……♥

ふぁっ、すっ、好きな人が、こんなに近くに居れば、その、そういう気分になっちゃうことだって、あります……っ……はぁぁんっ♥」

 

涙声で反論する沖田に、土方は無言だった。その代わり、秘所を愛でる指戯に殊更の熱が籠る。

育った淫芽を恥皮の上から、親指の腹で念入りに揉んでやりながら――土方は指の抽送を開始した。今は無用な痛みを与えてしまわないように、慎重に、ゆっくりと。

ぐぢゅ、ぐぢゅ――耳孔に粘りつくような淫音が、充血した牡丹色の粘膜から出入りするのに合わせ、泡立つ媚汁と共に溢れ散った。乳椀を揺らして腰を捩る沖田を片腕の力のみで縛りつけながら、肉壺の中でくねる指が一際感度の高い女の弱点を探り当てる。指先を押し付け、二度、三度と擦り上げれば、壷口が悦ぶように指の根を締めつけてきた。その頃には抵抗を示していた膣道も解れて、襞に覆われた粘膜が指先を奥へ、奥へと誘うようにむしゃぶりついてくる。

そして同時に、少女の中に降り積もる快感が、絶頂に向かい膨れ上がっていった。気持ち良い――その他には何も考えられず、沖田はただ己を引き止める縁を求めるように、土方のシャツを夢中で握り締めていた。

 

「ひあぁっ!♥あは、ぁぁんっ♥うぁ、…あ! ♥

はぁっ、は…っ♥もう、もうだめっ、…ひじかたさ…っ…♥

きもちいの、くるっ、きちゃう…っ…!!♥んぁっ、あはあああぁぁ――~~っ!!♥」

 

汗を散らして弓のように撓る、女の美躯。熱い潮が飛沫を立て、上の小穴から爆ぜるように噴き上がった。

眦を垂らし往き果てる愛しい妹弟子の媚態を、劣情の炎を抱いた灰色の瞳に収めながら。土方は食い千切らんばかりに締まる膣穴から静かに指を引き抜き、肌をふやけさせるほど絡み付いた淫蜜と潮を、己の舌で綺麗に舐め取った。

 

「はぁっ…はぁ、はぁぁーっ…♥ あ、あぁ…ッ…♥わ…私、…いま、もっ…漏ら…っ…!?」

「ただの淫水だ。気にするな」

 

崩れかかっていた沖田の身体を両手で抱き直してやりながら、土方が答える。絶頂と共に小水を漏らしてしまったと勘違いして、羞恥に悶える少女。そんな彼女を宥めるように背を撫でてから、揺れる乳房の麓へ、そっと唇を触れさせた。

 

「――総司」

「はい……」

「……俺で良いのだな、本当に」

 

改まった問いに意外そうな顔をした後、沖田はどこか照れ臭そうに笑って――最後に、こくん、と小さく頷いた。

 

「……覚悟は、できてます。

私を、沖田総司を――あなたのモノに、してください」

 

恥ずかしげに、伏せた睫毛。けれどもその奥で揺れる琥珀色は、逃げることなく男の目を見詰めていた。

 

「お慕いしております。……土方さん」

 

土方は、もはや何も言わなかった。どんな言葉も、口にするだけ野暮になるというもの。その代わりに、細い腰を支え抱く手に力が籠る。

片手のみを離し、下穿きのベルトを解き始める。カチャカチャと鳴る金具が厭わしく感じるほど、気が急いていた。分厚い布地の奥に押し込められて、窮屈そうに蹲っていたものを解放すれば、弾み出るようにしてそそり勃つ肉竿。刀身のようにすらりと長く太い逸物は、血管を浮き立たせ、若々しく漲っていた。

それを見て土方は密かに苦笑する。これほどまでに昂ったのは、女遊びを覚えたてだった若造の頃以来だ。

 

それに対して、初めて目にするいきり立った牡の象徴に、沖田は僅かに身体を強張らせていた。赤黒く張った亀頭や竿は、生娘からすればグロテスクなことこの上ないだろう。ましてや、それを己の中に受け入れようというのだ。恐れを抱くのも無理はない。

 

「力を抜いていろ、総司」

 

大丈夫だ、とばかり、土方が抱き寄せた沖田の太腿を優しく撫でる。そのまま足を拡げさせ、己の股座の上に跨らせた。天を向いた肉の切っ先が、沖田の牝穴に照準を定める。座して抱き合ったまま結合する体位を選んだのは、できるだけ楽に挿入を済ませてやりたかったからだ。

はい、と微かな声で、沖田が答える。深呼吸するように息を吐けば、硬くなった少女の身体が僅かながらに綻ぶ。互いの身体を密着させながら、土方は桜色の髪から覗く小さな耳に唇を寄せた。

 

そのまま――掴んでいた沖田の腰を、ゆっくりと落としていく。

亀頭の先と膣口とが接吻するように触れ合えば、くちゅり、と濡れた音がした。んぁ、と声を洩らし、少女の身体が再び引き攣る。愛液が滴るほど濡れた媚肉は、怖がりな持ち主とは裏腹にヒクヒクと淫らに蠢いて、一刻も早く男を咥え込もうとしていた。

 

「……一息で行くぞ」

「ふっ……ぁ、ん…ッ…―――はぅッ!」

 

ずぷん。

土方の腕が沖田の腰を引き下ろせば、剛直がめり込むようにして花肉を割り、一気に女の中を刺し貫く。狭隘な路を無理矢理押し拡げながら進んだ肉の楔は、処女膜を食い千切り、最奥――子袋の口を少しばかり押し上げたところで、動きを止めた。

 

「いっ、……づ……ぅ……っ」

 

薄らと血が滲むほど唇を噛んででも、痛い、と口にしないのは、気丈さ故か――或いは、相手を萎えさせないように、という配慮故か。妹弟子の健気な姿を前にして、土方の手は自然と、汗で湿った沖田の髪を労うように撫で梳いていた。

どく、どく、と、太いものが雄々しく脈打つ様子が、膣道を通して沖田の全身へと伝わってくる。愛しい男と、ひとつに繋がっている――そう考えただけで子宮が切なく疼き、肉壁が男の竿をきつく、抱き締めた。

 

「……大丈夫か」

「は、――はい…、へいき、です。このくらい、刀で斬られる痛みと比べたら、何ともありませんよ…」

 

ぎこちない笑顔を作って、沖田が返す。強がりを言っているのは、一目瞭然。だが――だからと言って、ここで退くわけにもいかない。退けば己だけではない、内から肉を裂かれる激痛に必死で耐えた沖田にも、恥をかかせることになる。

 

だから。

 

「……動くぞ。このままでは、いつまで経っても辛いままだ」

 

否。それはただの建前にしか過ぎないだろう。辛いままなのは、土方も同じことだ。女の身体に飢えきっていた肉筒は、もはや暴走寸前だった。

慎重に、腰を引く。雁傘の段差で柔襞を掻きながら、じわじわと抜け出ていく肉の茎。同時に、操を捧げた証である深紅の筋が、透明な愛蜜と混じりながら幹を伝い落ちてきた。

眉間に皺を刻んで、破瓜の痛みを堪える沖田。彼女の握り込んだ爪は土方の肌にまで届き、痕が付くほど食い込んでしまっていたが――それを咎める気になど、なれなかった。

痛みなら、共に分かち合えば良い。心中密かにそう想いながら、ゆっくりと腰を動かした。

 

引いて、引いて、――貫く。少女の腰の位置を調整しながら行われる緩慢な抽送が、何度繰り返されただろう。痛苦に耐えているようだった沖田の喘ぎが、気付けば恍惚の溜め息へと変わっていた。

 

「んあ、…っは……あん♥あぁっ……ひじ、かた、さぁ…んっ♥

奥っ……じんじん、します……っ♥ひじかたさんの…が、奥にっ、当たるたび……せつなくって……はぁんっ♥」

「―――っく……締め、すぎだ。少し緩めろ……ッ!」

 

激しくなる肉穴の締めつけに、土方は端正な眉を顰めた。この期に及んで尚もむっつりと閉ざされていた唇から、初めて艶掛かった声が洩れる。

思わず掌が、肉付きの良い尻朶を鷲掴んでいた。土方の形に馴染み始めた粘膜は、緩むどころかぎちぎちと、肉樹を根元から搾り上げるように食い締めてくる。

 

(何なのだ、これは)

 

熟練の娼妓を含め、抱いた女は数知れない。だというのに、かつて味わった事のない快楽の奔流が、性の手練である筈の土方を追い詰めていく。

まだ男を受け入れて間もない処女肉がうねり、波打ち、男の逸物を揉みしだいて抱擁する。その上、ざらついた細やかな粘膜の突起が濡れた“びろうど”のように亀頭に絡んで、筆舌に尽くし難い快感を与えた。

それに加えて――己の槍に突き上げられながら啼く愛い女の、しどけない艶姿。幼げな顔立ちを淫靡に歪めて、教えもせぬうちに自ら尻を揺すって快楽を貪る。その様の、なんとそそる事だろう。

 

もはや、そう長くは持ちそうになかった。込み上げる吐精欲求。自制の無さを振り切るように、――むしろ、本能に任せようと言うのか。土方は沖田の身体を抱えたまま、畳の上へと押し倒していた。

 

「総司……ッ!!」

「あっ…ぅ、あはあぁぁっ♥ひじかたさんっ……ふっ、ぁ、深、…い…ッ♥」

 

足袋を履いた細い足首を掴み、持ち上げながら覆い被さる。ぐぢゅん、と、深度を増した結合部から、濁り始めた牝汁と桃色に薄められた処女血が溢れてきた。

 

「総司っ、総司…ィ…ッ!……往け、果てろ、種を呑め!お前は、俺のっ……ものだろう…!」

 

上から叩きつけるように、男が腰を送り込む。翻弄される白い裸身が乱れた着物の上で何度も跳ねて、打ち合う肉と肉から、ぱん、ぱん、という派手な音が鳴らされた。

牝の本能に従って、子種を求めて垂れ下がってきた子宮の口が、土方の先端を咥え込む。小さな口で鈴口を吸い上げられるような感覚に、土方は奥歯を食い縛り、低く呻いた。

 

「ひじ、かたさ…ぁんっ♥ふぁっ、ひ…ぃ♥

くっ、くだ、……さいっ♥私にひじかたさんのお種……のませて、くださいっ♥いっぱい、そそいで……あふれるくらい、私のっ、おく、にぃっ……♥」

「ああ。いいだろう……これからはすべて、お前にくれてやる……っ!」

 

お前以外、誰も要らない。

 

全身を使って沖田の身体を抑えつけながら、唇を重ねた。勢いに任せ、子袋の口と密着させた亀頭を、ぐり、と強く押し込む。

途端、汲み上げられた灼熱の塊が尿道へ奔り、熱が――爆ぜた。沖田もまた、土方とほぼ同時に達したらしい。身体が大きく反って、天井に向かい放り出されていた両脚がビクンと跳ねる。肉杭に纏わりついていた柔い襞壁が、きゅぅぅーっ、と窄まり、一際激しい搾精の収縮を始めていた。

どくんっ、どくんっ。大きく膨れ上がった幹が粘膜の内側で跳ね打つその度に、粘りつくような濃い白濁が吐き出され、口づけを交わした子宮口から直接、沖田の胎の中へ注がれていく。初々しい桃色の粘膜を真っ白に染め上げても尚射精欲求は収まらず、土方は闇色の瞳を獣のようにぎらつかせながら、欲望のままに幾度となく腰を押し付けた。沖田もまた半ば気を遣りながら、無意識のうちに土方の腰へ脚を巻きつけ、引き寄せる。結合部から、ごぼり、と破瓜血混じりの濁汁が溢れて、白い襦袢の上に蟠った。

 

「くは、っ……総、……司……」

「ふぁ……あっ、……ひじかた、さん……♥」

 

今まで溜め込んでいたものを総て搾り出すような吐精も、やがて、穏やかな終息に向かっていく。脱力した土方が、絶頂快楽によって放心状態にある沖田へと倒れ込んできた。下半身を繋げたまま、汗で湿った熱い身体を互いにゆっくりと擦り合わせる。達してより敏感になった女の肌が、乱れたシャツの下で微かに震えていた。

 

「ふふ、私のなかに……土方さんがいるのを、感じます……♥」

「……当たり前だ。繋がったままだからな」

 

色気のない答えを返してやれば、沖田が汗や唾液で汚れてしまった顔をくしゃくしゃにして笑った。土方は指先で彼女の額に浮いた汗の玉を拭い、乱れた髪を優しく退けてやる。

顔だけでもこれなのだ。股の方は、更に酷い有り様になっている事だろう。早々に処理してやらねば――そう思ってはいたものの、このまま楔を抜いてしまう気分にはなれなかった。このまま今少しだけ、愛しい女の温もりを味わっていたい。

沖田の腰を抱き寄せて、土方はごろりと横に転がった。その拍子に挿れたままの逸物で膣壁が擦れたのか、沖田は、あぁ、と甘く喉を鳴らす。

 

「土方さん。……さっきの、あれ……本気ですか?」

「……何だ」

「“これからは全て、お前にくれてやる”……って。私、とっても嬉しかったんですよ?」

「……幾ら情交の最中だとて、伊達や酔狂でそんな言葉を口にするほど、お前を軽んじてなどいない」

 

土方はそう言うと視線を外し、むっつりと黙ってしまった。その様子がまるで照れ屋な子供のように思えて、沖田は可笑しそうに肩を揺らす。

 

「いつの日か、我々人斬りが不要となる太平の世が訪れたなら。私……土方さんの子供、産みたいです」

「……馬鹿奴。英霊が、子など産める筈もないだろうに」

「それが、そうでもないんですよ?我々には、とっておきの秘策がありますから」

 

冗談か、或いは本気なのか。沖田は屈託のない笑顔を浮かべて、土方の胸に擦りついてきた。つい先刻まで艶やかに乱れていた女が、まるで夢か幻のようだ。土方は無言のまま、仔犬のように甘えてくる妹弟子の――否、真の意味で己のものとなった恋人の頭を、掌で抱き寄せてやった。

身体の下で衣擦れの音を立てる、汚れて皺苦茶になってしまった京友禅。持ち主にどう謝ろうか、などと考えながらも、沖田の表情は幸せいっぱいに緩んでいた。

 

(最初は、どうなることかと思いましたけど――沖田さん、大勝利!みたいです♥)

 

 

【初桜・完】

 




ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。そしてお疲れさまでした!

えっちな話にしてはちょっと長過ぎたかな、と思いつつ投稿した作品でしたが、ぐだ子ちゃんや他の面々と沖田さん、そして土方さんとのやり取りがちょっとでも構築することができたので、書いていて非常に楽しかったと記憶しています。
当初、こちらでは制限はなるべく設けずより多くの方に作品を楽しんでいただきたくて、全年齢対象作品のみの掲載とするつもりでいたのですが、R18の中でもこの作品は前作、「鬼哭血風録」との関連が強く、これを挟まず外伝「咲いて、結ばず」を投稿したことで読者様をおいてけぼりにしているような気がしてしまい…そこで悩んだ末、こちらの作品のみ特例として別掲載することに致しました。

クロスオーバーカプもの、しかもR18作品ですので、中には嫌悪感を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、この後書きまで読んで下さっているそこのあなたはきっと、前書きを読んで了承してお付き合い下さったものと信じて…!本当に、感謝しきりです。

突発的な投稿になりましたが、こうして見に来て下さった皆様がこれからも土方(ドリフ)×沖田(Fate)作品を楽しんでいただけることを、心より願っております。
それでは、また次の作品でお会いしましょう!お付き合いくださって、有難うございました!

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